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不気味な「通信と放送の融合」
 では、地デジ化の目的とは何か。この制度変更と並行して進む動きに「通信と放送の融合」がある。両者は無関係ではなさそうだ。

 現在、通信と放送を規制する法体系を見直す動きがある。電気通信事業法や放送法など9本の法律を情報通信法(仮称)という新法に一本化し、縦割りの関係にある通信と放送を「コンテンツ」「プラットフォーム」「レイヤー」の3レイヤー(階層)へ横割りに再編するものである。

 これをにらみ、総務省内で「情報通信省」構想が姿を現しつつある。通信と放送の融合を進めるため、著作権やIT行政を含む通信・放送行政を一手に引き受けようというものである。8月1日、総務省の情報通信関連部局に情報通信国際戦略局などが新設され、2局体制から3局体制になったのは、その布石とみられる。

 通信と放送をめぐる法体系見直しの議論が活発化したのは、第三次小泉内閣のとき。総務相に就任した竹中平蔵氏が「なぜインターネットでテレビが見られないのか」とぶちまけた。06年1月に私的諮問機関として「通信・放送の在り方に関する審議会」(通称・竹中懇)を設置。村井純教授や菅谷実教授など慶応大学人脈を中心としたメンバーで14回にわたる議論をした。ここでレイヤー方式が提言されたが、これはインターネットなど「送電インフラ」を通じ番組「コンテンツ」を配信することを想定している。

 竹中氏が総務相を離れる前の同年8月、総務省は「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」を設置し、工程表をまとめる。07年12月に出された報告書では、2010年の通常国会への法案提出、11年の施行が記されている。

 この「放送と通信の融合」の狙いは何か。管見ではずばり、外資メディアが通信分野からわが国の放送業を侵略しようと企てているものと思われる。3レイヤーに分けることでまずは通信網に参入し、日本の番組コンテンツを横流ししてもうけようと考えているのではないか。

 竹中氏がNHKの放送の一部に広告を入れたがったことや、NHKの会長が20年ぶりに民間人が起用されたことも、これを促すためとみられる。当面、日本で需要が見込まれるのは日本のテレビ番組であり、その筆頭であるNHKを何とかして市場に引きずり出したいはずである。

 かつて堀江貴文がニッポン放送株を通じてフジテレビを買収しようとしたのは、通信と放送の融合を日本人にPRするためだったと考える。その騒動を資金面でバックアップしたのは、リーマン・ブラザーズだった。

高橋清隆の文書館
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