感想を書きにくい映画というものがある。


すごく面白い・感動した場合は考えなくても言葉が出てくる。
逆にものすごく期待外れだった場合も感想には困らない。
どっちつかずの場合は感想が残らない。


この『ガールフレンド・エクスペリエンス』はまさに“感想を述べ難い”部類の映画だと思った。


ストーリーは高級エスコート嬢チェルシーへのインタビューで展開。高額の料金を支払うクライアントに対し接する時の心構えや仕事に対する考え方などを質問してくるインタビュアーに対しチェルシーが答える中で、彼女自身の過去の体験が映像として流れるようなストーリーが展開される。


まず、字幕の邦訳がイマイチだったのかも知れないが、知的な会話でおもてなしをするはずのチェルシーの会話のどこが知的なんだか意味不明。あのレベルの相槌打つ程度であれば、普通の会社員の女の子の方が余程機転の利く子は大勢いると突っ込みたくなる心境に。


あとはAV女優とかいうヒロインが無表情と言って言い程、感情を表に現さない。確かに美人ではあるけれど、あそこまで表情が固まっていると映像で見ていても面白みが無い。『エリン・ブロコビッチ』のジュリア・ロバーツのように小気味良いようなセリフも無ければ行動力も無いため、イマイチヒロインにも感情移入できず。


時系列通りにストーリーが展開していく訳では無いので、何がどういう繋がりかを把握するため、映画の上映中は集中して観てしまうけれど、内容を一通り把握して残る感想は「ふーん、そうなんだ」との一言に尽きて。どちらかと言うと『トラフィック』を思い出させるようなドキュメンタリータッチの映画は「オーシャンズ11」に代表されるエンターテイメント的な要素の強い映画よりもスティーヴン・ソダーバーグ好みの作風なんだろうとは思うけれど、観る人によって好き嫌いははっきり分かれる作品だと思う。


物語中いちばん面白かったのは集客に使っているホームページ更新についての小噺。Google検索時に上位表示されるようにして、との指示とそれに対するエンジニアとのやりとりは、私自身がWEBマーケティングの仕事を担当しているので、何をするか察しが付いて思わずニヤリ。下手をすると法律に抵触しかねない職業なのに、どうやって上手くカモフラージュするのかその後の展開が気になってしまった。


個人的には高額の料金を払う相手に会話や雰囲気でおもてなしをする客商売を描いた作品としては、大学生キャバ嬢が主人公の『綾、ホステス、18歳』の方が面白いと思う。こちらは、今まで「所詮水商売」とバカにしていたキャバクラでの仕事が、高額の時給で働くだけのことあるな、と色々考えさせる内容が散りばめられており。キャバ嬢に本気でのめり込んでしまう客と、それに上手く対処できないヒロインの苦しさなども、丁寧に描かれている。それに比べると人格論だか何だかで簡単に恋人を振ってクライアントに乗り換えようとするこの映画のヒロインの行動は意味不明。


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