2012年02月14日
オズくんとの再開
テーマ:ブログ
あれは、メチャ寒い日のことだった。
奇跡的にウマイ骨付きもも肉を食べ、ビールを飲んだあと、
ロウソクでライトアップされている、幻想的な倉敷美観地区を歩く。
「う~ん、幻想的だけど、人の少なさが、
逆に、おどろおどろしい雰囲気を醸し出す感じだな」
と思っている時、
川面を鏡にして、素振りをブワンブンワンしているヤツがいる。
月明かりに照らされた彼の顔は、
数年前、同僚だった、あの時のままだ。
彼は兵庫県の出身だが、
派遣社員として、私の会社に入社した。
半年くらい一緒に仕事をしたのだが、
ある日突然に、
「鎧塚俊彦が、ボクを呼んでいるので・・・」
と退職した。
彼は、オズくんと呼ばれていた。
いや、正確には、呼ばれてたのではなく、
ウワサされていただけで、
正確な名前すら、私たち正社員には知らされていない。
派遣社員は、人事部ではなく、資材部が管轄しているという、
実にイヤな時代だったし、
毎日のように入れ替わる工員の名前を、
いちいち覚えていられるほどのヒマがなかった。
ここで話しかけても、話題もないし、
気まずい雰囲気になるのも、ちと面倒な気もするので、
こっそりと、彼の後ろを通り過ぎる。
「久しぶりやな。ミヨシ」
「・・・あっ。久しぶりだ、な・・・。野球、やってんだ」
「これは野球ではなくて、素振りだ」
「だな」
「素振りほど、本質を欠いた練習はない」
「どういうことだ?」
「イメージだけで、実態がないだろ」
「それが、素振りの本質だからな」
「何のためにする?」
「そのイメージを、実践で使うためだろ」
「実践前のイメージを、実践で使った試しがあるか?」
「なんの話だ?」
「逃げ馬を、単勝一点買いするか?ってことだ」
「野球の話じゃないのか?」
「野球の話じゃない。素振りの話だ」
「・・・ちょっと、急いでいるから、また今度連絡してくれ」
「分かった。が、お前の連絡先を知らない」
「そうか。ワカに聞いてくれ」
「・・・」
「・・・」
彼との会話は、5分だったか、30分だったか分からない。
が、あまりに体が冷えたので、
ラーメン屋でラーメンを食べず、
おでんだけを食べて、家に帰った。
奇跡的にウマイ骨付きもも肉を食べ、ビールを飲んだあと、
ロウソクでライトアップされている、幻想的な倉敷美観地区を歩く。
「う~ん、幻想的だけど、人の少なさが、
逆に、おどろおどろしい雰囲気を醸し出す感じだな」
と思っている時、
川面を鏡にして、素振りをブワンブンワンしているヤツがいる。
月明かりに照らされた彼の顔は、
数年前、同僚だった、あの時のままだ。
彼は兵庫県の出身だが、
派遣社員として、私の会社に入社した。
半年くらい一緒に仕事をしたのだが、
ある日突然に、
「鎧塚俊彦が、ボクを呼んでいるので・・・」
と退職した。
彼は、オズくんと呼ばれていた。
いや、正確には、呼ばれてたのではなく、
ウワサされていただけで、
正確な名前すら、私たち正社員には知らされていない。
派遣社員は、人事部ではなく、資材部が管轄しているという、
実にイヤな時代だったし、
毎日のように入れ替わる工員の名前を、
いちいち覚えていられるほどのヒマがなかった。
ここで話しかけても、話題もないし、
気まずい雰囲気になるのも、ちと面倒な気もするので、
こっそりと、彼の後ろを通り過ぎる。
「久しぶりやな。ミヨシ」
「・・・あっ。久しぶりだ、な・・・。野球、やってんだ」
「これは野球ではなくて、素振りだ」
「だな」
「素振りほど、本質を欠いた練習はない」
「どういうことだ?」
「イメージだけで、実態がないだろ」
「それが、素振りの本質だからな」
「何のためにする?」
「そのイメージを、実践で使うためだろ」
「実践前のイメージを、実践で使った試しがあるか?」
「なんの話だ?」
「逃げ馬を、単勝一点買いするか?ってことだ」
「野球の話じゃないのか?」
「野球の話じゃない。素振りの話だ」
「・・・ちょっと、急いでいるから、また今度連絡してくれ」
「分かった。が、お前の連絡先を知らない」
「そうか。ワカに聞いてくれ」
「・・・」
「・・・」
彼との会話は、5分だったか、30分だったか分からない。
が、あまりに体が冷えたので、
ラーメン屋でラーメンを食べず、
おでんだけを食べて、家に帰った。






