心がわりは何かのせい? あんまり乗り気じゃなかったのに
 東京タワーから続いてく道 君は完全にはしゃいでるのさ


 人気のない秋の渚 ぼくらだけにひらける空
 「 元気でいて 」 とギュッと抱きしめて 空港へ先を急ぐのさ


 遠くまで旅する恋人に あふれる幸せを祈るよ
 ぼくらの住むこの世界では太陽がいつものぼり
 喜びと悲しみが時に訪ねる


 遠くから届く宇宙の光 街中でつづいてく暮らし
 ぼくらの住むこの世界では旅に出る理由があり
 誰もみな手をふってはしばし別れる


 そして君は摩天楼で 僕にあてハガキを書いた
 「 こんなに遠く離れていると 愛はまた深まってくの 」 と


 それで僕は腕をふるって 君にあて返事を書いた
 とても素敵な長い手紙さ [ なにを書いたかはナイショなのさ ]


 遠くまで旅する恋人に あふれる幸せを祈るよ
 ぼくらの住むこの世界では太陽がいつものぼり
 喜びと悲しみが時に訪ねる


 遠くから届く宇宙の光 街中でつづいてく暮らし
 ぼくらの住むこの世界では旅に出る理由があり
 誰もみな手をふってはしばし別れる


 そして毎日はつづいてく 丘を越え僕たちは歩く
 美しい星におとずれた夕暮れ時の瞬間
 せつなくてせつなくて胸が痛むほど


 遠くまで旅する人たちに あふれる幸せを祈るよ
 ぼくらの住むこの世界では旅に出る理由があり
 誰もみな手をふってはしばし別れる
」 ぼくらが旅に出る理由/小沢健二

作詞 : 小沢健二 作曲 : 小沢健二

ドラマ「将太の寿司」(1996年4月19日 - 1996年9月20日 フジテレビ)主題歌











ぼくたちには


悲しみを乗り越えていける力がある


そこには理由もなく


自然と息をするように


やわらかな音が時を包む


悲しみも痛みも寂しさも


忘れさせてくれるHighな気持ち


多くの闇がぼくたちを包んでも


小さな光はぼくたちをまた


どこかへと導くだろう・・











辞典を開いて


理由のページをめくればめくるほど


遠ざかっていく


そんなもの


感謝の気持ちに、理由なんてなく


後悔をすることに、理由なんてなく


元気でいてほしいことに、理由なんてなく


悲しい心に、理由なんてなく


好きという気持ちに、理由なんてなく


会いたい気持ちに、理由なんてなく


想い出を巡る心に、理由なんてなく


幸せを願う想いに、理由なんてなく


一瞬にして呼び覚まされる想い


愛犬の何気ないしぐさに無性に湧き起こる愛おしさ


夏の涼しい空気に触れるココロ...











言葉は後でついてくるもの


理由はあってないようなもの


理由はぼくたちを


確かなものになんてしてくれない


今を味わう


その今すら分からずに


大切にできなかった後で訪れる後悔の哀しみにも


ぼくらは向かい合っていける


意味や理由をさがすわけじゃなく


ただ、なんとなく。











ひとりでも


そうじゃなくても


今ここでこうしていられることの居心地


そして誰かがこの世界のどこかでいてくれる不思議


どこで何人の人が何色の人が何を信じ何の言葉を話しているか


そんなことはどうでもいい


ここにいることだけが確かな理由


あなたがそこにいてくれることだけが確かな理由


細かく記された手帳じゃなく


計画通りに進ませる時間じゃなく


ぼくらは


一瞬のために


生きよう・・・・・







photo by feel





" 君が笑う


 にっこりと


 思い出したように


 ふりむいて


 僕を認めて


 にこっと笑う



 パラグライダーの調子はいい


 ヨットもピカピカ


 玉子やきもふんわり



 どうしてもわからないのは


 笑う理由


 愛されているのだろうか


 心をひらいてくれているのだろうか


 そのわりには


 またすぐぷいと横向く



 君が笑うと


 とてもうれしい


 笑ったまま止まってくれればいいのに


 それもちょっとこわいか



 もちろんそんなことありえないし


 口にするとバカにされるから


 言わない



 君が時々ふりむいて


 笑ってくれてる間は


 意味なくたのしむことにしよう



 どうせまたすぐ


 泣いたり


 するんだろう " 笑う君/銀色夏生


1960年 日本 - 宮崎県 女性詩人、随筆家、写真家






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