原作1巻発売当初から原作・映画共に欠かさず目を通して来た作品も、映画がとうとう最終巻『死の秘宝』公開に。嬉しさと寂しさがない交ぜになった気持ちを抱えつつも公開第1週で早速映画館に足を運んで来ました。

まず驚いたのは観客の少なさ。公開は先週金曜で、土日を挟んだと言えど、公開から1週間も経っていない祝日で、なおかつ観たのは東京でも人が多いことで知られる某エリアの映画館。なので、あらかじめネット予約で定額1800円でチケットゲット。なのに、一番人気の真ん中後方の席以外はガラガラで。こんなに空いてるなら、別に前売り買って当日券を並んで買っても全然問題無かったな、と、ちょっと拍子抜けする印象が。

人が少なかった原因の1つでもあるのだと思うけれど、『死の秘宝』は完全に大人向けのストーリー。ハリーを取り巻く世界はダンブルドア亡き後、ヴォルデモート卿が勢力を伸ばしつつあり、言わば治安は最悪。冒頭でホグワーツの教師が血祭りに上げられるのを筆頭に、次々とハリーにとって大切な人が奪われて行きます。

原作は読んでいたのに、ところどころ「ん?」と思う内容が。まずハーマイオニーがハリーと共にヴォルデモート卿の分霊箱を探す旅に出るために行う準備。自分の親に忘却術をかけるので、「こんなシーンあったっけ?」と帰宅後原作をチェック。原作ではハリー達に対し、ハーマイオニーが自身の両親の記憶を変えた、と語るシーンがありました。これを忘却術で表現したのか…と納得。このシーン、かなりグッとくる感動的なもので。一方、魔法省侵入シーンではアンブリッジの部屋の扉に付けられた目玉がマッド・アイのものだと原作既読者以外は分からなかったのでは無いかな…。

映画でカットされてガッカリだったのが、ダーズリー一家とハリーの交流が一切無かったところ。ダドリーとハリーのやりとりは、原作で一番好きなシーンの一つなので、あれが無くなるのは寂しいな、と。あと、ハリーがゼノフィリウスに騙された際に、ゼノフィリウスが嘘を付いたとルーナが殺されるようなことが無いようにヴォルデモートの配下の者に一瞬でも姿を見せてから逃げたとか、そういう細かいところが全くスルーされていたのは残念だったかも。ラストの展開って、こういうハリーの細かい気遣いが作ったのだと信じている身としては、やっぱり省略して欲しくなかったな…。

ロンとの仲違い、分霊箱探索の行き詰まり、力を増していく敵と、暗い話ばかりが渦巻くPart1は正直原作を読んでいなかったらかなり気の滅入る内容で。Part2公開は来年7月とのことだけれど、ロード・オブ・ザ・リングのように1部・2部・3部を分けて上映するならともかく、同じ原作の上下巻を分けて公開するなら、せめて1ヶ月ぐらいのタイムラグで公開して欲しかった…。

細かいところや公開方法には不満はあるけれど、アクションシーン、謎を解こうとするハリー達の推理、家族を守ろうとする一途な思いなど、物語の随所に見所が散りばめられており映画全体としての出来には大満足。特に「死の秘宝」の説明にでてくる三人の兄弟の物語の影絵のような展開は幻想的でため息をつくほどの美しさ。

Part2上映の際は、是非各地の映画館でPart1,2一気上映して欲しいと思います。

公式サイトはこちら

原作『ハリー・ポッターと死の秘宝』感想はこちら
AD