楽しんでいる
テーマ:日常クラッキで、ブラジル対北朝鮮の試合を見てきた。
店内は赤シャツの人で真っ赤だった。
どうやら近くの立川朝鮮高校つながりで、わんさか人が集まったらしい。
サッカーの世界地図の中で、北朝鮮は長らく消えていた。
今回、66年のイングランド大会以来の出場ということは、ほとんどの人にとって初めてのワールドカップだ。
よって、盛り上がり方が尋常ではない。
「地球の裏側で、あのブラジルとやるなんて」
「まったく夢みたいだ」
「俺はすでに感動している」
「俺もだ。もうたまらん」
「兄さん、がんばれ」
皆、口々に言い合い、ときどき僕には分からないハングルがまじる。
国歌斉唱のとき、チョン・テセの感極まった顔。
「おい、これから始まるんだぞ。泣くなテセ!」と誰かが叫び、爆笑。
そして、さりげない動作で目尻をぬぐう。
北朝鮮は闘った。
前半、ブラジルに押し込まれながら水際で食い止め、どうにか無失点で折り返す。
店内はやんややんやの大騒ぎだ。
ハーフタイム、僕以外の20人弱が円陣を組むべく中央に集まる。
そこで、ひとりの坊主頭がこっちを振り向き、言った。
「入ります?」
たぶん、思いやりのお誘い。よっしゃと肩を組んだ。
午前四時半。白みかけた空の下、ここにはフットボールがあるだけだ。
後半、ブラジルはさらに攻勢を強める。
ルイス・ファビアーノのシュート。身体を投げ出してブロック。
さっきの坊主頭がいちいち振り返る。
「これが北朝鮮すよ!」
「うん、いいね」
北朝鮮のGK、ナイスセーブ。
「見ましたかッ。俺たちをなめンなっつうの」
「わかったよ。試合を見ろ、試合を」
ところが、マイコンにニアをぶち抜かれ、エラーノに裏を突かれ、立て続けに失点。
力の差をまざまざと見せつけられ、途端にシュンとなった。
北朝鮮に余力は乏しく、きっとこのままだろうなと思ったが、さにあらず。
終了間際、チ・ユンナムの一撃が決まり、拍手喝采の大噴火だ。
敗れたとはいえ、1-2の結果は悪くない。
そろって充実の顔で帰っていった。
さて、ワールドカップ南アフリカ大会は5日目が終了。
日本はカメルーンを破り、最高のスタートを切った。
岡田監督、会心のゲームだったろう。
おもしろいことになってきた。







