金沢市二俣町で、スーツケースに詰められた頭部のない女性の遺体が見つかった事件。被害者の韓国人女性はどんな人物だったのか。

 女性の生前の姿を求めて、人の欲望と混沌(こんとん)の渦巻く、大阪・ミナミの街を歩いた。

 辺りが暗くなり始めた午後7時。キャバクラや風俗店に、赤や黄、緑、紫の派手なネオンが灯(とも)ると、街は眠りを覚ます。

 大音量で音楽を流す高級車やタクシー、食材を運び入れるトラックが、縫うように行き交い、黒服や若い女性が道行く人を誘う。韓国語や中国語が飛び交い、アジア系や欧米人の姿も見える。たこ焼きの屋台から漂う香りと韓国料理のにおいが入り混じり、雑多な雰囲気を増幅させる。

 韓国系の飲食店が、ひときわ集まる一角に、事件の被害者、康善福(カンソンボク)さん(32)が働いていたラウンジがあった。午後9時を過ぎても店は暗いままで、ドアのすき間には、数か月前の請求書が挟み込まれている。ラウンジを知る男性飲食店員によると、店は1月に閉店。常時、5~6人の韓国人の女性従業員がおり、交渉次第で客は女性を店外デートに誘えたという。

 捜査関係者によると、康さんは2005年10月に長野県の男性と結婚したが、生活実態はなかったとみられ、大阪市内を拠点に、長野や石川、富山などを転々としていた。死体遺棄容疑で逮捕された金沢市安江町、無職飯沼精一容疑者(60)と知り合ったのは昨年春。金沢市内の韓国人デリヘルの客として会い、その後、大阪に戻った康さんから連絡をとって、個人的に会うようになったという。

 以前、ラウンジで勤務していた日本人男性(53)は康さんについて、「昨年8~9月頃に働いていた女性だと思う」とおぼろげな記憶をたどった。出勤は週1、2回、数時間程度だったという。店の時給は2000円前後。稼げる額は知れている。男性は「客と出会う場として店を使い、外で直接会って稼いでいたのだろう」と推測する。

 また、男性は「美人だが、指示を出すと不満げな顔をすることもあり、感情が表に出てしまうタイプだった。ヤクザと言い合うこともあった」と印象を話した。勤務中、酒はほとんど飲まず、同僚と飲みに行くこともなかった。住まいは、店の寮や友人宅を転々としていたという。康さんが店を辞めた後の9月末頃、男性は康さんと店の前で会ったが、あいさつを交わした程度で、特に変わった様子はなかったという。

 ミナミの韓国人社会の中でも、「康善福」の本名を知る人はほとんどいない。20年以上、ミナミで働いてきたという風俗店専務の韓国人男性は「夜の店で働く女性は身元を明かさない。ビザは偽造するし、写真も入管に踏み込まれた時に困るから撮らない」と明かす。

 ミナミの風俗店で働く20歳代の韓国人女性は「知らない男と一人で会うのは怖い。無理やり暴行されたこともあるけど、店には話していない。言っても何も始まらないから」と話す。危険と隣り合わせ。それでも辞めないのは「お金が必要だから。手っ取り早く稼げるでしょ」と言い切った。(死体遺棄事件取材班)

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