JR東日本信濃川発電所(新潟県十日町市、小千谷市)が、国の許可を上回る水量を不正に取水し水利権を取り消された問題で、JR東は2日、取水再開について地元の関係19団体すべての同意が得られたとして、国土交通省に水利権を再申請した。同省は審査のうえ、知事と経済産業相の了承が得られれば許可。電力需要がピークを迎える夏までには取水、発電を再開する見込み。

 JR東によると、申請した水利権の期間は5年。発電所の一部である宮中取水ダムの下流に、最低限流す維持流量をこれまでの毎秒7トンから同40トンへ引き上げることや、維持流量を同40~120トンの範囲で試験放流を5年間行い、結果を検証する。

 JR東の小縣方樹副社長は、北陸地方整備局信濃川河川事務所(同県長岡市)に再申請書類を提出した後、記者会見。「最大限できることを積み重ねてきた。これからも地元と向き合って、大切な川を使わせてもらうという認識を持っていきたい」と話した。

 再申請には、川を利用する漁協や十日町市など地元の同意が不可欠だった。JR東は09年11月、「おわびの気持ち」として十日町市に30億円、小千谷市に20億円、旧川口町(現長岡市)に7億円を寄付・拠出すると表明するなど理解を求めてきた。

 信濃川発電所は、山手線など首都圏で運行する電車に電力を供給。07年度は同社の使用電力の23%にあたる年14億キロワット時を発電していた。このため、JR東は水利権が取り消された09年3月以降、自前の火力発電所の発電量を増やしたり、東京電力から購入するなどして対応していた。【岡田英】

 【ことば】信濃川不正取水問題

 08年9月、JR東日本信濃川発電所の宮中取水ダムで国の許可を上回る水量の取水をしていたことが発覚した。不正取水量は02~08年に計約3億1000万トン。違法値が記録されないように観測システムのプログラムを改ざんしたり、国土交通省へ虚偽の報告をしていたことも判明し09年、水利権を取り消された。地元の漁業関係者はダムの設置以来、サケの遡上(そじょう)や産卵が激減したと問題視していた。

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