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2016-12-31 15:36:34

男と女 その三十三

テーマ:男と女

大晦日だ。刻一刻と年が暮れようとしている。

 

先だって、男と女の週末の楽しみだった、NHK大河ドラマ『真田丸』が最終回を迎えた。

女は長野県上田市の生まれだ。

しかし、郷土のヒーローである真田幸村について、ほとんど知らなかった。知ろうとしてこなかった。

一方、男は映画や小説、漫画、ゲームなどを通じ、戦国時代に触れてきた。

標準的な男子というものを定義するなら、ごく当たり前に歩む道と言っていい。

男の知ることはせいぜい人並み程度とはいえ、基礎知識の厚みが女と違った。

 

床に就き、何をいまさら幸村に興味津々の女に、男は血なまぐさい寝物語を聞かせた。

知識を総動員し、創意工夫を凝らして話していたのだが、そのうち退屈を覚えるようになる。

そこらの小学生が知っているようなことでさえ、「そうなんだあ」と女は目を輝かせた。

その素直さは好ましかったが、どうも歯ごたえを欠く。

会話がラリーにならず、一方的にボールを打ち込む状況が男には面白くなかった。

どれ、ひとつ試してやろうか。いたずら心が頭をもたげた。

 

「日本で初めてスキーを競技として確立したのは豊臣なんだよ」

「へえ。竹でやったのかな」

「そう、竹を使った。京都には竹林がくさるほどある」

「だよね」

女は感心しきりだ。男を尊敬のまなざしで見つめている。
 

「豊臣は、年に一度、スキー大会を開催したんだ。秀頼杯」

「賞品は小判? いや、米俵かな」
「米俵という説もあるが、塩と砂糖だったらしい。昔の人には貴重品だから」

「盛り上がっただろうね」

「徳川の狙いはそこだった」

「まさか」
「スキー大会の日に大軍勢で攻め込んだ。これが慶長19年、大阪冬の陣だ」

 

女は言葉を失っている。そして、言った。

「汚すぎるよ、家康」

男は別の意味で言葉を失った。

 

女は闇のなかで、妖しく目を光らせている。

男は信じられない思いで話を続けた。

「慶長20年、大阪夏の陣。決戦の火ぶたが切られたその日は、夏祭りの真っ最中」

「今度はそこか」

「3日間、昼夜を通して行われる盆踊り大会のクライマックスを狙い打ちされた」

「ったく、豊臣も警戒しろよ」

「徳川は巧妙な手を使ったんだ。仲直りの証として贈った、盆踊りのやぐらのなかに兵を仕込んだ」

「そんな!」

「トロイの木馬みたいなものだな」

「家康め、断じて許さん。卑怯にもほどがある」


毛布の端っこを握り締め、キーッとなっている女。

男は笑いをかみ殺すのに必死だったが、徐々に心配になってきた。

おしゃべりの女は、他人にこれを話すのではないか。

過去、冗談が冗談で終わらず、惨事を招いたことが何度かあり、男はこの場でナシにしておいたほうが得策だと判断する。

 

「すまん。おれは、うそを吐いた」

「やっぱり!」

「何がやっぱりだ」

「どこからうそ? スキーは? 盆踊りも?」

 

一切合切、めんどくさくなった男は、女に背を向ける。

だが、わが家に巻き起こった空前の戦国ブームは使えると思った。

ただでさえ、近頃の女はスタジアムから足が遠のき、今年はヴェルディの成績がひどく芳しくなかったせいもあって、サッカーについて語り合うことがない。

ふたりの暮らしにおいて、共通の話題は大事だ。

 

「加藤清正を思わせる選手が出てきたよ」

「勇猛果敢。半蔵にブスッとやられた清正ね」

「鹿島の鈴木優磨。あれはぶっ飛んでいる。最高だ」

「清正は別に」

「ロティーナは、真田昌幸だったりして。守りを固め、知略を尽くして勝機を見出す」

「シブいわ」

「来年が楽しみだ。寝ろ」

 

そうして、男と女の2016年は幕を閉じる。

大過なく過ごせたことに感謝しつつ、ゆるゆると眠りに落ちていった。

 

 

 

 

 

 

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2016-09-08 00:39:16

坂本龍馬、再び

テーマ:日常
東京ヴェルディが天皇杯2回戦を突破し、3回戦の高知遠征が決まった翌日、ケータイに着信アリ。
ディスプレイには「坂本龍馬」。
おお、龍馬さん。
財団法人高知県観光コンベンション協会の人で、2013年1月、いろいろと地獄の高知キャンプでお世話になった。

坂本龍馬さん

ブログでクイズ大会をやって、優勝者にはお土産5000円分と龍馬さんの直筆サイン色紙が贈られた。
この色紙、いまとなっては呪いの言葉としか思えなくなっている。

「天皇杯を高知で開催したいという、サッカー協会への働きかけがついに実りまして。マリノスはこっちで1週間、ミニキャンプを張ってくれる予定になっています」
龍馬さんは喜々として語った。

うすうす感じてたよ。やはりあんたの仕業かと言いかけたが、うれしそうにしている龍馬さんに、めったなことは言えない。
こっちサイドでは、せっかくのクラシコなのに四国かよ、テレビの中継もナシか、過密日程が、旅費の工面が(このへんは僕)と皆ブーブー言っているが、あちらにはあちらの事情がある。

「子どもたちにトップレベルのサッカーを見せたい。高知のサッカー熱を高めたいんです」と、以前龍馬さんは熱っぽく話していた。
そのとき僕は、いいっすね、陰ながら応援しますよとお気楽に応じていたのだが、まさか回りまわって天皇杯で高知に引っ張られることになるとは。

土佐の地で、親から坂本龍馬と名付けられた人の、生きる上での負荷は想像もつかない。
翼と命名されたサッカー少年の受けるプレッシャーに近いものがあろう。
ゆえに並大抵の気丈夫ではなく、屈託のない笑顔の奥に芯の強さを感じさせる人だ。
とりあえず、伝統の横浜F・マリノス vs 東京ヴェルディのカードを実現させ、龍馬さんは引きの強さを見せた。
こうなったら試合内容でも、「ナイスゲーム。苦労した甲斐がありましたよ」と言わせたい。

●掲載情報 ※Facebookからの転載。
『フットボール批評』issue12(カンゼン) 7月6日発売
「レノファ山口 攻撃サッカーという名の冒険」を寄稿。
昇格してきたばかりで、あのサッカーは異質だよ。
『フットボール批評』は今号からページ増量(価格も上がった)。
後ろのほうの紙質がいいねえ。昔の雑誌みたいな、ざわつきが感じられて。

『フットボール批評』issue13(カンゼン) 9月6日発売
『【百年構想の光と闇】バンディオンセ加古川 Jリーグを目指す夢のあとさき』を寄稿。
今回の取材はカメラも自分でやってさ。技術がつたないものだから、とりあえず数だけは用意しようと、あちこち歩いて撮りまくった。
で、担当編集の鈴木さんには、たぶん使ってくれないだろうけど、おれこういうの好きなんだよ、原稿のテイストにも合うんじゃないかなと思ったのを含め、どさっと送った。
したら、ダメもとで送った一枚が扉の写真ですよ。
おおーっと思ったね。
気が合ってうれしい。

プロ入り直前で血栓症の診断受けた山本脩斗。「まさにお先真っ暗」。苦難経て抱いた感謝の念【The Turning Point】(フットボールチャンネル)
新しく始まったシリーズ企画。インタビュー(前・後編)+付録コラム、全3回の構成を予定しています。毎月、ひとりの選手に会うペースで進めたいですね。

※以下、『スタンド・バイ・グリーン』
【この人を見よ!】vol.9 完璧よりも前進~MF14 澤井直人~(2016/07/06)
澤井直人が活躍すると、チームの人がみんなうれしそうにしているんですね。
ふだんの積み重ねが報われてよかったな、というふうに。
こういうのもスポーツ選手の資質の一部なんだなと。

【マッチレポート】J2-22[H] ファジアーノ岡山戦『半呼吸の真髄』(2016/07/11)
ちょっとちょっと、二川孝広、やっぱり半端じゃないよ。
あんなプレーを見せてくれる選手を大事にしまっておくなんて、世界にとって損失以外の何ものでもない。

【無料記事】【監督・選手コメント】二川孝広の『おもろいやないけ』一言目(2016/07/12)
二川孝広の素朴で飾らない言葉は味わい深く。
「おもろいやないけ」のイントネーションは、ミナミあたりを闊歩するあんちゃんが眉根を寄せて言うイメージです。

【フットボール・ブレス・ユー】第9回 たぎる炎を胸に ~鈴鹿アンリミテッドFC 渋谷亮~(2016/07/13)
対戦相手のホームだったけど、思ったより東海社会人リーグが盛り上がっててびっくりした。
雰囲気がいいんだよ。お祭りみたいで。
渋谷亮はどこでも全力プレー。一生懸命の基準が高い。
その先に行きたいね。

【この人を見よ!】vol.10 これが田村だ ~DF23 田村直也~(2016/07/27)
これからハードな夏場の戦い。タフガイ、田村直也を頼りにする場面は増えそう。

【お知らせ】8月の更新予定(2016/07/29)
アウェーの監督会見の作法みたいなものってあるんですかね。
いまだに手探りですよ。

【無料記事】【フットボール・ブレス・ユー】第10回 潜熱
前々から言っていることですが、僕はトップの監督経験を育成組織にフィードバックしてほしいと願っています。
トップで本当に必要とされる選手とは。
ヴェルディのアカデミーに何が欠けているのか。
そこから指導者の階段をどう昇るのかが、冨樫さんの本チャンでしょうよ。

【無料記事】【マッチレポート】J2-29[H] 横浜FC戦『かくも1点は遠く』(2016/08/15)
本や映画もあまりにも丁寧に計算し尽くされた感じのは敬遠気味で。
そうは言っても、ウェルメイドなスタイルへの羨望はありますけどね。
自分の原稿はできれば両方使い分けたい。

【この人を見よ!】vol.11 先が見えないから楽しい ~GK31 鈴木椋大~(2016/08/18)
鈴木椋大は話上手ですよ。
言葉は楽天性を帯び、かなりの気ぃつかいでもある。
間違いなくいいところなんですが、そのへんを突き抜けると、バリバリっと殻を破ってなんか出てきそう。

【無料記事】【新東京書簡】第五信『崎陽軒のシウマイ弁当』海江田(2016/08/31)
遅くなってゴメンと後藤さんに原稿を送ったあと、どうも違和感があった。
崎陽軒のシュウマイ弁当……。なんかヘン。どっかおかしい。
あっと思って、崎陽軒のサイトに飛んだら、シウマイなんだね。
大変な事実が発覚しましたと後藤さんにメールし、全部直して原稿を再送。気づいてよかったあ。

【フットボール・ブレス・ユー】第11回 新しく生まれる ~ジェフユナイテッド千葉 菅嶋弘希~(2016/09/07) 
菅嶋弘希、もがいてもがいて何かをつかみつつある。
新しい環境で与えられる、新しい評価ってのは面白いね。
ライターもまた、一ヵ所にずっといると硬直しがちです。





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2016-07-02 03:16:59

『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』

テーマ:日常
いかん。しばらく、ブログが放置状態に。
ごぶさたしております。

長丁場のリーグ戦、これまでずいぶんテキトーなことを言ってきたなあ、と身に沁みている。
中3日、中2日の連戦について、「タイトなスケジュールをこなすために、コンディショニングがうんたらかんたら」と、もっともらしく書いてましたよ。
WEBマガジンを始め、史上最高にヴェルディベタ付きとなった今季、僕のような外野であっても大変さを実感。
試合の日程が詰まると、ランド、ランド、原稿、移動、試合、原稿、ランド……、まったく余裕がない。
でもって、新しいこともやりたがるものだから、より手に負えない。
世には移動距離の長いACLを並行して戦っているチームがあるわけで、どうやってるんだろうと恐怖すら覚える。

そのうえ、6月はコパアメリカとユーロがあったでしょ。
気合いでどうにかなるだろうと、テレビの前に座っちゃうんだよ。
さすがに身がもたない。
連戦を抜けたあとは、ダメージが翌週まで残る。
今回のコパはあんまり観られなかった。

今日は、ちょっくら宮藤官九郎監督・脚本の『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』を観てきた。
これは劇場のスクリーン、音響で観るべき映画だね。
久しぶりに手の込んだバカ映画で、おおいに楽しめた。
真剣にバカをやるって、こういうことなんだよ。
尾野真千子の幸薄そうな顔。
皆川猿時、ブスだったなあ。
随所に小技と遊びが利いてて、脇腹あたりをこちょこちょ責めてくる。
葉加瀬太郎と篠山紀信、断らなかったのえらい。好きになった。
この映画には布袋寅泰が出ないかんよね。
ノーメイクでほぼ鬼だもん。
オファーしたのかしら。

さて、これからユーロ2016準々決勝、ウェールズ vs ベルギー。

●掲載情報
【この人を見よ!】vol.7 誰もが大輔を見る~FW18 高木大輔~(2016/05/26)
どの選手をいつピックアップするか。
ぼんやりした年間計画みたいなものが頭のなかにあって、高木大輔はクライマックスまで取っておいたほうがよさそうだなあとは思ったんですが。
おまえ、早まったなと言われるくらいの活躍を期待します。

【無料記事】【SBG探偵局】file1『息子の小学校入学』(2016/05/27)
今回の調査で、いつも南海(現福岡ソフトバンクホークス)の緑帽をかぶっていた小学校の同級生を思い出した。
小3か、小4だったかな。
当時、僕は柏市の隣の沼南町に住み、西武の青帽。
ほかは巨人やらヤクルトやらいろいろだったが、南海はその子だけだった。
なんでまた異常に地味で弱く、門田博光しかいないチームが好きなのか。
ちょっとかわいそうな気すらしていた。
いま思えば、なんて骨のある少年だったんだろう。孤高の南海ファン。
なかなか受け入れがたいけれども、よほど青赤家庭の英才教育を受けた子でなければ、ヴェルディは関心の外(特に低学年は)。
あとになって、あいつは一本筋の通ったヤツだったんだなあという印象を残すのかも。

【フットボール・ブレス・ユー】第7回 小林祐希とジャパンブルー ~2016年の君たちは~(2016/06/01)
新たな旅へのとば口、いかにも序章といったところですね。
お楽しみはこれから。

【直前インフォメーション】J2‐18[A] ジェフユナイテッド千葉戦のポイント with『犬の生活』(2016/06/12)
今回は『犬の生活』の西部謙司さんにお願いしました。

【無料記事】【練習レポート】チャンスをつかめ(2016/06/15)
こうしてユース出身の大学生が帰ってきて、ヴェルディのシャツを着てプレーする姿を見られるのはうれしいものです。
あとはマッチングがどうなのか。
ポジションの薄いところ、年齢的に次の備えが必要なところといった具合に、計画的に組み込み、バランスの取れたチームを構築できればいいのだけど、都合よく進められる状況にはない。
「あと2年はこの選手で計算できるはずだったのに」と、毎年の計画は修正に次ぐ修正。
それにもめげず、各ポジションに柱を育てていかなければいかんのですよ。

【この人を見よ!】vol.8 直観の人~MF20 井上潮音~(2016/06/16)
井上潮音については、まだわからないことだらけだなあ。
どうやって相手の動きを察知したのか、スペースのある左ではなく右に展開して最終的にバイタルの攻略につなげたのか。
謎に思うことが多々ある。
この先もじっくり見させてもらえれば。

【マッチレポート】J2-19[H] 京都サンガF.C.戦『逆境に打ち克つ』(2016/06/20)
京都戦の澤井直人はすごかったよ。
迷いが消え、思考がクリアに。
縦横無尽、動いて動いて、動き直しての連続。
まるで2列目の岡崎慎司みたいだった。
冨樫監督の言うように「ぽこぽこ点を取りだす」と助かるわあ。

【無料記事】【フットボール・ブレス・ユー】第8回 遠くから思っている(2016/06/23)
そっか、楠美圭史と早川史哉(アルビレックス新潟)はそんなつながりがあったのかと。
近しいからこその距離感ってやつがありますよね。

【無料記事】【練習レポート】ヴェルディへようこそ!(2016/06/30) 
さすが、二川孝広。
きれいに気配を消し、集団から見つけだすのにやや時間を要した。
あのパスを目の前で見られるのは、贅沢な気分だなあ。

【無料記事】【インタビュー】A Secret on the Pitch ピッチは知っている〈1〉 岩清水梓(日テレ・ベレーザ)前編(2016/07/01)
なでしこジャパンの栄光と挫折。
岩清水梓(日テレ・ベレーザ)は、その落差をとことんまで味わった選手のひとりだ。
シリーズタイトルの元ネタは、吉田修一の『森は知っている』(幻冬舎)。
A Secret in the Forest.
しゃれた和訳ですわねとメモっておいた。

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2016-05-19 17:34:48

高校野球の取材

テーマ:日常
最近、ライター仲間の伊藤寿学(ザスパクサツ群馬の番記者)が「一緒にやろうよ」と誘ってくれて、高校野球の取材をしている。
簡単にいえば、学校回りだね。
練習に行って、監督や選手の話を聞き、紹介ページをつくる。

最初に行ったのが、都立日野。
おお、ここが故・忌野清志郎、ライターの先輩である北尾トロさんの母校かと。
この土手を歩いたんだなあ、屋上で煙草を吸ってたんだなあ、などと思いつつ、どぎまぎしながらグラウンドに向かった。

次が都立小平西。
卒業生に、なでしこジャパンの岩渕真奈、ブリオベッカ浦安の10番、清水康也がいる。
そうかそうかと勝手に感慨にふけり、むだに校内を歩き回った。

で、一昨日行ったのが都立国立。
ここは東京屈指の進学校で、政治家や研究者、文化人を数多く輩出している。
ほかとは雰囲気がちょっと違ったね。制服がないし。
驚いたことに、野球部は1980年に都立初の夏の甲子園出場を果たしている。
当時は大フィーバーだったらしい。
校門をくぐったところに、記念碑がドーンと建っている。

選手に話を聞くと、「毎年、校長先生が学校集会で逸話を語り、『目指せ甲子園!』と話します。みんな、いつまでそんな大昔の話をしているんだよ、どうせムリだろ、という顔です。悔しい。見返してやりたい」。
僕ら緑者も昔の栄華を語られることが多々あり、シンパシーを覚えた。
こちらの身の上を明かす時間的余裕はなかったので、「わかりますよ、その気持ち」とだけ言ったら、ヘンな顔してたね。

●掲載情報
【無料記事】【マッチレポート】J2-12[H] 松本山雅FC戦『すべてにおける敗北』(2016/05/07)
こういうのは正々堂々、広く読んでもらったほうがいいだろう。
無料記事を要所で出せるのは、購読者が支えてくれているからだ。
ありがたいです。

『フットボール批評』issue11(カンゼン)
 5月6日発売
表紙、いいですね。
「シークレット・ガードマン 歴戦のサポーターと対峙してきたスタジアム警備員の生き様」を寄稿しています。
昨年だったかな。ガードマンの企画をやろうよと、潜入取材を試みたんだけど、ものの見事に失敗。
そりゃそうだよ。
Jリーグの広報部まで話が行っちゃったんだもん。
いいよ、やってみなって流れになるわけがない。
いまもガードマンとサポーターの交流がそこかしこであるんだろうと想像すると、なんか楽しいね。

【直前インフォメーション】J2‐13[A] ツエーゲン金沢戦のポイント
あとになって気づくことってあるよね。
あの守備組織ってすごかったんだなあ。
選手の能力がうまく噛み合ってたんだなあ、と。

【無料記事】【フットボール・ブレス・ユー】第6回 大人は判ってくれることもある~東京ヴェルディユース~(2016/05/18)
今年はトップとユースの試合がかぶることが多く、なかなか観に行けない。
夏のクラブユース、うまいことスケジュールが合えばいいんですけど。

【お知らせ】今後の更新予定(2016/05/19)
近年、サッカーメディアが衰退の一途を辿っているのは、僕のなかでわりとはっきり答えが出ている。

監督や選手、クラブの顔色ばかりを見て、全然読者のほうに向いていない。
表向きは読者のためという顔をしているけど、ポーズなのがありありとわかる。
そんなのが、おもろいわけがない。
いつの間にかクラブも不都合なものはデリートできると勘違いするようになってしまった。
原理原則から外れた業界が発展するわけがないでしょ。

だから、SBGをやることになったとき、100%読者に向いてやると決めたんですね。
が、こういう事態になると、考えちゃうところはある。
昔の新聞や雑誌は、日常的にサッカーを多く扱っていて、情報の入手には事欠かなかったが、いまは出どころが限られるのは事実ですからね。
最終的には、お互いプロの仕事をしましょう、というところでわかり合えるとは思います。


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2016-05-05 23:35:40

カメラ機材が届いた

テーマ:日常

カメラ

2ヵ月かかるはずだったレンズの納期が大幅に短縮され、届いた。
カメラのキタムラ、ありがとう。
オリンパス「OM-D E-M5 Mark II」に、パナソニック「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3」を組み合わせた。
で、今秋発売が噂される「E-M1 Mark II」(動体に強くなるらしい)をいずれは導入し、このボディをサブ機に回してシステム完成かなあ。

35mm換算で、200‐800mmだかんね。
ピッチ全体が射程距離。
「すごい。いっちゃん遠くのセンターバックやキーパーが撮れる」と、うれしくなって井林章や平智広に向けてやたらとシャッターを切った。
彼らは別にどうでもいいだろうが、こちらが勝手に「いままでちっこくしか載せられなくてすまんかったのう」という気になっているのである。

本格的な写真の研究はこれから。
いまのレベルがレベルだから、これからどんどん巧くなるよ。

●掲載情報
【フットボール・ブレス・ユー】第5回 響く天の声 ~ブリオベッカ浦安~2016/04/27)
浦安には可能性を感じるね。首都圏で上のカテゴリーを目指すのは大変だが(主にハード面で)、こういうクラブが成長していけるようだと面白い。

【無料記事】【直前インフォメーション】J2‐10[A] ザスパクサツ群馬戦のポイント(2016/04/29)

たまにはこういう泣き言も。言い合える相手って限られるからさ。

【マッチレポート】J2-10[A] ザスパクサツ群馬戦『手にするはずだった勝利』(2016/04/30)
「こんなに攻める時間があったゲームは今季初めて」って、伊藤さん(群馬番記者)に言われちゃったよ…。

【マッチレポート】J2-11[H] モンテディオ山形戦『ひとつずつ積み重ねる』(2016/05/03)
僕が批評、レビューの鉄則にしているのは、「そこにあるものだけを見て、書く」ということ。
それが唯一の礼節みたいなもので、「あれが足りない。これが不十分」なんてのは批評でもなんでもなく、ただのいちゃもんでしょ。
だって、不足をあげつらうだけだったら、どんなふうにも言えるもん。
極端な話、「このチームにはメッシがいなかった」で話が済んじゃう。
「起こらなかった現実も歴史の一部に違いない」という考えや、先々に目を届かせるために、多少はそういう要素が必要だとしてもね。

その点、映画は成熟した文化なんだなあと思う。
たとえば、娯楽大作の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に対し、「男女の感情の機微が描かれていない」といったプロの映画評に出合うことはまずない。
でさ、とすると、現実をガン見するわけじゃん。せっせと書くじゃん。
つらくなるわね、ときどき。

【無料記事】【新東京書簡】第二信『しばらくぶりです(弐)』後藤(2016/05/04)
ふたりともまだ落ち着かない感じですけど、そのうち勘が戻るでしょう。

【無料記事】【練習レポート】写真ギャラリー(2016/05/05)
いかんな、澤井直人のことはちょっとひいきしちゃう。
なんか、面白くって。僕にとっては、とてもフォトジェニック。





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2016-04-23 01:02:13

カメラ熱の高まり

テーマ:日常
困ったことになってきたよ。
写真がおもしろくなってきちゃって。

ライターの何がいいかって、ろくすっぽ初期投資をせず、看板を掲げられるところだ。
僕がこの仕事を始めた頃は、せいぜいワープロと携帯があればよかった。
短い原稿は、手書きで書いていたくらいだ。
その点、カメラマンは大変だなあと見ていた。
撮影対象にもよるが、投資額は何十万、何百万だよ。

完全に他人事だったのに、今年から始動した『スタンド・バイ・グリーン』で必要に迫られてカメラを扱うことになった。
もともと写真は好きなんだ。
小学生の頃、誕生日にハーフサイズのおもちゃみたいなカメラを買ってもらったのが始まり。
銀塩のコンパクトカメラは何台も持っている。

今回、どうせ腕がないしと投資額を抑え(予算10万に決めた)、防滴・防塵のカメラを買わなかったのが間違い。
バカだなあ。どう考えても防滴・防塵はいるじゃん。
屋外での撮影がほとんどなんだから。
雨の日、なんとかなるだろうとカメラに市販の防水カバーをかぶせてやってみたら、全然ダメだった。
レンズが曇ってきちゃって、こらあかん、おしゃかにしちゃうと途中で撮影中止。
晴れた日しか撮れませんなんて致命的。お話にならない。

あと望遠レンズね。
もっと対象に寄りたいし、縦位置でも撮りたいのに、距離がありすぎてもどかしいったらありゃしない。
こないだなんて、練習場でカメラを構え、もっと大きく、もっと選手の表情をとにじり寄ってたら、いつの間にかタッチラインを越えてた。
どこにいるのさ。ピッチに入っちゃうカメラマンが。
見つからなかったからよかったようなものの、温厚な冨樫監督だってさすがに怒るでしょ。

結局、モチベーションの問題。
明確な目的があり、写真を見てくれる人がいるというのは本当に大きい。
誰もビタイチほめてくれないよ。
だけど、もっといいのを撮りたい欲が勝手に湧き上がる。

そんで、あれこれ調べ、追加投資30万ですよ、あーた。
以前の僕だったら、絶対こんなお金出さない。
自分の凝り性なところを過小評価してたなあ。
レンズの納期は2ヵ月後。早く届けとわくわくしている。
マイクロフォーサーズのカメラだから、まだマシなんだ。
フルサイズでシステムを組もうとしたら、何倍もの金額になる。
これで済めばまだいいが、さらなる欲求の高まりを抑えられるか、はなはだ自信がない。


●掲載情報
【フットボール・ブレス・ユー】第3回 藍より青く ~FC町田ゼルビア 畠中槙之輔~(2016/03/30)
外の世界に飛び込んでみるものだねえ。
畠中槙之輔、たくましくなってました。
町田の広報さんがご親切に「使っていいよ」と試合写真を送ってくれた。
やはり見栄えしますなあ。ついでに原稿のチェックもなし。
WEBマガジンの蛸つぼ化を回避するには、こちらから外に出て、コミュニケーションを取っていくしかない。
読者によってはとことんヴェルディでいいのかもしれないけど、僕がいやなんだよ。
ヴェルディっていまどこにいるの? というのは常に意識したいし、ルーティンをこなすだけになると必ずパワーダウンするから。

【無料記事】【この人を見よ!】vol.4 ゴー、ケンジ。ゴー! ~FW29 北脇健慈~(2016/04/06)
見ている人に、どれほど自分の像を残すか。
それもアスリートの才能のひとつ。
その点、北脇健慈は抜群です。


【無料記事】【新東京書簡】第一信『しばらくぶりです』海江田(2016/04/12)
近頃、J1の試合に行ったり代表戦を観るのも、いまいち気が入らなくて。
書く場があれば、モチベーションは格段に上がるのよ。

【フットボール・ブレス・ユー】第4回 ベレーザの命脈(2016/04/13) 
なんでかわからんのですけど、僕は仕事となればどんな人とも平気で話せるのに、女子サッカー選手だけは別。妙にぎくしゃくしちゃう。
有吉佐織さんくらいかなあ。
以前、京王稲田堤のバス停で会い、「ランドまで一緒に行きましょう」と自然に言えたもんね。
これ、大丈夫? 失礼に聞こえない?
たぶん中学か高校のクラスにいたんだと思う。
ああいう、凛々しくてさばけた感じの女の人が。

【この人を見よ!】vol.5 味方を生かす才人 ~MF30 高木純平~
柔和な雰囲気を漂わせつつ、太い芯が通っているところが魅力です。
まだ先だろうけど、指導者としての引き合いは多いでしょうねえ。





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2016-03-29 21:35:50

黒木華、すてき

テーマ:日常
たまにあるJ2の土曜開催はいいね。
日曜までに仕事を終え、週明けの月、火を自由に使える。

岩井俊二監督の最新作『リップヴァンウィンクルの花嫁』を観てきた。
二十数年前、大学で自主映画をやってたり、放送関係の仕事に興味を持つ僕らの間に、岩井俊二の名は一気に広まった。
『FRIED DRAGON FISH』、
『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』のVHSビデオを友だちが持ってきて、「とにかく観ろ。すぐ観ろ。明日までに観ておけ」とやかましい。
なんだよ急かしやがってと思いつつ観てみたら、これがすごかった。
あんなカット割り、光の使い方があるんだと衝撃。
『打ち上げ花火』の奥菜恵のかっわいいこと。

音楽はすばらしかった『スワロウテイル』以降の作品は縁遠くなっていて、久しぶりに観てみようと映画館に足を運んだのだ
主演の黒木華、好きなんだよ。まず顔が好き。ずっと眺めていられる。
困った顔がすてきだった。声もいいねえ。かすれ具合が。
でも、お話にはあまり入り込めなかったな。
僕が変わってしまったのかもしれない。

今日は、FC町田ゼルビアの練習場に行き、畠中槙之輔に話を聞いてきた。
あどけなさが抜け、急成長中ですよ、彼は。

●掲載情報
『フットボールサミット第34回 特集 柴崎岳「鹿島の心臓」は「日本の心臓」になる』(カンゼン) 3月29日発売
92年組を主軸とする年代別代表の監督を務めた池内豊(JFAユースサブダイレクター)氏のインタビューを担当しています。
柴崎岳以外にも、小林祐希や高木善朗、高野光司への証言が取れ(誌面ではカットだけど)、とてもお得な仕事でした。

【無料記事】【マッチレポート】J2-3[A]ロアッソ熊本戦『雨の熊本に散る』(2016/03/14)
お店の雰囲気が良くてね。すっかりくつろいでしまいました。
「今度、友だち連れてきます」と言ったものの、残りのアウェーは全部行くつもりだしなあ。いつ行けるのか。代表戦か?

【無料記事】【練習レポート】トレーニングマッチ vs FC今治『高木大輔、一発回答!』(2016/03/17)
高木大輔、貫禄の2ゴール。このようにトップとユースの垣根が低いのは、ヴェルディのいいところだなとつくづく。さまざまな発見に恵まれます。

【無料記事】【監督・選手コメント】J2-5[H] FC町田ゼルビア戦に向けて~冨樫監督、平本、高木純、楠美~(2016/03/25)
冨樫監督、忙しい身なのに(だいたい4時に寝て、6時半起きですって)、ちゃんとオチをつけるのに付き合ってくれる。
それは監督の仕事に含まれてないと思うんですが、まあ性分といいますか。


【無料記事】【マッチレポート】J2-5[H] FC町田ゼルビア戦『東京クライシス』(2016/03/27)
仕事が終わってスタジアムを出たとき、以前取材で知り合った町田のコールリーダーのタケルくんとばったり。
「ああ、おつかれさまです」と挨拶されたときの複雑そうな顔、憐憫に満ちた眼。そういう試合だったんだなあ。
いっそ無邪気に喜んでくれたほうがいいよ!
やさしい子なんだよね。酒飲むと変わるらしいけど。


タイトルを付けるときは、類似のものがないかネットでぱぱっと調べる習慣がある。
過去、サッカー関係で同じタイトルがあったら、使用は避けたい。
今回、うっかり忘れてたんですよ。
したら、『ルパン三世 炎の記憶~TOKYO CRISIS~』。まあ、これはいい。
もひとつ、株式会社 Tokyoクライシスってのが出てきて度肝を抜かれた。
この会社の業務が強烈なんだ。
「AV男優TAKAのセックス交渉術」。
危うく申し込むところだったよ!
Facebookのジャンルは「教育」。いや、そーだけどさ。
なんでまた、下ネタに引っ張られるかね。

電話対応、取引銀行(融資する?)とかを想像して、しばらく仕事にならなかったね。
「はい、東京クライシスです」。
言い方にもよるけど、カッコよすぎるでしょ。
なんだよ、その危機感。一度でいいから、言わせてほしい。




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2016-03-12 09:34:00

週末の予定

テーマ:日常
今日は、川崎フロンターレ vs 名古屋グランパス@等々力陸上競技場。
今季初、J1の試合取材だ。
前節、湘南ベルマーレとド派手な打ち合い(4‐4)を演じた川崎と、小倉監督率いる名古屋。
どんなゲームになるんだろう。楽しみ。

明日は、HUB八王子店でロアッソ熊本 vs 東京ヴェルディを観戦する。
アウェーに行けない代わりに、ヴェルディを応援してくれている店の様子を、SBGでレポってみようという試みである。
急な申し出にもかかわらず、どうぞやってみてと取材許可が下り、助かった。
まあ、ふつうにお金払ってサッカー観るだけですけどね。
近場にあるのに、初めて行くんだよ。

●掲載情報
【無料記事】【フットボール・ブレス・ユー】第1回 一瞬から流れ出す時間(2016/03/02)
平本一樹、J通算400試合出場ですよ。
能力は評価されていたが、これほど息の長い選手になるとは、当時の彼を知る人ほど予想できなかったんじゃないかな。
オッズの設定は、今季のプレミアリーグ、レスター・シティの躍進といい勝負。
優勝しちゃえ。
どちらもフットボール・ロマンだ。

【無料記事】【この人を見よ!】vol.2 左のスペシャリストとして~DF6 安在和樹~(2016/03/09)
SBGを開設してよかったなと思うのは、こういう記事を出せることですね。
いくらレギュラークラスでも、ディフェンスの選手はなかなか書く機会がない。
3年前の春、人工芝グラウンドを通りかかって、きれいなキックをする選手がいるなと見ていたら、FKの練習をするルーキーの安在和樹だった。
あの美しい軌道は目に焼きついている。
今年は毎日、居残ってFKの特訓をしているよ。
そろそろ一発あってもよさそうな。

『フットボール批評』issue10(カンゼン) 3月7日発売
「ファジアーノ岡山 創設記 地方クラブの雄が築いてきたもの、見据える未来――」を寄稿。
扉の写真が大迫力。ご一読いただいたあと、もっかい扉に戻って眺めてほしい。
よくぞここまで、すごいなあ、と僕は心から思った。
勝負の今年、あとは武運がありますように。

外の世界にきちんと目を向けたうえで、現在の東京ヴェルディの在り方、組織づくりを是とするなら、それもひとつの考え方だろう。
ただひとつ、よく言われる地方クラブと首都圏のクラブの違いは事実としてあるが、そんなのは言い訳だよ。
たとえば、岡山の基軸である「人を大切にすること」、「情理を尽くして説くこと」、「クラブを社会の公器として扱うこと」においてどんな違いが?
「多様性は組織の強さの根源。さまざまなタイプの人が活躍できる組織のほうが全体のパフォーマンスは上がります」
と語る木村社長は、周囲からすさまじいプレッシャーを受けながら結果を出している。
ここ数年、チームの成績、入場者数は横ばいながら、毎年7000~8000万の増収を目標に、着実にクラブを成長させてきた。

この点、ヴェルディの場合、プレッシャーは弱いと僕は感じるね。
本当はもっと力があるかもしれないのに(限界の可能性もあるけど)、そのぬるさが成長を阻害しているようにも思う。
一方、現場のプレッシャーは相当だよ。
冨樫監督が背負っているのは今季の成績だけではない。
はたして、ヴェルディの育成理論は正しかったのか。
集団として、トップのレベルに通用するものだったのか。
土のピッチから始まり、連綿と受け継がれてきたすべてが、双肩にかかっている。
これまで育成に携わってきたアクの強い指導者たちの眼が、仕事ぶりに注がれている。
冨樫監督は自分こそがその大役に適任だとは思っていないんだ。
そんな思い上がった考えを持つ人ではない。
でも、やるしかないんだよ。

僕はわりと気長に羽生社長のやり方を見てきた。
成長曲線がお寝んねのいま、ここらでやり方に変化を加えていこうかってのなら俄然興味を惹かれる。
岡山の方法論はまねできないにせよ、近隣の川崎フロンターレやFC東京のトップのように、ひとりでも多くの人にヴェルディのサッカーを見てもらおうと街頭に立つ、ドブ板を踏むとかさ。
それだったら僕は、あらゆる媒体に掛け合って、ページをぶんどってくるよ。





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2016-03-05 00:12:43

男と女 その三十二

テーマ:男と女
「友だちになってください」
男が言った。女は一瞥し、そっけなく返した。
「いやです」

男はあきらめない。
「友だちがほしいです」
「ほかを当たってください。すでにブロック済みなんで」
「ト、モ、ダ、チ」
「ユー、アー、サッド・モンスター」

ついに、男はキレた。
「ケチ! 下手に出てりゃいい気になりやがって。誰が、哀しき化け物だ」
「ちゃんと、文太と詩織から友達申請させたでしょ」
「文鳥だろうが! しかも一羽(詩織)はあの世だぞ」
「別にいいじゃない」
「あのな、よく考えてみろ。おれは43だ。43の男の友だちが文鳥のみ。しかも一羽は他界している。これを世間にさらせるかッ」
「もうさらしてるでしょ。夫婦と文鳥のみのほうがもっと恥ずかしいよ」
「おまえという人間がよくわかった。出て行け。いますぐ荷物をまとめ、ここを去るがよい」
「あらら、誰に教わるのかしらね。Facebookのやり方を」

男は拳を固めたまま、ガクッとひざをついた。返す言葉がなかった。

事の発端は、男が生涯手を出さぬと決めていたSNS(Facebook)を始めたことにある。
Facebookを仕事に活用する女はベテランで、さまざまなことを知り尽くしている。
男が感覚的に最も苦手とする「誕生日おめでとう合戦」の回避や、届いたメッセージがフィルタに隠されていることなど、事細かに指導してくれた。

過日、タグマ!の指南役との打ち合わせで、「SBG告知強化のために、いずれはtwitterかFacebookをやりましょう」という話になった。
以前の男であれば南半球まで蹴っ飛ばしていた提案だが、いまはひとりでも多くの人に書いたものを読んでもらいたいと躍起になっている。
言葉が届かず、宙に浮くほど虚しいものはない。
協力してくれているチーム関係者にも、それでは申し訳が立たない。

この際、なりふり構っていられず、Facebookを選択した。
twitter方面は頼れる人がぽつぽつ浮かび、たまには拾ってくれるだろうと任せるつもりだ。
特に連絡をしたわけではないが、わかってくれるに違いないと勝手に決めつけているのだから、男のずうずうしさは相当なものである。

今回、大げさではなく、十数年の仕事を懸けた勝負だ。
東京ヴェルディのオフィシャルの仕事が一切なくなって久しいが、それは問題ではなかった。
その立ち位置が不向きであることは男も自覚しており、どうせいいものを作ろうなんてのは二の次なんだろうというあきらめが先に立った。

自分の書いたものに価値が認められるのだったらきちんと届くべき人に届くだろうし、認められないのであればスルーされる。
それだけの話で、もともとライターはそういう商売だ。
また、すでにヴェルディの楽しみ方を確立しているあなたはいいとして、新たな人を迎え入れるためのガイドは充分足りているとお考えなんですか? という問いでもあった。

かねてより、伸び悩む入場者数、スカパー!加入者数最下層(J2以上40クラブで、ブービーかビリ。e2で録画に回されることが多いのもやむなし)という厳しい現実が男を怯ませていたが、どうやら杞憂に終わったようだ。
苦心の甲斐あってか、3月に入ってもSBGの会員数の伸びは堅調。
おかげで、4月以降のアウェー取材はほぼ行ける算段がついた(7月16日のV・ファーレン長崎戦だけ調整中。エアーが高すぎる!)。
男は感謝の気持ちとともに、この先、もっと面白いことがやれそうだとアイデアを練るのに忙しい。

「ちゃんと相手を見なきゃダメ。この人、ただの政治家。こっちに全然興味ない。あと、外国人のきれいな女の人からの申請も要注意。あれはスパム。情報を吸い上げられちゃうよ」
最終的に、男が女に詫びを入れて言い争いは落着し、再び指導を受けている。
男は来る者拒まずである。
最初の友だちが飼っている白文鳥なのだ。選べる身分にない。
承認ボタンをぽちぽち押しているうちに、Facebookはどうにかさまになってきた。

「ただの宣伝なんて誰も見てくれないよ。ちゃんともてなすことが大事」
このように女は手厳しい。
男はおとなしく従ったほうが得策だと、慣れて余裕が出てきたら改善すると約束した。

ここにきて、新たな問題も生じている。
WEBマガジンとFacebookに注力する結果、ブログの先行きが危ぶまれている。
やがて告知機能はFacebookが中心となっていくだろう。
取り立てて変化のない日常を過ごし、余力もまた乏しい。
それでも書きたくなるようなことって、しょっちゅうあるのか。
ちょいちょいのぞきに来てくれる人もいることだし、当面は棚上げ。
週に一度くらいは更新しようと男は考えている。

「師匠、眠いです。これって噂に聞くSNS疲れですかね」
「はい?」
「わりとのんびり生きてきたもんで、つらいっす」
「何言ってんの。まだ序の口だよ」

女の言葉に男は暗澹とし、深いため息をついた。


男と女32





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2016-02-23 22:47:21

掲載情報のみ

テーマ:日常
びっくりするほど日常に変化がない。
よって、たまった掲載情報のみ。

●掲載情報
【無料記事】【練習レポート】「町田には勝ちたい」平智広(2016/02/17)
平智広はいい男ですね。

【無料記事】【練習レポート】トレーニングマッチ vs 明治大『かじ取りに苦しみ、ドロー』(2016/02/21)
【無料記事】【練習レポート】【監督・選手コメント】トレーニングマッチ vs 明治大 「チームとして戦い方を統一できなかった」楠美圭史(2016/02/21)
故障者のリハビリが思ったより長引いているのがなあ。
スタメン候補だった中後雅喜、南秀仁、高木大輔、アラン・ピニェイロ、みんな1週前の練習試合に間に合わないとは……。

【お知らせ】3月の更新予定(2016/02/22)
更新予定を立てると同時に、今後の運営方針を定めた。
悩んだのは、試合での監督・選手コメントの扱いをどうするか。
僕はコメントを入れ込んだマッチレポートを書き慣れているから、そのつもりでいたんだけど、となると別枠の監督・選手コメントと内容がダブるのがどうも気持ち悪かった。
あと、試合の監督・選手コメントはオフィシャルが質の高い仕事をしているんですよ。
監督会見を見学したサポーターならわかると思うけど、ほぼそのまま載っている。

よそのWEBマガジンは、オフィシャルとかぶっても監督・選手コメントを掲載しているが、僕はやめることにした。
それよりは、前節を踏まえて次節の展望を語ってもらう、つまりブリッジのようなプレビューコメントのほうが情報の価値はあるだろう。
というわけで、【監督・選手コメント】は金曜に更新。
なにせヴェルディの場合はメディアのパワーが小さいもんでね。
同じことに労力を割くのは気が進まない。

だってさ、開幕1週前の練習試合で、ヴェルディ側のメディアは僕ひとりぼっちだよ。
誰とも分担できないものだから、話を聞きたい選手が同時に出てきたら、「ごめんなさい。ちょっと待ってて」と迷惑までかけている。
そんなクラブ、どこにあんの。
どうしてこうなっちゃったのかなあ。
クラブはもっと真剣に考えたほうがいいと思う。
ちゃんと分析をしてこなかったから現在がある。

単純に広報スタッフがスーパー意地悪だったってのなら話は簡単なんだ。
でもそうじゃないからね。むしろ親切な人が多かった。
能力もよそと比べて劣っていたとは思わない。
それなのに何人ものライターがやってきては、きれいに去って行った。
たしかにヴェルディの人気はいまいちだけど、アカデミーや日テレ・ベレーザも含めて、掘りがいはいくらでもあるクラブだよ。
マスコミの集中する東京だよ。
だからこれはクラブの体質の問題。
入場者数がなかなか伸びないこととも無関係ではないと思う。
僕とJsゴールの上岡真里江さんが心中したらどうすんの?(付き合ってねえけど)

皮肉なことに、情報の出どころが限られているものだから、SBGは順調なすべりだしを見せている。
よその事例を見ると、どうにかやっていける採算ラインに到達するまでこりゃ3ヵ月はかかるなと思ったが、わずか20日で突破した。
しばらくは持ち出しとなるのを覚悟したのに、こんなに早く軌道に乗せてもらってありがたい。感謝。
おかげさまで3月の讃岐と熊本、どっちかは行けることになった。
未踏の地である讃岐に行ってくるね。





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