キングダム―見えざる敵―

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今年は試写会運低迷中。と言う訳で、9月末になって個人的には今年初の試写会で観たのが『キングダム―見えざる敵―』。


サウジアラビアの首都にある外国人居住区で起きた爆弾テロ事件。同僚を事件に巻き込まれたFBI捜査官はサウジアラビアでの現地調査を強行する。国務省の反対を押し切り、在米サウジアラビア大使との直接取引きで得た調査期間はたった5日。限られた期間で先を急ぐ捜査官達に、更に厳しい捜査条件が突き付けられ…。


映画を観た瞬間に思ったのが「字幕が観難い」。背景が白っぽいのに字幕の文字も白くて、一瞬背景が暗くなったのを狙って全文を読んでも時間が足りない!と言う訳で、内容が濃いだけにこの読みにくさには本当にイライラさせられました。


捜査当初はいがみあっていたFBI捜査官とサウジ警察官の面々が、次第にプロ意識を通じ合わせ、協力する様子はお約束、と言っては実も蓋もありませんがなかなか感動的で。突っ込みたかったのはFBIに協力させるという筋書き上、仕方なかったとしても、現地サウジ警察の捜査があまりにもお粗末で、いくら何でもそれは無いだろう~と思ってしまいました。


CLAMPのコミック『X』の中で、七人の御使いが「なぜ人を殺してはいけないのか?」と問い掛けるシーンがあり、それに対する答えは「悲しむ人が居るから」だった事を、この映画を観て思い出しました。テロによる多くの犠牲者には、その死を悲しみ、打ちひしがれる人々が居て、捜査線上に浮かび上がってきた容疑者達が抵抗し、射殺されると、その死を嘆く人々が居る。『X』のように「悲しむ人がいるから」と言葉にしている訳では無いけれど、双方に死を悼み、嘆く人が居る事を映画全編を通し痛烈に訴えているように思えました。


『ミュンヘン』ほど絶望的では無いけれど、終わりの無いテロとの戦いに対する絶望が根底に流れている印象を受けます。それでいて『ミュンヘン』よりも若干の光が見えるのは、サウジ警察官とFBI捜査官の間に共通意識がある事を互いに自覚することなのでは無いかと。


『ダイハード4.0』のように、観てあぁスッキリ!というタイプのアクション映画とは一線を画していますが、アクションシーンは迫力満点。映画館で観るのにオススメの一作です。


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