
先週末、代官山にある人気フレグランスショップ「
LELABO
」にて、何とも贅沢なワークショップが開催されました。今まで謎のベールに包まれていた「香水製造過程」や「調香師の仕事」などについて、「LELABO」のブランドヒストリーと共に直接学ぶことのできる願ってもないチャンスの到来です。「香り」には人一倍強い思い入れと、こだわりのある私にとって、非常に興味深いフレグランスワークショップでした。
「LELABO」は、「作りたてのパフューム」を提供することのできるラボ併設のフレグランスショップです。海外の錚々たるセレブリティたちを顧客に持つNY発の人気フレグランスブランドで、代官山店はニューヨーク、パリ、ロンドン、ベルリンなどに店舗展開するLELABO日本第一号店(07年10月にオープン)。NYの本店に続く、世界で2番目の路面店なんだそうです。ブランドの設立は、06年2月。欧米の大手フレグランスメーカーで豊富な経験を積んで来たエディ・ロスキー氏とファブリース・ペノー氏が、NYの有名調香師とのコラボで立ち上げたフレグランスブランドとしても知られ、今回のワークショップでは、そのブランドファウンダーの一人、エディ氏が来日。直々にプライベートセミナーを開くというもの。
同ブランドの最大の特徴は、従来のパフュームの概念を覆す「メイド・トゥ・オーダー」という画期的なスタイルにあります。実はパフュームは、香料とアルコールを混ぜた時点から劣化が始まると言われるほどデリケートなもの。「LELABO」ではパフュームをオーダーすると、専門のスタッフがその場で香料とアルコール、水を最終調合してボトリングするため、香りの劣化を最小限に抑え、調香師がクリエイトした完成度の高い香りをフレッシュなまま、長く楽しむことができるのです。さらに驚くべきは、ラベルのカスタマイズ!購入日からの消費期限(約1年後)が記載される上、オリジナルの名前やメッセージまで印字してくれるという徹底したサービスぶり。まさに世界で一つだけのパフュームを手に入れることができるのです。
セミナーでは、スパークリングウォーターの
サンペレグリノ
で喉を潤しながら、「LELABO」のブランドヒストリーを中心に、一つの香りが誕生するまでの様々な行程や、調香師の仕事内容、香水業界の裏話など非常にマニアックな話をたくさん伺うことができました。また調合デモンストレーションなども初体験。利き酒師の「飲み比べ」ならぬ「香り比べ」にもトライすることができ、とても貴重な経験をさせていただきました。特にシナモンの香りと、レモングラスの香りを「調合」すると、あら不思議。
何と「コカ・コーラ」の香りになるではありませんか!まさに身近の例で、香りのブレンドの妙を体感することもできました。こうしたインタラクティブなワークショップって、ブランドを理解する上ではとっても有効な手段なのかも知れませんね。ともあれ、香りは「アート」そのもの。そして非常に繊細で、エモーショナルなものだと感じました。



エディ氏のセミナー終了後は、階下にあるエントランスホールでの交流パーティー。美味しいシャンパンと共に、オシャレなピンチョスや、フレデリック・カッセルのショコラ&マカロン、
ネスプレッソのコーヒー
に至るまで全てが美しく整えられており、気持ちが自然と華やぎました。実はこうした一つひとつの優しい演出こそが女性たちの心を捉え、上質な「おもてなし」の心に繋がっているのでは……と感じたからです。こうした気配りや気遣い、心配りができることもまた、重要なブランドイメージなのではないでしょうか。
パーティー中は幸運にもエディ氏ご本人に直接インタビューをさせていただく機会にも恵まれました。随分長い間使っていない英会話も駆使して、2つの質問をさせていただきました。
①オードパルファムをつける際、効果的なつけ方、楽しみ方はありますか?
→僕の場合は、直接洋服の上からつけて楽しんでいますよ。髪の毛に吹きかけるのもオススメですね。
②調香師に向く人の資質とは?(あわよくば、調香師への転職もあり?との淡い期待を込めて)(笑)
→鼻がいいだけでは、優秀な調香師にはなれません。むしろ、鼻がいいかどうかとういことはあまり関係がないかも。それよりも大切なことは「記憶力」ですね。何しろ数千という単位の膨大な量の香りを識別し、記憶しなければなりませんから。それから「創造力」があること。調香師はクリエイティブな感性が何よりも問われる仕事です。日本にも古くから「香道」という文化があるように、「香り」にはとても縁の深い国だと思います。環境って大事なのではないでしょうか。あなたも香りに興味があるのであれば、「警察犬」になろうなどとは思わないで(笑)、ぜひ「調香師」を目指されてみてはいかがですか。今夜は香りに興味を持って下さって、ありがとう。



「LELABO」のスタッフの皆さんは、とっても気さくで美人な方たちばかり。自分好みの香りを伝えると、一つひとつの香りの特性などを丁寧に説明してくれながら、自分にとって最適なフレグランスをリコメンドしてくれます。また、上級者向きのフレグランスの楽しみ方もたくさんご存知なので、「フレグランスコンシェルジュ」と命名して差しあげたいくらい!そう言えば映画にも、「香水」を効果的に使った印象深い作品がありましたね。たとえば『風と共に去りぬ』。主人公のスカーレット・オハラが自身のお酒臭さを消すために香水でうがいをするシーンがありますが、この場面は余りにも有名ですね。この映画は、10代の頃に初めて観たのですが、その時の衝撃は今も鮮烈に「香りの記憶」となって残っています。
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【LELABOでの「メイド・トゥ・オーダー」の流れ】
①ラストノートをムエットで、トップノートをその場でスプレーして試す。好みの香りとボトルのサイズを決定。
②ラベルに印字するワード(名前やメッセージなど、英数字23文字、日本語は13文字まで)を決定。
③オーダー後、フレグランスを調合室で最終調合し、ボトリング。
④ラベルを貼ったボトルをBOXにセットし、もう一枚のラベルで封印して完成!オーダーからの所要時間は約10分。
【LELABO代官山店
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東京都渋谷区恵比寿西1-35-2 (代官山駅より徒歩2分)
電話:03-5459-2770
11:00a.m.-20:00p.m.(不定休)



パーティー終了後には、お土産もたくさんいただいて帰って来ました。
袋の中には、あのスイーツの名店「
フレデリック・カッセル
」のショコラアソートも入っていてご機嫌!いま一日一粒ずつ、大事に大事にいただいております(笑)。9月11日には、銀座三越に日本初のパティスリーもオープンしたそうですね。これで世界のショコラティエ・パティシエの味が気軽に味わえるようになり、楽しみがまたひとつ増えました。
そして――。今回私がLELABOで「メイド・トゥ・オーダー」して来たオードパルファムは、この「GAIAC10」。店内には数十種類もの香り豊かなオードパルファムが並んでいましたが、迷うことなくこの香りをチョイスできたのは、もう「運命」だったとしか言いようがありません。香りって、理屈じゃないんですよね。特に私のように「将来は警察犬にでもなって社会貢献をしようかしら」と本気で思っていたほど鼻の利く人間にとって、「フレグランス」はまさに生活の一部。というか、既にカラダの一部のような存在です。高校生の時はずっとムスクを愛用していたので、GAIAC10に一目惚れならぬ「一鼻惚れ」したのは、その嗜好の影響もあるのかしら?30代に入った頃は、とある有名ブランドのメンズオードトワレと出逢い、それ以来ずーっと今日までその香りを愛用し続けています。浮気はただの一度もありません(笑)。今では友人たちが私の傍を通たびに、「あ……タエちゃんの匂い」と香りごと記憶してくれているほどで、そのトワレと私は一セットなんだそうです(笑)。
そんな私が、LELABOで「GAIAC10」と出会ってしまったというワケです。この香りがとても有名な調香師さんの手(鼻?)によって生まれたものだと知った時は、人知れず自分の鼻に誇りを覚えましたね(笑)。このGAIA10の香りと初めて出会った瞬間、とても懐かしい記憶が呼び覚まされたような気がしました。目に見えないはずの香りが急に視覚化されて、目の前を一気に通り過ぎて行ったような――。それは、雨が降る直前の風の匂い?放課後の図書館の匂い?よく晴れた日に干した布団の匂い?ホットケーキの焼ける匂い?洗濯を取り込む時のダウニーの香り?あのヒトの付けていた香水の残り香?香りの記憶って、何でこうも切なく胸に迫って来るのでしょうか。いずれにせよ「GAIAC10」は、一体何の記憶の断片だったんだろう。私はその確かな記憶を手繰り寄せられないまま、この香りをボトリングしてもらうことに決めました。そして更にラベルをカスタマイズできるということで、迷うことなく「百花TOKYO」と入れてもらうことにしたのです。これは、現在私が手がけているプロジェクトのブランド名。奇しくも、このオードパルファムが「東京」をイメージして調香されたものだと知り、不思議な縁を感じて、そう名付けることに決めたのでした。
そして待つこと10分――。遂に私だけのオードパルファムが完成しました。家に帰り、箱の中から美しくボトリングされた小さなボトルを手にした時の感動と言ったらありません。(下の写真にご注目下さい。ラベルには確かに「百花TOKYO」との文字が!)。このえも言われぬ上質感こそ、最高の贅沢なのだと思いました。この特別な香りは、特別な日にだけ身に纏うことにしよう。それも、とびっきりのハレの日に。この香りをくぐりさえすれば、どんな高級ブランドのドレスやランジェリーにも引けを取らないほど、美しい空気を身に纏うことができるはずだから――。そう言えば、英語でも「香水を付ける」ことを「wear scent」と表現しますが、この「wear=身に付ける」という表現もまた、何てお洒落で素敵な響きなんだろうと気がつきました。私は毎朝オードトワレを付ける時、わざと香水の瓶を上に向けてシュっと吹きかけ、その香りのトンネルをさっとひとくぐりするようにしています。その行為は確かに、「香りを身に纏う」という表現がしっくり来るような気がします。その後は、小さなポーチにアトマイザーをしのばせ、一日中大好きな香りを持ち歩くのですが、いつか誰かの心にも「残り香」を残せるような私でありたいと心から願ってやみません。
追伸/この「GAIAC10」の香りを、どうにかしてもっと具体的に読者の皆さまにお伝えすることができないろうか。と、考えあぐねた結果、ある秘策を思いつきました(笑)。続きは
次章
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