スラムドッグ$ミリオネラ

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今年のアカデミー賞の作品賞・監督賞を独占した本作品。

ヴィゴ・モーテンセンにつられて観た『アラトリステ』の予告で見て以来、ずっと観たい!と思っていたので早速上映開始直後のレディース・デイで行って来ました。


億万長者になることを賭けたクイズ番組での不正はあったのか?というサスペンスあり、初恋の少女の居所を探し続ける純愛物語あり、貧困にめげず生き抜く成長物語ありで、1作で二度・三度美味しい充実の内容はケチらずレディース・デイで観なくても正規料金で十分お釣りの来る充実さ。


物語のベースは予告を観た時の印象と異なり、クイズ番組での不正有無を解き明かしていく謎解きではなく、主人公ジャマールと初恋の少女・ラティカとの恋物語にありました。私が個人的に苦手な「幸福絶頂期に恋人が死んでしまう」的な、いかにもなお涙頂戴では無い、本当に純粋な「生き別れた彼女にもう一度会いたい」という主人公の気持ちには素直に感動することができました。


描写方法がちょっとでも変わっていれば、これ以上無い程悲劇的・悲観的な空気に満ちた境遇にあるのに関わらず、底抜けのパワーで映画全体に明るいといっても過言では無い力をもたらしているジャマールとサミールの姿は、逆に涙をさそうもので。


ジャマール・サミールが過酷な人生を生き抜くために必要だったのは知識では無く、目まぐるしく変わっていく環境に適応するための機転と、何をするべきか決めるための決断力。映画は二人の生活が中心に描かれますが、一方で彼らほどの機知や機転を備えていない多くの子供たちが悲惨な運命を辿ったのだなと分かる描写になっていることが凄いの一言に付きました。映画では、その他大多数のごく一部しか登場していませんでしたが。


観ていて身体が痛くなるような凄惨なシーンもありましたが、それでもやっぱり一見の価値ありで。

映画があまりに良かったので帰りに原作を購入して読みましたが、原作は原作で映画よりシビアな作りで読み応え満点です。


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個人的には映画⇒原作の順をお勧めします。



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