仕事が水曜定休のメリット。レディースデイで映画を観易い。平日ランチを食べに行ける。

ただし、土日休みの友人が多い中、スケジュールを合わせ難い。


メリット・デメリット色々ある平日定休のシフトだが、今日は水曜が休みであることを感謝!

お陰で発売日当日に読破できました。「ハリー・ポッターと死の秘宝」。


内容に触れずにはいられないので、未読の方はスルーして頂きたいのですが、個人的には冒頭のダドリーとの数語、言葉を交わすシーンにホロリとさせられました。このシーンを皮切りに、ハリーはシリーズを通して“敵対”していた多くの人々と関係を修復、とまでいかなくても相手を受け入れる度量を見せてくれます。


顕著な例だったのがハリーとの対決に勝ったと確信したヴォルデモート卿に、その死を確認させられたドラコ・マルフォイの母ナルシッサがハリーがまだ生きていると知りつつヴォルデモートに対し虚偽の報告をするシーン。ハリー・ポッターの周囲の人々は「世界の平和」や「魔法界の秩序を取り戻す」という大義のために戦う人々よりも、身近な人を守りたいという気持ちで動いている人物が圧倒的に多い。ヴォルデモートは恐怖で周囲を支配したけれど、ハリーは身近な人を大切に思う人に対しては、たとえそれが長年敵対してきた人物であっても手を差し出さざるを得ない。だから娘を心配しハリーを売り渡そうとするラブグッドを心底憎む事ができないし、服従の呪文で操られている敵を倒す事に躊躇する。最終的にはその姿勢が敵をも巻き込む、大きな器量になっているのだな、と実感したシーンでした。(ちなみにこのシーンは、なんでハリーの生死を確認したのがベラトリックスでは無くナルシッサだったのかは不明。ベラトリックスが調べていたらハリーは殺されていたと…)


ダンブルドアはハリーに対し、純粋な愛情から親身になって接していたのでは無かったのかも知れない。ハリーが自分を慕うように育てた本音は、ヴォルデモートと戦う駒として利用する気持ちの方が強かったのかも知れない。人としての思いやりや感情に欠けるのではとも思われるダンブルドアの冷静な分析力と判断力が、結果として世の中を変える力を生み出したとすれば、ダンブルドアはやはり「ハリー・ポッター」の世界の第二の主役なのだな、と実感しました。


ハリーはヴォルデモート卿に比べ、魔力も劣る。6巻で故人となったダンブルドア程の統率力も無ければ、カリスマ性も無い。それでもハリーの周りにあれだけの人々が集まり、団結したのは、ダンブルドアが物語中で話している「見た目は父親そっくりだが、気性は母親から多くを継いでいる」その人柄にあるのでは無いかと。7巻後半で明かされるスネイプの真実には、訳者が巻末で述べているように「7巻で最も心に染み入る」章ではあるけれど、恐らくスネイプだけでなく、物語に登場する全ての人物が魔法使いもマグルも屋敷しもべ妖精も小鬼も、人種や魔法の力といった境界を超えて、ハリーの中に生き続ける「リリー・ポッターの心根」を感じ取った結果が物語のエンディングを創り上げたのでは無いかと感じます。


多くの登場人物が7巻の中で犠牲になっていくのに関わらず、読後感は思いのほか爽やかで。


『ハリー・ポッター』シリーズは私個人にとってバイブルとも言える『指輪物語』には重厚感で負けていると思うし、『ゲド戦記』のような歴史絵巻を紐解いているような文化的な作風も薄い。ハリー達はちゃんとホグワーツを卒業したのか、など疑問も沢山残されますが、まぁどうなったのかをあれこれ想像するのも読書の楽しみのひとつ。夢中になって読んだシリーズの完結を締めくくるに足る充実したストーリーだったと大満足しています。


このシリーズと発売されるリアルタイムで出会えた事を、幸運に思います。

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