恋とニュースのつくりかた

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ニューヨークを舞台に働く女の子が頑張るコメディタッチの映画は数年おきに上映される。最近では『プラダを着た悪魔』『お買いもの中毒な私』、昔でいえば『ワーキングガール』。


そんな、そろそろ若い女の子扱いもされず、ベテランと言うには経験が足りない働く女性の映画『恋とニュースのつくりかた』を観てきた。感想を一言で言うと“面白い!”。


ストーリーは主人公ベッキーがローカルテレビの朝の情報番組スタッフをクビになるシーンから展開。就活に苦戦していたところ、全国ネットのテレビ局からお声がかかる。ただし、採用された番組は長年の低視聴率に苦しみ、ベッキーが採用されたチーフプロデューサーが次々と変わっているという曰く付きの部署で…。


『プラダを着た悪魔』では主人公は冒頭では「本当はファッション誌の編集長の秘書では無くて、記事を書きたい」と思いつつ仕事に取り組み、『お買いもの中毒な私』の主人公もファッション誌志望なのに経済誌の部署に採用され、採用当初は仕事に熱意をこめられない。それに比べて本作のヒロインは最初から最後まで「テレビで大きな仕事をしたい!」と目標がブレていない。その一途さが、「本当はこんな仕事をやりたかった訳では無いのに」とヘソを曲げている過去のヒロイン達と比べ、個人的には断然好印象。


最近、日本に限らず世界的に高齢化が進んでいるからか、『エクスペンダブルズ』のように過去のスター集結!的な映画が多い印象を受けるけれど、この映画でもヒロインを食うほど良い味を出しているのが、ハリソン・フォードとダイアン・キートン演じるベテランアナウンサーの二人組。ベテランのアナウンサーで良いお年をした二人の貶し合いは、まるでお気に入りのおもちゃを奪い合う子供のケンカのようで。


男性の方が、物事の変化に柔軟に対応できないとは一般的によく言われるけれど、ピューリッツァー賞を始め、数々の受賞歴を誇るが故にプライドが邪魔して仕事のスタンスを変えることを断固として拒否する頑固一徹ハリソン・フォードと、長年勤めてきた番組をの低迷を阻止するためと何事にも挑戦するダイアン・キートンのやりとりは絶品。どちらが相手の部屋に赴いて挨拶するかに始まり、番組を締める「さようなら」はどちらが言うかまで、あらゆる場面で衝突する二人には、実際にベテラン俳優陣が揃う映画制作の舞台裏でも似て非なる展開があるのでは、と想像してしまい思わずニヤリ。


仕事第一、恋は二の次のヒロインは、正直同性の自分から見ても「これはフラれても仕方ない」という言動が多々あり。同僚のアダムと晴れて両想いになった直後、夜中にパソコンを叩いて翌朝の仕事の準備。一緒に食事をしていても携帯が気になり一緒にいる時間を楽しむどころか「あなたのせいで仕事に集中できない」と八つ当たり。それにも関わらず、仕事に全力を注ぐヒロインに適度な距離感を保ちつつサポートしてくれるアダムはヒロインより一回り懐が深く、出番は少ないもののこんな男性良いな~とつくづく実感。


毎年のように同じような映画が繰り返し作られている訳ではあるけれど、今現在頑張って働いている女性に笑いとパワーをくれるのは間違い無し。


蛇足だけれど、この映画は使われている音楽が洋楽好きにはたまらないラインナップ。なのにサントラが発売されていないようなので、曲を調べたい方はこのサイト を参考に。


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幸せの始まりは

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リサは全米代表にも選ばれる実力を持つプロソフトボール選手。けれど、次期全米代表メンバーからは年齢を理由に外されてしまう。ソフトボール一筋の生活が一変しリサは途方に暮れる。一方、父親の会社で働くポールの元には詐欺の疑いで召喚状が届く。父親の強引な仕事の進め方がどうやら法に触れたらしいが、会社は全てをポールの責任とみなす方針を取る。人生のどん底にいると葛藤する二人が共通の友人を通じて知り合って…。


好きなハリウッド女優を3人挙げろと言われたら必ず名前が入るのがリース・ウィザースプーン。そんな彼女が出ているので観に行った訳ではあるけれど、彼女が出演しているコメディの中で自分の好みで順位を付けるのであれば『メラニーは行く』<『幸せの始まりは』<『キューティー・ブロンド』という感じで、感想は可も無く不可も無く、の一言に尽きて。


31歳という年齢で、今まで全ての情熱を注ぎ、実績も残してきたはずのソフトボールを失い、迷うリサに焦点を当てるなら、同じような状況に置かれた女性との対比等で深みを出した方が面白かったと思う。経営者として多少は法からの逸脱も辞さない強い父親からの息子の自立を描くのであれば、もっとポールと父の関係を深堀した方が物語が奥深くなったと思う。リサとポール、それぞれの物語に時間が中途半端に割かれた分、ストーリーの深さもどっちつかずになってしまったような印象が。


最終的に葛藤と一つの区切りを付けたと見えるラストを迎える訳だけれど、その区切りの付け方も今ひとつ共感できる程のインパクトが無くて。そこかしこに散りばめられている、思わずニヤッとしてしまうエピソードはそれなりに面白かったけれど、この程度であればテレビドラマで十分かな、とも思ってしまい。


辛口評価になってしまいましたが、そんな中でもやっぱり良い役者だな~と思ったのがポールの父親を演じていたジャック・ニコルソン。横暴で我儘で勝手極まりないはずの父親なのに、どこか憎みきれないユーモアを兼ね備えた人物を演じさせたら、やっぱり逸品。リース・ウィザースプーンは上にも書いた通り、好きな女優ではあるのだけれど本作についてはポールと父親に重点を置いた作品にした方が面白かったように思われる。


蛇足だけれど、ソフトボール選手という設定だからなのか、やたらと日焼けして黒かったリースは何だかとっても肌が荒れて見えてしまった。


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