2017年に節目を迎える世界史上の重大事件 | 大学受験の世界史のフォーラム ― 東大・一橋・外語大・早慶など大学入試の世界史のために ―

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新年あけましておめでとうございます。

今年2017年に,100周年などの大きな節目を迎える世界史上の事件を取り上げてみます。

100周年記念

100年前となる1917年は第一次世界大戦の後半にあたり,それと関連した重要事件が多くあります。

ドイツが無制限潜水艦作戦を発動(1917年2月)

1917年2月,第一次世界大戦で交戦中のドイツは,中立国の艦船も含めて無差別に攻撃を行う無制限潜水艦作戦を発動した。

ドイツは戦局が膠着するなかで,イギリスに対する海上封鎖を狙って指定海域において中立国の艦船も含む艦船に無差別・無警告で攻撃を行うことを宣言した。

ドイツは状況打開することをはかってこの作戦を開始したが,これは中立国だったアメリカの強い反発を招き,次の項目で述べるようにアメリカの参戦を招くことになった。

アメリカが第一次世界大戦に参戦(1917年4月)

1917年,アメリカ合衆国がドイツに対して宣戦布告を行い,第一次世界大戦に参戦した。

それまでアメリカは第一次世界大戦において中立を維持していたが,無制限潜水艦作戦などのドイツの姿勢に対して反発が高まり,ついにウッドロー・ウィルソン大統領が連合国側での参戦を決定した。

世界最大の大国となっていたアメリカの参戦は連合国側の戦力は大きく拡大し,第一次世界大戦の帰趨を決定づけることになった。

ロシア革命(1917年2月,10月)

1917年,ロシアでは,西暦2月(ロシア暦3月)に二月革命(ロシア暦三月革命)が,西暦10月に十月革命(ロシア暦十一月革命)が起こり,帝政が崩壊してボリシェヴィキらが政権を掌握した。

ロシアでは総力戦のなかで人々の不満が限界に達していたが,それを背景に2月には二月革命が起こって帝政が崩壊して臨時政府が成立したが,10月には十月革命が起こって臨時政府が打倒されレーニンらボリシェヴィキを中心とする勢力が政権を掌握した。

この革命の後,ボリシェヴィキらは大戦からの離脱を表明し,また社会主義体制を樹立していき,大戦,そして世界の政治や民族運動に多大な影響を与えていくことになった。

バルフォア宣言(1917年10月)

1917年10月,イギリスの外相アーサー・バルフォアがユダヤ人に対してバルフォア宣言を提示した。

イギリスは戦争遂行のためにユダヤ人の支持を得ることを狙い,バルフォア外相によるユダヤ人への書簡で,パレスティナにユダヤ人の民族的郷土を建設することを支持する約束を行った。

これによってイギリスはユダヤ人の協力を獲得した一方で,ユダヤ人は戦後にパレスティナへの入植を推進するが,このような約束はアラブ人とのフサイン・マクマホン協定やフランスとの間のサイクス・ピコ協定と矛盾するもので,後にパレスティナ問題の大きな要因となった。

500周年記念

500年前となる1517年にも,世界の歴史上重大な事件が起こっています。

宗教改革の開始

1517年10月,ドイツでマルティン・ルター九十五カ条の論題を発表し,宗教改革が開始された。

ヴィッテンベルク大学神学教授で教会に対して疑問を抱いていたルターは,ヴッテンベルクにおいて,教会を批判するとともに神学上の問題の提起を行う九十五カ条の論題を発表した。

この論題はその後に印刷などを通じて流布して反響を呼び,神学,さらには社会的・政治的な問題にも発展し,ドイツ,そしてヨーロッパにおける宗教改革の最大の契機となった。