2007-01-29

独×仏 食文化の違い その5

テーマ:よその国や街の話
この間の年末年始ではないんだけど、前回、フランスに行った時のこと。
やはりCarrefourで楽しく買い物をして、その品揃えの豊富さに頭がボーっとなっていた私とトラちゃんは、
ドイツへ買える前に是非、向こうで手に入らない食材を買って帰ろうと一致団結した。

ところが、このスーパーって本当に品揃えは豊富だし、いつ行ってもエライ混んでるし、で、何となくブラブラと買い物が楽しめるような雰囲気ではない。
酸欠で頭はズーンと重たくなってくるし、人の流れで目が回って気持ち悪くなってくるし(って、それはもう書いたか)

大体、いくらドイツでなかなか手に入らないとはいえ、新鮮な魚介類を何時間も掛けて運ぶわけにはいかないし、、、

海原をあてもなく彷徨う椰子の実のようにブラブラしていると、
肉や魚のカウンターの辺りで、イイ匂いがしてきた。

見ると、カウンターの端の方で、卓上コンロを使って何かを炒めている。
フライパンの中には、ぶつ切りにされて、緑色のソースに漬け込まれた物体がジュージューと音を立てている。
匂いからして、たっぷりのニンニクと色んな種類のハーブのソースだ。
その物体は、見たところ白身魚のぶつ切りのように見える。

そして、そのカウンターの下の冷凍ケースには、同じ色形の肉がパックされたものが大量に入れられていた。
どうやら、特価で売り出しているようだ。

これ、どう?
マリネしてある
なんかイイ匂いするし。
冷凍だから車の中でも大丈夫だし、家に着いてから冷蔵庫に入れておけば、翌日くらいにちょうど解凍されてると思うけど。

そうだね、買ってみる?

もうほとんど、えいやってな心境で、パックをつかみ出した。


そして数日後。

今日は、フランスで買ってきたを食べよう!

ということで、フライパンを熱して、パックを開けて、中身をドカッと空けた。

ほらほら、もういい匂いがしてきた~♪

そして、



身じたいは淡白な味。
鶏肉とかみたいな感じ。
だからしっかりと味のついたソースに漬け込んであるのね。

なんか、骨が多いね~。

、、、

って、ちょっと待って、、、

、、、


これって、魚の骨?

魚の骨って、こんな形してるっけ、普通??

V字型、してるよね、この骨、、、こんな魚、いる?

、、、

なんか私、何の肉だか分かったかもしれない。

うん。

、、、

やだああああああああ、やめて、やめて、言わないで

でも言わずにはいられない

、、、


準備はようござんすか?


これって、

もしかして、

、、、


カエル?

ほらほら、後ろ足が、V字型~(笑)




それも、



下半身だけのぶつ切り??


いやあ、どうりで緑色のソースがやけに似合うと思った、、、


いや、ごめんね、カエルさん達。
君たちのせいじゃないんだ。

ただ、君たちを受け入れる心と胃の準備が出来てなかった。
ホントごめん。

でも、きついわ、やっぱ。


いやいや、もちろん、最後まで食べましたよ。



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2007-01-28

独×仏 食文化の違い その4

テーマ:よその国や街の話
さて、レジに進む前に、乳製品の棚も覗いてみよう。

そこで目にするのは、呆れるほど豊富なヨーグルトやプディングやチョコレートムースなどのデザートの種類、、、。

ドイツ人もヨーグルトはよく食べる。
朝食は、ミュッスリ*という人もすごく多い。
* シリアルとか、カボチャの種とか、ヒマワリの種とか、ドライフルーツとか、新鮮なフルーツなんかを混ぜて、牛乳やヨーグルトを掛けたもの
だから、ドイツのスーパーでもヨーグルトやプディングの種類はたくさんある。
でもドイツのヨーグルトのバリエーションといえば、色んなフルーツのミックスだ。
もちろんメーカーがいくつもあるから、このメーカーのこの味、というお気に入りはあるだろう。
人によっては、Bio(有機農法)製品がイイ、とか、地場産の製品をサポートする、なんかが選択の条件になる。

一方、Carrefourで見たヨーグルトのバリエーションは、、、
さっぱり理解できない。
一つの大きな冷蔵棚が一面、無糖のプレーンヨーグルトでいっぱい・・・(汗)
え、これ、全部味が違うの?だって、プレーンヨーグルトでしょ?
なんて言ったら怒られそう(いや、笑われるか)


フランスでは、美食を追及するために、時間と手間を費やして材料を作り出し、調理する。
そして少々お値段が張ることにひるむこともなく、食にお金を掛ける。

知り合いも言っていたが、フランス人ってエンゲル係数が高いと思う。
少なくとも、ドイツ人よりははるかに高いはず。

Carrefourは決してディスカウントのスーパーでなく、品揃えの広さと質の良さを売りにしているスーパーであるらしいので、直接比較することは出来ないけれど、物価を見ると、食料品などはドイツよりも少々高い。

それにドイツでは、ALDIやLIDLなどをはじめとするディスカウント・スーパーマーケット・チェーンが席巻していて、質よりも、安売り競争が盛んだ。



隣接している国なのに、こうも食生活が異なるというのも、非常に興味深い。


あー、ピスタチオ入りの緑色のヨーグルト、美味しかったなあ~。


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2007-01-27

独×仏 食文化の違い その3

テーマ:よその国や街の話
さらに肉屋のカウンターを眺めれば、実に様々な肉が売られている。

牛や豚はもちろん、ニワトリ(頭付き)ガチョウ(頭付き)ウサギ(頭付き)など
さらに、クリスマス・新年という時期もあり、シャポンという特別な雄鶏の肉も売られていた。

調理されたシャポンのイメージ図
このシャポン、知り合いが説明してくれたんだけど、太らせるためにわざわざ去勢した雄鶏なんだそうだ。
丸々と太らせるために、雄鶏を去勢する。
そんなのって、ドイツでは聞いたことがない。
ちなみに、ガチョウやウサギの肉もドイツでは肉屋でもスーパーでも見かけることはない。

そして、おフランス料理といえば、やっぱり忘れられないのがフォア・グラだろう。
フュメ・ドフォアグラ
動物虐待だと動物愛護家なんかから度々批判されているフォア・グラだけど、多くのフランス人にとっては、お祝いの食卓になくてはならないものらしい。
肝臓を肥大させるために、有無を言わさずに口から飼料を流し込む。
その手間ヒマを経て得られるフォア・グラは、日本で言うと、肉牛にビールを飲ませてかた体をマッサージして霜降り肉を形成させる過程に匹敵するだろうか。
その高価なフォアグラに、さらにトリュフを加えてパテにしたものが売られているのを見た時には、フランス人が誇る美食精神を貫く筋を見せられたようで、何とも表現しきれない感慨を覚えた。
黒トリュフ(冬) ペリゴール産

コレに対してドイツでは、どちらかというと、狩猟で獲ってきた野生の肉を、特別な機会のご馳走と重視する。
イノシシやシカやキジなどの肉だ。

これらの肉は、肉屋に普通に並んでいるわけではなく、特別に注文しておく。

抗生物質を与えて、家畜小屋で育成した動物の肉よりも、自然に育まれた肉の方が健康的で美味しいという、ほとんど信仰に近いような感覚を持っている。
私の周りに狩人が多いせいだろうか、、、?
ちなみに、ドイツをはじめとするヨーロッパの国々では、ガチョウの強制給餌が禁止されているそうだ。
Wikipedia参照

ふーん、それは知らなかった。
でもそういうとこ、ドイツらしい。


つづく
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2007-01-26

独×仏 食文化の違い その2

テーマ:よその国や街の話
さて、そのCarrefourの中を見てみると、

まず、野菜や果物のコーナーでは、ドイツで見かけるよりもはるかに多くの種類の野菜や果物が並んでいた。

ジャガイモなんかは、ドイツのスーパーでは3kgや5kgの量売りが中心で、ビニル製の網袋とかに入れられて積まれている様は、食料と飼料の中間くらいな感じ(失礼!)
それもそのはず、ドイツでジャガイモといえば、麺類や米とローテーションを組んで、週に何日も食べるもの。
肉料理や魚料理の付け合せで、言ってみればお腹を膨らませるために食べるのだ。
だから小さいサイズでも1.5kgくらいからで、一人暮らしだとなかなか使い切れない、頭の痛いサイズだったりするんだけど、2kgで数ユーロという安さだから、食べきれないのが分かっていてもついつい買ってしまう。
ちなみに、ジャガイモには、煮崩れしない茹で用と、煮崩れしやすいマッシュポテト用がある。

フランスにもきっと、同じ様なジャガイモも置いてあるはずだ。
他に気を取られていたせいか記憶にはないけれど、、、。

今回フランスのスーパーで見かけたのは、イチゴでも入れるような木を組んだ箱の中に並んで入っている小粒の形の揃ったきれいなジャガイモ達。
え、だって、イモでしょ?
と、目を凝らしてよくよく眺めて見るに、いかにも高級そうで、
そこらへんのザック入りのイモらと一緒にしないで頂戴とでもいいたげに、お上品に箱の中に収まっていた。
これは、メインの付け合せにするためのジャガイモなんだそうな。
だから見栄え重視。
もちろん、お高い。


つづく

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2007-01-25

独×仏 食文化の違い その1

テーマ:よその国や街の話
クリスマスの後から元旦に掛けて、フランスの知り合いを訪ねていた。
そこで非常に面白いと思ったのが、フランス人とドイツ人の食生活の違いだった。


フランス人の食に掛ける情熱には、もう、、、圧倒された。


スーパーマーケットって、その地域の人々の生活に密着しているから、全く違う地方や、外国に行ってスーパーを覗くのってすごく面白い。
ヨーロッパ内の量産店なんてどこも同じようなイメージがあったけど、これがどうして、注意してみると置いてあるものが結構違うものだ。
地理学的に狭い範囲の中に、様々な民族や文化、特に食文化がモザイク状にひしめき合っているんだから、当然といえば当然なんだけど。

今回も、2度ほどCarrefourというスーパーに買い物に行った。
Carrefourはフランス最大規模のスーパーマーケットだけど、安売りの量販店ではなく、販売面積あたりの単価がフランスで一番高いんだとか。
Wal☆Martのような巨大なスーパーマーケットで、食品や日常的な家庭雑貨だけではなく、洋服や本、DVD、CD、カー用品など様々なものが売られている。
食品の棚が並ぶ部分だけでもウンザリするほど大きい。
しかも、もんのすごい人出!

人込みに行くと、30分で行き交う人の流れに目が回って酔って、酸欠で頭が痛くなって気持ちが悪くなる私にとっては、週末の大きな買い物自体が体力勝負の一大イベントなんだけど、このCarrefourはもう、ドイツの大型スーパーとは比較にはならないくらい、ホントに想像以上にすごかった。

しかし、入店してすぐに私とトラちゃんの目を釘付けにしたのは、スーパー備え付けののショッピングカートのでかいこと!

Garage ショッピングカート
それというのも、ドイツのスーパーのショッピングカートは、カゴの下に飲み物のケースが2つ並んで置けるようになっている。
ドイツって環境先進国だから、リユースのガラス瓶詰の飲料がすごく多い。
ミネラルウォーター、ジュース、牛乳、そしてもちろんビール!
普通の家庭は、これらをケースで買っていくのだ。

ドイツビール Prost!

対するフランス
飲み物は、、、ペットボトルが中心?!
少なくとも、ミネラルウォーター、ジュース、牛乳は1度だけ使用しリサイクルに回るボトルだった。
大体フランス人ってビール飲むのかしら?!

飲料のケースを置くスペースが無い分(?)ショッピングカートの底が深くて、見慣れない目には、異様な大きさに映った。

そしてさらに圧倒されるのは、回りの買い物客が皆、その馬鹿でかいカートに溢れんばかりに物を積んでレジに向かう姿だった。


つづく

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2005-08-22

シベリアの大地と人

テーマ:よその国や街の話
もう2年前のことになるが、シベリアのバイカル湖へ行く3週間のエクスカーションに参加した。
これは、主に大学生や研究者などを対象として、植物学、地質学、鳥類学、生態学といったテーマが設定され、シベリアの大学のこれらの分野の教授や研究者が同行した。
実際には、大学生や研究者でなくても関心のある人なら誰でも参加でき、個人ではなかなか行けないバイカル湖に行ってみようというノリのツアーだった。

3週間の行程で、イルクーツクから小さなバス2台で移動、野営を繰り返し、バイカル湖の南半分を回ったことになる。

Bus-Baikalsee

バイカル湖で体を洗い、
洗濯もバイカル湖、
そして、飲み水や料理用の水も、もちろんバイカル湖から汲む

という3週間だった。

だって、他には何もないから。

Zelten-Baikalsee

シベリアと一言で言っても気候や土壌でサバンナから比較的湿潤な森林地帯まで様々であるが、
まとまりのある森林広がっている場所では、必ずと言っていいほど、森林火災の跡が目に飛び込んでくる。
夏場はほんの2ヶ月ほどしかないとは言え、暑い日は30度を越えることも珍しくなく、雨が降らずに極度に乾燥する地も多いので、自然災害かと思えばそうではない。

地元の人が森に入り、火を放つというのだ。

ロシアの全身は共産主義のソビエト連邦であり、その流れを受け継いで、森林はいまだに国有林のみである。
国有林を伐採するには国家の許可が必要だ。
しかし、ここに特例が認めらており、火事が起こった後の森林に限っては許可なしに伐採が認められているらしい。
これは、延焼や燃えてしまった立木が起こす二次災害を防ぐための安全対策や、森林の更新を促進するための目的があるのだろう。

国有林なら、その森林を管理する役人は居ないのか?
もちろん、いる。
しかし、地元の人たちがわずかばかりのお金を握らせると、黙認しているらしい。
国家公務員とは言え、給料は恐ろしく安い。
だから、いちいち監視などせずに、わずかな袖の下をもらって目をつぶるのだ。

Waldbrand-Baikalsee

シベリアの貧しさは、想像を絶している。
普通に職を得たとしても、一つの職業だけでは家族を養っていくことができないほど、給料が安いのだ。
だから、多くの人は2つ、3つと職場を掛け持ちしている。
冗談みたいな話だが、平日の昼間、イルクーツクなどの大きな町の中を歩いていると、どんな時間でも道には、あっちの職場、こっちの職場と渡り歩いている人が、忙しそうに行き交っているのだ。

そんな人達の多くが、ハーフタイムの職場でなく、フルタイムの職場を掛け持ちしている。
どうりで、窓口が閉まったままでいつ再開されるか分からなかったりという事態が起こるわけだ。
シベリアではとにかく、何をするにも延々と待たされる。あてもなくいつまでも待つ覚悟が必要なのだ。

これはあくまでもイルクーツクのようなシベリア有数の大都市の話であり、仕事があるだけマシである。

シベリアの農村部の生活は悲惨だ。
もともと痩せた土地であるので農業や漁業で生活を立てることはできない。
せいぜい家族の食べる分を生産する程度である。
これといった産業も無い。
若者や働き盛りの年代の多くは失業。
それでも最近、ドイツを中心とする西ヨーロッパからの観光客が増えた。
日雇いで観光ツアーバスの運転手をしたり、家や部屋を観光客に貸したり、といった、不定期な臨時収入だけが収入源となっていることも少なくないのだ。

そんな彼らが、求めて森へ入り、火を放ち、燃えた立木を伐採し、切り出したままの原木として買い叩かれ、わずかばかりの収入を得ているのだ。

そしてこの原木を、中国がタダ同然に買い取り、製材所できれいな木材製品に仕上げて、
日本に輸出している。

お金が落ちているのは、シベリアではなく、中国だ。
この構図のままでは、シベリアの農民はいつまで経っても貧しいままなのである。

昨今、熱帯雨林の破壊ばかりが取りざたされている。
日本が熱帯雨林地方の大規模な森林破壊の片棒を担いでいると、国際的な批判はとどまるところを知らないが、目と鼻の先のシベリアでも、経済大国、先進国としての日本が、森林乱伐を後押ししている。

シベリアは言うまでもなく東の大国ロシアの一部であるが、
ヨーロッパ圏に首都を構え、白人中心で国を運営している政府は、極東の不毛の地などに関心はないらしい。

これらの話しはみな、私の憶測ではなくてイルクーツク大学の教授や研究者が語ってくれたことだ。

森林管理官が倫理観が働くだけのまともな給料をもらうことができれば、
シベリアの地に製材所があり、地元の人が職を得て、木材輸出で地元の経済が多少でも潤う方向に改善されれば、
森林資源の持続可能な利用という概念に目を向ける余裕が、少しは出てくるのかもししれない。

Abendrot-Baikalsee
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2005-06-18

ローテンブルグの思い出2

テーマ:よその国や街の話
この中世の町並みをそのままに時が流れるのを忘れてしまったような、ある意味テーマパークのような町に、ゲーテ・インスティチュートがある。

ゲーテ・インスティチュートとは、国内ばかりでなく世界各国にドイツ語学校を持っている半官半民のような教育施設だ。
日本にも東京と大阪に学校がある。
東京校で数ヶ月ドイツ語の基礎を学んだ私は、日本でドイツにある学校の受講手続きを済ませて来ていた。

この町で私は、ドイツ語も満足に離せない状態で、海外生活を開始した。
資金を節約するために二人部屋に申し込んでいたため、イタリア人の女の子と生活することになった。
それまでずっと東京の親元で生活していた私が、生まれてはじめての海外生活で、生まれて初めて知らない人と二人暮しをはじめることになった。

Wohnung

それは、町から少し離れていたけれど、真新しい低層集合住宅の1階にあるアパートメントで
部屋自体はごく小さいものの、南側の芝生の庭に面して前面が窓だったので、とても明るくて気持ちの良い部屋だった。

2ヶ月間の同居人となったイタリア人のFは、当時23歳で、北イタリアの工業都市、モデナの大学生だった。
小柄で童顔の彼女は、中学生か高校生くらいにも見えた。
大学で英語とドイツ語を専攻しているけれど、ほとんどの講義はイタリア語で行われ、会話の講義はないために会話力を身につけるために2ヶ月間の留学を決めた、
という彼女は、最初っからドイツ語で達者に話し(少なくとも当時の私にはそう思えた)、
とにかく間をあけることなく常に自ら何かを話し、私にも話させようとした。

「あたしは、毎日必ず1度、パスタを食べなければ生きていけないの」

早々にそんな宣言をされた。
私の友達にも、毎日少なくとも1回は米粒を食べなければ生きていけないという子がいるが、イタリア人もそうなのか、と親近感が沸いた。

自ら宣言するだけの事はあり、彼女はスーツケースにいくつもトマトソースや緑のペスト(バジリコのソース)を詰めてきており、見るからに重そうで、よくこんな小さな体でこんな重たそうなスーツケースを運んできたものだと思ったが、
「ドイツで売られているソースは美味しくないんだ」、と、何度も繰り返すところを見ると、本当にイタリア風パスタなしでは生きていけないんだろう。

次の日から、13時に授業が終わると家へ帰り、二人でパスタをゆでイタリア直輸入のソースをからめ、サラダを作って昼食を食べる日々が始まった。
ペストというソースを食べたのは、このときが初めてだった。
こんなに簡単でこんなに美味しいものがあるのか、と思った。

パスタがイタリア風なら、サラダもイタリア風だった。

スーパーで買い物をしていた時、どの葉っぱ(Salat)を買おうかと聞かれて困った。
日本では、サラダと言えばレタスだったからだ。
私は、普通のレタスとサニーレタスくらいしか知らなかった。
しかしここには、レタスはもちろん、今までに見たことのないような葉っぱが売られている。

とりあえず知っている中から、サニーレタスは紙みたいで嫌いなので、普通のレタスを手にとって、「日本ではいつもこれだった」言うと、
「じゃあそれで良い」と言うので、一日目のサラダはレタスだった。

数日後、レタスがなくなったので新しい葉っぱを買いにスーパーへ行くとFが言った。

「この葉っぱは硬くて美味しくないから、Feldsalatが良い。家ではいつもこれだったの、やわらかくって美味しいのよ」

「フェルドザラート?何じゃそりゃ??」

これ↓である。

Feldsalat

日本では一度も見たことがなかった。
もちろん、連日の残業生活で、実家の家事の手伝いなど一切放棄していた私だから、
日本のスーパーに何が並んでいるのかなんて、実際はよく知らない。
日本ではなんていう名前なんだろう?
英語では??

非常にやわらかい葉っぱで、香りはあまりないんだけど、ちょっと独特の味を持っている。
言葉ではとても表現しにくいんだけど。

フェルドザラートだけのサラダも美味しいし、トマトやモッツァレラ、ラディッシュなんかと混ぜても美味しい。
バルサミコを使ったスタンダードなソースや、
さっぱり味のベースにナッツ類やカボチャやヒマワリの種などを加えたソース、
または、ごま油と醤油を使ったソースなんかにもよく合う。

今では私も大好きだけど、
当時の私は見たこともない上に、レタスよりもお高めのこの葉っぱをちょっと敬遠していた。

ちなみに、彼女のサラダの食べ方も、はじめて見る私には新鮮だった。
まず洗った葉っぱ、適当に切ったトマトを自分の皿に取り分ける。
そこにオリーブオイルとバルサミコをドボドボとかける。
その上に塩を振ったら、フォークとナイフでトマトや葉っぱを皿に小さく切って、ソースとからめて食べる。
最後に皿に残ったソースをパンできれいにぬぐって食べる。

この、オリーブオイル、ドボドボの量が半端ではない。
何しろ、二人の生活で、500mlのオリーブオイルが2週間くらいでなくなったんだから。
ちょっと心配になって、聞いてみたが、答えはあっけらかんとしたものだった。

オリーブオイルは体に良いのよ

「他のオイルは太るからダメだけど、オリーブオイルはいくら摂っても大丈夫なの。健康のために毎日摂った方が良いんだから」

「しかし、どんなに良いものでも、やっぱり適切な量ってものがあるんじゃない?
どんなに質が良くてもオイルはオイル、摂り過ぎは逆に体に良くないはずだよ」

なーんてことは、当時の私の語学力では言えるはずもなく、
毎日ただただ目を見開いて見つめるだけだった。
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2005-06-17

ローテンブルグの思い出1

テーマ:よその国や街の話
6年前、ドイツへ生まれてはじめてきた時に、一番最初に生活した町がローテンブルグだった。
正確には、ローテンブルグ・オプ・デア・タウバー(Rothenburg ob der Tauber)という。
ローテンブルグと言う地名が他にもあるため、区別するために、「タウバー川の上のローテンブルグ」と呼ばれるのだ。
実際にローテンブルグの町は、タウバー川の川岸にせり立った岩山の上にある。タウバー川のほとりから見上げる町は、まさしく中世の要塞都市といった感がある。

ローテンブルグと言えば、ロマンティック街道の中ほどの観光の目玉の地であるから、日本人でも知っている人は多いと思う。
私が滞在していた4月と5月には、本当に毎日のようにバスで日本人の観光グループが到着し、町の中心部にあるホテルに1泊して、市内観光をして次の目的地へ出発と、怒涛のように通り過ぎていったものだった。
町の中には日本人の女性が働いているおみやげ物屋さんもあり、
ドイツ人の多くは、「町の中は日本人ばかりだ、しかも毎日短時間の、それもグループでの観光だけで次の日には出発していく」と少々呆れ顔だったが(それで町が潤ってるんだから、文句を言われる筋合いはないんだけど)、
実際にはイタリア人やアメリカ人のグループの観光客も日本人グループと同じくらい、というかそれ以上に多い。

中世の頃に建設されたこの小さな町は、いまだに完全に城壁に囲われている。
1945年、第2次大戦終戦間際に、爆撃を受けて部分的に破壊されたが、
終戦後、国内外からの資金援助を受けて、完全に近い形での復元整備が実施された。
中世の頃の町並みが、本当に古い建築物とともに保存されている、まさに観光のために作られたテーマパークのようだ。
人々の生活感があまり感じられないは事実だ。

matsuri2

あまりに観光地すぎて行く気がしないというドイツ人も多いが、この町の完璧なまでの中世の町並みは、一見の価値があると私は思う。
確かに町の中心部には常に観光客が居て、あちらでもこちらでも記念写真を撮っており、落ち着いて美しい建物に見入るような雰囲気ではないかもしれない。
しかし、そこから少し外れて路地へ入れば、中心部の喧騒が嘘のようにひっそりとしていて、石畳とパステルカラーに塗られた石の壁のかたく、ひんやりとした質感を肌で感じることができる。
そして何よりも、毎日のように散歩に行っていたタウバー川のほとりの夢の中のような美しさは、私の中に今でも鮮明に焼きついている。

タウバー川

1泊で通り過ぎてしまうにはもったいない町だ。
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2005-06-14

ベルリンの新名所(?)

テーマ:よその国や街の話
ベルリンのブランデンブルグ門から少し入ったところに、ホロコースト記念広場がオープンした。
4週間ほど前のことらしい。
5月10日の第2次大戦終戦後60周年を記念して、オープンされたそうだ。
先週、たまたまベルリンに行った折に、この広場に行って来た。

ベルリン・ホロコースト

Stelenfeld、石碑の野、とでも訳せばよいだろうか。
1.9haというかなりの広さの広場に、墓石を連想させる石が並んでいる。
広場には柵も何もなく、オープンな空間に石が並んでいるのだ。

広場の周縁部の石は40センチ~60センチほどの高さだが、
真中の方へ行くほど高くなっており、一番高い石は4.8mもあるとか。

地面自体が波上にスロープがつけられており、
その上に設置されている石はほとんどすべてが水平に取り付けられておらず、高さもまちまちだ。
空間全体が波打っているような、奇妙な感覚に襲われる。

石と石の間は約90センチから1mくらいだろうか。
中の方の、周囲の石の背丈の方が高いところへ入っていくと、
圧迫感と閉塞感で息が詰まりそうだ。
墓石に飲み込まれたような気がする。

この広場のデザインは、コンペで選ばれたアメリカ人デザイナーのものらしい。

ホロコーストの残虐な過ちを忘れないための記念の広場であり、
ユダヤ人犠牲者だけではなく、身体障害者やジプシーなど、強制収容所の労働やそのガス室で死に至らしめられた人々すべての人生を刻むための空間として作られた、ということである。

たしかに、外側から眺めていればそれは墓石の林のようであるし、
それぞれに高さも傾き加減も異なる石達は、6百万人とも言われる犠牲者が、それぞれに性格も歴史も個性も異なる一人一人の人間であったことを考えさせる。
また、広場の中心に向かって石の間を歩いていくと、生き埋めにされるような感覚に襲われ、ガス室で殺されていった人々の苦しみに思いが飛ぶ。

ベルリン・ホロコースト2

広場の建設を中心になって推進してきた団体は、ユダヤ人の犠牲者の家族などからなる団体らしい。

ヨーロッパの殺害されたユダヤ人のための記念碑財団のWebサイト
ベルリン・ホロコースト記念広場建設推進団体のオフィシャルWebサイト



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2005-05-12

バイカル湖で自然保護の意味を考える、なんていうのはどうでしょう?

テーマ:よその国や街の話

ちょっと変わった国か。私が居るのはヨーロッパはドイツなので、王道扱いになってしまう。
うーーーん。
変わった国、、、そうだ、シベリア。イルクーツク大学なんてどうだろう。

世界で最も水深が深いバイカル湖に近い、東シベリアでは最大の都市。江戸時代にシベリアへ漂流し、シベリアを何度も横断する羽目になった大黒屋光太夫一行が何ヶ月も足止めをされ、辛い中でも多くの思い出を作った地。
著者: 井上 靖
タイトル:おろしや国酔夢譚

バイカル湖には、世界中でもここにしか生息していない淡水域のアザラシをはじめ、特殊な生物が生息している。さらに最近は水質汚染が進んでいるので、ヨーロッパや日本なんかとも共同のプロジェクトを組んで生物学、生態学の研究なんかが進められている。

なんか、結構良いかもしれない気がしてきた。

なぜ水深汚染が進んでいるのか。そりゃあもちろん、生活排水から産業排水までありとあらゆる汚水を垂れ流しするから。水深が深いから水の量も断然多い。湖の中で循環して、浄化されているから大丈夫なんだって、、、イルクーツク大学の科学者は本気で言う。でもさすがに産業地区周辺の水域は飲料禁止なんだよ。

実は2年ほど前の夏、3週間のシベリア行きのエクスカーションがあって、それに参加して行って来た。
参加者30名弱にコーディネーター、通訳2名、イルクーツク大学の科学者4名、マイクロバス2台とトラック1台、運転手と日々の炊き出しをしてくれる一家(5名)という一団でバイカル湖の南側を約半周した。一部、自然保護地域に指定されていて本来なら観光客は入れないんだけど、そこは「学術研究目的」ということで許可をもらい、難なくパス。
その道中、イルクーツクで数泊した以外は毎日テント生活。それもほとんど毎日バイカル湖畔。朝起きてテントの入り口から顔を出せば、目の前に広がるのはバイカル湖。あー、なんてロマンチック・・・

公衆トイレ、なんてものは無いので、野営地が決まると、自分達で穴を掘ってゴミ袋かなんかで覆いを付けてこしらえる。砂地で木なんかほとんど生えてなくて、あっても乾燥地帯の地被植物くらいで、有機物を分解する生物なんてほとんど生息してなさそうな土地でも、埋めちゃう
ゴミの収集、なんてシステムも無いので、それも穴を掘って埋めちゃう。当然ゴミは分別、するはずも無く、ビニールだろうとビンだろうと、埋めちゃう

飲み水と言えば、バイカル湖
料理に使う水も、バイカル湖
朝晩の水浴びは、バイカル湖
食器や鍋洗いも、バイカル湖
汚れ物の洗濯は、もちろんバイカル湖
今日のご飯は、ボートで魚を売りに来た漁師から買った新鮮な魚、from バイカル湖

せっかく良い観光資源を持っているんだから、地元振興のためにも、自然環境保護のためにも、もう少し観光施設を整備したほうが良いと思うなんていうのは誰でも思いつくことだが、地理的にも政策的にもヨーロッパ寄りのロシア政府は知ったことじゃないんだろうなあ。

著者: 米原 万里
タイトル: 不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か


シベリアに行ったよって話をすると必ず返ってくる言葉が、「寒かった?」
シベリアってね、冬はすごーく寒いんだけど、夏は短いながらもかっと暑くなって、30度を越える事だって珍しくないらしいよ。
らしいよって言うのは、私たちが訪れた時はたまたま天気が悪くって、雨ばっかり降ってたから。普通なら夏場の2ヶ月くらいで降る量の水が、数日間で私達の上に注いだ。雨が降るとやっぱり涼しい。おかげさまで、江戸時代から今も変わらず人や家畜を攻めつづける蚊の大群の襲来は受けなかったけど。

著者: 椎名 誠
タイトル: シベリア追跡
というわけで、シベリア、絶対オススメ。
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