先日の記事に引き続き、「に」と「と」の違いです。
 
■社長になりました。
 
■社長となりました。
 
「に」を使うのがいいのか。それとも「と」を使うのがいいのか。
 
どちらでもいいような気がしますが、実際には、微妙にニュアンスが異なります。
 
「に」には、自然の流れでその結末にたどり着いた、というニュアンスがあります。
 
一方、「と」には、紆余曲折を経て、その結末にたどり着いた、というニュアンスがあります。
 
「に」よりも「と」のほうが、より結末が強調される——とでも言えばいいでしょうか。
 
ほかの例で見てみましょう。
 
■雨になりました。
 
■雨となりました。
 
どちらでも意味は通じます。

「雨になった」のが、自然の流れであれば、「に」を使うのがいいでしょう。

一方、「雨になった」ことに意外性があるような場合、あるいは、「雨になった」という結末を強調したい場合は、「と」がふさわしいかもしれません。
 
単純に、「に」は口語的で柔かい、「と」は文語的で硬い、そんな印象を持つ人もいるでしょう。
 
シチュエーションに応じて、「に」と「と」をスマートに使い分けましょう。



※文章の書き方の基本は拙著『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』で身につけてください。
伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則/明日香出版社

¥1,512
Amazon.co.jp


【山口拓朗の講演・セミナー情報】
講演・セミナーの日程


【人気記事】
なぜ、あなたの文章は分かりにくいのか?