先日、うちの会社で契約してくれた知人の上棟式homeに参列してきましたにこ

大工さんにご馳走を振舞ったり、
ご近所さんを集めて餅を投げたり… といった昔ながらな式ではなく、

大工さんがお休みの土曜日に、
お施主さんご家族とハウスメーカー担当2人だけの、こじんまり&さっぱり式でしたクローバー


今日はその式の一部のお話を。


式の途中に 槌打の儀(つちうちのぎ) なるものがありました。

千歳棟(せんさいとう)
万歳棟(まんさいとう)
永永棟(えいえいとう) 

という掛け声と共に、木槌で板に刺さった大きな釘を打っていました。


調べてみると、
掛け声にそのつど『おー!』と応える場合や、
屋根に上がって、掛け声に合わせて棟木を打ち付ける場合などなど様々に。

でも、掛け声自体はどんな場合も共通しているようです。


漢字から推測できるように、家の末永い繁栄を願うものなのですが、








……えいえいとう?


気合入れる時の定番なあの台詞に似てる。

あの定番な 『エイエイオーtomominnie』 に似てる。

…まさか。
『エイエイオーtomominnie』 の語源って、   建築から!?



気になったので調べました。
広辞苑本と、建築大辞典本と、岩波の国語辞書本と、ネットkonatuを駆使して調べました。


…違ってました354354


『エイエイオー!』 の漢字は 『曳曳』 『応』で、
『鬨(とき)』という合戦開始の叫び声でした。
※かちどきを上げる の「かちどき」は「勝ち鬨」と書きます。 そう、その類です。

味方の士気を上げると共に、
敵に向かって戦いの開始を告げる合図の役割もあったそうです。

敵味方相互に発し合い、
大将が 『曳曳!!』 と言うと、一同が 『応っ!』 と返し、
それを3回繰り返すのが通例だったそうです。


敵と味方で相互に発し合うなんて…
なんとも不思議な感覚を覚えるけど、そんなとこがカッコイイなーとも。


設計OL日記から趣旨がズレましたね(笑)
http://www.amazon.co.jp/%E8%97%A4%E6%A3%AE%E7%85%A7%E4%BF%A1%E3%80%81%E7%B4%A0%E6%9D%90%E3%81%AE%E6%97%85-%E8%97%A4%E6%A3%AE-%E7%85%A7%E4%BF%A1/dp/4786902160/ref=sr_1_5?ie=UTF8&s=books&qid=1259242447&sr=1-5

昨日、本屋さんで見つけたステキな本をご紹介します本


最近の私のブーム、藤森照信さんの 『素材の旅』


竹や大理石、茅やナラ、ヒバなどなどなどなどなど…竹木石

自然素材の産地や特性を、
藤森さん独特の優しーい語り口と、
産地の人や職人さんとのほっとするやりとりでつづられています。

知っているようで詳しくは知らない素材の知識が、
楽しーく学べますよにこキラキラ


藤森さん、きっと優しい人なんだろーなーくもとにじ

ちなみに!!
東北大の建築出身:藤森さんは、オフコースの小田和正と大学の同期だそうでぎくっ

オフコースの小田さんといえば、
東北大の建築を出た後に進学した 早稲田の院を卒業する際に
『建築との訣別』って論文を書いて音楽の道に突っ走ったというエピソードが。
(東北大出身の私のゼミの先生がお気に入りのエピソードww)

オフコースの小田さんといえば…
あ、話がだいぶそれますね溜息
4畳半。
父親は『フォークだなー』としみじみしそうですが。


仕事でよく見かける【4畳半】を取り入れたプラン。

和室を作っても使い道がないけど畳の気持ちよさは取り入れたい、
と、リビングの一部に【畳コーナー】を設けるお客様が多いです。


そこで気をつけてもらいたいのが畳の敷き方です。


コチラをご覧ください ↓ ↓ ↓

設計OL日記

←左←がオススメ。
→右→オススメできません汗


一見すると、→右→の方がバランスいいですよね。
シンメトリーだし、シンプルに見えてスッキリしています。




…が、しかし、


この敷き方、実はとても縁起の良くない名称がついています。

その名も 切腹の間ががん



昔、切腹を行う際は→右→のような畳敷きの部屋が使われました。

この部屋で切腹を行うメリットは、
経済的アオキラであることなんです。

←左←のオススメ4畳半では、
部屋の真ん中で切腹をした場合、畳が1枚ダメになってしまいますがNG

→右→の切腹の間では、
部屋の真ん中=半畳 の上で切腹を行うため、取替えは半畳のみでOKOK

経済的ですねぇ~


切腹の間のコトを知らない人もきっと多いので、
それでも気にしない人は→右→でもいいかもしれません。

やっぱり縁起が悪いのは…。でも、バランスよく畳を敷きたいし…。
という人には、全部半畳(縁ナシ)が一番オススメですねあげ
先日のブログにも書きましたが、
建築業界は冠婚葬祭並みにお日柄を気にします

多くの人に馴染みがあると思われるのが、
 大安…大いに安し
 先勝…先んずれば即ち勝つ、午前中が吉
 先負…先んずれば即ち負ける、午前中は良くないが午後はよろしい
 仏滅…仏も滅するような大凶日
 友引…凶事に友を引く
などなど。

ところが、住宅メーカーに入って、全く聞きなれないお日柄をよく耳にするようになりました。

それが…

三隣亡 (さんりんぼう)


昔は【三輪宝】と書かれ、とてもいい意味で使われていたのですが、
今はそうではないようです。

今日、私の席の前で繰り広げられていた会話をどうぞ。

 
【 登 場 人 物 】
業者さん : 関連業者さんであり、また、弊社でご契約頂いたお客様でもある。
        (以下、ヤマダさん(仮称)
現場監督 : (以下、監督
設計担当者 : (以下、設計


監督
「設計さーん、ヤマダさん、○○日に地鎮祭したいんだって。できそう?」

ヤマダさん
大安だし、どうです?」
夢のマイホームにウキウキが隠せません。

設計
「○○日ねぇ…」

手帳を開く3人。

設計
大安だけど…惜しいなぁ。

ヤマダさん
「… え、惜しい?」

監督
「惜しいねぇ、三隣亡だからねぇ」

ヤマダさん
「さんりんぼう???」

設計
「三隣亡ってね、3軒隣りまで滅ぼすって言われてるんだよねー

ヤマダさん
「マズいね 3軒隣りかー、3軒隣りって…そういえば全部…

3人で
「●●ホーム!!」

監督
「…潰しておくか?あえて三隣亡にやるか?」


いやいやいや!!
こらこらこら!!!!



費用も安く済むし、仏滅に結婚式でもまぁいいか。
…というように、『本人たちがいいならイイ』というわけにはいかない建築業界。

ご近所さんとしては三隣亡に地鎮祭をしようものなら、
やはりいい気はしないですよね溜息

わざと完成品を作らない、そんなプロがいるコトを知っていますか?

※手抜きや技術不足というわけではありませんよ。


モノはゼロから産み出され、
だんだんと作られていき、
完成します。

そして、月日が経ち、
壊れたり枯れたり古びていったり…
完成したあとは、下降の一途を辿るだけだ、というわけです。


そこで、『逆さ柱矢印という発想が生れました。

逆さ柱とは、建物の柱を1本だけ逆さまに立て
未完成な部分を残しておくことを言います。

『建物は完成と同時に崩壊が始まる』という伝承から、
わざと未完成の状態にすることで災いをさける意味合いを持っているのだといいます。


徒然草には、
『内裏造らるゝにも、必ず造りはてぬ所を殘す事なり』と、
『作る時も必ず1箇所は作り残しをする』とあるようです。

また、江戸時代には、
家を建てる時には『瓦3枚残す』といって、
棟に瓦を3枚置いておき、まだ工事中であり未完成であるように装ったといわれます。


住宅メーカーで逆さ柱っぽいコトでもやろうものなら、
クレームのひとつでもつきそうで怖いですけどね溜息