2016.3.3(木)

 午後からヤヌシとのおわかれ会をやった。

 教室に安置されたヤヌシは、本当に安らかに眠っているようで、仕事をしていてふと目を向けると息をしているようで、何度もはっとしてしまった。

 午後からアルバイトだというHi君が10時頃来て、なんと花を持って来てくれた。
彼が自分で思いついて、自分のお金で花を買ってくるなんて、あ、り、え、な、い!

 私たちが最も心配していたYちゃんは、学校休ませて、お母さんがいっしょに来た。
もう、泣きとおし。

 あまりにもヤヌシが眠っているようなので、みんな怖がらずに、やさしくなでて、Rくんも「ヤヌシ、忘れないからね、僕はずっと覚えているからね。」

 そんな中でただひとり、ヘラヘラ、ニタニタしていたKたろうが浮いていた。
「悲しくて泣いたことってないよ」と言うが、実は”悲しい”ということもわかってないのかもしれない。

 今日、KたろうとRは待ち合わせて2人で来たのだが、来てすぐにRがあらたまった様子で「園長先生に、話したいことがあります」という。
「Kちゃんが電車の中でうるさくして、いくら静かにしてって言ってもやめなくてやだったです。それから、ボクのことをデブ、デブって言うんで、やめてくださいとたのんでもやめなくて、すごくやだったです。」

 聞いてるKたろうは、ゆかいそうにケラケラ笑っていた。
「今まで、いつもいっしょの時は、うるさくしたり、Rをからかっていたんでしょ」 ウン、そーだよ(うれしそう)
「Rは、いつもいやだと思っていても、きょう初めてせんせいに言ったんだよ」 へー、そうなの?(うれしそう)
「いやだ、やめてって言ってるのに、どうしてやめなかったの」だってわからなかったんだもん(少しマジメ)
「いやだ、やめてって言ったじゃん」 だって、ちがうと思ったからさー(少しマジメ)

 かなりIQの高いKたろうがこんな調子だ。

 Kたろうだって担任の先生がいやだってことがわかって学校行くのいやになったのに、どうしてRがいやだと言ってるのがわからなかたったの?相手がいやだと言ったら、いやなんだよ。
やめるんだよ。

 ここでKたろうからの先生質問があります。
「自分も相手もいやだというのがわからない時はどうすればいんですか」

 こんな質問があっていいのか!「そういう時は相手がいやだと言ったら、いやなんだと思う。自分がどうなのか、わかんない時は峠へ来て話をする。知識として憶えておけ」

 彼の育ちそこなわされていることの重さ、喜怒哀楽の芽がつみとられている事実が明らかな形で現れたことに、気持ちがズッシリと沈みこむ。
こんな育てかたしやがって、バカ親が!なんてトクメイじゃないから言えないけど、──あーっ言っちゃったか。
しかたない。
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2016.3.2(水)

 猫のヤヌシばあさんが死んだ。
夜8時35分。
ついさっき。

 きのうあたりから、元気の無さがいつもとちがうとかんじており、「きっと」という予感がしていた。

 何はともあれ、Yちゃん母と相談しなきゃと電話。
もしもの場合は、学校休ませてもお別れにつれて行く、と。
Yちゃんにとってヤヌシの存在が、どれほど大きなものだったのか、深い理解を示してくれて、「ヤヌシ、すごいよ!」と思う。

 人間がいくらがんばっても出来ないよう事を往々にして動物はやってのける。
普通に暮らして、好きなように生きて、それをやってのける。
かなわないなあ。

 ニャンコ先生プロジェクトリーダーそうくんに看取られて安らかに旅立ったヤヌシは、しあわせものだ。
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2016.2.28(日)

テーマ:
 今年になって、初めての交流会。
誰も来なくてもやるよ、と宣言していたが、5名(保護者)参加。

 いろいろ予定があって、定時1:30には、Kたろう母とYちゃん母の2人で、最近の「学校行かない」事件について、じっくりと話していたが、私としてみれば、「だから夏休み前から、担任相手にしないで、校長に話をしろ」って言ってたじゃないか、と思う。
結局この母はKたろうがもやもやが晴れて実力行使に出なければ行動しなかっただろう。

 話には割って入らなかった。
なにしろ3週間以上咳に悩まされている。
少し良いな、の状態になっても、しゃべるのが商売だからすぐぶり返していて、つらい。

 今日は、がんばって資料6種類を作り、その説明もしたので、負担(のどへの)を減らすべく、休み事件はコメントなし、とした。
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2016.2.25(土)

テーマ:
 Kたろう君が、学校へ絶対に行かないと言っている。

 「担任の顔を見るのもいやだ。学校行きたくないならかぜひきたい。お母さんどすればかぜひくの?」と言うわけで、Rと2人で来た。

 勉強道具も持って来た。

 最近になって急に担任が変わったわけではないが、どうも峠へ毎週土曜に来るようになり霧が晴れたかのように、「自分はいやな思いをしてきたこと。「その原因はあいつだ」ということに気がついた、というかわかったらしい。

 今までは、いやだと思うこと(自分も相手も)とか、自他共に精神的にもやもや状態だったことが、まったくわからず、行動的にヤバイよこれ、という日常だった。
そのように育てられてきたから。

 はっきした時点で、「いやだ」と言う勘定が生まれ今までのようにヘラヘラしていられなくなったと推理。
6年生の終わり間近になっての変化、成長。
ずっと峠へ来続けられるかどうかもわからない現在、彼にとって、いいことなのか、苦しいことなのか、わからない。

2016.1.30(土)

 Tくんが今日も来た。

 今日は、土曜日。
天気も良くて、子ども達が外でわいわいやってる所へ、ドッドッドッド──と止まる音。

 あ、バイクだー
 ネェ、だれだれだれ?
 なにしに来たの?
 そうくんの友だち?
 呼んできてあげる──
 ○×△∞※………の声とともに、入り口がふさがって大きな人が……。
 「そうくんに連絡してから来ようとおもったんだけど、ケータイの番号わかんなくなっちゃって。」

 「だれ、そうくんの友だち?」みんなの先輩だよ。
去年の前のキャンプの時、ラグビーの合宿のおみやげをみんなで食べたじゃん。
「あー、クッキーか」2階の棚にかざってあるガンダム作った人だよ。
「あるある、小学校4年て書いてあった」そうだよ。
4年のとき作って雑誌にものったんだよ。

 彼等が2時半のバスめざして帰ったあと、やっと静かになって、2時間以上話しこんでいたのかな。

 私は途中で買い物にでかけてしまった。

 あんなにデッカイ図体して、まじめに働いて、でも昔と同じ少し舌たらずな話し方。
いーなぁ、Tくん。

2016.1.17(日)

 Tくんが来た。
突然。

 きょう、Hくん母が仕事だということで、彼が遊びに来ていた。
スタッフそうくんが、ユーザー車検を通した、友人からもらいうけた車で、試しドライブに行こうと出かけた30分後ぐらい。

 大きいバイクの音が前でとまる。
え?だれ?と思うまもなく入り口がふさがりそうな大男が。
「あー、残念、30分ぐらい前にそうくでかけちゃったんだ、車で」

 正月に初日の出見に友人と出かけたので、と海ほたるで買ったおみやげを持って来た。
「どうだった?千葉の初日の出?」
「初日の出見物は、バイクで行くもんじゃないと思った。死ぬほど寒かった。」

 大笑いしてしまったが、彼の青春がまぶしい。

 去年、社会人になりたての頃は、「同期の人って、自分以外みんな大卒なんで、どうつき合ったらいいのか悩む。」とか「新人歓迎会で30代後半に見られた。オレまだ10代ですよ」などと言っていたが、着実に自分の世界を拡げている。

 ラグビー漬けの高校3年間、ずーっと寄宿舎生活で、
「たまに練習休みで帰って来ても、友だちと休みが合わなくて、ぜんぜん遊べなくて……。部活引退したら、あれもやりたい、これもやりたいと思ってたことが、ぜんぜん興味なくなって、なんか全部ラグビーにとられちゃったようで…」
彼は悩んでいたのだ。

 だが車の免許もとって、ひょんなきっかけから欲しい大型バイクがあって、バイクの免許もとって、自分の力でバイクも買って、コケたりしたけど、今は友人関係もとり戻し、そして、一番大切なこと、まじめに働いている。
人柄を認めてくれた、ラグビー部ヘッドコーチの紹介で、「子どもにスポーツを教える会社」に就職。
コーチは、「おまえはオラオモテがないから後輩から好かれる」と評してくれたそうだ。

 それにしても、小学生のころ、イベントのあと公園で遊ぼうとなったとき「ぜったいやだ」と言って、おかあさんに衿がみつかんで背中押されてしぶしぶ外へ行ったやつが、と思うと、愉快でならない。

 2時間ぐらい、いろんなことを話して行った。
Hくんのことも憶えていて「車好きなんだから、高校行ったらスタンドでバイトするといいよ。けっこうマニアなやつ多いよ」なんてアドバイス。
先輩、頼りになるねえ。

2016.1.9(土)

 クッキー作りをした。
総勢7名
あとりえおーぱる(絵画教室)に丸投げ。

 テーブル2つに分けて、放っといてもちゃんとやれそうな、5、6、中1年生4人グループと、もう一方は、よだれが心配な2年生と、おととしやったの憶えてるかどうか心配のR君と、絵画教室の子、の3人グループ。
私は後者へ着いた。

 心配していた以上にRくんは出来なかった。
私の声が、だんだんデカくなり、絵の教室の子のことが心配なほど。
それでも、最後の方になってようやく回転しはじめたかな。

 以外だったのが、2年生のTくん。
よだれ全くなし。
型を使わずに、すべて手こね成型で、やればやるほどノリノリになり楽しそうでびっくりした。

 4人グループの方は、ねこをかわいがりたいYちゃんは、手ぎわ良くさっさと仕上げて下の教室へ。
いかにも「不満です」オーラをまき散らした中1生O君は、やってる内に本気度が増して満足そう。
いちばん口数の多かったKくんは、しゃべっても手は止まらず合格。
職人肌のAくん、全て同じ形、同じトッピングで、びしーっと並べて成型終わるまで焼くことを拒否。

無事家へ、持って帰ってくれるかが気がかりだ。