「就活ゼミ」~就職活動で大事なこと~

大学生・院生を中心に就職活動中の皆さん向け。
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5回の基礎講座も今回がラストです。地震や漁船転覆事故、平泉と立て続けに大きな話題があったため、思うように書くことが出来ずこの時期になってしまい申し訳ありません。

■今回のテーマは、「書いてみよう」

「いきなりそんなこと言われても・・・」と頭を抱える方もいるかもしれません。
しかし、少し考えてみてください。今回は第5回ですが、1~4回で再三「やってみてください」と行動することを促してきたはずです。それを少しずつでもやっていれば、書くための材料はそれなりにそろっていて、「いっぺん、やってみるか」という気になるはず。そう、ここが「実行するかしないか」の差になるんです。地震があったがために1か月余りにわたって5回シリーズを書いてきましたが、それでも書いた人はごくわずかしかいません。しかし、書いた人は自信を付けてきています。虚栄心を煽るようでイヤですが、ここで焦ってがんばれば、まだ遅くありません。

まぁ、そんなに焦ってせこせこと就職活動の準備をしなくても内定できるのが昨今の就職活動だと聞いています。しかし、確実性を高めていく作業は重要です。別に、かなり時間をかけてやるべき課題を提示しているわけではありません。私自身、こういう形で講座があって、少しでもかじっていれば、もう少し円滑に就職活動できただろうなぁと思う内容を提供するようにしています。現に、準備が間に合わずに不本意な結果に涙した先輩を数多くみています。成功の裏に、失敗した人もたくさんいます。だからこそ、本気であれば本気であるほど、準備を進めましょう。

これまで何度も申し上げていますから、自己PRとは何か――と話すまでもないと思います。つまり、自己分析の結果で見いだした自分の強みを効果的に伝えることにすぎないのです。詳しくは1回から4回を参照してください。


■エントリーシートの書き方、その前に・・・

さて、「書いてみよう」と言ってしまったので、エントリーシートの書き方を軽く書いておこうと思います。
その前に、自信を持って言えること。
書類通過するレベルのエントリーシートは簡単に作れます。マスコミや広告、一部の超人気企業ではそれなりの戦略を練って書かなければなりませんが、そうでない限りは基本的な書き方をマスターしておけば大丈夫です。ちなみに私は、就活本を読んだ以外は、銀行に勤めるサークルのOBに一度だけ見てもらった程度でした。ほかにも見て頂きましたが、有益なアドバイスをもらったのはこの方くらい。しかし、自分なりに書き方を考えて出しましたが、落とされた企業はテレ朝とテレ東、あとどこだっけ。でも、まぁまともに書けば落ちないレベルにはなりました。


■エントリーシートは何度も書いて成長させる
何度も書いて、何度も添削をしてもらうことで、だんだん良いものが仕上がっていきます。では書き方です。

●書き方1:「結論→理由→具体例」「なぜ・何が・具」
書き方の基本は結論から、ということです。わかりやすくするためには、何を言いたいのか冒頭ではっきりさせて、補足的に情報を追加させて相手が知りたいことを補っていく。これがもっともわかりやすい書き方だと思います。また、中身の記述では、一文一文で物事のいきさつや自分がどのように取り組んだのかをわかりやすい言葉で、わかりやすい文体で書いていく必要があります。そのときに参考になるのが、「なぜ・何が・具(具体例)」という、代々木ゼミナールのS先生(いまは代ゼミなのかな)が東大現代文などで教えていた回答の書き方。
いずれにしても同じです。相手が何を知りたいのかを早めに書いて、その説明に残った字数を費やす。この方法で、読み手に配慮した文章を書きましょう。

●書き方2:具体例で「自分らしさ」を引き出す
「さまざま」「いろいろ」「たくさんの」といった抽象的な話は、何も書いていないのと同じです。「さまざまってどんな?」「いろいろって例えば何?」といったように、一番聞きたいのは「あなたが具体的に何の体験を通じてどんな人間になっているのか」ということなのです。
初対面の人に、「私、いろいろやってきてたくさんの能力がついているからさまざまな場面で使える人材です」なんて言ったって、怪しいですよ。そのアピール。一見よく書けたESのようで、「あなた」らしさが出ていないのでは何も書いていないに等しいのです。
自分の特性を引き出すためには、固有名詞や具体例(読み手が情景を思い浮かべることができるように簡潔に説明する)を書いて行くことが重要です。
※ちなみに、この具体例は成功体験のほうが自分をアピールしやすいと思います。また、その成功につながった挫折経験とそこからの克服があると、よりいっそう自分の良さ(含・根性など)があらわれます。

●書き方3:とりあえず、自分が重要だと思うものを書こう
本当は、自己分析の末にどのテーマでどう書いていくか戦略を練るのですが、まだまだ就職活動までは時間があるので、とりあえず書いてみてください。
ありきたりな経験でも、その時考えたこと、行動したことを具体的に見ていけばあなただけの経験が見えてくることがあります。バイトでもそうです。毎年、数人はアルバイトの内容でおもしろいことをやっていることに気づいて、自信を持ってアピールに使っています。
マイミクで、テニスサークルのテニス狂のような友人(♂)がいました。通称「テニサー」の役員をやっていたくらいしか経験ねぇよなんて言っていました。「テニサーのことは書かない方が良い」と教えるくだらない就職支援者もいるようですが、ちゃんと自己分析をして書けばそんなことはない。彼の場合、テニスを大学に入って始め、選手を目指してがむしゃらにがんばったことをつぶさに思い出して書いていくうちに、彼らしさあふれる自己PRが完成しました。

たとえば、喫茶店でバイトしていた後輩のエントリーシート(一部改)。

「私は、そのとき自分ができることを、精一杯していくことを心掛けています。大学生時代、池袋のコーヒーショップで2年間アルバイトをしました。1日にお客様が1300人以上いらっしゃる中、対応するスタッフは多くても6人と少なく、チームワークがとても重要となる仕事でした。私は、人一倍やる気を出し、人の気付けないことにも気が付けるよう、視野を広く持って働きました。新人アルバイトの指導に当たっても、楽しいときは楽しく、厳しいときは厳しくといった「けじめ」をつけることで、お互い信頼関係を作り、一人一人が向上心を持って仕事をできるような職場を作ってきました。アルバイトを通して、一人一人の個性ややる気というのは、集団全体を動かしていくものだと思いました。私はいろいろな環境や状況において、周りを活気付け、人にいい影響を与えられる人間になりたいと思っています。」

400字弱の内容です。これは添削前、ちょうど皆さんのように就活を始めたばかりの頃に書いて提出してきたままのものですが、まずは具体的に書くという意味でこういった具体例を盛り込むよう努力してみてください。


●書き方4:実績の羅列だけでなく、心の動きも入れよう
「ただ**をしました、**で**に取り組みました」と並べてもあまり聞いてくれません。あなたらしさは、その行動の源泉となる思い、その当時の苦悩などにあります。なぜそれに取り組んだのか、そこであなたはどんな力を発揮したのか。そして、そのような経験から、あなたはどんな人間なのか。自己分析が重要なのは、ここでもわかるわけです。
また、その強みを発揮できた場面、そのときの周囲の反応、その後の行動の変化など、具体的な事例・シーンを書き込んで、「らしさ」 を演出しましょう。やったことより、「なにを考え、どんな強みを発揮したのか」が大切です。

●書き方5:俳句よりもまともなものを書けるか?
大学時代、学科の政治思想の教授がご自身のホームページで、試験の字数制限は「17字以上」と書いていたように覚えています。意味は、俳句でさえ、17字であんな見事にまとめあげている。字数が少なくても良い答案は評価するというものでした。字数はいくらでも減らせます。ことしの就活シーズン、ある後輩のエントリーシートを半分以上削って添削して送り返しました。それでも内容的にはふくらんでいました。ただ、字数を減らすために難しい熟語を多用する必要はありません。よく読めば、要らない言葉、要らない文が出てきます。それを削って、しっかり伝わる神髄の部分を残す。この作業だけでそうとう良くなります。だから、今回の字数制限は400字ですが最初は1000字書いても良いし5000字書いても良い。その中から、本当に使える部分を抽出して濃密な内容を書き上げましょう。

先ほど紹介した、後輩が書いたままのエントリーシートの文章は372字です。これを余計な字を削るとこうなります。

自分ができることを、精一杯していくことを心掛けています。大学時代、池袋の喫茶店で2年間アルバイトをしました。1日のお客様が1300人以上の多忙な店ですが、6人という限られたスタッフでやりくりするため人材育成に注力しました。指導にあたっては、厳しいときは厳しくといった「けじめ」をつけて信頼関係を作り、向上心を持って仕事できる職場を作りました。この経験を通して、いろいろな環境や状況において、周りを活気付け、人にいい影響を与えられる人間になります。

これで223字。もともと、自分がアピールするポイントの具体例が欠如している内容なので、ここに具体例を盛り込み、成果を盛り込めば300字を少しこえるくらいの分量になります。それでも、もともと書いた内容より2割は字数が少なくなる。内容が薄い文章は読み応えがなく、評価も低くなりがちです。推敲に推敲を重ね、良い文章を作りましょう。

以上が書き方の注意点です。当然ですが、原稿用紙の使い方などで教わった常識的な点は注意してくださいね。


●おわりに

これで、5回シリーズの基礎講座は終了します。添削希望等あれば、どんどん送って下さい。受け付けます。
シメに、気の利いたことの一つもかけない人間がエントリーシートの書き方など紹介してよいものかと悩みますが、このまま気の利いたことを書かずに筆を置きます。就活は、やったもん勝ちです。実行あるのみ、皆さんが少しでも動き、良い成果を得られるよう、遠く岩手から願っています。

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