このブログはミネアポリス出身のバンドThe Replacements
U.S.バンド関連の記事を書いています。
別ブログWithin Your Reachでは、その時々の関連ネタも投稿中。
2008-12-09 21:55:57

Neil Finn & Friends "7 Worlds Collide"

テーマ:Down Under
Radiohead のことを書くにあたって、リズム隊二人・EdPhilの話題を挙げた理由を書いた。

Crowded HouseNeil Finn が再びソロで始動し、2009年にはアルバムがリリースされるという

Radioheadの二人も参加した、2001年のライブプロジェクト・夢の競演、再び… しかもそれがスタジオレコーディング作品として、という話に跳び上がらんばかりに喜んだ。

そこにはもちろんライブにも参加した、兄のTim Finn や息子のLiam Finnも参加する。

Crowded Houseとしての2007年作"Time On Earth"以来だと2年ぶり、The Finn Brothers(NeilとTim
)としての作品以来だと5年ぶり、さらにNeilのソロ作だとまさに"7 Worlds Collide"のライブアルバムからなので8年ぶり、という待望の作品だ。

そこで、今回はまさにその7年前のライブアルバムを取り上げたいと思う。


Back To Back-7 Worlds Collide



ソロ作品というよりは、次々に登場するステージ上のゲストと繰り広げられる熱演を記録した、ある種コンピレーション的な色合いが強い。

しかしNeilの声の持つ力なのか、Johnny MarrEd O'brienPhil Selwayなどライブメンバーの纏まりによるものか、全体を通してトーンがばらつくことはない。

時にJohnny Marrのソロ曲(Down On The Corner)やThe Smithsの曲(There is a light that never goes out)、Eddie VedderとのPearl Jam の曲(Parting Ways)など、歴代のNeilが作曲してきた曲以外も演奏される。

一曲だけ他の曲群と色合いが違うものを挙げるとすれば、Tim作曲の"I See Red"をEddieがTimと共に熱っぽく歌い上げる場面だろうか。

この時は、まるで会場がPearl Jamのライブを再現したかのようなノリと化す(実際、ギターはもとよりベース・ドラムスもメンバーがチェンジしている)。

しかしこれはあくまでライブ中盤のアクセント的な位置づけであって、全体を引っ張っているのはメロディーであったり、アコースティックな音色を活かした隙間を残したままの音そのものだ。

そして17曲目、ラストの一曲として"Don't Dream It's Over"がNeilのアコースティックギター一本を伴って、静かに歌われる。

歌に入った途端から、オーディエンスが歌いたくてたまらない様子が伝わってくる。

1986年のリリース以来、20年以上の時が経つというのに、Neilが歌う瞬間の鮮度は全く失われていない。

いつだってリアルだと感じさせてくれるのは、名曲の条件だと思う。
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2008-12-05 23:11:01

Radiohead "Hail To The Thief"

テーマ:UK Rock
前回のエントリーが2006年の10月で、今日が2008年の12月10日。

もう全く忘れ去られていたかのようなこのブログ。

なぜだか急に続きが書きたくなって、選んだアルバムが"Hail To The Thief"。

言わずと知れたRadioheadの通算6作目(93年発表)のアルバムだ。

ちなみに彼らを取り上げたのは、前回のTV On The Radioとの"Radio"つながり、と…

Neil Finnの次作にRadioheadからEdPhilのリズム隊二人が参加 、との報を聞いたからで、全く大きな意味なんてない。

加えて新譜でもなんでもなければ、歴史的名盤と呼ぶには早すぎるタイミングだし、かといって彼らの傑作中の傑作というわけでもない。

強いて挙げれば、個人的にはちょっとばかり恨みったらしい&愛おしいというアンビバレンスな作品だと思っている。


Back To Back-Hail To The Thief


というのも、初めて世に出たときのリリース形態が、これまた言わずと知れた悪名高きCCCD盤だったからであって、何も問題のない人は良いだろうが、レディオヘッドが聴きたいがために初めてCCCDなるものに手を出した自分なんかにとっては、CDプレーヤーの動きがおかしくなった全ての元凶がこのアルバムなんである。

なのでそれ以来、CCCDというものは"CDの形をした異物"でしかないと考えている。

CCCD ― 今となっては、レコード会社にとっても完全なる過去の誤算だろうし、CDショップのワゴンセールで数百円、もしくは中古ショップなら100円程度で売られていたとしても、自分は決して手は出さないのである。


が!このアルバムそのものの価値については、全くそれとは関係ない。

先ほどはレディオヘッドにとっての傑作中の傑作ではない云々…と書いたが、OK ComputerKid AAmnesiacと続いた革新的レディオヘッド像が、一部の心ないファンの声で「総括的」「発展性が感じられない」「なんでバンドサウンドに戻ったのか」などなど、まるで過去の人のような扱いになってしまったのが残念でならないのであって、自分的には十分過ぎるほどの傑作である。

確かにこのアルバムをそういうディテールとかパーツごとに分解して捉えていると、そういう風に思っても仕方のないことなのかも知れない。

しかし明らかに1stからOK Computer期のバンドサウンドとは一線を画しているし、打ち込みを多用した前2作の流れとはまた違ったリズムへの接近を試みている点で、この作品は実に先鋭的だと思ってしまう。

こんな音を鳴らしているバンドが、それこそ他にいるだろうか?

(何ていう諸手をあげて"Radiohead 万歳!"てことをするから、他のバンドのファンから叩かれることも多いんだと思いますが・・・)

なので出た当時にもよく聴いたが、通常のCD版として再発された際にもう一度買いなおしてからは、さらに愛聴盤となっている。


余談だが、彼らが去ったのちにEMIが勝手に編集盤として世に出した"The Best Of Radiohead"について。

個人的には、実は一番とがった部分とメロディアスな部分を両立しているように感じるのは、このアルバムからの(2枚組版だと)3曲だったりする。

その方向性をよりスムーズな表現で推し進めたのが、最新作であり傑作である"In Rainbows"だと思うのは、自分だけだろうか?
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2006-10-16 00:50:42

TV On The Radio "Return To Cookie Mountain"

テーマ:US Rock
もう一つのブログ にかかりっきりで、こちらは10月に入ってからの更新が全くされていませんでしたけど、本日からちょこちょこと再開したいと思います。今回に限らず、ここはかなり不定期な更新状態ですので、覗いていただいている少数派の皆さん、ありがとうございます。

さて、本日からしばらくは、今年に入ってから出たアルバムを中心に紹介して行きたいと思っています。

関連性のあるアーティストの連鎖エントリは一先ずお休みして、ちょっとは溜まってきた新譜など。新譜紹介はThe Replacementsの"Don't You Know Who I Think I Was ?" 以来でしょうか。

今日の一枚は、デビューアルバムでいきなり高い評価を受けて、サマーソニックでも去年すばらしいパフォーマンスを披露してくれたTV On The Radio(以下TVOTR)の2作目"Return To Cookie Mountain"です。

もう晩秋にもなろうかという時期ですから、サマソニっぽいのはどうもなぁ、と思っていらっしゃる方がいたら、一先ずそれは杞憂というものだと申し添えておきます。


Return To Cookie Mountain


このアルバムをまず新譜紹介のトップにしたのは、前回紹介した2枚のアルバムをプロデュースしたJon Brionが関わったKanye Westの"Late Registration"の質感になんとなく近いものを感じたからです。そのアルバムについてはここでは詳しくは述べませんけど、2つのアルバムの共通項について一つ言えるとしたら"どちらもかなり先鋭的なことをやっているのに、聴いてみた後の感触は非常にオーソドックス"という事でしょうか。それに音自体も、決して尖り過ぎている感じは受けません。

ボーカルがブラックの人であることは大きく関係してくるのは勿論なんですけど、両アーティストともにR&B・Hip Hop・Rock・Popそんな垣根を飛び越えて音を鳴らそうとしているところ、その感性が似ているように感じます。そういうハイブリッドな音楽性を持っていても、聴いてみるとポップな印象が残るようなアーティストがいたよなー、と思っていたらPrinceもそうでした。

そういえば、TVOTRのVo.もファルセットを多用していたりして、どことなくプリンスにも通じるものがあります。彼が80年代に鳴らしていた音ほど弾けた感じは当然ながらありませんし、Princeが一番弾けていた時期にはHip Hopはそれほど主流ではありませんでしたけど、それでもTVOTRがプリンスあたりの影響も受けて、その音楽に取り込んでいることは想像に難くありません。

当然のことながらも、TVOTRはバンドですからKanyeやPrinceのように一ソロアーティストとしての個性や多彩なゲストを活かして作った音というよりは、バンドとしてのまとまりがそこにはあります。それに前作を作った後のツアーでの経験もそこには盛り込まれているのか、よりライブ感も増しているように聞こえます。ライブでの彼らを見たことの無い人に想像しろというのは難しいかも知れませんが、ライブでの彼らはかなり肉体派な一面を見せてくれます(YouTubeのこちら などを見てもらうと良く解ると思います)。アルバムでは数々の実験精神を発揮しながらですので、ライブ盤での興奮をそのまま!という即物的な訳ではないのは、もう言うまでもないでしょうか。リズムが躍動的であったとしても、全体の印象は非常にクールにまとまっています。夏の暑さの激しさというよりは、寒風吹きすさぶ激しさのようです。

そんなTVOTRの新作を、是非ともチェックしてみてください。

・TV On The RadioのMP3はこちら で(insound
・彼らのオフィシャル
・彼らのMySpace
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2006-09-21 23:06:10

Fiona AppleとRufus Wainwright

テーマ:US Rock
この季節になると甘い匂いが家中に満ちています。我が家の玄関先にある金木犀の香りです。家の近くを歩いてみても、あちこちの庭先で少しオレンジがかった黄色の花から、ふわ~っと鼻の周りを包み込むように漂っています。

自分が一年の中でも最も好きな季節なのが秋なのは、一つにはこの花のせいもあるのかも知れません。

最近は年中、その花を浸した桂花陳酒 で身近に感じている人達もいるんじゃないかと思いますが、やっぱり独特の強い芳香はこの季節ならではのもの。人工的な花のエキスで作ったキンモクセイの芳香剤なんかとは、全くの別物。

この香りがしてくると秋が深まったことを一層実感するんですけど、その名前を思うとき、色で"金"・樹木なので"木"、じゃぁ最後の"犀(サイ)"は何だろうと気になります。同じように疑問に思う人も多い?、として調べてみました。あの角がある動物と、この木の関係は何なんでしょう。一説には、その樹皮の感じがサイの皮膚と似ているからだそうです。桂花陳酒の"桂"はカツラの木ではなく、中国語で"木犀"を指すそう(参照ページ )。

そんな強い匂いにも負けない濃密な香りを放つアルバムで思い浮かべたのが、次の二つ。

昨年6年ぶりのアルバムで復活したFiona Appleの2枚目"When The Pawn "と、Rufus Wainwrightの1枚目"Rufus Wainwright "です。

When The Pawn Rufus Wainwright


この二つの作品はこれまでにも紹介してきた、プロデューサーであるJon Brionという人間によってつながっています。それは音の質感にも表れています。が、何よりもこの二人のパーソナリティから放たれる強烈な個性。それが金木犀とも共通の、鼻腔をちょっとくすぐるするような独特の香りを、それぞれの作品に染み込ませています。

どちらも聴いていると100年ほど前のヨーロッパ世界にタイムスリップしたような、上質のビロードで包まれているようなそんな印象を受けます。その一方で、雑然とした酒場で聞いていようとも、決して埋もれることの無いであろう芯の強い声。安易にキャバレーミュージック風とかジャズ風だとか言う言葉で片付けたくないのは、二人の、対照的ながらも"流されまい"という強い意志をビシビシと感じるから。ソングライティングの手法で言えば、ピアノを中心とした曲作りでも共通項のある二人です。後、ドラマーはどちらもJim Keltner

そんな二枚が全く違うんだとすれば、Rufusのアルバムは終始穏やかなトーンで進められていくのに対して、Fionaのアルバムは時にネコがそっと忍び寄るように静かに、時に嵐が襲ってきた時の荒波のように激しく、アルバム中どころか一曲の中でも目まぐるしくその表情を変えるところ。Sg.にもなった"Limp "では特に顕著です。彼女のかわいらしい一面が見れると言う意味では、日本盤に収められている"Across The Universe "のカバーもお薦めですが、アルバム全体のトーンで言えばちょっと違うかな、と思ったりもします。ちなみにRufusのアルバムでは2曲に、先日Joanna Newsomのアルバム参加も伝えられたVan Dyke Parks が参加しています。若い才能を見抜く力が素晴らしいです。

この二つのアルバムを聴くと、"夜"と"秋"を連想せずにはいられない自分です。少し肌寒いくらいがちょうどいい。


Rufus Wainwright Official
Rufus Wainwright MySpace

Fiona Apple Official
Fiona Apple MySpace
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2006-09-05 20:35:52

Badly Drawn Boy "About A Boy"

テーマ:UK Rock
今年の夏場はかなり暑かったので、秋はどうなるのか気にかかっていました。ただ今の所、秋らしさは日ごとに深まっているようですし、9月に入ってからは、自分の家の周りではウマオイが鳴いている声も聞こえるようになりました。秋は一番好きな季節なので、出かける足取りも何となく軽くなります。先日夕方に見た青から紫、ピンクへと色を変えつつ流れていた雲を見て、胸に吸い込む空気も何となく変化しているのを感じました。

さて前回紹介したRhett Millerが夏向けのアッパーな作風だったとすれば、今回はかなり秋らしい一枚だと思います。前回に引き続きJon Brionが絡んでいる作品ではあるものの、プロデューサーという立場ではなく一プレイヤーとしての参加です。


About A Boy


ここではUKのアーティストは初の紹介とはなりますが、参加メンバーはほとんどがアメリカのスタッフです。そういう意味ではアメリカらしさとイギリスぽさが、ちょうどいいバランスで調合されています。Badly Drawn Boy(以下BDB)ことDamon Goughがロスに赴き、BeckElliott Smithとの仕事で有名な(最近ではJames Bluntとも仕事をしたようです)Tom Rothrockと制作した一枚です。その流れなのかDrumはBeckバンドにも参加するJoey Waronkerが担当し、イギリスからはAttractionsのドラム・Pete Thomasも2曲で叩いています。

BDBとしての作品ですが、ジャケを見ても判るように映画"About A Boy"のサントラです。映画自体はNirvanaの曲About A Girlからヒントを得たNick Hornbyの同名小説の映像化ものですが、これがさすがに映像作品向けだけあって、屋外で聴いてみても周りの景色や映像にしっくりと馴染んでいく感覚を覚えます。ボーカル曲の間に時折インストが挟まれる構成も、そう感じさせるのかも知れませんが、全体のトーンが完全にパーソナルな作品ではなくて閉じきっていないのも要因の一つだろうと思います。

BDBの他の作品は彼のやりたいようにやった印象が強いのですが、この作品は奇跡的に彼の持つ資質と外部とのやりとりが上手く作用していると感じます。同時期にほぼ同じメンバーでLAで作られた"Have You Fed The Fish?"とも印象が異なりますし。

このアルバムからシングルカットされた"Silent Sigh"のビデオ も詩情があって、不思議な感覚です。

10月には新作である"Born In The UK"を出すBDBですが、彼のMySpaceで聞ける新曲はなかなか勢いを感じさせるものになっているので、新しい一面が見れるかも知れません。シングル"Born In The Uk"のPVがこちら で見れます。


外部リンク
Badly Drawn Boy MySpace
Badly Drawn Boy Official
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2006-08-12 12:38:45

Rhett Miller "The Instigator"

テーマ:US Rock
毎日暑いですね。お盆も近いので実家に帰省している人も多いとは思いますが、夏のうっとおしい空気を吹っ飛ばしてくれるような、この一枚。暑気払いにどうでしょう。さわやか~


The Instigatror


ジャケまでさわやかなRhett Millerの"The Instigator"(扇動者)ですが、さわやか過ぎて厭味なんてことはありません。さわやかな感じがするのは、メロディーの風通しの良さからくるのであって、決してルックスとか甘めのボーカルなんていう要素からくるのじゃないのです。ボーカルもどちらかと言えば、男味溢れた力強い声質を持った人です。まあ2003年来日時のライブでは、サインもらいに行ったのが8割方女子だったらしいですが・・・。今年のUDO Fes.のために来日もしましたが、UDOフェス散々だったみたいなので、トップバッターだったRhettの前の人だかりもおおよそ予想がつきます。でも、この作品の出来とは関係ありません。

Old 97'sでボーカルを取るRhettの、94年"Mythologies"に続く02年のソロ2作目。Old 97'sもRhett自身も、この作品で一気に知名度を上げたと思われます。Rhettの他の作品はめったに見ないのに、このアルバムは中古盤屋でもしょっちゅう見かけるくらいの高浸透盤。と言うか、何でこれを売り払う?男子のひがみか、女子の移り気か?まぁそれだけ売れたんでしょう。

さて、前回のJosh Freeseもここでドラムを叩いているのですが、このカラッと乾いた触感は陽性の雰囲気を持つこのアルバムにガッチリとハマっています。このアルバムにはドラマーが3人参加しておりますが、一人目がJosh、二人目は今作のプロデューサーでもあるJon Brionで、残る一人は大御所のJim Keltner。Jim Keltnerと言えば、Paulを除くBeatlesのメンバーの各ソロやRy Cooderとの仕事、Steely Danの"Aja"や我らがPaul Westerbergの"Suicaine Gratifaction"等々、数え上げればキリがない参加作にして名作の数々。派手なタイプではないものの、Jon BrionがProd.したFiona Appleの2作目や、Jonのソロ"Meaningless"にも参加し、信頼されているのもさすがの安定感です。この3人の中では、本職ではないJon Brionの"This Is What I Do"におけるドラミングがもっとも派手です(このアルバムでも一番ポップな曲だと思われます)。

ドラマー以外ではRobyn HitchcockDavid Garza等の客演も光ります。いやー何度聴いても、いいアルバムです。Jon Brionの音作りも、ポップ職人・ポップ巧者と言われるだけあってツボを押さえた仕上がり。

この作品後、プロデューサーをGeorge Drakouliasに変えて"The Believer"を出しましたが、このアルバムほどのトータル感や抜けのよさを感じることはできませんでした。"扇動する人"から"信じる人"に変わってみた彼でしたが、やっぱり主体性を持って取り組んだ方が良かったんでしょうか(笑)。音楽は「メロディとリズムとハーモニーから成る」とは言われますが、この3つが理想的な配置で組み合わさった作品の一つが、このアルバムだと思います。
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2006-08-06 23:33:42

Josh Freese "The Notorious One Man Orgy"

テーマ:US Rock
さて、前回書いたリプレイスメンツ再結成でドラムを叩いていた、Josh Freese のことを書きたいと思います。Mats再結成への参加に至るまでに、Paul Westerbergの作品3作(14 SongsEventuallySuicaine Gratifaction)やライブへの参加、Tommy Stinsonソロへの参加が布石になったことは疑いようがありません。



The Notorious One Man Orgy


現在までに200作近い作品に関わってきた と言うだけあって、その後の活躍でも明らかなように、2000年のこの作品でもセッションマンとしての経験が存分に活かされています。有名どころではアヴリル・ラヴィーンの"Let Go"にも参加してます。さて、この作品を一聴して感じるのはFoo Fightersあたりの音とリンクする、少し重めのパワーポップやパンクからの影響でしょうか。

ここ でダウンロード可能な2曲に関しては、まさにそんな音です。でも1曲1曲をしっかりと聴いていくと、一筋縄ではいかないひねくれっぷりがたっぷり詰まっていることに気付きます。オリジナルメンバーでもあるThe Vandals にも通じるポップかつパンキッシュな味・Guns'n'RosesA Perfect Circle のようなハードな味等々、後のDevo 参加でも発揮されるはずの奇天烈っぷりもここで聞く事ができるので、もともと幅広い音楽的趣味を持った人だろうということが判ります。12曲目に至ってはニューオーリンズ風です。

バンドサウンドを中心にしつつも、日常音を多用しているのもこの作品の特徴で、電話の留守録テープをそのまま使ったと思しきTrack 1(曲ではない)や、5や12の後半は留守録テープを使用しながらもオールドスクールなHip Hop的サンプリング手法を駆使。10では、日本語で「さようなら~、オカムラタカシでした」(あの岡村さん?でしょうね)という声さえ聞こえます。どこから持ってきたんでしょうか。笑ってる声もやべっちのような気が・・・。

アルバムにはPearl JamStone GossardやVandalsのWarren Fitzgerald、A Perfect CircleのBilly Howerdelや弟のJason Freese 等々多彩なゲストも参加しています。音の厚みや彩も充分ですが、何よりイカつい外見に似合わない鼻にかかった若々しいボーカルに味があって、アルバムに一本筋を通しているのが良いです。

加えて、さすがドラマーだけあって、決して手数は多くはないけれどもツボを押さえたドラムの仕事っぷりが、グランジ・パンク・パワーポップ界隈その他のバンドサウンドを求めている人達にうってつけなのが、良く判るアルバムになっています。片手間に作りましたという感じも全くありません。セッションドラマーながらも、パーマネントなバンドのメンバーとしての活動も並行して行うというのは、やっぱり大きな意味があるんだなぁと感じ入ってしまいました。どこで叩いていてもバンドとしての一体感を求められるでしょうし、ソロでやっている人にとっては、やっぱりバンドというのはどこか憧れがあるもんです(奥田民生もそう言っていた覚えがある)。そういう人にとっては、Joshのドラムは無くてはならないものになっているんでしょう。

自身の名前を関したアルバムとしてはこの一作のみで、後は他のアーティストの屋台骨として日に日に忙しくなってしまっているようですが、あともう一作くらい聴いてみたい気がします。自身のサイトも"New Site Soon"になってるし、次の作品に向けても準備中なんでしょうか?楽しみに待ちたいと思います。
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2006-07-21 19:10:32

The Mats "Don't You Know Who I Think I Was ?"

テーマ:The Mats
1週間に2回のエントリな感じが続いてますが、マイペースで続けます。マイペースついでに、前回に引き続き今回もThe Replacementsの一枚で(タイトル長いのでバンド名は愛称"The Mats"にしました)。


Don\u0027t You Know Who I Think I Was?


とは言っても、これは今年出たベスト盤です。いや、でも散々騒いでた自分としては、やっとここで紹介できるのが嬉しいのです。数珠繋ぎ式に続けてきて、やっとここに繋がったんです。しかもこのブログでは初の新譜です。「でもベスト盤だろ?」と言う方には、メンバー再集結による新曲2曲をもって、新作扱いを主張したいと思います。

Sire Records に所属してた時期のベストは過去に出てますが、Matsのキャリア全史を通したベストはこれが初めて。1枚はレア音源集だったにしろ、2枚組みだったSireのベストに比べて曲数が限られるのは仕方ないです。ファンならば「あれも入ってないし、これも入ってない」気持ちになるのも仕方ないです。が、12年間に亘るバンドの総括を同じ音質で一枚で聴けることが、21世紀の今日になるまで出来なかったのですから、これは諸手を挙げて喜ばなければいけません。

ファン以外の方なら「良く名前聞くけどどんなバンド?」という人に、何をおいても薦めたいと思います。

初期の頃の音は性急で、音に落ち着きも何もあったものではありませんが、それでもすでにPaul Westerbergのボーカルには今に通じる枯れた味を感じますし、コーラスやメロディには彼なりの工夫の跡が見られます。発表順に収められているので、ミネアポリスのハードコアシーンに身を置きながらも、違和感を覚えながら前進していく様が、まんまこのベスト盤に刻み込まれているのが判るようになっています。時に怒りを撒き散らし、時に孤独感を抱えながら、支持者を少しずつ増やして豊かな音楽性を身に着けていった、層の厚いUSインディーシーンにおいても稀有なバンド。

今でこそ"リプレイスメンツに影響を受けた"バンドと言うのは数え切れないほどの数ですし、ここで取り上げた来た後輩バンド達の音にもつぶさに聴いて取れますが、やっぱりオリジナルである彼らの音を聴くたびに「得がたい個性だ」と感じる自分です。

20曲というボリュームにも関わらず、一曲一曲が長くないのと音圧が高くないためか、聴いていて疲れることはありません。そしてメロディにはまっていくと思います。選曲の妙もあるんでしょうが、驚くべきは、1曲目が四半世紀も前の曲になろうかと言うのに、新曲である"Message To The Boys"、"Pool & Dive"とそれほど違和感なく並んでいるところ。普通、これほど年数が経っていて解散からのブランクも永いと、何かしらギクシャクしたものを感じるものですが、それがありません。

これもPaulの曲作りにブレが無いからでしょうか?これについてはNewsweekのこちらの記事Tim男さんThanks!!)で、Paul自身が"Message To ~"は13・4年前に書いたことを話してはいますので、純粋な新曲ではないようです。ちょうどソロ活動が始まる前の時期でしょうか?加えて、2代目ギタリストのSlim Dunlapは再結成については無関心だったことも明かされています。その他Goo Goo Dollsや息子のJohnnyについて等々、面白い内容が読み取れます。興味のある方は是非。

演奏に関しては、ドラマーはChris Mars ではなく、セッションドラマーのJosh FreeseA Perfect CircleGuns'n'Roses etc)が務めています。Chrisは代わりにコーラスをとっているようです。Joshは過去PaulともTommy Stinson とも共演してるので、これは妥当な人選だったんでしょう。

Sire時代のベストも素晴らしいですが、まずはこの一枚から聴いてみるのが手っ取り早いでしょう。それから、1枚1枚じっくりアルバムを聴き比べてみてください。
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2006-07-12 23:57:13

The Replacements "Tim"

テーマ:The Mats

Big Starが出たので、Alex Chiltonが参加したアルバムということで、月並みながらThe Replacementsのアルバム"Tim"です。




Tim



The Replacementsを中心に、と書いててやっと2枚目の紹介です(笑)。まぁ急ぐこともないので、ゆっくり回していきます。


作品としては月並みどころか、Matsのアルバムとしても一ギターバンドのアルバムとしても、一般的な評価として"傑作"の地位に押し上げられている一枚だと思います。Rhinoから出た80年代のバンドコンピのタイトルにもなった"Left Of The Dial "(Chilton参加)や、Matsからの影響も受けたはずなEmoバンド大挙参加のDVDタイトル"Bastards Of Young "といった、このアルバムの曲が他に与えた影響も見逃せません。蛇足ながら"Left Off The Dial"という、70年代後期から80年代にかけてのバンドを紹介しているサイト もあります。こうゆうのを見ていくとアメリカのバンドと聞いてイメージするものが、Matsと相通じるものがあるような気がしてきます。愛されてますね。


前作"Let It Be"でR.E.M.Peter Buckが参加し、Paul Westerbergの成長で曲作りの面でも大きく飛躍したバンドは、地元Twin/ToneレーベルからメジャーのSire Recordへ移籍。これは、R.E.M.がメジャーに行く3年も前の話です。勢いに乗った弾けただけの作品ではなくて、Paulが「僕らはこれまでと違ってもっと音楽的なアルバムを作る頃合だと思ってたし、それにスタジオでもっと練り上げてみたかった」と語っている通りに、実に多彩な音に仕上がっています。


プロデューサーのTommy Erdelyi(元Ramones、a.k.a. Tommy Ramone)の影響も大きかったと見えて、「静かな曲がびっくりするぐらいに良くなったりすることや、昔のロッカー達がやった以上にパワフルなものになりうるってことも、僕らはここで気付かされたんだ」とのこと。(以上、ライナーより)

"Left~"や"Bastards~"等の勢いのある曲もMatsとしか言いようのない味になっていますし、"Kiss Me On The Bus"・"Waitress In The Sky"の軽快なナンバーもあり、"Swingin' Party"・"Here Comes A Regular"の切ない感じなんかはまさに、静けさの中から生まれた名曲だと思います。

日本でビュー作となった"Don't Tell A Soul"がPaulのソロ作から発展した個人色の強い名作だとすれば、この作品はオリジナルメンバーBob Stinson脱退前のギリギリの均衡の中で生まれた、バンドとしての傑作だと思います。
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2006-07-11 22:39:59

Big Star "Columbia: Live at Missouri University"

テーマ:US Rock
前回The Posiesのエントリ書いて、ライブにも行って来ました ので、メンバーのKen StringfellowJon Auerが参加しているBig Star のライブ盤を。Posiesと共にライブを見た少年ナイフは結成25周年ということですが、Big Starはさらに10年遡って結成35周年。1971年結成です。ただし1974年に一度解散してるので、正確には35周年とは言いがたいところもありますけど・・・。


Columbia


このライブ盤が発売された1993年から再結成ツアーを開始したBig Starも、昨年、現メンバーでのニューアルバムが出て、ライブ盤から12年。まずは、「やっと出た!めでたい!」って所。Posiesと言いBig Starと言い、マイペースが信条のようですね(ポウジーズもバンドとしては前回来日から12年・・・)。そのあたりの緩さが、音にも顕れています。Alex Chiltonのボーカルも決して"うまい!"てな感じではありませんが、音に対するタイム感とも相俟って、何とも味のある独特のスタイルを持った人なのが、好いですねぇ。

BigStar
どちらかと言うと、"I Am The Cosmos"(PosiesのバージョンもBest盤で聴けます)や"Back Of A Car"他でVo.をとるJonとKenの方が技術的な面では上でしょうけど、Chiltonが歌ったときのイナタい感じがたまりません。特に5曲目・8曲目・10曲目なんてユルユル。後輩バンドがこぞって彼らの音をなぞりたくなったのも、うなずけます。CDのステッカーには"The most influential group in pop music... outside the Beatles."- The Chicago Tribune ・"ビートルズ以外じゃポップミュージック界でもっとも影響力があるグループ"、とあります。

ポップミュージックをどのあたりの範疇まで広げるか、で意味合いも若干違ってくるとは思いますが、少なくとも80年代以降、特に90年代に入ってその存在価値が爆発的に高まったのは間違いないと思います。今年に至ってはトリビュート盤 も出ましたし。Paul WesterbergR.E.M.dB'sRedd KrossLemonheadsWilcoMatthew SweetTeenage Fanclubが愛したバンド。色褪せないという意味では、まさにポピュラーミュージックの鑑です。
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