親愛なるきみへ

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休暇で故郷に帰ってきていた陸軍兵士ジョンはサーフィンに来ていた海で美しい少女サヴァナに目を引かれる。彼女が海に落としたカバンを拾ってあげることがきっかけでジョンは彼女と知り合い、二人は急速に恋に落ちる―――。

『親愛なるきみへ』は2週間の短い休暇期間中に恋人となったジョンとサヴァナの二人の恋文を中心にストーリーが展開する。僻地を転々とするジョンは電話もメールも使えないため、二人が連絡する術は手紙のみ。昔と違って、お手軽に連絡が取れないという状況に陥るためには、こんな特殊な状況にしなければならないのか、と時代を感じつつも、彼氏からの電話がかかる時間を見計らって家電の前で待機したり、電話代節約のために手紙を書いたりした経験のある世代としては、ジョンが軍の駐留地に手紙が届く度に期待に目を輝かせるシーンだけで既に涙腺決壊寸前に(笑)。

ただ、この映画が古典的な恋愛映画の焼き直しになっていないのは、ジョンとサヴァナ二人を取り巻く状況が目まぐるしく変化する点と、二人の恋路を阻む障害となる人に悪者がいないという点ではないかというのが個人的に感じた感想。

正直言ってしまうと、ストーリー展開は読み易い。サヴァナが突然ジョンに「婚約した」と告げる相手については、容易に予測できたし(実際に婚約した方)、ジョンがサヴァナに対する行為も、サヴァナとジョンの父親との交流から多分こうなるんだろうなという予想は途中でできた。

それでも感動的な内容になっているのは、ジョン・サヴァナ二人がそれぞれ下す決断と向き合っているからなのだと思う。二人がそれぞれ口にしているように、彼らの決断は変わり行く状況に応じて仕方なく行った部分もあるのは確かなのだけれど、その決意に対して正面から向き合っている。迷って迷って、何が正しいか悩みながら下したその決意は相手を傷つけるのは確かなのだけれど、その決断を下す苦しさが伝わってくるからこそ生まれる感動がある。

不況だから、震災があったから。今の日本には、何かを決意する言い訳にするには最適の事象には事欠かない。だからこそ、自分がした選択に対して自分の状況を言い訳に逃げていないか、自分自身の行動を見直してみたいと思った。

蛇足だけれど、映画の中で一番怖かったのは911以降の軍隊の状態。家族の側にいたい、恋人の元に帰りたい。あんな時期だからこそ、軍から離れて大切な人の側にいたい理由は沢山あったと思う。それでも軍隊に残る期間を延ばすことを迷わず選ぶ状況を作っている雰囲気には一番恐怖心を感じた。本来愛国心に感動するべきシーンなのかも知れないけれど。

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アンフェア

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今日観たのは最近主流?の、テレビドラマの映画化作品「アンフェア the anser 」。

先に観た知人から怖いという感想は聞いていたものの、本当にサスペンスと言うよりスリラーで映像は怖いこと、怖いこと!

物語はいきなり、明らかに殺意のある拷問シーンから展開。連続猟奇殺人事件として捜査する会議の場で上がった容疑者は、雪平の元夫である佐藤。一方北海道に異動となった雪平は殺人課の刑事は活躍する場が無いと揶揄される日々を送っている。

キリストの磔を連想させるような殺人は暗い画面と相まって不気味な雰囲気を終始かもしだす。クリストラー・ノーランの映画のようなスリリングな展開は映画館で観る価値十分で。

ただ、劇中のセリフに「追いかけても、ここまで」とあるように、色々な点で中途半端な印象は禁じ得ず。例えば前作ラストで機密情報を手にした刑事を銃殺したのは誰か。ラストシーンとテレビシリーズから「多分こいつだろうな」という想像はできるけれど、犯人が明かされる訳では無い。せっかくの連続シリーズなのだから、この映画の中の事件だけでなく全体的な謎解明もして欲しい気が。

正直言ってしまえばツッコミどころも満載。犯人と雪平の対決シーンもそこはベラベラ喋っているだけじゃ無くて隙を見て反撃しろという場面は(刑事物ドラマにありがちな展開ではあるけれど)多々あったし、ライターである佐藤が推理できるような関係性は警察でも見抜けるだろ、とか(私でも佐藤の推理聞く前から分かった)。そもそも雪平が夫とタッグを組んで警察機密情報を探っていることを、ここまで上層部の人間が把握しているなら、USB奪還のためには雪平の娘を使うのが一番手っ取り早かったんじゃないか、とか。それ言ってしまうと、この映画が成り立たなくなってはしまうのだ。

まぁ総合的には面白かったと満足なので良いとするか…。

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