今年の試験の振り返り。

 

今回の試験の詳細な解説は、分析会や解説冊子を見て頂きたいと思いますが、

今回出題の質が変わった公法系について、個人的なコメントをまとめておきたいと思います。

 

再受験をご検討中の方は、参考にしてみてください。

 

 

問題8 行政行為の撤回 A

事例形式で基礎知識を聞く良問だったと思います。正答率も85パーセントと高く、これは落とせない問題です。同様の問題はこれかも出題可能性があります。取消と撤回の基礎知識の復習とともに簡単な事例形式にも慣れておくとよいでしょう。

 

問題9 行政裁量 A

いずれも有名判例、すべて知っておく必要があります。今回の出題は判例の結論を押さえておけばおそらく得点できたと思いますが、マクリーンや剣道実技等憲法で有名な判例が行政裁量で出題されているので少しためらった方もいたようです。憲法も当然公法なので、行政法で出題されることがあります。行政に与えられた裁量を超えて判断された場合に違憲になるか、という点が憲法の判例としてあがってくるところだからです。

行政裁量については、その判断方法は大きく2つあります。行政の出した結論に着目してそれが違法かどうかを判断する実体的審査と、行政が結論を出すまでの過程(プロセス)に過誤がないかを判断する判断過程審査です。これ以外には、処分庁がしなければならない事前手続きをしたか否かという観点から司法審査を及ぼす手続的審査があります。

本問において、手続的審査をしているのは肢3個人タクシー事件、判断過程審査をしているのは肢2剣道実技、肢4伊方、実体的審査をしているのは肢5神戸税関です。肢1のマクリーンは実体的審査をしているものでしたが、肢中では「考慮すべき事項を考慮しておらず」と判断過程審査とされているため、この点が誤りとなります。

行政裁量は準を追って整理していくと理解しやすいです。

 

問題10 取消訴訟の排他的管轄 A

取消訴訟は取消訴訴訟の排他的管轄により公定力があるため、たとえ違法な行政行為が行われた場合であってもそれが取消されるまでは一応有効となります。つまり、この場合に取消訴訟を提起せずに国家賠償請求することや、刑事訴訟において処分の違法を前提とした主張をすることが許されるのか問題となります。

公定力の根拠を取消訴訟の排他的管轄に求めることはトートロジーであり、根拠として脆弱であることは以前より指摘されており、現在では行政庁の行為が取消訴訟の排他的管轄に服することの反射的効果として便宜上有効と扱われるにとどまると解されています。そのため、取消訴訟を経ていなくても処分違法を前提とした主張をすることも、国賠請求することも許されることとなります。

 

 

とりあえず、本日はここまでにします。



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