家を増築する事にしたので、市役所に行ってきた。
工務店か大工さんに言うてやってもらうのかと思っていたら、ここでは増築する際はまず役所に行って申し出をし、そこからこの家が増築可能か否かを見る専門家が派遣され、それで許可が降りたら今度はこの村の住民に「こんな風に増築するけどエエか?」という許可を一軒一軒取って行かねばならない。
それで反対がでたら建設できない決まりである。
そうして全ての村人に許可がもらえたら、そこから始めて数人の大工さんに来てもらって見積もりを立ててもらい、そこから工事開始となる。

この長き工程のまず最初が市役所である。
役所に行くと、日本の役所では考えられないほどの利用客の少なさでありながらも、働いている人数がやたらに多く、しかし何故かやたらに待たされる謎のシステムなのであるが、入るとまず受付にガマガエルの女王のようなオバハンが座っている。
香水を1瓶頭から浴びたような強烈な臭いを放ち、数珠のようなネックレスを首に巻いている。

「あのー・・・」と何処に行けば良いのか夫が聞こうとすると、オバハンは「まずは待って!!」と言い、順番待ちのチケットをくれた。
番号は3番目であった。

30分ほど待たされている間、このガマガエルを観察していた。
頻繁にガマガエルの私用の携帯電話が鳴る。
役所に不似合いなラテン音楽が着信音であるため、それが耳に障る。
その度にガマガエルは「あ、ハロー!!エリザベス!!」と言いながら電話に出ては後方の部屋に消えて行く。

そんな時に来客がやって来て、「どうしたらエエのやろ・・」と戸惑っている様子を見て見ぬふりをするのも何だかと思い、私は「そこの番号札取って、こちらの椅子でお待ちください」と説明する事2人。
何で私がやっとんねんー!!帰って来いオバハン!!

オバハンは世界で5本の指に入る不愛想にも関わらず、携帯に出る時の声は少女のようだった。
自分の私用の携帯で会話を終え、後方の部屋から戻って来た際に目の前に客が座っていても、「順番待ちの番号札は取られました?」と声をかける事もなく、知ったこっちゃない顔で何かやっている振りをしていたが、あれは何もやってへんと見た・・

そうこうして随分待たされた後、笑顔の好青年が「お待たせしました」とやって来た。
おおー!!こんな愛想のエエ人もおんのか・・
夫が小声で「あの受付の人、怒ってるんですか?」と聞くと、苦笑いで「誰も何も言えませんから、あの人には・・」と好青年は笑った。

そんなガマガエルが最も高給取りなのかと思うと、やってられない世の中である。
好青年は仕事が早く、午後には早速連絡があった。
しかしここはイギリス・・・何年後に完成するのだろうか・・

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