2016年の世界史的重要事件 | 大学受験の世界史のフォーラム ― 東大・一橋・外語大・早慶など大学入試の世界史のために ―

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あとわずかで2016年も終わりですが,この1年を振り返って,世界史の観点から特に重要だと思われる出来事を挙げてみます。

イギリスの国民投票でEU離脱派が勝利(2016年6月)

イギリスでEUヨーロッパ連合)の残留か離脱かを問う国民投票が実施され,僅差ながら離脱派が過半数を制して勝利した。

残留を訴えてきたデイヴィッド・キャメロン政権は退陣し,イギリスは新政権のもとでEU離脱のための交渉を進めていくことになった。

これによりイギリスがEU離脱に向かうことは確実となったが,EUの主要国であったイギリスが離脱することは,経済や国際情勢にどのような影響を与えるのかが強く注目されている。EUはこれまで量的にも質的に発展を続けて国家統合の先進的なモデルとされてきたが,大きな転換点を迎えている。

タイのプミポン国王が死去(2016年10月)

2016年10月,タイで国王ラーマ9世プミポンが死去した。12月にはその子が王位を継承し,ラーマ10世ワチラロンコーンが即位している。

プミポン国王は第二次世界大戦の直後に即位してから70年にわたって在位し,国民の生活や政治の安定につとめ,国民からの信頼と敬愛を集めてきた。

タイ王室の権威はプミポン国王の治世に高まったが,その国王が逝去したことで,今後のタイの王室は国民の支持を維持していけるか,また不安定なタイの政治がどう展開していくのかが注目される。

キューバのカストロ前議長が死去(2016年11月)

1959年の革命以降,最高指導者としてキューバを導いてきたフィデル・カストロ前議長が死去した。

カストロは1959年にキューバ革命を成功させて政権を掌握し,以後は独自の社会主義体制を築いて,強力な指導権のもとで半世紀にわたってキューバを指導してきた。

すでに2008年に弟のラウルに指導者の地位は継承されているが,革命のシンボルでありカリスマであったカストロがこの世を去った今,キューバでは今後の国家の在り方が模索されている。