2011-02-02 21:00:00

国立西洋美術館は世界遺産になれるのか①

テーマ: └ Special
世界遺産好きの皆さん、日本に新しい世界遺産が誕生するのか? 気になりますよね??

今年の注目ポイントを、あらためてまとめておきますね。


※ここ最近、なぜか??たくさんの方に読者登録いただいているので、
 (いや、本当にありがとうございます!!) 過去の記事のリンクもいっぱい載せちゃいます。
 リンクはすべて「新しいウィンドウ」で開きます。







■2011年日本に新しい世界遺産が誕生するのか??

今年、日本の世界遺産・無形文化遺産は、面白いことになりそうですよ。

これだけ、盛り上がりそうなのは近年まれにみることです!!



 ①小笠原諸島は世界遺産になるのか[2011年6月] → なって当然。その理由はこちらの記事から。

 ②平泉は世界遺産になるのか[2011年6月] → 今日はノーコメントです。その理由はこちらの記事から。

 ③国立西洋美術館は世界遺産になるのか[2011年6月]

 ④日本の無形文化遺産は増えるのか[2011年11月]


世界遺産マイスターの天気予報


※今さら誰にも聞けない?世界遺産がどうやって決まるか?はこちら
※聞いたことはあるけど・・無形文化遺産とは何かはこちら
最新の日本の無形文化遺産の一覧はこちら
※今年の世界遺産重要イベントはこちら



で、今日の本題は「③国立西洋美術館は世界遺産になるのか」なんですが、

その前に「④日本の無形文化遺産は増えるのか」について、ちょっと小話を。







■なんとも驚き!?文化庁の対応

今年、日本の無形文化遺産が増えるかどうかについて、こんな記事がありました。
そもそも、無形文化遺産の登録は、各国の推薦件数が多くなったため、昨年こんな事件が起きています。
で、結局、現時点の日本の無形文化遺産は18件です。

ユネスコ無形遺産、審査順決定=岐阜の本美濃紙から要求-文化庁
大切なことはすべて世界遺産が教えてくれた ~世界遺産検定マイスターのブログ~ 文化庁は28日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)による審査が先送りされている無形文化遺産の候補11件について、岐阜県の本美濃紙から順に審査を求めると発表した。
 同庁は「分野などを基に機械的に並べただけで、価値の順を示すものではない」としている。ユネスコは態勢が不十分で全候補を審査できないとして、優先順位を付けるよう求めていた。今年11月、同庁が求めた順に数件が審査され登録されるが、残りの審査は来年以降となる見通し。
 審査順は(1)本美濃紙(岐阜)(2)秩父祭の屋台行事と神楽(埼玉)(3)高山祭の屋台行事(岐阜)(4)男鹿のナマハゲ(秋田)(5)壬生の花田植(広島)(6)佐陀神能(島根)(7)那智の田楽(和歌山)(8)綾子踊(香川)(9)諸鈍芝居(鹿児島)(10)多良間の豊年祭(沖縄)(11)建造物修理・木工-となる。
時事通信(2011/01/28)
※画像は男鹿のナマハゲ。朝日新聞より


ユネスコに各国から無形文化遺産の審査が殺到しているため、日本の文化庁も苦肉の策として「この順番で審査して」と提示したということです。
こんな話は初めてのことで、記事には「この順で登録されることになる」と書かれていますが、それは文化庁とユネスコが「今のところ」合意したであろう内容であって、その保証はないんじゃないかな。

阿藤快さんだったら「なんだかなぁ」と言うようなニュースです。 (←えっ?)






■国立西洋美術館に関する推薦概要

前置きがながくなりましたが、本題の国立西洋美術館についてです。 
ル・コルビュジェという近代建築の巨匠の作品のひとつとして、今年、世界遺産登録をめざしています。


以前の記事でも書きましたが、国立西洋美術館を世界遺産にする動きは以前からあって、
2009年に一度審査されましたが、「情報参照」という結果になりました。(つまりは世界遺産の登録が保留)
そして、今年になって急遽「やっぱり登録をめざそう」ということになったんです。

シドニーのオペラハウスが世界遺産であるように、「近代建築」は世界遺産の1つのジャンルになっています。
日本の近代建築Best125!!(DOCOMOMO)についてはこちら。


この話については、ちょっと詳しくお伝えしたいので、

今日は基本的なところと「こういう作品とともに世界遺産になろうとしている」という点をご紹介します。




●基本情報
ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-
L'oeuvre architecturale de Le Corbusier
–Une contribution exceptionnelle au Mouvement Moderne-
フランス・スイス・ドイツ・ベルギー・アルゼンチン・日本 推薦基準:(ⅰ)(ⅱ)(ⅳ)


●概要
この物件は、フランスが推薦主体になっていて、日本を含む6ヶ国の作品で構成されています。

大切なことはすべて世界遺産が教えてくれた ~世界遺産検定マイスターのブログ~ル・コルビュジエ(Le Corbusier, 1887~1965)は、パリを拠点に活躍した建築家・都市計画家。
建築・都市計画のみならず絵画、彫刻、家具などの制作にも取り組み、小住宅から国連ビルの原案まで幅広い創作活動を展開した。
合理的、機能的で明晰なデザイン原理を絵画、建築、都市等において追求し、20世紀の建築、都市計画に大きな影響を与えた。
本推薦は、世界各地に所在する彼の建築・都市計画作品のうち、6カ国に所在する19の資産について、一括して世界遺産に登録しようとするものである。
出所はこちら(文化庁 文化財分科会世界文化遺産特別委員会,2011/01/18)


●推薦内容の変化(2009年→2011年)
以下の2点が、前回(2009年)世界遺産登録をめざした時と異なっています。


①物件名称が変わった

 旧: ル・コルビュジエの建築と都市計画
      ↓    ↓    ↓
 新: ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-

「都市計画」という言葉がなくなり、サブタイトルとして「近代建築運動への顕著な貢献」が加えられています。都市計画がなくなったのは、彼が手がけた代表的な都市計画である、インドのチャンディガールの建築物が含まれなくなったためでしょう。また、サブタイトルは、登録基準:(ⅱ)を意識していて、彼の建築が多くの国々の建築に影響を与えたことを強調するのが目的といわれています。


②構成資産の数が減った

 旧: 22件 フランス(14)・スイス(4)・ドイツ(1)・ベルギー(1)・アルゼンチン(1)・日本(1)
      ↓    ↓    ↓
 新: 19件 フランス(12)・スイス(3)・ドイツ(1)・ベルギー(1)・アルゼンチン(1)・日本(1)

構成資産というのは、主に文化遺産で使われる用語ですが、その世界遺産を構成する文化財のことをいいます。このあとに、19の構成資産(建造物)をご紹介しますが、対象外となったのが以下の3つ。
 ・クック邸(フランス)
 ・救世軍難民院(フランス)
 ・シュウォブ邸(スイス)

最近の世界遺産の審査は、本当に厳しくなってきていますから、構成資産をシンプルにしてアピールポイントを明確にするのが目的です。構成資産の「連続性」、つまり「このまとまりに意味があるんだ」ということを伝えるためです。(もちろんはずれた3件も、十分価値の高い建築物です)






■ル・コルビュジエの建築作品の構成資産の一覧

というわけで、19の資産をざっとご紹介します。画像だけでもそのスゴさが伝わるはずです。
本当は、作品の外観じゃなく内観と、そこに差し込む「光」に、このひとが巨匠と呼ばれる秘密が隠されているんですが、そこまでは、まとめきれないです。ごめんなさい。「★」印をクリックすると他の画像も見ることができます。


凡例
 [ ]:建設決定年
 ★:画像出所・解説あり
 ☆:画像出所・解説なし
 出所の印のないところはflickrの画像です





●ドイツ

01
ヴァイセンホフ=シードルングの住宅 [1927] 
Maisons du Weissenhof - Siedlung
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●アルゼンチン

02
クルチェット博士邸 [1949] 
Maison du Docteur Curutchet
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●ベルギー

03
ギエット邸 [1926] 
Maison Guiette
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●フランス

04
ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸 [1923]  
Maisons La Roche - Jeanneret
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05
シテ・フリュジェ(ペサックの集合住宅) [1924] 
Cité Frugès(Pessac)
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06
サヴォア邸 [1928] 
Villa Savoye
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07
スイス学生会館 [1930] 
Cité Universitaire, Pavillon Suisse
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08
ナンジュセール・エ・コリ通りのアパート(ル・コルビュジェの自邸) [1931] 
Immeuble Nungesser et Coli - Appartement LeCorbusier
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09
マルセイユのユニテ・ダビタシオン [1945] 
Unité d'Habitation, Marseille
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10
サン・ディエの工場(デュヴァルの織物工場) [1946]
Manufacture à Saint-Dié
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11
ロンシャンの礼拝堂 [1950] 
Chapelle Notre-Dame du Haut, Ronchamp
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12
小さな休暇小屋(カップ・マルタン) [1951]
Le Petit Cabanon de vacances - Cap-Martin
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13
ジャウル邸 [1951]
Maisons Jaoul
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14
ラ・トゥーレットの修道院 [1953] 
La Tourette (Couvent St.Marie de)
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15
フィルミニの建築物群 [1953-1965] 
Site de Firminy
大切なことはすべて世界遺産が教えてくれた ~世界遺産検定マイスターのブログ~




●日本

16
国立西洋美術館 [1955] 
Musée des Beaux-Arts, Tokyo
大切なことはすべて世界遺産が教えてくれた ~世界遺産検定マイスターのブログ~
公式Websiteはこちら




●スイス

17
ジャンヌレ=ペレ邸(両親の家) [1912] 
Maison Jeanneret-Perret, La Chaux-de-Fonds
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18
レマン湖畔の小さな家(母の家) [1923] 
Petite villa au bord du lac Léman
大切なことはすべて世界遺産が教えてくれた ~世界遺産検定マイスターのブログ~


19
クラルテ集合住宅 [1930] 
Immeuble Clarté, Genève
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えーと。最後までお付き合いいただきましてありがとうございます。


お伝えしたかったのは、

 日本の世界遺産は、今年また増えるかも

 国立西洋美術館が世界遺産になるには、『この19の構成資産がどうか?』 がポイント


ということでした。



日本の問題も、『国際的な視点』がないとわからないぞ!! っていう一例ですね。

コルビュジェのスゴさについては、また追って記事にします。 ('-^*)/ 



※何度も言いますが、首都圏にお住まいの方は、上野に行ってぜひ現物をご覧ください。
 向かい側にある、オープン・カフェもオススメです。(ちなみに、2月下旬は休館とのこと)
 





■参考文献
 大切なことはすべて世界遺産が教えてくれた ~世界遺産検定マイスターのブログ~
 20世紀モダニズム建築の巨匠 ル・コルビュジエ 光の遺産

 文化庁 文化財分科会世界文化遺産特別委員会(2011/01/18)
 写真家 西森秀一氏Website
 http://www.galinsky.com/
 http://www.greatbuildings.com



★続きはこちら★




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