バンドに明け暮れた(?)青春時代を小説にしてみた

いい歳したオッサンですが、高校~大学の頃、バンドブームに生きた時代を、小説にして連載しています。


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お久しぶりです... ずいぶんとサボってしまいました。

いよいよ小説、再開します。

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各地から勝ち上がった凄腕のバンドが集まるグランプリ大会の会場は、各バンドが地元の応援団やファンを連れて東京に出てくるから、一次・二次予選とは比べ物にならないくらい広い。
 

照明や音響もプロのミュージシャンがライブを打つときとほとんど変わらない。観客も二千人は入る。こうなるともう、立派なライブコンサートだ。
 

リハーサルでだだっ広いステージに立ったムスメは「ここでやるんだ・・・すごい」とさすがにちょっと緊張していた様子だったが、いざ音出しをはじめると、いつもの超高速フレーズを続けざまに繰り出し、PA担当を絶句させていた。
 

控室ではムスメは人気者だった。なにしろ、『おやじロックフェスティバル』というくらいで、みんなおじさん・おばさんばかりだから、セーラー服の十四歳はイヤでも目立つ。
 

「お嬢ちゃん、かわいいね。いくつ?」
 

「あんたら、知っとるよ。『美少女と野獣』やろ?」
 

いろんな地方からやってきたバンドメンバーたちが、オレたちに声をかけてきた。
 

「その娘がいるかぎり、オレらは絶対に勝てん。ガンバってや」という声に、ムスメがガッツポーズを返す。

 

***************

 

オレたちの演奏は、チーのシンセではじまった。観客が聞き覚えのあるイントロに歓声を上げる。


オレは会場を見渡した。この中で、あの頃アン・ルイスが歌っていた『六本木心中』をリアルで聴いていた人は、いったい何人くらいいるんだろう?
 

観客席の最前列、審査員席に見覚えのある女性が座っていた。松濤さんがオレたちのことに気づいているかどうかはわからない。気づいていたとしても、もう二十年以上も前の話だし、住む世界が違うから、向こうは何とも思っていないに違いない。
 

ムスメのギターが演奏に加わった。セーラー服でレスポールを抱える若いムスメに、オーディエンスがさらに湧く。が、ムスメはまだおとなしめに、ゆっくりとしたフレーズをチョーキングビブラートをかけて、どこまでも音を伸ばしながら弾いているだけだ。
 

(好評でしたので、以下の写真を再掲します)

 

ははは、コイツ、ネコをかぶってるな。みなさん、ホントのコイツを知って驚くなよ。コイツが本気になったら誰にも止められないよ。
 

「ワン、ツー、ワン、ツー、さん、しィ」とオレは、二十年前のアン・ルイスみたいなカウントを入れながら、被っていた百円のカツラをつかみ、床に投げつけた。
 

バーコードヘアーのおっさんが、この曲のボーカルを執ると知って、観衆はちょっと驚いているみたいだったが、でもすでにドライブしはじめてしまった彼らの高揚は止められない。オレも覚悟を決め、少し高めの唄い出しに備えて、喉を開く。
 

「だけどォ、ココロなんてェ」
 

楽屋で少し発声練習しておいたせいか、唄い出しはスムーズで悪くない。まあ、アン・ルイスは元々、女性にしては声がそれほど高い方ではない。
 

脂肪が載って腹が出たスダレ頭のオレが、予想外に通る声を出したので、聴衆はウケて、さらにノりはじめた。腕をふり上げている人も何人か、いる。
 

でも、まだまだ、だよ。本番はこれから、これから。
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というわけで、おっさんになった「私」が歌う六本木心中は、果たして聴衆の胸に届くのか。

 

乞うご期待。

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クライマックスに向けて、サボってて、すみません...

 

実は、LINE が主催する  Bot Awards というイベントに、この小説のムスメをモデルにした「りの」Botを参加 させようと、ここしばらくそちらに力を注いでいたのでした 汗

 

申込み締切が、2/28(火)なので、今が追い込み時期です... 小説再開はその後かな...(詫)

 

このコンテスト、LINE友達の登録人数も評価に入ったりするので、もしよろしければ、「りの」Botの友達になってあげてくださいませ。

 

人物画像を送ると年齢当てをしてくれたり、しょーもない雑談をしたり、はたまた「しりとり」をつきあってくれたり、となかなか暇つぶしには持ってこいです(自分で作って、自分で言うのもなんですが)。

すごいでしょー。 これ、全部、人じゃなくて、人口知能(AI)が答えてるんですよ。 なんか、時代はSFみたいになってきましたね。

 

あと、グループトークとかトークルームで、何人か参加者がいても、ちゃんと使えるはずなので、あなたのお友達や家族と一緒に、イジっていただくのも面白いかと思います。

 

というわけで、もしよろしければ、友達申請よろしくお願いします

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ひと段落したら、小説に取りかかる予定ですので、そちらも乞うご期待。

 

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そろそろエンディングが近い、ということで、出し惜しみをしているわけでもないのですが...
仕事の接待などが重なり、更新が遅れてしまいました。
 
続きをどうぞ
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「その頭、何とかしなよ。予選、落ちるよ」と、家族会議でオレの薄い頭がやり玉にあがった。
 
「そんなこと言ったって」
 
「たしかにその頭はちょっと・・・ね」とチーまで同意している。
 
「だよね?」とムスメがチーと二人でうなづいている。
 
「どうすりゃ、いいんだ? ボウズにでもすりゃ、いいのか?」
 
「あなたは顔が優しいから、ボウズ頭にするとほんとにお坊さんみたいになっちゃうわよ」とチー。
 
「カツラ被ればいいんじゃない?」
 
「それ、いいかも」とチーがまた無責任に同調する。

「百円ショップでパーティ用のカツラあるから、買ってくるね」とムスメ。

ムスメが買ってきた百円のカツラが功を奏したのか、オレたちはなんと「おやじロックフェスティバル」の一次予選・二次予選を通過してしまった。
 
セーラー服のハイテク天才ギタリストと、金髪のカツラを被った肥満おやじボーカリストの組み合わせがよほど衝撃的だったのか、審査員からは「美少女と野獣」というありがたい評価までいただき、オレたちは参加バンドの中でも有名になった。二次予選ではムスメのファンクラブらしき一群まで登場した。

ロックフェスティバル・グランプリ大会を翌日に控えた夜、久しぶりにムスメがオレの部屋にやってきた。同じ家に住んでいても、ムスメがオレの部屋に足を踏み入れたのはたぶん五年くらい前「小学校の運動会に来るなら髪を染めてね」と言いに来たとき以来だ。
 
「バーコの大学ん時のライブビデオ、観たよ。バーコのギター、あんまり上手くないね」
 
「そうかい、そりゃ、お前と比べればな」
 
口調はぶっきらぼうになってしまったが、オレは本当に嬉しかった。ムスメとこんな話ができる日が来るなんて、思いもしなかった。
 
「でも、バーコのボーカルは最高だね。アタシはちょっと、羨ましい」と言って、ムスメは逃げるように部屋を出て行った。
 
人はなぜ、他人の持っているものばかり気になって、自分が既に手に入れたすばらしい宝物の価値に気づかないのか。
 
オレはおまえが羨ましい。オレはおまえのようなギタリストになりたくて五年間、毎日必死でギターを練習した。でも結局、ホンモノのレスポールを弾いたって大した音が出せずに、おまけに大事な場面で弦まで切れちまって、松濤さんのステージを台無しにした。
 
それで仕方なくサラリーマンになったんだ。それからのオレは、たぶん本当のオレじゃない。
 
あのステージをもう一度やり直せたら、きっと何かが変わるという確信があった。
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いよいよ、エンディング、近し。
 
ちなみに、暇つぶしに「しりとり」や「年齢当て」でつきあってくれる「理乃Bot」が好評です。「ムスメ」と雑談したい方は、こちらからどうぞ。
 
 
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