おはようございます。イングランドもブラジルも・・・。

 カナリア色に染まったスタンドの一角は静まり返っていた。悔しさを押し殺すように、ロナウドは脇目も振らずにピッチから引き揚げた。「本当に悲しいし、失望している。もっと上まで進むつもりだったが」。前の試合でW杯通算得点記録を更新した希代のストライカーも、準々決勝は沈黙。通算16点目は決められずに終わった。
 世界最強の攻撃陣を誇ったサッカー王国のイメージとは懸け離れた寂しい内容だった。放ったシュートは7本で、枠内に飛んだのはわずか1本。ゴールが遠かった。集中力を欠いた失点シーンも悔やまれる。後半12分にジダンがけった相手FK。最も警戒すべきアンリをノーマークにしてしまっては、GKジダも防ぎようがなかった。
 必死の反撃もリズムがかみ合わない。ロナウジーニョは即座に2、3人に囲まれた。ロナウドも苦し紛れのプレーが目立ち、後半40分に左足で放ったミドルシュートも右にそれた。「相手がブラジルより良かった。勝利に値する」。レアル・マドリードで同僚だったジダンが光ったフランスをたたえるしかなかった。
 パレイラ監督は最後まで、「太りすぎ」と批判されたロナウドの起用に固執した。「史上最高の選手をピッチに残すのは当然のこと。きょうブラジルに3度あったチャンスには、すべて彼が絡んでいた」。ブラジルのメディアからの疑問には、そう反論した。
 だが、明らかに少ない運動量でフランスの堅守を揺さぶることはできなかった。絶対の信頼を置いた「背番号9」と心中した格好だ。豊かな才能に彩られた優勝候補の大本命が、W杯を去った

敗退

 簡単には勝てません・・・。

No.348:紙ジャケ

紙ジャケ:CDのパッケージを、プラスティックではなく、紙製にしたもので、往年の「レコードジャケット」の再発・復刻版をさすことが多い。

 朝日新聞の7月1日夕刊に、こんな記事が掲載されていました。

 CDに「紙ジャケ」ブーム

 四十男の心と財布 わしづかみ

 CDの紙ジャケットによる再発が止まらない。往年の音楽ファンのハートと財布を狙ったこの商法、すっかり定着した感があるが、昨年12月には70年代ロックの限定版復刻を中心に、250タイトルも出るなど、静かなブームを呼ぶ。ノスタルジーからまとめて買い込む「大人買い」が目立つ一方、枚数限定のためプレミアがつくのを見込んでの投機目的ものぞく。

 「復刻」「復活」は、成熟期において一つの「キーワード」といえます。そのうえ、「大量生産・大量消費」えの反動からか、「希少性」を意識した「限定発売」とくれば、思わず、「衝動買い」したくなるのもわからないではありません。

(中略)

 60年代後半から70年代にかけて、LPジャケットには先鋭的なデザイナーや画家たちが腕を振るった。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドとアンディ・ウォーホール、ピンク・フロイドとヒプノシス、イエスとロジャー・ディーン、フランク・ザッパとカル・シェンケルなど、ミュージシャンと画家・デザイナーの結びつきも強かった。ジャケットの写真集が出版され、展覧会も開かれた。

The Velvet Underground
The Velvet Underground & Nico
○有名なアルバムジャケット:アンディ・ウォーホール

ウィッシュボーン・アッシュ
百眼の巨人アーガス
○こっちのほうが印象的だった!:ヒプノシス

 確かに、レコードジャケットだけでなく、本の装丁や、いろいろな商品パッケージにいたるまで、「デザイン」の与える影響は計り知れません。「中身」を彷彿とさせながらも、見る人に強烈な「印象」を与える「デザイン」は、今の時代でも、ますます「重要」になってきていると思います。

(中略)

 紙ジャケットの生産は一九堂印刷所と金羊社(ともに東京)がほぼ独占している。一九堂の三上義雄業務部長は「どんな難しい注文も断ったことはありません」と、プロの意地を見せる。昔と同じ紙質のボール紙が手に入らないときは、紙の表面処理で対処する。小さな穴や切れ込みはレーザーで開ける。細かい組み立ては手作業だ。職人技が評価されて、日本製の紙ジャケは海外でプレミアがつく。

 「iPod」の鏡面仕上げで、日本の職人技に脚光が浴びましたが、ここでも、「技」と「気質(かたぎ)」が光っています。こういった「職人」にスポットを当てるのも、今だからこそ「大切」なことなのではと感じています。

 「42歳、男性」

 これがストーンズの紙ジャケをまとめ買いした客の平均像だという。東芝EMIの阿佐美俊夫ディレクターは「第一に中年ファンのノスタルジー。次にダウンロードでは満たされない、モノで持ちたいという欲求。そして限定版の魅力ではないか」と紙ジャケ人気の理由を分析する。

 ソニーの白木ディレクターは「箱庭みたいなもの」とも。メーカー各社は以前、LPサイズのジャケットにCDを入れた「デカジャケ」を出したことがあるが、さほどのブームにはならなかった。となると、紙ジャケ人気は古くは盆栽や水石、近くは食玩のフィギュア集めに通じる、日本人のミニチュア志向、「縮み志向」の現れか。

(後略)

 この「紙ジャケ」ブームには、需給バランスが崩れ、モノがあふれている今、お客様の「心」をとらえ、「財布」の紐をゆるめてしまう「秘訣」があふれているような気がします。

復刻・復活:時代を築いた「本物」だけに許されることですが・・・。

限定:やはり希少価値はたまりません。

デザイン:ほかとの差別化をはかり、独自性をだすためには欠かせないものだと思っています。

職人の技と気質(かたぎ):これも「本物」には欠かせない基本中の基本でしょう。

収集欲:シリーズで集めたくなるような関連性やストーリー性も大事です。

PS.

 「ロギンス&メッシーナ」のアルバムが「紙ジャケ」にて一斉に発売された。なかには、世界初のCD化といったものもある。・・・買いたい・・・できれば全部・・・まさしく、「わしづかみ」されてしまっている。さて、どうしようか・・・。