衆議院厚生労働委員会での障害者支援法の審議にあたり、参考人として質疑の場に立つ筈だったALS患者の日本ALS協会副会長の岡部宏生さんが、答弁に時間がかかるとして出席を拒否されたというのだ。拒否した与党側の委員長代理は、「岡部さんの健康状態を配慮し、答弁に耐えられるかどうかをおもんばかった」と、マスコミの質問に対してそう述べたとのことだ。
それに対し、審議に代理として出席した日本ALS協会の金沢公明常務理事は、「福祉に最も理解がある筈の厚労委が障害を理由に出席を拒んだのは深刻だ」として、岡部さんのメッセージを読み上げたとのこと。
ALS( 筋萎縮性側索硬化症)とは、脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動ニューロン(運動神経細胞)が侵される病気で、難病の一つとされる。90%程度が遺伝性を認められない孤発性だと云われ、いつ、なんどき、誰が罹ってもおかしくない病気である。
決して他人事ではないのだ。
障害者総合支援法など、今回の法案審議で可決されたとのことだが、可決しようがすまいが、しっかりと当事者の立場にたち、しっかりと目を向け、耳を傾け、誠実に、公平なる政治姿勢を示してもらいたいものだ。
