民主、国民新両党による菅直人連立内閣が8日夜、皇居での首相任命式、閣僚の認証式を経て発足し、菅氏は第94代、61人目の首相に正式に就任した。首相はこれに先立ち首相官邸で就任会見に臨み、政権の目標について「政治の役割は、国民や世界の人々が不幸になる要素をいかに少なくしていくのか、『最小不幸の社会』をつくることにある。強い経済、強い財政、強い社会保障を一体として実現する」と強調、経済・財政の立て直しに強い意欲を示した。夏の参院選の勝敗ラインについては「6年前、(04年に)岡田(克也)代表の下の参院選でいただいた議席がベースになる」と述べ、50以上の議席獲得を目指す意向を表明した。

 首相は「日本経済、財政、社会保障を立て直す」としたうえで、財政再建について「政府として一方的に考え方を申し上げるだけではなく、自民党を含む野党にも共通の危機感を持っている方もかなりいるので、議論につなげていければいい」と述べ、与野党に対し、党派を超えた議論を呼び掛けた。

 鳩山政権が退陣するきっかけとなった米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題については「日米間の合意に基づいて、進めなければならない」と述べ、同県名護市辺野古周辺への移設を明記した日米共同声明の実行を目指す意向を表明。沖縄の負担軽減に「全力を挙げて取り組む」と強調したうえで、代替施設の位置や工法を決める8月末に向け「沖縄の理解を求めることを並行的に進めていかなければならない」と述べた。

 一方、参院選の勝敗ラインを50議席以上に設定。同党の改選議席54を4議席下回り、非改選の62議席を加えても、単独過半数には届かない。同党の高嶋良充参院幹事長は8日の会見で「(単独過半数を確保できる)60議席はぜひとも実現しなければならない最低の勝敗ラインだ」と述べており、小沢一郎前幹事長に近いグループから反発が強まる可能性もある。

 参院選の日程を左右する今国会の会期延長については「(民主党の)幹事長、国対委員長の下、連立を組む他党とも議論した上で、方向性を定めていきたい」と述べるにとどめた。衆参同日選の可能性については「きちっと参院選で議論させていただく。現在のところ、(同日選の可能性は)白紙だ」と否定的な見方を示した。

 首相は「政治とカネ」の問題を巡り、民主党の小沢前幹事長の責任問題について「党の中で重要な役職である幹事長を辞任することは、一定のけじめだ」との認識を表明。小沢氏の証人喚問や衆院政治倫理審査会への出席を求めている野党側の主張に対し、慎重な姿勢を示した。

 ただ、3日の会見で首相は「(小沢氏は)国民の不信を招き、しばらくは静かにしていただいた方が本人、民主党、日本の政治にとってもいいのではないか」と指摘しており、8日の会見でも「責任を感じて辞められたということなら、しばらくの間、静かにされているのが、本人を含め、みんなのためにいいのではないか。ごく自然なことを言ったつもりだ」と説明した。【中村篤志】

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