読売新聞社の緊急全国世論調査で菅内閣の支持率が64%に達し、夏の参院選情勢が様変わりしている。

 民主党は、「V字回復」の勢いを保ったまま選挙戦に突入したい考えだ。伸び悩む「第3極」政党や自民党からは、戦略の見直しを求める声が出ている。

 ◆V字回復

 「勇気づけられる数字だ。ツートップを潔く降板させ、次に出てきたのが新鮮な顔ぶれだった。政権への期待感がV字回復につながった」

 民主党の石井一副代表は9日、記者団に対し、喜びを隠さなかった。「政治とカネ」の問題を抱えた鳩山前首相、小沢一郎前幹事長がそろって辞任し、政権の顔ぶれが一新されたことで、参院選に臨む党内のムードは一変している。

 民主党は9日の常任幹事会で、菅首相(党代表)を本部長とする参院選対策本部の設置を決めた。3月に鳩山前首相を本部長とする選対本部を設置していたが、菅首相をアピールする狙いから改めて設置したものだ。

 読売新聞の世論調査では、小沢氏に距離を置く蓮舫行政刷新相や枝野幹事長らの起用が高く支持されていることが裏付けられた。

 ◆選挙の顔

  菅首相は9日夜、首相官邸で記者団に「人事はどのグループを外すとか外さないという発想で考えたことはない。適材適所で考えた」と強調したが、党内では「『脱小沢』人事が好感を持たれている」という受け止めがもっぱらだ。改選を迎える参院議員の一人は「地元から『蓮舫さんを呼んで』という要望が多い。『選挙の顔』の応援は無党派層対策にもなる」と語る。

 ◆離脱も視野

 今後の課題は、6月16日の会期末まで約1週間となった今国会をいかに安全運転で乗り切るかだ。「6月24日公示―7月11日投開票」の参院選日程を変更せず、支持率を維持したまま選挙戦に臨むのが基本戦略だ。

 しかし、国民新党は会期を延長してでも郵政改革法案成立を求める考えで、自見幹事長は9日、法案が成立しなければ連立離脱を視野に入れるとの考えを表明した。同党代表の亀井金融相も「選挙のために政治をやっているのではない。支持率が高いうちに選挙をやれという政治家は立候補しないでいい」と民主党をけん制した。

 これに対し、参院民主党幹部は9日、「民主党には今、追い風が吹いている。会期を延ばせば、荒井国家戦略相の事務所費問題などで野党に追及され、せっかくの上げ潮ムードが一気にしぼむだけだ」と会期延長に否定的な考えを強調した。別の幹部は「社民党に続いて、今度は国民新党とのチキンレースだ」と述べ、国民新党との「我慢比べ」が続くとの見方を示した。与党内でのごたごたが長引けば、新政権への期待感がしぼみかねず、民主党にとっては悩ましいところだ。

 一方、野党各党は、警戒感を強めている。

 自民党の谷垣総裁は9日、党本部で記者団に「表紙を替えたのだから、ある程度の効果は出るだろう。『小沢隠し』『鳩山隠し』で乗り切ろうということだろうが、本質的な問題は解決していない」と批判した。

 昨年以降に誕生した「第3極」政党は埋没への危機感を強めている。

 みんなの党の渡辺代表は9日、「首相交代による『反動ご祝儀』はやむを得ない。民主党の支持率回復は一時的な現象で、化けの皮ははがれる」と語った。

 (政治部 伊藤裕、白石洋一)

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