身に覚えのない借金の相談がありました。


亡くなったご家族・被相続人(被继承人/被繼承人)の

負債を相続したとの債権者の主張のもと、

ご遺族が債権者から請求を受けた事案でした。



相談者は、今は東京に住んでいる中国・山東省煙台出身の女性で、

何やら借金に関するものと思われる書類が弁護士から送られてきたとのことでした。 

 

弊所へ相談に訪れた日は、

すでに夫の死亡(相続開始)から3か月以上が経過していました。


問題を放置せず、すぐに弊所へご相談にいらっしゃいました。

無事、相続放棄の申述が家庭裁判所に受理され、ひと安心です。



相談者は中国語堪能な日本人男性と結婚し、

夫の地元、島根県で数年間結婚生活をしていました。


夫が今年の2月に交通事故で死亡し、

日本語をほとんど話せない相談者にとって、

身寄りがない島根で生活することは困難で、

同郷の友人とルームシェアをして東京で生活することにしたのでした。


3月から東京での生活が始まりました。

6月に入り、知らない弁護士から手紙(内容証明郵便)が送られてきました。


相談者は漢字はある程度読めるものの、

平仮名・片仮名で書かれた部分はほとんど読むことができず、

何のことなのかよくわかりませんでした。


夫が相談者には一切打ち明けてくれなかった借金をしていたらしいことは、

何となく理解したようです。


相談者にとって、夫の死亡時(发生继承时)には、

島根の夫が少なくともプラスの財産は何も遺さなかったことは間違いないと思っていましたが、

借金(借款)などの負債があったか否かは、

まったくわかりませんでした。



亡き夫の故郷を離れ東京での生活を始めてから、

日々の仕事で忙しい中、

弁護士(律师/法律专家)から数百万円の支払を求める内容証明郵便が送られてきた時は、

相当驚かれました。

かなり不安な表情で弊職事務所にいらっしゃったのを、よく覚えています。




相続が生じた場合、相続人には3つの選択肢があります。


1.単純承認(資産・負債ともすべて引き継ぐ)

2.相続放棄(資産も負債も、何も引き継がない)

3.限定承認(相続によって得た財産の限度でのみ被相続人の債務と遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をする)



相続財産(不動産、株式、預金、現金など)はあって負債がないことが明らかであれば、相続人は迷わず単純承認を選べるでしょう。



しかし、被相続人が生前どことどのような取引をしていたか、

必ずしもすべて明らかとは限りません。

特に、借金を身内にも隠しているケースは多くあります。



限定承認という選択肢もありましたが、

限定承認は他の共同相続人と歩調を合わせる必要があり、

この相談者のケースでは他の共同相続人は九州に住んでいて相談者は連絡先すら知らず、

限定承認は困難でした。



そこで、相談者は相続放棄を検討することにしました。


民法の規定では、相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならないとされています(民法915条1項本文)。

ただ、この三箇月(熟慮期間)は非常に短く、
三箇月以内に被相続人の資産・負債を調査し尽くして決断し、
必要書類をすべてそろえて家庭裁判所に相続放棄申述書を提出するのは、
困難なケースが多くあります。

そこで、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができることになっています(民法915条1項但書)。


ところが、相続放棄の熟慮期間が自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内であることも、
その三箇月の期間を家庭裁判所にお願いし伸ばせることも、
知っている方は、
ほとんどいらっしゃらないのが実情です。



今回の相談者も含め、
被相続人が死亡し、
自身が法定相続人として相続したことを知ってから、
相続放棄の申述をせずに3か月以上が経過し、
その後に債務の弁済を求める内容証明郵便を受け取るケースはよくあるように思われます。

3か月の熟慮期間が過ぎてからの時期を狙って請求する債権者や、
そのように助言する法律家もいます。


3か月の熟慮期間内に、
熟慮期間延長の申立ても、相続放棄も、限定承認もしない場合、
単純承認をしたものとみなされ、

被相続人の資産も負債もすべて引き継ぎ、

亡き家族が隠していた借金を、遺族が払わなければならないのが、
「民法の条文上の」原則です(921条1号)。


それでも、あきらめるのはまだ早いです。


この取り扱いは何も知らなかった遺族にとってあまりにも酷ではないかということで、
裁判例による修正がされました。


身内の方が亡くなり、
自身が法定相続したことを知ってから3か月が経過した後も、
相続放棄ができる場合があります。

具体的には、
1.相続対象となる財産がなかったと信じていて、
2.そのように信じたことにつき相当な理由がある場合、
(3.かつ、他に単純承認をしたとみなされる事由がない場合)

相続放棄ができます。

この場合、相続放棄の3か月の熟慮期間の考え方として、

相続対象となる
「資産または負債があることを認識した時、または、通常認識しうべき時」が、

「自己のために相続の開始があったことを知った時」(民法915条1項本文)であると解釈されます(最高裁昭和59年4月27日判決)。


今回の相談者の場合は、
夫が死亡し配偶者として法定相続人となったことは、
夫の交通事故の当日に知り(2月)、
弊所を訪れた際(7月)はすでに三個月をすぎていました。

しかし、弁護士から数百万円の支払いを求める内容証明郵便が届いた時(6月)からは、まだ3か月が経過していませんでした。


今回の相談者が「資産または負債があることを知った時」(つまり、自己のために相続の開始があったことを知った時)は、
債権回収を請け負った弁護士からの内容証明郵便を受け取り負債があることを知った日です。


相談者の申告によれば他に単純承認に該当する事由は考えられないため、
裁判所に提出する相続放棄申述書を作成し、家庭裁判所への申述をサポートしました。

相談者は日本語の読み書きができず、
申述書の内容を一字一句私が中国語で説明していく作業は、
相談者にとっても私にとっても大変でした。
また、家庭裁判所に申述書を出した後に送られてくる照会書の意味の解説も同様に大変でした。


今回の請求は、相談者が払うにはあまりにも大きな金額でした。

一日でも早く相続放棄の申述が受理されるところまでたどりつき、
相談者が安心して暮らせる日々を取り戻すサポートをしたい、
という思いで執務にあたりました。


債権者様はお気の毒ですが、
相談者の女性はとても安堵し、
平穏な暮らしを取り戻すことができました。

不安に満ちたご様子で来所されてから、

手続が進むにつれて徐々に表情も電話の声も明るくなっていくのを目の当たりにし、

私も元気をもらいました。



ご親族を亡くし相続すべきか否かお悩みの方がいらっしゃいましたら、

被相続人の遺産を使ったり売ったり捨てたりする前に、

早めに専門家に相談しましょう。

なお、相続放棄のお手伝いができるのは司法書士弁護士です。


とにかく、早めに手を打つべきです。

時間が経ちすぎその間に何かがあると、

相続放棄が受理されなかったり、

受理されてもその後に債権者が相続放棄の無効を主張して訴えてくる訴訟で負け、結果的に相続放棄の申述が覆るリスクが出てくることもあります。

そうなれば、任意整理、個人再生、自己破産などの債務整理をせざるを得なくなるかもしれません。



相談だけで高いお金がかかるかもと心配な場合は、

全国にある法テラスの無料相談も利用できます。



本日は、このケースと似た状況でお困りの、どなたか一人だけにでもお役に立てればとの思いで書かせていただきました。



中国語対応司法書士 山口岳彦





※このストーリーはフィクションです。


参考文献 有斐閣『民法判例百選Ⅲ親族・相続』P152


 

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8月27日・28日、

パシフィコ横浜にて、

司法書士の全国研修会、第45回全青司かながわ全国研修会が行われました。

 

私は今や東京司法書士会の人間ですが、

神奈川県司法書士会にも

神奈川青年司法書士協議会(神奈川青司協)にも

お世話になり、

今でも全国青年司法書士協議会(全青司)、神奈川青司協の会員として活動しています。

 

第45回全青司かながわ全国研修会

では私も実行委員会の一員として1年以上前の準備から携わり、

テーマを決める時のプレゼンを実行委員長と一緒に考えるなど、

楽しく過ごさせていただきました。

 

共生 ~切り拓こう!共に生きる未来を!~

をテーマにした全国研修会は、

基調講演、分科会、懇親会とも、成功裏に終えることができました。

関係者の皆様にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。

 

実行委員としての役目を果たす傍ら、

第一分科会では渉外不動産登記の実務体験事例の発表をさせていただきました。

 

司法書士として割と当たり前の事例ですが、

社会的弱者の心の声に耳を傾け、

「共生」の観点から日々の業務をとらえ直すまたとない機会となりました。

 

これからも、

当事者の目線を意識して、

一人ひとりの依頼者様の思いに寄り添う司法書士として、

社会のお役に立ちたいと思った2日間でした。

 

法務大臣認定司法書士 山口岳彦

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「みんなで育てる多文化共生」をテーマに、


あーすフェスタかながわ2016

というイベントがあります。

約2万人の来場を見込む大きなイベントで、毎年行われています。



民間の企画委員会の中に神奈川県庁国際課の職員の皆様も入っていただき、

官民協力して異文化コミュニケーション・多文化共生を図る、

全国的にもかなり先駆的な交流イベントと言えるでしょう。



日時:平成28(2016)年5月14日(土)・15日(日)


場所:横浜市栄区小菅ケ谷1-2-1(あーすプラザ)


アクセス:JR根岸線「本郷台駅」改札を出てすぐです。



「あーすフェスタかながわ2016」については

http://www.earthplaza.jp/earthfesta/

こちらの公式サイトで紹介されています。


私も今年の あーすフェスタかながわ の企画委員会から参加しています。


私が所属する神奈川青年司法書士協議会(若手司法書士の任意団体)が、

NPO法人外国人すまいサポートセンター様 と一緒に、

相談ブースを設けます。


私も相談ブースの法的問題に関する相談コーナーで相談員を担当します。


あーすフェスタは基本的には楽しいイベントです。

模擬店、歌やダンスなどの紹介、パネル展示、子ども向けの絵本の読み聞かせ、世界のお茶の体験コーナーなどがあります。


一方で、日本で暮らす外国人の中には、

さまざまな法的なトラブルに巻き込まれ、

どこに相談すればいいのかわからず困っている方も

少なからずいらっしゃいます。


主に外国人向けの法的問題に関する相談を想定してはいますが、

日本国籍の方も何か気になること・お困りのことがありましたら、

これを機会にご相談いただけます。


たとえば、以下のような問題についてご相談できます;


●友達にお金を貸したが返してくれない。

●友達からお金を借りて、返したいけどお金が無くて返せない。


●知人に騙されてお金を取られた。


●簡易裁判所を通じた支払督促が債権者から送られてきた


●大家さんとの賃料や敷金のトラブル


●近隣住民とのトラブル(騒音や悪臭など)


●離婚にともない、家の名義や銀行預金など、財産分与はどうなるか?


●配偶者・親・兄弟姉妹などが死亡し、相続手続を進めたい


●認知症が進んでいる身内につき成年後見制度の利用を検討している


●残業代未払いや不当解雇などの労働問題


●税金や国民健康保険のことをよく知らずにいたら、家が「滞納処分による差押え」をされてしまった。放っておくとどうなるのか?


●会社を設立し、経営したい。


●日本の国籍を取得したい(帰化)


以上の他、行政書士登録もしている司法書士も神奈川青年司法書士協議会の相談ブースにおりますので、


●在留資格についてのご相談

●行政庁への許認可


にも対応できます。



あーすフェスタかながわ は、とても楽しいイベントです。

遊びにいらしたついでに、法的な問題で気になること、お困りのことがありましたら、

司法書士の相談ブースにお気軽にお立ちよりください。



司法書士 山口岳彦






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我加入的一个团体叫做“神奈川青年司法书士协议会”的人权拥护委员会每个月举办慈善活动。


和 横滨的 外国人住宅支援中心 共同举办 免费咨询活动。


外国人住宅支援中心他们担任 住房和生活的综合性咨询。

我们司法书士担任 跟法律有什么关系的 问题。


活动日期

每个月 第一 和 第三 个 礼拜二(公众假日除外)

下午3-5点钟

(下次是 2016年4月19日 下午3-5点)


预约电话 045-228-1752


地点

横滨市中区常盘町1之7

横滨YMCA大厦2楼

外国人住宅支援中心事务所内


最接近的电车站

关内(JR京滨东北/根岸线,横滨市营地铁)



我认为,对外国人来说,现在的日本社会还是有很多不方便之处,

尤其是诉讼、登记等法律制度和行政手续。


如果各位读者当中有面临着比如说下列问题的女士们、先生们,

欢迎访问我们的免费咨询活动。



亲属死亡,不知道继承手续怎么做(房产登记、银行账户名义等)

离婚后,老公名义的房子能不能改成老婆名义?


朋友之间买卖或赠与房子,怎么申请不动产登记?


想要设立公司,株式会社 和 合同会社 哪个比较好?

公司的董监事要改,手续怎么做?

想要把公司转让给朋友


租房的,跟房东或邻居发生了什么纠纷;

延迟了房租怎么办?

退房后房东不还保证金怎么办?

房东突然说下个月后增多房租,没那么多钱怎么办?

跟邻居发生了生活上的纠纷


不当解雇

公司不发薪水或加班薪

上班的公司不给您劳动契约书


交通事故被害


被人骗钱


借贷金钱的纠纷


税金、健康保险、年金等方面不太了解的外国人很多。

最近您的土地、房屋、银行账户等财产突然被县、市或区扣押,以后该怎么办?


在日本一个人生活的70多岁妈妈能不能生活下去?很担心。


想要取得日本国籍(归化许可申请手续)


我们司法书士是登记、法院手续、财产管理等的专家。

如果在生活中或工作上碰到了什么困难,找个在您的附近开设事务所的司法书士询问,有可能会找到解决方法。


最后呢,中文不是我的母语,我的中文并不是十全十美。

上述记载中如果有看不太明白的地方,请多包涵,谢谢。



司法书士 山口岳彦

台湾人夫の相続、遺産承継

テーマ:

※この記事はフィクションであり、実際の相続事案とは、関係ありません。


日本に帰化した元台湾人(今は日本国籍)の女性からの依頼を受けました。


その女性の夫(台湾籍の男性)が死亡したため、


➀台湾籍夫の名義の日本の不動産の相続登記

②夫名義の郵貯銀行口座の解約

③夫が台湾で入っていた遺族年金を受給する手続を台湾へ自分でやりにいくための日本の戸籍謄本の中国語訳


この3つが依頼内容でした。


調べてみると、このご主人の場合、まだ台湾に戸籍があるため、

台湾で「除籍登記」を申請すべきことがわかりました。


そこで依頼者の方は台湾へ行き、

台北の戸政事務所(戸籍と不動産登記を取り扱う行政機関)と

労働保険局(国民年金・遺族年金を取り扱う行政機関)で

手続をしてくることになりました。


すべてご自身で済ませてくるため、私は同行しません。台湾側の手続きについては文書の翻訳をサポートしました。


除籍登記と遺族年金の申請のためには、

台湾人の夫が死亡した旨の日本の証明書を取得し、

その訳文を作り、台北駐日経済文化代表処で認証を得て

台湾へ持っていく必要がありました。


台湾にいる知人に依頼(授権)をしてやってもらうこともできますが、

久しぶりに親戚を訪問したいとのことで、

ご自身で行かれました。


私は平素より中国語の戸籍謄本や公正証書を

日本の法務局で不動産登記に使える日本語に翻訳することは、

業務の一環としてやっています。


しかし、日本の公文書や死亡診断書を

台湾の行政手続で使えるよう中国語に訳したことはなく、

かなり慎重にやりました。


依頼者の方はご両親が戦前から関東にいて、ご両親は戦前は日本人でした。

依頼者ご自身も日本で生まれ育ち、幼少期に帰化しました。

言葉は日本語しか話せません。


そこで、ご本人が現地でスムーズに手続ができるよう、

台北の労働保険局と戸政事務所の場所、

遺族年金を受給するために必要な銀行口座を開設できる台北の銀行、

台湾に住所がない外国人が銀行口座を開くために必要な「基資表」を取得する場所、

これらをつなぐ地下鉄の路線などをリサーチし、旅のプランを渡しました。


現地の親族の方のサポートもあり、

台湾でやってくるべき手続は無事に終わりました。


今、私の事務所には、依頼者様が台湾の戸政事務所からもってきた、

ご主人がかつて台北にいた時の除籍謄本が大量にあります。


これから日本の遺産承継手続に使うべく、

これらを日本語訳することになります。


売買による所有権移転登記で使う最新の台湾の電子戸籍謄本は活字で読みやすいです。


しかし、相続登記だと古い物まで遡って調査をするため、昔の手書きの戸籍謄本と格闘することとなります。


手書き時代の戸籍の翻訳はなかなか大変です。

墨で書いた字が潰れていたり、擦れて消えかかっていたり、

誤記があったり、公文書なのに不思議な略字を使っていたりします。


それでも不思議なもので、しばらく何となく眺めていると、

当時の担当者のクセが見えてきてだんだん読めてきます。


中国語は長年にわたり楽しく学習してきました。

何事もそうかとは思いますが、

趣味で身に着けた技術でも

仕事で責任を持って使う場面になると、

プレッシャーを感じます。


だからこそ、ここまで順調に進めることができた解放感は格別です。


司法書士 山口岳彦

売買、贈与、相続など、原因は何であれ、 「所有権移転登記」を申請する場合には、
次に所有者として登記される人の「住所を証明する情報」を提供しなければ登記は実行してもらえません。

所有権の登記は「所有者の住所と氏名」がセットで登記されるため、
登記を申請する新所有者が公文書により住所を証明するのです。


以下、本稿は自然人(個人)の住所証明を想定して書きます。会社などの法人は取扱いが異なります。


「住所を証明する情報」とは具体的には、
日本に住所がある日本国民の場合は「住民票」が典型例です(※1)。

また、永住者、経営管理など長期滞在の在留資格があり日本で住民登録されている外国人も住民票などを提供できます。

他方、日本に住所がない人(非居住者)の場合は、日本で住民票の交付を受けることはできないため、
住んでいる国で発行される「住所を証明する公文書」(以下「住所証明情報」といいます。)を提出すれば、所有権移転登記を受けることができます。


ここで、一つ問題があります。

住所証明情報の様式やそれを発行する機関は国によって異なるため、たとえそれが真正なものであっても、
全国のすべての法務局の登記官が、すべての国それぞれの様式の「住民票的なもの(まったく異なる様式のものもあります)」が本物であるか否かを判断するのは困難です。

そこで、登記先例により、新所有者の居住国の公証人の認証がある住所に関する宣誓供述書であれば、非居住者の住所証明情報として受理する扱いがされてきました。


ところが、台湾の人が所有者となる場合、また別の問題がありました。

台湾の公証処の公証人が認証した公正証書を、
直ちに真正な公文書としての住所証明情報とは取り扱わない運用が長らく続いてきました。


従来は、台湾の戸政事務所で戸籍謄本を取得した後、

1.台湾の公証人の認証を受ける
2.台湾外交部の認証を受ける
3.日本にある台北駐日経済文化代表処(以下、「代表処」といいます。)(※2)の認証を受ける

という3段階の手間をかけて住所証明情報としての適格性が認められました。認証の費用も3回分かかり、時間もその分長くかかりました。


これが台湾以外の所属の人であれば公証人の認証だけでよく、平等原則の観点から如何なものかと言わざるを得ない運用でした。


近年、台湾の投資家の方々が投資用不動産をたくさん購入する動きが続いている影響もあるでしょうか、一部の司法書士の先生が法務局と粘り強く相談した結果が実り、
平成27年3月24日、台湾の戸籍謄本につき上記認証がなくても、原則として受理する趣旨の、東京法務局内部の事務連絡がありました(訳文は添付します。)。


ただし、これはあくまでも東京法務局管内の事務連絡にすぎません。
法務省から全国の法務局に向けて統一的な指示があったわけではありません(※3)。


他の道府県の地方法務局にも同様の取り扱いが波及していることが多いとは思われますが、
数千万円、数億円という大きなお金が動く不動産の取引は、小さなリスクも排除したいです。

東京以外の地方法務局に台湾人が新所有者になる登記を申請する場合は、念のため管轄の庁舎に事前確認をするべきです。

私は、「東京は東京です。当庁は従来通り3段階の認証がないと受理しません。」と言われる可能性が0%とは言い切れない場合、しかるべき理論武装をした上で照会します。

仮に従来通りのやり方をしている地方法務局が相手でも、

「当庁も本日より東京と同じ扱いにします。よって貴見のとおりです。」

と言わせよう、という意気込みの照会票を作って出します。


具体的にどのような根拠を挙げどのような資料を添付して照会するかまでこのブログでご紹介したいところですが、
東アジア地域が抱えるある問題に立ち入ってしまう可能性があるため控えます。
不動産登記に携わる実務家として申請人の権利を確実かつスムーズに守る現場対応に力を尽くすことが第一です。


つきましては、地方法務局への照会方法についてご不安な方は、弊所へ遠慮なくご相談ください。


司法書士 山口岳彦









日本語サイト
繁體字中文網頁


中国語でも対応します。
(我們事務所所有的業務都可以用中文諮詢、對應。)



【注釈】
(※1)正確には、市(区)役所・町(村)役場で交付を受けることができる「住民票の写し」ですが、紛らわしいため便宜「住民票」と記載しました。また、市区町村長が発行する印鑑証明書などの公文書も住所証明情報として使えます。
(※2)事実上の大使館・領事館の機能を有する機関です。
(※3)私が不勉強なだけですでに全国で統一的な通達等が出ているようでしたら申し訳ございません。コメント欄からご指摘いただけると幸いです。


【参考文献】
山北英仁『渉外不動産登記の法律と実務相続、売買、準拠法に関する実例解説』日本加除出版
登記研究 第800号
登記研究 第804号

4.費用の目安


費用の内訳は、①実費、②専門家に依頼した場合の報酬 があります。


(例)会社の銀行口座や取引先に対する売掛金などの「債権」を差し押さえる場合


①実費(債権執行)
・申立て費用 4000円
・裁判所からの送達費用 数千円
・会社の謄本代 600円
などは、ご自身で申立てをする場合でも必要です。


専門家(弁護士、司法書士)に依頼する場合は、上記の実費に加え、

②報酬が発生します。

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報酬の額は、事務所により、また、事件の難易度によっても異なります。



5.弁護士と司法書士に依頼できること


弁護士は、代理人として申立てから回収金の受取まで、すべてを受任できます。


司法書士は、先取特権に基づく強制執行(差押え)については、

裁判所に提出する書類の作成と、そのための相談を受任できます。


司法書士は手続全体の流れに精通し、

依頼者様に寄り添い依頼者様が自ら法的手続きを進めるのを

裁判所に提出する書類の作成、そのための相談、場合によっては裁判所等へも同行し、支援する伴走型の法律家です。


6.法テラスの利用について


本稿のような手続きに際し、

司法書士に書類作成までを依頼する場合も、

弁護士に手続すべてを依頼する場合も、

法テラス( http://www.houterasu.or.jp/index.html  )の民事法律扶助の対象となり得ます。


民事法律扶助は、金銭的にあまりゆとりがない方も法律家(弁護士、司法書士)に依頼をして裁判等の手続を利用しやすくするために、

一定の条件を満たす方のために、手続の実費や法律家に支払う報酬を、法テラスが立て替え、

依頼者様が法テラスに分割払いで返済するというものです。

返済は月々5000円~が目安です。

http://www.houterasu.or.jp/houterasu_gaiyou/mokuteki_gyoumu/minjihouritsufujo/


また、法テラスへの返還が免除される場合もあります。


弁護士に手続すべてを任せるにせよ、

司法書士に書類作成までを依頼するにせよ、

ある程度の費用がかかります。

労働問題でお悩みの時に全額を一時にお支払いされるのは大変な方も少なくないと思います。


法テラスによる立て替えは、
「かなり困窮している人」しか使えないのではないか?
とのイメージを持たれることもあります。



しかし、実際は、


「普通に生活できるくらいの収入がある人」が利用できている例も多いです。


法テラスの民事法律扶助の援助(立替)の資力基準は公開されている他、

電話(0570-078374)でもご自身が資力基準を満たしているかを相談することができます。


「泣き寝入りはしたくないけれども費用を出すのはちょっと…」という方は、法テラスにも一度ご相談されてみてはいかがでしょうか。 




(完)




法テラス契約司法書士 山口岳彦



中国語でも対応します。

(我所所有的业务都可以用中文咨对应

1.未払い給料等の問題の解決方法



労働問題の中で多いご相談の一つに、労働者(退職した元労働者も含む、以下同じ)の会社に対する未払い給料等の支払請求があります。


未払いのままの給料のほか、残業代、解雇予告手当、通勤手当(多くは定期券代)、賞与(ボーナス)、本来支払われるはずだった退職金など、およそ労働の対価として支払われるお金で、労働者が働いたにもかかわらず会社から支払われない金銭を、本稿では「未払い給料等」といいます。

未払い給料等を回収する方法はいろいろあります。

労働審判の申立て、訴訟(少額訴訟、通常訴訟)、調停、支払督促、労働センターへの相談・あっせんの実施、労働基準監督署に相談し同署から会社への指導がされることで会社が任意に支払うことを期待する、などです。

これらはいずれも、かなり大変です。



未払い給料等の回収だけを目的とする場合に、最も効率的で、かつ費用もさほどかからない方法を挙げるなら、


先取特権に基づく債務者の一般財産に対する強制執行(差押え)




が最も適していると考えます。



2.先取特権行使のメリット




一般的に、請求に任意に応じない債務者を相手に民事事件でお金を回収するには、


①裁判などにより債務名義(他人の財産を裁判所を通じて強制的に差押え、処分・換金し、自己の債権を回収することを正当化する根拠)を得て、


②適式な強制執行を申し立てる


必要があります。


申し上げるまでもなく、①は時として相当な時間・お金・労力を要します。

にもかかわらず、債務者(被告)にめぼしい財産が無ければ、たとえ裁判で勝てても
②差押え等でまた費用をかけたところで1円も回収できないこともあります。
ところが、一定の特別な債権を持っている人は、法律上当然に「先取特権(さきどりとっけん)」をも持っていて、


①の債務名義を取得する裁判などの手続を経ずに、

一定の特別な債権があることを立証して即座に②の強制執行(差押え)を申立てることができます。



労働者が会社に対して未払い給料等の支払いを求める権利は「雇用関係に基づいて生じた債権」(民法308条)であり、

労働者は会社に対し、「債務者の総財産について先取特権を有」しています(同306条)。


未払い給料等を回収したい労働者は、裁判などをしなくても、会社の財産(預貯金、不動産、動産、売掛金のような債権など、すべての財産)に対して、

裁判などをしなくても、すぐに強制執行を申立て回収できる場合がある、ということです。


しかも、債権執行であれば費用は非常に安くすみます(後述)。


3.申立ての方法


申立てをするには、


①雇用関係がある(あった)こと、
②給与等の債権があること、
③それが未払いであること


を証明する必要があり、裏付けとなる証明文書を執行裁判所に提出します。


具体的には以下のようなものが挙げられますが、これらすべてがそろわなければできないというわけではありません。ただ、以下の文書のうちできるだけ多くが集まると証明力が高まり、発令までの期間が短くなります。


また、可能な限り原本を提出するべきですが、会社が保存している文書など原本の入手が難しい場合は、コピーや携帯電話のカメラで撮影した画像などでも証拠になり得ます。


≪証明文書の例≫
・労働契約書
・労働条件通知書
・労働者名簿(社員名簿)
・社員住所録
・過去の給与明細書
・給与を受け取っていた銀行通帳
・給与辞令
・賃金台帳
・未払賃金労働債権確認書
・未払の月の勤務に関するタイムカード
・離職票
・健康保険・厚生年金被保険者資格喪失通知書
・源泉徴収票
・賃金規程
・賃金に関する労働協約



(後半へつづく)





法テラス契約司法書士 山口岳彦




メールアドレス yamaguchi@wf-legal.info



中国語でも対応します。

(我所所有的业务都可以用中文咨对应















這些年來不少海外投資家為了投資目的購買日本收益性房地產(不動產)。





選擇買賣對象時、簽訂買賣契約時、雙方當事人履行契約時(交貨、付款、申請登記)、每年的租賃管理和繳稅時,如果當事人不熟日本的法律、稅務及交易慣例的話,一般都需要每個領域的專家的幫助。





那麼,從登記專家(司法書士)的觀點介紹的話,今天我想解釋一下登記識別情報的功能和理想的管理方法。


購買日本不動產的外國人很多,

可是我從來沒看 用中文解釋 登記識別情報 的司法書士。

希望通過這個文章幫助大家 更深 了解 日本不動產登記制度。



經常有人問我 外國人 在日本購買不動產有沒有什麼法律限制?

目前沒有什麼限制。只要當事人(買方和賣方)合意就可以締結買賣契約。



申請所有權的登記手續也沒有什麼身份限制,在日本的不動產登記制度上,全世界所有的自然人和法人的權利享受資格都是平等的。


那麼,買到了不動產、登記手續結束之後,怎樣繼續保全自己的所有權呢?

為了避免被壞人(地面師)偷偷的處分物件,大家應該謹慎管理“登記識別情報通知單”,這是登記機關發給新權利者的最重要的文件。也被稱為“權利證”“權利證書”“權利證狀”等。







1. “登記識別情報”是什麼?



登記識別情報是在登記識別情報通知單下邊的保護貼紙後面有記載的12個字(英文字和數字的組合)。登記手續結束後,登記所給新的登記名義人通知新的登記識別情報(該當有些例外要件時不發)。





每個物件、每個登記名義人的登記識別情報都不同。如果您(現在的登記名義人)要和別人共同申請什麼登記時基本上都需要給登記所提供登記識別情報的12個字。





您這樣用登記識別情報證明您就是登記記錄上的權利人本人。換句話說,不攜帶登記識別情報的人原則上沒辦法處分該當權利。





2. 什麼時候使用“登記識別情報”?

例如;

把物件的所有權轉讓給別人時申請所​​有權移轉登記(原因:買賣、贈與、交換、代物弁済等等)

把現在所公示的權利內容變更、更正、註銷

在物件上設定或保存擔保權(抵擋權、根抵擋權、先取特權、質權)

在物件上設定使用權(地上權、地役權、賃借權、採石權)

主要在上述情況之下,雙方當事人共同申請登記手續時基本上需要給登記所提供登記識別情報。





3.管理方法



一般的所有權者平時沒機會使用登記識別情報。所以呢,我建議不要拆開登記識別情報通知單的信封。請大家十分注意不讓別人知道保護貼紙裡面的登記識別情報(數字和英文字)。





就算有機會使用也不應該您自己拆開。申請登記的當天把未拆開的登記識別情報之信封親手交給司法書士、讓司法書士拆開,我想這樣最保險。




4. 萬一丟了、被偷了、被別人知道了登記識別情報的時候怎麼辦?




萬一發生這些風險很大的情況,我建議您趕快申請“失效手續”。





您自己也可以去有管轄權的登記所申請登記識別情報的“失效手續”。如果手續流程和方式不明白的話,也可以向司法書士事務所諮詢,司法書士事務所可以幫您代理申請“失效手續”。





登記識別情報失效之後也有所有權移轉等登記的申請方法(事前通知方式或提供本人確認情報)。



但是呢,事先通知方式不適合陌生人之間的交易,用本人確認情報的方法的話另外需要費用(一般再加日幣5-15萬塊之間)





所以我想謹慎管理 登記識別情報通知單 還是好。




司法書士 山口岳彦



所有的業務都可以用中文諮詢、對應。

すべての業務、中国語でも対応します。

今日は繁体字(台湾や香港で使われている自体)で書いてみます。



最近有處理過一個繼承登記案例。我聽那位申請人講忐忑不安的心情時,我深深地感覺到了不動登記多重要ひらめき電球

最近、相続登記の案件に対応しました。申請人が不安な心情を語るのを聞き、不動産登記の大切さをしみじみと感じました。



幾年前,東北某縣地方城市的所有權登記名義人(是申請人爸爸)過世,繼承開始了。被繼承人(死亡的爸爸)留下了一筆很小的土地。全國人口正在減少,而且很多人集中在大城市的趨勢當中,不少地方城市的住宅地區,空屋和空地越来越多。這筆土地所在地也不是例外。周邊有很多空屋和空地。ショック!

十数年前、東北のある県の地方都市にいた所有権登記名義人(申請人のお父様です)が亡くなり、相続が開始しました。被相続人(=死亡した父)は小さな土地を一つ残しました。全国的に人口が減っていて、しかも多くの人が大都市に集中している状況において、少なからぬ地方都市の住宅エリアでは空家や空地がどんどん増えています。この土地がある町も例外ではなく、周辺には空家や空地がたくさんあります。



繼承人(繼承遺產的人,就是訪問我辦公室的那位申請人)認為那筆土地沒人要,很難賣。但是他代表所有继承人每年都繳納固定財產稅而且超過十位繼承人都住在東京、大阪、神戶等城市,這些年來誰都不去看那個土地。對繼承人們與其那個土地是資,不如是個負擔。叫び

相続人(=遺産を承継する人、つまり私の事務所に相談にきた申請人)は、この土地は誰も買い手がいなくて売るのは難しいと考えていました。それでも共同相続人を代表して毎年固定資産税を払ってきました。しかも、10名を超す共同相続人はみな東京、大阪、神戸などの大都市に住んでいて、ここ数年は誰もあの土地を見に行っていません。相続人たちにとって、あの土地は資産というよりはお荷物です。



雖然那個土地周邊一位都沒有土地所有權名義人的繼承人,但是有幾位親戚住在那一帶。這些親戚沒有繼承權,但是對這個土地的買賣很有興趣。DASH!

この土地の周辺に所有権登記名義人の相続人は一人もいませんが、何名か親戚がこのあたりに住んでいます。この人たちに相続権はないものの、この土地の売買には興味がありました。



這些親戚們沒有繼​​承人們的同意就跟當地的不動產經紀商開始談判,也跟當地的司法書士諮詢繼承登記的手續。有一天(我代理申請的幾天前)那個司法書士突然打電話給申請人,說他受託了登記業務。申請人嚇了一跳,當地的沒有權利的人們已經開始買賣談判,經紀商已經提示預測賣價。

親戚たちは相続人の同意もなく現地の不動産仲介業者と相談を始め、また現地の司法書士に相続登記手続の相談もしていました。ある日(私が代理で申請する数日前)、その司法書士が突然申請人に電話をし、登記業務を受託したことを告げたのでした。申請人はビックリしました叫び。地元の、権利が無い人たちがすでに売買の交渉で動き始めていて、不動産仲介業者さんはすでに売値の予測までしていました。ショック!



我聽到了申請人這些報告後我跟他說“請放心,根本沒問題。我已經查好了有繼承資格的人們是誰和誰。登記名義人是你爸爸,當地的他們沒辦法參與繼承和買賣原因的所有權移轉登記手續。”ニコニコ

申請人の報告を聞いてから私は言いました。「安心してください。まったく問題ありません。相続する資格がある人が誰と誰か、もう調べ終わっています。登記名義人はお父様で、地元の皆様は相続や売買による所有権移転登記の手続に参加のしようがありません。」



然後我給當地的不動產經紀公司和司法書士打電話確認狀況。他們說“欸?怎麼這樣?繼承人本人還沒有表達賣出意思嗎?要取消嗎?”プンプン

それから私は現地の不動産仲介会社と司法書士に電話で確認しました。彼らは「え?なんで?相続人さんご本人はまだ売るって言ってないの?キャンセルですか?」などといってきました。



我回答說“哎呀!先生,是什麼取消呢?你們本來沒有繼承人的委託,對不對?”パンチ!

私からは「あんたねぇ、何がキャンセルよ?そもそも相続人から受託してないでしょ!?」と答え…



在當地多年來幫繼承人們管理那個土地的親戚們搶先做事而已,實際情況好像是這樣。不管怎麼樣,不是登記名義人或其繼承人就沒辦法處分物件。我給申請人這樣解釋後看到了他很放心的表情時我深深地感覺到了,不動產登記制度還是非常重要。グッド!

地元で長年にわたり相続人らのためにあの土地を管理してくれている親戚たちが先走っただけ、というのが実情のようでした。なにはともあれ、登記名義人かその相続人でない者は物件を処分することはできません。申請人にこのように説明したところ、彼がとても安心した表情を見せた時、不動産登記はやはりとても大切な制度だなと、しみじみと感じたのでした。



這篇文章跟實際存在的任何人物、團體或事件根本沒有關係(この記事は実在の人物・団体・事件等とは一切関係ありません。)



司法書士 山口岳彦音譜







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