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2007-01-18

バーガーショップにて

テーマ:覚え書き
先日、友人と話をする必要があり、バーガーショップに入った。
この大学町にはカフェとかバーとかがたくさんあるし、食べ物ならばケバプ屋もパン屋もいくらでもある。
普段ならばバーガーショップ入ることはほとんどない。
この町に来て多分片手で足りるくらいしか入ったことが無いと思う。
しかし、この日私はその友人と結構大事な話というか打ち合わせをする必要があり、音楽がうるさいカフェやバーには入りたくなかった。
打ち合わせする内容が十分にストレスが溜まる話なので、大声を張り上げて話すような、さらにストレスが溜まるような状況は避けたかった。


飲み物だけを注文することにして、カウンターに近づいた。
平日の午後で、ちょうど客足の波と波の間のぽっかりと穴に落ち込むような時間帯で、いつもは込み合っている町の中心部のバーガーショップも、空いていた。
カウンターの前には、既に注文し終わった客が一人、食べものが出てくるのを待っている他、もう一人の客がちょうど注文をしていた。
カウンターの奥には店員が二人。
中年の女性とかなり若い女性の店員が、調理されて包装されたハンバーガーが出てくる棚に寄りかかるようにして話をしていた。

当然、その二人のうちの一人が私たちの対応をするものと思い、彼らの前あたりまで行き、無言で視線を送るが、こちらを見ようともしない。

カウンターの中では一人の女性店員が、一人の客の注文を取り会計をしてから、待っている別の客の品を用意して、行ったり来たりと忙しく動き回っていた。
その店員は、奥でおしゃべりしている若い方の店員よりも少し年上っぽい。
彼女の無駄の無い動きから、仕事にも慣れていて、パキパキとこなしている様子がうかがわれる。

カウンターの前には私たち二人とさらにもう一人客がやってきて立っている。
しかし、奥の二人の女性店員は、それでもお構いなしに話を続けている。
こういう時に声を掛けたって、どうせ無視されるか、あからさまに不機嫌な顔と声で「今すぐ行くから」なんて言われて待たされるに決まっている。
嫌な思いをさせられるのが目に見えているので、私は奥の二人に視線をやったまま、無言で待っていた。

すると、一人カウンターの中で忙しく動き回っていた女性社員が、さすがにイライラして奥の二人に声を掛けた。
誰か、注文を取って対応する人はいないの?
声を掛けられた二人はようやく、やれやれといった風に、しかし彼女に返事をするでもなく、そちらをチラリとも見ないで、私の方へやってきた。
若い方の店員だった。
これがまた、やたらと若い
16,7歳?
いかにも働き始めたばっかりです、という感じ。

コーヒーと紅茶を注文した。

会計は2.34ユーロ

5ユーロ札を渡した。

つり銭が表示された。
7.66ユーロ

、、、レジに10ユーロと打ち込んだらしい。

ま、ここまでならよくあること。

若い店員が、固まった、、、。

新人店員にプレッシャーを掛けるのはさすがにかわいそうなので、何も言わずに待っていた。

しかしこの店員、固まったまま、動かない、目がレジのつり銭表示に釘付けになり、まばたきさえ息をするのさえ忘れているようだ。

さすがにこっちもイライラしてきた。
が、しかし、客を目の前にして舞い上がり、簡単な計算が出来なくなるなんてのは、私だって想像できる。

さらに、ドイツ人にはプライドだけは高い人が多い。
特に、売り子なんかは要注意だ。
余計な口を挟むと、勝手に攻撃されたと受け取った相手にキレられる可能性がある。
わざわざ嫌な思いをさせられたくはない。

ので、それでもひたすらじっと待っていた。

それでも固まり続ける店員。

こっちもいい加減イライラしてきた頃、彼女は助っ人を呼んだ。
奥でおしゃべりしていた二人に、「働け(怒)」と声を掛けた、あのチャキチャキな店員だ。

新人が、困った風に先輩に説明する。
5ユーロを受け取ったのに、10ユーロって打ち込んじゃったの。だからつり銭が分からなくって、、、。

すると、チャキチャキ店員が即座に計算してくれて、無事お釣がもらえた、めでたし、めでたし。


って思うでしょ?


そうは問屋が卸さない。
だって、ここはドイツ。

5ユーロ札を受け取り、レジの表示と手の中のお札とをしばらく順繰りに眺めた後、
チャキチャキ店員は、もう既に勤めを終えている会計を戻そうとしたり、入力を無効にして新たに入力しなおそうとしたりし始めた。
ところがどっこい、よく分からないけど最近のレジはそんなに単純なシステムになっていない(らしい)
せっかくの試みが上手くいかず、諦めたチャキチャキは、レジを恨めしそうににらみつけながら、いくらかのコインを掴み出し、私によこした。

ぜーーーーーーーったい、間違っているに決まってる

そう強く確信した私は、即座にその金額を確かめた。
手の中にあるのは、1ユーロ硬貨とセント硬貨がジャラジャラ。

(あのね~、怒)
ちょっと待ってよ。コレ、違うでしょ?


するとチャキチャキが口を開いた。
それも、キレ気味に突っかかるような口調で。

私はね、会計がいくらだったのか知らなかったのよ。だから計算できなかったのっ!

私にキレるなんて、お門違いもいいとこ。
大人しく謝れば、こっちだって「そういうこともあるわよ」って、優しく笑って済ましてあげるのに。

私はね、5ユーロ渡したの。
彼女は10ユーロって打ち込んだから、お釣は7.66ユーロって出てたでしょ。
だからお釣は2.66ユーロ、そうでしょ?


チャキチャキが、不機嫌そのものでレジから1ユーロ硬貨を取り出し、こちらによこした。
わけもなくキレられた私は、仕返しするかのようにやっぱり不機嫌な顔で、その1ユーロを受け取りながら、大袈裟に「もうウンザリ」という顔で彼らの顔を交互に眺め、カウンターを後にしたのだった。

あーあ、私ってイヤな客。
後味悪い。


・・・・・

あれ?
でも今考えると、ドリンク二つで2.34ユーロってメチャクチャ安いな。
大体、金額が中途半端だし。
(笑)

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2007-01-10

苗字の話 続き

テーマ:覚え書き
北米の麗しき才女、タリアさまが、北米での苗字の話をアップしている。

うーん、なるほど。
私が先日アップした、ウダウダした記事とは違って、整理されていて非常に分かりやすい。
さすがだわ。

北米の状況は、私の周辺よりもさらに極端化している感じ。
極端化という表現が的確なのかどうかは分からないけど。

私の周りを見てみると、未婚のままで子供を設けているカップルは居る。
結婚しているカップルとしていないカップルが半々、くらいかな。

それで、結婚しているカップルは、たいていが同姓を名乗っている。
それがまた大概、男性側の苗字だったりする。
これ、私には結構意外だった。
だって、ドイツ女性って気が強いからさ。

なんであたしだけが苗字変えなきゃなんないわけ?!

とか、食いつきそうな感じがするんだもん。


二つの苗字をくっつけているカップルもたまに見かける。
一時期、ドイツでもこのダブル苗字が流行ったらしい。
最近では聞かない。
やっぱり、苗字が長くなって鬱陶しいし、煩雑だからみたい。
確かに、
シューマッハーツィンマーマン

なんて名前だったら面倒だよね。
単純に、書くのが面倒。
Schuhmacher-Zimmermann だなんて、一体いくつアルファベットが並んでるんだって感じ。

しかも名前までがダブルネームで、ヴォルフガング-フリードリッヒ(Wolfgang-Friedrich)とか、ヴィルヘルミーネ-アーデルハイト(Wilhelmine-Adelheid)とかだったらもう大変。
名前が書けるようにならないと、小学校には入れてもらえないのよ
なんていうママからの何気ない一言で、あえなくドロップアウトしてしまいそう。


さて、結婚していないカップルの場合、子供が生まれた時には、子供の苗字も決めなければならない。
こういう時、普通は母親の苗字になるらしい。

トラちゃんの甥君も、だからトラちゃんやお姉さんの苗字をつけられている。


もちろん、中には例外もいる。

例えば、私の知り合い。
もうずいぶん長いこと一緒に生活している未婚のカップルなんだけど、彼らに一昨年、子供が生まれた。
彼らは子供に、彼の苗字をつけた。

彼女はギリシャからの移民の家族の出だから、彼女の苗字は当然ギリシャの苗字。

私の名前はね、ドイツ語にはなくて、分かりにくい発音なの。
だから、何かっていうと苗字を聞き返されて、スペルを何度も言わされるの。
面倒なのよ(笑)
私たちの息子には、ギリシャの名前をつけたわ。
だから苗字はドイツの苗字でいいの。


そんな彼女の言葉に、非常に納得してしまった。

私の苗字は、ドイツでは有り得ないアルファベットで始まっている。
だから、いつも名前を分かってもらうのが大変。
何度も何度もスペルを繰り返す。
それでも間違えられるなんてのも日常茶飯事。

それ、すっごくよく分かるー。ホント、うんざりだよね。


そうそう、タリアさまも書いていたけれど、ドイツにはない戸籍というシステムを、ドイツ人に説明するのは大変。

トラちゃんにも何度も何度も説明して、ようやく、何となくそのアウトラインがうすぼんやりと分かったっていう感じ。
日本で生まれ育った私だって、そんなことをじっくりと考えたことがなくって、実態がよく分かってなかったりするんだから、人に説明するなんて、ホントに大変。

日本人はさ、一人一人が籍ってモノを持っているわけ。
戸籍って言うのはさ、ドイツで言うHaushaltみたいなもんでさ、家計を一つにしている家族単位でまとめられてるわけよ。
でも、トラちゃんは日本人じゃないでしょ。
だからね、例え日本人の私と結婚しても、籍はもらえないのね。
するとね、結婚したらね、私の戸籍に、括弧書きで、トラちゃんの名前が入るわけ♪ 
括弧なのよ、括弧、あははははは~(笑)!


なんで括弧なの(怒)



ごめん、括弧っていうのは私の勝手な想像なんだけど、、、


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2006-12-22

最近ツラツラと考えてること

テーマ:覚え書き
またしても一年が過ぎていく。
毎年のことなんだけど、年末になるたびに、落ち込む。
今年もまた成果が出なかったじゃないか、と、落ち込む。

いや、今日書こうと思っていたのはそんなことじゃなくって。
最近、ふとした瞬間に思考の中に分け入ってくる取り留めないことを、クリスマスでドタバタと動き回る前に整理しておこうと思って書き始めたら、ずいぶんと長くなってしまった。


私たちは、これからもずっと一緒に居たいと思っているから、仕事の話、住む場所の話、家を買いたいねなんて話もしている。

でも、トラちゃんはまだ日本に行ったことがなかった。
私の家族に会ったこともない。
だから、とにかく、一度日本に行かなきゃって思った。

私のルーツを知ってもらわなければならない。
私の古くからの友人達にも会ってもらわなければならない。

そうすることで、お互いの理解度が高まるはず。
私にとっても、彼にとっても、大切なのは、その点だった。

だから今回、トラちゃんと一緒に日本へ帰った。


日本に居る間に、長い付き合いの友人達と飲みに行った。
人を見る時に、その人の友人達って重要だと思う。
友人のタイプや友人との付き合い方っていうのは、自分と合うかどうかの重要なポイントになる。
だから私は純粋に、私の古くからのいい友人達をトラちゃんに紹介したかったし、友人達にもトラちゃんを紹介したかった。
それしか、考えてなかった。

飲み会もそろそろ中盤、場も和んで美味しい料理に箸も進んでって時に、一人の友人(女)がひどく率直な言葉を投げかけてきた。

「ねえ、結婚しないの?」

私たちがこれとって婚約の報告も、結婚の予定も話さないので不審に思ったらしい。
彼女は、彼を日本に連れてくるんだから、家族に挨拶をして、結婚の許しを得て、予定を決めることが目的だと思ったらしい。
それにしても、お互いに長い長い付き合いだけに、遠慮の無い単刀直入な質問だ。

「早く結婚しちゃいなよ♪」

この言葉に、私は一瞬、ひるんだ。
別に、結婚したくないわけじゃなくて、いずれはそうなるってお互いに思っているけど、それでもこの一言にはギョッとした。

ドイツで、こういう直接的な質問をされたことはない。
ものすごーく親しい仲でも、こういう聞き方はしないと思う。

私が滞在許可証の話をしている時に、

「ドイツ人と結婚すればいいじゃない」

なんて、冗談半分に言われることはある。


長く付き合って同居している恋人のいる同僚も、2頭目の犬をもらってきた時に、

「犬じゃなくて、人間の家族を増やしたら?」

なんて、からかわれていた。


でも、その程度。


結婚っていう事は、ものすごーくプライベートなことで、それぞれに色々な事情があるから、簡単には踏み入れない、っていうのもあるだろうし、

ドイツでは未婚のまま子供も生まれて家族になるカップルも少なくないから、結婚自体の社会における意味合いが薄れている、っていうのもあると思う。


話を戻して、
友人に「結婚しないの?」っていう思いがけないストレートな問いを投げかけられて、一瞬思考が止まった私も、すぐに体制を整えて言葉を続けた。

えーとね、今年の5月に滞在許可証を延長したばかりなのよね。
また2年もらえたから、あと1年半くらいはあるの。
だから、それが切れる頃くらいには、何とかしようって言ってるんだけど、、、


3行目の言葉をほとんど聞かずに、友人が言葉を重ねた。

いや、そういう問題じゃないでしょう?!

心なしか彼女の顔が引きつっている、、、

そういう問題じゃない?
そうか、そういう問題じゃないんだ。
ええええ、、、、と、、、

私は、何となくポイントが噛み合っていないことを感じつつも、適当な言葉も見つからず、だたヘラヘラと笑っていた。


私はもちろん日本人だから、EU圏内で居住するにも就業するにも許可が必要。
これはトラちゃんが日本に来る場合も同じ。
両方が確実に両国で職(就業許可)を得られるのであれば、それに越したことはないけど、そんなことは誰も保証してはくれない。
つまり、二人が確実に一緒に居られることを保証するためには、結婚するのが一番手っ取り早い。
私にとって、結婚するっていうのは、そういう意味だ。


そんなことをボーっと考えていて、ふと思いついた。

いつの間にか、周りの考え方に染まってきているのかもしれない。

というのも、私の周りをざっと見回してみても、同居するパートナーや子供がいる人は多いけど、結婚しているケースは少ない。
彼らはみんな、ドイツ人同士、あるいはEUメンバー同士だから、結婚しなくてもEU圏内での就業も居住も自由だ。
だから、法的に結婚する必要性を感じていないのかもしれない。


いやしかし、振り返って考えてみると、私はもともと結婚願望というものが欠落していた。
そうだ、結婚願望が欠落していたからこそ、5年以上も付き合っていた当時の彼を置いて、ドイツまで来たんだ。
将来の生活の話なんかは、それでもたまにしてたくせに、
一年遊学するつもりでドイツへ来て、幸か不幸かたまたま見つけたマスターコースに進学することを勝手に決めた。
「2年は待てないよ」
って電話越しに言われて、頭をガンと殴られたようなショックを感じたくせに、一人の部屋に帰ってから涙が止まらなかったくせに、
だから日本に帰ろうとは思わなかった。

今思うと、なんて薄情なヤツなんだろう。


話がまたそれたけど、
その後に続いた友人の話には、少し考えさせられた。

実は、彼女の妹がヨーロッパ人と結婚している。
結婚する前から彼女の妹は彼の国へ行き、同居しながら準備を進めていたけど、
すべての必要な書類が集まり、法的に許可(!)が出る前に、なんと半年近くも待たされたらしい。
だから、そんな悠長なこと言っていたら、滞在許可が切れるまでに間に合わないかもしれないし、結婚する意志があるならとっとと嫁ってしまえ!ということらしかった。


なるほど。
それは一理あるかも。
そこで私も、インターネットという文明の利器を駆使して、少し情報を集めてみた。

なんの事は無い、ドイツ人と結婚したusagihuetteさんのブログ、その名も「ドイツ人と結婚しちまいました 」にあった結婚準備のリアルタイムレポートをざっと読んだだけだけど。
彼女のブログによると、日本で集めなければならない書類は、どうやら1ヶ月も見ておけば集まるらしい。

そして書類が集まった時点で、住んでいる地区管轄の役所(Standesamt)で申し込み。
その前に一度、Standesamtでミーティングをしなければならないようだ。
Standesamtに申し込んだら、「半年以内に式を挙げないと、結婚の申し込みは無効」と、役所のHPに書いてある。
その役所によって、混んでいたりもするんだろうけど、
逆に言えば、申し込み日からどんなに遅くとも半年以内には式の予約ができるってことだろう。

私が住んでいる町は、そりゃあ人気のある街だけど、
せいぜい人口20万人程度の街で結婚式まで半年も待たされるなんて考えられない。
第一、場合によっては、臨時の日程を開けてくれると、サイトにも書いてある。

ということは、どんぶり勘定でも3ヶ月も見ておけば 余裕♪ ということだ。


またしても友人から「だから、そうじゃなくって(怒)」という突っ込みが飛んで来そうだけど。


そもそも、結婚って、なんだろう?
結婚の経験のある人、特に国際結婚を経験している人、そしてこれから国際結婚しようとしている人に、是非、聞いてみたい。

あなたは、なぜ結婚したのですか?あなたにとって、結婚って、なんですか?


そうそう、これでもかっていうくらい書きつづけているけど、
住んでいる街のStandesamtのサイトを見ていたら、面白い情報を見つけた。

それは、結婚後の姓。

例えば、マリア・シュミット と ヨーゼフ・ミュラー が結婚したとする。
ドイツの法律にのっとれば、姓を決める時にいくつかのバリエーションがある:

1. 双方が、マリアの姓を使う。(マリア・シュミット と ヨーゼフ・シュミット
2. 双方が、ヨーゼフの姓を使う。(マリア・ミュラー と ヨーゼフ・ミュラー

ここまでは日本と一緒。

3. 双方が婚前の姓を引き続き使う。(マリア・シュミット と ヨーゼフ・ミュラー

夫婦別姓が認められてる。
結婚してないカップルが多いから、正式に法的に別姓が認められているっていうの、実は知らなかった。
私が驚いたのが次、

4. マリアはそのままで、ヨーゼフはマリアの姓と自分の姓をつなげて使う。(マリア・シュミット と ヨーゼフ・ミュラーシュミット、あるいはヨーゼフ・シュミットミュラー
5. マリアは自分の姓とヨーゼフの姓をつなげて使う。(マリア・シュミットミュラー、あるいはマリア・ミュラーシュミット と ヨーゼフ・ミュラー

すごい、民主的やねー。
カップルの片方だけがダブルの姓にするって言うのは、聞いたことなかった。
で、このサイトには例として上がっていなかったんだけど、夫婦両方がダブルの姓を使うのも、アリ、だよね、当然?!


私は、以前にも書いた気がするけど、トラちゃんの姓になることに、やっぱり少し抵抗を感じる。

ふと、ドイツ語の姓になることを想像してみる。

すると、
日本語の漢字の姓を失うことで、私の名前も漢字から離れてどんどん一人歩きしていくような、
私の存在自体が、漢字から離れてカタカナとアルファベットだけの世界に行ってしまって、変質してしまうような、
名前が地面から離れてドイツの上空をブラブラ浮いている、それに引っ張られて私自身も空中に浮かんでしまう、
なんかそんな変な感覚に陥る。


結婚しているのにパートナーと姓が違うって、なんか不都合があるんだろうか?


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2006-06-29

滞在許可証更新の巻

テーマ:覚え書き
5月の中頃のこと。
学生ビザの延長をした。

ちなみに、ドイツ人の多くは、「Visa」という言葉を知らない(フリをして嫌がらせされてるだけかもしれない・・・)
ドイツ語には、「Aufenthaltsgenehming (あうふえんとぅはるつげねーみぐんぐ)」という、ドイツに来たばかりの外国人には到底覚えられないような長ったらしい単語があって、「Visa」はクレジットカードだと思っている人が恐ろしいことに本当に結構居る。

訂正: そう言えば、ドイツ語では、Visiumという言葉がありました。だからVisaはクレジットカードの固有名詞でしかないんですね。でもこのVisiumという単語も、通じないことが多いんです。

この単語、日本語に訳すとなんていうことはない、滞在許可、のことだ。

私にとって、(それにドイツで留学生をしている人達の大半にとっても)2年に一度のイベント。

大学にダラダラ寄生しているおかげで、ビザの延長はいつも問題なく、気が滅入るような待ち時間を除けばいともあっさりと終わってしまう。

それでも毎回、更新の時期が近づくたびに憂うつになり、不安に駆られたりするのは、単身で職も無い外国人として生活する以上は仕方の無いことなんだろう。


今回も、いつものように薄暗く狭い役所の廊下で、どこか不幸せそうで不安そうでイライラした表情の外国人たちに混じって順番待ちをしていた。

彼らが皆、本当に不幸せだとはもちろん思ってない。
ただ、滞在許可の更新に来て廊下に待たされている人達って、やっぱりみんなどこか不安そうだし、あとどれだけ待たされるのか皆目検討がつかない中で、イライラしているもんだ。

さて、次の次が自分の番という時、ふと壁に貼られた張り紙に目が止まった。


滞在許可の更新には、顔写真を持参すること


うそっ
いつから滞在許可の更新に顔写真が必要になったの?


↑ まーた規則を変えやがったな、こら!!

↑ いや、事前に調べなかった私が悪い


でも、だって、ビザに写真なんか入って無いじゃん。


もうすぐ自分の番が回ってくるかもしれないのに、今から写真を撮りに行って、並びなおす気は全然なかった。


顔写真もって出直して来いって追い返されるかもしれない。
でも、ここはドイツだから、一応審査が終われば、後日に顔写真を持ってくるだけで待たずに交付してもらえるかも。

↑ 本当にこういうことが起こりうる

そんな一縷の望みに賭け、半分投げやりで、そのまま待ち続け、自分の番になったのでドキドキしながら部屋に入った。


こういう役所ってたいてい苗字のイニシャルで担当が分かれている。
これまでは、シャキシャキと手際の良いおばさんか、ろくに人の目も見ようとしないおじさんだった。

しかし、担当が替わったらしい、若い男の人だった。
若いっていっても幅は広いけど、多分20代後半から30代のせいぜい前半ってところ。

担当者を見た瞬間、頭に浮かんだのは、

経験が少ないから適当に臨機応変に対応してくれるか、他の頭の固い同僚に聞き回ってガチガチの枠にはまった判断をするか、どっちか。


前の人が出てきたので、部屋に入ると、担当者はまだ前の人の書類なんかを片付けたりなんかしていて、こちらを見ようともしない。

こういう時は、ひたすら静かに辛抱強く待ちつづけたほうが良い。
下手に話し掛けると、二つのことを一度に処理できないドイツ人は、かなりの確率でキレる
そうして相手の機嫌が悪くなると、損をするのは結局こっちなのだ。

役所に限らず、銀行でも郵便局でも、携帯のサービスポイントでも、そうして人を待たせながら、「お待たせしてもうしわけありません」でもなく、悠々と目の前の作業を処理し、同僚と無駄話をし、長電話をする人が圧倒的に多い。

5分くらいはそうしてボーっと窓の外を眺めながら待っていただろうか、ようやく担当者が前の人のファイルを片づけて、私の方に視線をくれた。

So!

↑「さて」って感じかな

さんざん待たせておいて、「so」じゃねえよ!
と、心の中では毒づきながらも、精一杯愛想良くニッコリと笑い掛けて、


こんにちわ!
滞在許可の更新をしたいんです。



と言って、パスポートを渡した。

ここで間違っても、あのー、写真、忘れっちゃったんですけどおなんて、自分から申告してはいけない。


それで、博士論文はどれくらいで終わりそうですか?


これは、毎回必ず聞かれる質問。

私としては、できればあと1年くらいで終わりたいんですけどねえ、うーん、ちょっときついかなあ(笑)

↑ あくまで感じ良く冗談ぽく、にこやかに誠実そうに答えましょう。ここで相手が笑顔を見せれば、もうこっちのもの。

ここで胸を張って、「あと〇ヶ月で終わります!」なんて言ってしまったら、その通り〇ヶ月+αの滞在許可しか出ないこともある。

↑ っていうか、私は本当に絶対に終わらないんだけど(笑)


収入を証明するようなもの、持ってますか?


これもルーチン。
定職を持たない学生は、奨学金をもらっている証明とか、十分な貯金がある残高証明とか、親による「毎月これだけ送金します」っていう一筆が無いと、滞在許可が出ない。

私は、持って来ていた大学研究室との雇用契約と、銀行の残高証明をおそるおそる担当者に渡した。


すみません、これ、ちょっと古いものなんですけど・・・ (←4月1日付け、つまり3月末の残高)


しかし、担当者は、残高証明には興味を示さず、雇用契約だけコピーを取った。


あ、それも今月末までなんですけどね(笑)


とは、さすがに言わなかったんだけど、彼は気づいていたんだろうか・・・。


さていよいよ山場、担当者が滞在許可証を発行する準備をしながら、こちらに振ってくる。

パスポート写真、持って来ました?


さあ、ここが度胸試しです(笑)

↑ 私、小心者なので


「知りませんでした、一体、いつ誰がそんなこと決めたんですか?」で論点ずらしゴネ戦法

↑ コレ、日本でやったら嫌われるかもしれないけど、ドイツだと結構通用するんです(笑)ごねたモン勝ちの社会ですから。


写真、ですか?

えーーーーー、と、ん~、今日は残念ながら持ち合わせてませんねえ、

↑ あくまでも、私の落ち度ではないというスタンスなので、「ごめんなさい」は絶対に言わない!慣れるまでは、これがなかなか難しいものです。日本人だから、つい二言目には「すみません」って言いたくなりますよね。

・・・いつから滞在許可証更新するために写真が要るようになったんですか??


↑ 少し大げさなくらいに、「聞いてねーぞ、おい」っていう驚き呆れた表情をつけて、演出します。しかし、あくまでも感じ良く(笑)


担当者氏は、思わず吹き出したように笑いながら、


今年から、変わったんですよ


と、やわらかく答えてくれた。
う~ん、手ごたえあり!

私のファイルを端から端まで見ていた担当者氏が、一番初めの方に挟まっていた私の古い証明写真をつまみ出してきた。
記憶には全然無いけれど、この街で初めて滞在許可を申請した時に提出したものらしい。


コレでも良いですか? 私は構いませんけど?


あ、でもそれ、少なくとも6年は前のモノですけど、

もちろん私も構いません!

(えー、えー、構いませんとも)




こうしてめでたく、何事も無く、何度目かの滞在許可証更新がその日一日で終了した。
無事、2年もらえました!

優しい担当者氏で、ついてた。


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2006-03-10

大雪の週末

テーマ:覚え書き
昨日の記事にも少し書いたけど、週末は、大雪♪

金曜日は雨だったのが、おそらく土曜日の早朝から雪に変わり、土曜日一日中降り続いた雪。
それでも気温は結構高く、2度か3度くらいはあったので、まるで東京地方の春の訪れを知らせる大雪のようだった。

日曜日の朝起きて、窓の外を見てみたら、、

schnee8

わーーーーーーーい。


うちの前に路駐の車たちが見事に雪に埋まってる(笑)

schnee1

赤いPoloが埋まっていないのは、前の晩に遅くまで友達のうちでゲームに興じ、夜中過ぎに帰ってきたせいです(汗)
土曜日一日ここに停まっていたと思われる先頭の青いPoloはすっぽりと埋まってますね。


ゴミ箱にもこんもり雪が、、、 30cm、いや40cmはあるかな?

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大喜びで、裏山へ散歩に!

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山を登って牧草地へ来てみたら、そこはもう素晴らしい銀世界!


牧草地の斜面はそり滑りゲレンデに変身。

schnee4


若者のグループが雪で巨像の建設中。

schnee3

前に回ってみてみたら、裸の女性だった。
ポーズからして、女神でしょうか・・・?


かたわらでは、延々と一人で雪にダイビングを繰り返す子供が居たり

schnee-kind3

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schnee-kind1


彼女に埋められている彼が居たり

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この後、彼女の方がもっと冷たい目に遭ったのは言うまでもない。


しつこいですが、一日でこのくらいの雪が降りました。

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はしゃいでます。

だって、こんな大雪、ドイツへ来て初めて!
もともと雪の少ないこの街では、過去20年間で最高の降雪量だったらしい。

とっても楽しかった☆

でも、昨日は暖かくなって(9度くらい)雨がざあざあ降ったので、大方解けてしましました。

あー残念。
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2006-02-04

ドイチェ・ビュロークラティー

テーマ:覚え書き
2月1日付けで、研究室との契約が変わった。
簡単に言うと、『バイト』だったが、『契約社員』に変わったってくらいの変化。
契約上の身分が変わっただけで、後はまったく何も変わらない。

変わらない、

はずなのに、

こういう時、なぜか必ず書類上の問題が生じ、

たかが紙に翻弄される、

悲しいかなDeutscher Buerokratismus(ドイツのお役所的形式主義)。


研究室の秘書さんが、1月の半ば頃から必要書類を調えて、大学事務所に送っているのに、
1月30日になっていきなり、事務所から連絡が来る。

この人物は外国人だから、労働許可証が必要。
契約形態が変更されるから、内容が変更された労働許可証を提出しなければならない。
今までも雇われていたんだから、その内容を変更するのは簡単なはず。
明日までに変更された労働許可証を提出するように

2月1日付けで契約が変更されるから、遅くとも2月1日には契約書にサインをしなくてはならない。

でもだからって、2週間も音沙汰なしで、いきなり明日までに書類を届けろとは、なんて横柄なんだろう(怒)

秘書さんが私のところにやって来た。

労働許可証の内容を変更してコピーを提出しろって言ってきてるんだけど

へ?
労働許可証なんて、持ってない


ドイツでは、学術研究機関において研究職として雇用される場合、外国人だろうが学生だろうが労働許可無しで就労することができる

ドイツに留学・移住したい皆さん、ここチェックね。

これは、例えば私の持っている学生用の滞在許可証には明記されていないけど、特例として認められている。

この、特例として、というのがミソ

大学の事務所はこの特例について、いつでも、必ず、絶対に知らない←へんな日本語だな、おい。


もう何年も前、一番最初に研究室でバイトを始めた時も、事務所から「待った」が掛かった。
その時は、研究プロジェクトで雇ってくれた同僚が労働局に問い合わせてくれたんだけど、
研究職なら要らないと言われたのだ。

労働許可証なんて必要ないって言われたし、

うーん、でもそれは今まではバイトだったからで、今回雇用形態が変わるから必要なのかもしれない、、、

この一言で私は不安のどん底に落とされた。
絶対に有り得ないって理屈では思っていても、気持ちはどんどん落ちていく。

もしダメだったら、私は二日後から即、失業者、、、。
いつかそうなるだろうと思ってはいたけど、心の準備ができてないよお(涙)


それでも秘書さんが、市役所の外人局に電話を入れて確認してくれた。

ら、

研究職は労働許可は要りません

って一言。

でも一応、念には念を押して、外人局の人に一筆書いてもらうことにした。
そのためにわざわざ外人局まで出かけていった私。

行きの路面電車の中、恐ろしく機嫌が悪く、というか、拭いきれない不安を抱えていた私は、一人のドイツ人のおじちゃんのちょっとした優しさ で心を救われたんだけど。

さらに、いつもはえらい混雑している薄暗い憂うつな外人局もその日はなぜか空いていて、証明書を一筆書いてもらうのもあっさりと済んだのは、ラッキーだった。

そしてさらに翌日、2月1日。
契約にサインしに来いという事務所のお達しで、事務所の担当者のもとへ赴いた私。

ここでまた難癖つけられたら、今度は労働局行きか、まさかとは思うけど、本当にダメだったら、、、

テンションがどこまでも低くなっていくのを感じつつ、オフィスに入った。
今までの経過をざっと話し、昨日役所の人に書いてもらった一筆を差し出すと、


ああ、私もね、自分で問い合わせてみたら、要らないんですって

はい、ここにサインして (←それも一枚の紙にたったの一箇所だけだよ)



・・・ ・・・ ・・・

な、な、な、

なんだと、このおおおおおおおおおおおおお。

そんなに簡単に済む話なら、こっちに言ってくる前に、そっちできちっと調べやがれってんだっっっ

オオバカヤローーーーーーーーーー(怒)


なーんて事は、さすがに言いませんが。
言ったところで学ばないからね、あの人たちは。

大体ね、これだけ留学生が多い中で、
研究プロジェクトで雇われているPh.D学生やバイトしている学生なんて掃いて捨てるほど居るに違いないのに、
なんでそういう事例から学ばないのかな??

それに、おかしいなって思ったらまず労働局や市役所の外人局に電話一本入れて確認取るとか、せめて他の同僚に聞いてみるとか、するでしょ、普通、日本人なら。

そういうこと絶対にしないのよね。

で、いきなり当事者に「書類が不備なのでできません」って通達してくる。

プロとしてのプライドが全くないんだから。

あんまり頭に来たんで同僚に愚痴っていたら、

典型的、Deutsche Buerokratie!

ほんと、その通り!

久しぶりに頭に来ました。


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2005-12-22

生きること、前へ進むこと

テーマ:覚え書き
lorbeerさんのブログの記事、「Lieber Gott 」を読んで、よみがえって来た思い出について書いてみます。


数年前、オランダに友人Hを訪ねたことがある。
Hとは、私が暮らす町で知り合った。
当時はまだ大学生で、卒業論文を書くために、私が所属する学部の別の研究室に来ていた。

Hは、愛想が良く、いつも人懐っこい笑顔を浮かべて、活動的で、優しく素直でまっすぐな心の持ち主。
笑い声の絶えることの無い家族の中で、幸せいっぱいに育ってきた人だなという印象を与える。
オープンでさっぱりしているところがいかにも学生らしく、きれい好きで礼儀正しい面もあり、育ちの良さが垣間見える。


Hがオランダの大学に戻り、卒論を仕上げて卒業してしばらくした頃、
北ドイツへ行く機会があった。
まだフランクフルトよりも北へは行ったことが無かった頃で、ついでに小旅行をすることにして、大学を終えてまだ実家にいたHに連絡を取った。

すぐにHからもメールが届き、何日間居られるのか、とか、どこへ行きたいか、とか、何をしたいか、とか、それはそれは大歓迎してくれるようだった。


復活祭が比較的遅かった年で、復活祭金曜日が間近に迫った頃だった。


そうして訪ねた彼の実家。
品の良い住宅地にある一軒家で、子供の多い家族らしく、屋根裏まで小さな部屋が作ってある。
庭には小さな菜園が作ってあった、
ヨーロッパの中流家庭らしく、ゆったりとしたスペースがあって、素敵、と、言いたいところだか、
どこか雑然として薄暗い、そんな違和感を、到着した瞬間から感じていた。


私が訪ねた時、実家に居たのは彼のお父さんと弟。

Hのお父さんはほとんど隠居生活のお医者さん。
自宅そばで開業医をしていて、働いているのかどうか良く分からないような状態だった。

お父さんはノルウェー語ができる。
本はすべてノルウェー語で読むし、趣味でノルウェー語を人にも教えているんだ、と、Hが教えてくれた。
昔、家族で住んでいた時期があったとかで、家族ぐるみで付き合っている友人もいて、
家族でよくノルウェーに遊びに行くということだった。

そしてHの弟。
その年、大学に行き始めた弟は、その学部が気に入らず通うのを止めてしまった。
次の年に別の学部に入りなおすと言い、それからは毎日昼過ぎに起き出して来ては、一日中ネットゲームをし、夜中過ぎに寝る、という日々を過ごしていた。

でも父は何も言わないんだよ。4人兄弟姉妹の一番下だから少し甘やかされてる。弟のためにならないんじゃないかと僕は思うんだけど、、、。

と彼が苦笑しながら話してくれた。


このお父さんと弟が、家の事を何もしないらしかった。
洗濯も掃除もしなければ、料理だってしようとしない。
お腹が空いたら、冷凍のピザをオーブンに投げ込むだけ。
使った食器を片付けも洗いもしない。

Hが、

まったく家の男どもときたらっっっ

なんて罵りながらも、買い物に行き、料理を作り、後片付けまで、実に手際よくこなしていた。
その口調が、私の母みたいですごく可笑しくって、手伝いながら笑い転げてしまった。

お母さんは、お出かけしているの?

何度ものど元まで出かかったが、石でも詰まってしまったかのように、なぜか口から発することができなかった。


彼のお父さんは、ほとんど一日中、1階の食堂に座り、本を読んでいたように思う。
私が入っていくと、流暢とは言えないドイツ語で何かと話し掛けてくれた。
ゲストの私に気を使って、特に得意でもないドイツ語で色々な話をしてくれる彼のお父さんの優しさがうれしかった。


ある時、することもなくお父さんのそばに座って部屋の中を見回していると、そのうちお父さんが、棚からアルバムを出してきて見せてくれた。
家族の思い出がたくさん詰まっているアルバム。
美しい景色を背景にして、幸せそうな夫婦と子供たちの笑顔であふれている。
その多くは、ノルウェーの写真だった。

美男美女揃いの子供たちと仲の良い夫婦という、絵に描いたような幸せ家族の光景を写し込んだ写真に見とれていると、お父さんが指でさしながら説明してくれた。

これはノルウェー。ウォーキングに行ったんだ。これがね、私の妻

別の写真を指差して、続ける。

ほら、これが私の妻。
彼女はね、小児精神科医なんだよ。

また別の写真を指差し、

これが私と私の妻。

遊びに来ている息子の友人に、家族のアルバムを見せながら、指差すのは彼の妻ばかり。

私の中の違和感は最高潮に達していたが、質問を投げかける勇気がどうしてもなかった。


その日の午後だったか夜だったか、お父さんとおしゃべりしていた私は、何気なく質問した。

復活祭には、やっぱり教会へは行くんですか?

時期的にも、共通の話題を見つけるための、ごく普通のルーチンな質問だった。

するとお父さんは、静かで優しい表情をほとんど変えることは無かったが、きっぱりと言い切った。

いや、教会へは行かない。

、、、昔は家族で行ったけどね。子供たちがまだ小さかった頃は特に。

Nachdem meine Frau gestorben ist, gehe ich nicht mehr.

Ich bin sauer auf Gott.

Ich bin sehr sehr sauer auf Gott.


(妻が亡くなってからは、行かなくなったんだ。

神に腹を立てているんだ。

神に対して、ものすごく怒りを感じている



こんなに静かで激しい怒りの感情。

最愛のパートナーを失ってしまった悲しみ。

神を恨むほどの亡くなった妻への深い愛情。


継ぐ言葉が見つからなかった。
勝手に、何不自由なく暮らす幸せいっぱいの家族という図式にはめ込んで眺めていた浅はかでお気楽な自分が恥ずかしかった。


Hを訪ねた数日間の間で、一度だけHからもお母さんが亡くなった事実を聞かされた。
ごく間接的に。

僕はね、母が亡くなったから、優先的に大学行くための奨学金がもらえたんだよ。父も年が年だから、返金する必要も無くてね。

と言うような内容だった。

それ以上は聞けなかった。
その悲しみを私は本当には理解できないから。
不用意に悲しい思い出を掘り起こしてしまうことが恐かった。
掘り起こしてしまった後で、きちんと受け止めてあげることなんて、私にはできっこないから。


Hのお母さんがいつ亡くなられたのか、なぜ亡くなられたのか、まったく知らない。

今思うと、私が訪ねた時、あの家族はそれぞれがとても辛い時期に面していて、
うずくまって心の痛みに耐え、前へ進めるようになるためのエネルギーを蓄えている時期だったのかもしれない。

生活や周りのすべてに対する関心を失い、閉じこもるように暮らしている父や弟と毎日対面していたHは、その状態が耐え難く、突然舞い込んできた私の短い訪問を、あんなに大喜びで歓迎してくれたのではなかったか。


博士課程に進学するために、またこの町のこの学部に戻ってきたH。

先日、おそるおそる彼に聞いてみた。

お父さん、お元気にしてる?

ありがとう、元気だよ。
最近はね、ノルウェーにいる恋人のところにばっかり行ってるよ。

心の底から、うれしかった。
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2005-12-17

ちょっと足を延ばして

テーマ:覚え書き
フランスのストラスブールまで行って来た。

クリスマス・マーケットと言えばドイツが有名で、この時期フランスから訪れる人がとても多いことは書いたけど、
ストラスブールのクリスマス・マーケットと言えば、これまたちょっと有名である、らしい。
ドイツ人にしてみれば、ストラスブールは歴史的にドイツだった時期が長いアルザス地方に位置していて、
文化的にはドイツ圏に属している。

ストラスブールの町って、ドイツの町と似てるよね

もともとはドイツなの

と、彼らは断固として主張する(笑)

それを言ったら、元を正せば巨大化したフランク帝国が3分割されてできた、東フランク王国がドイツのベースになったんだから、そもそもがフランスの一部じゃーん☆

なーんて下らない突込みを下手に入れると、大抵のドイツ人はムキになるので、さらっと無視。

おいおい、って思うかもしれないけど、実際にアルザス地方の方言はドイツ語ベースにフランス語の単語が部分的に乗っかったような言葉で、
研究室の同僚がふざけて話してくれるアルザス語を聞いていると、なんとなく分かる、、、、、、、ような気がする。
↑ 気がするだけで、実際は分からないことが多い(涙)

ま、どこがルーツなのかはこの際どうでもいいんです。

ストラスブールと言えば、大都会♪

いや、実際は人口27万人くらいなんだけど、私の居る町よりも市街地が大きい。

市街地が立派 → クリスマスのデコレーションが派手☆

strasburg4

もう、旧市街地に入る入り口からこんな感じ。
家やお店の窓にも、サンタの人形や光で作られたトナカイなど、飾りでいっぱい。

strasburg5

私が楽しみにしていた市庁舎広場(?)のツリーはこんな感じ。
ビックリするような巨大なモミの木といっぱいにつけられた小さなライト。

そしてツリーの足元には

strasburg3

温かい光が外にあふれ出る家たち。
これすごく素敵なアイディアだと思う。

夜が最も長く、寒くて暗いこの時期に行われていたゲルマン民族の光の祭り、
家族で祝うことを大切にしているクリスマス。

両方を象徴している。

strasburg2

ストラスブールでは、いくつかの広場でそれぞれマーケットが立っていて、
まるで町全体がクリスマス・マーケットのように盛り上がっていた。

さて、ストラスブールまで遠征する目的の一つだったグリューヴァインのカップだけど、、、

どこを探してもプラスチックの使い捨てコップしか見当たらなかった。

数年前に行った時は、ちゃんとしたカップを使っていたのに、
あの時、持って帰ってくれば良かったと、ひたすら後悔しています(涙)

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2005-12-12

献血する?

テーマ:覚え書き
たーやんさんのブログ、「沖縄はちゃめちゃ移住記」で、献血についての記事(献血した事ありますか?) を読んで、忘れかけていた悔しさが胸によみがえって来た、
ので、TBさせていただきます。


私が高校生、大学生の頃(1.5昔くらいですわ♪ 、、、いやもう少し前か)

献血をするには血圧が100以上なければできないよ

と、献血マニアの友人が常に自慢気に言っていたので、そうなんだと思っていた。

当時、最高血圧がギリギリで100なかった私は、

あー、私も困っている人のために献血したいけどダメなのね

と、自分が漫画の弱いヒロインでもあるかのように、献血できない自分に酔いしれていた(?)

かどうかは定かではないけれど、はなっからダメと決めて掛かって、献血所には近づいたこともなかった。



さてさて、ドイツへ来て数年が経った。

切り詰めに切り詰める貧乏学生生活の日々、

献血するとお金がもらえるらしいよ

へええ(う、それはとっても魅力的かも、、、)

なーんて会話もあったけど、献血所とは縁のない生活をしてきた。


数年前、ひょんな事から休暇を利用してシベリアのエクスカーションに参加することになった。

参加者が用意しなくてはいけないもののリストの中で、ヴィザ招待状というお決まりの書類に混じって、絶対的な異様な存在感を放っていた項目がある。

HIVネガティブである証明書

一瞬、冗談かと思った。

しかし、「学術交流」という名目で実施されるエクスカーションで、大学施設を利用したりするため、ドイツからの入国者は全員、HIVネガティブである証明書を提出せよというお達しなのだった。

検査自体は、病院に行けばすぐにしてもらえる。
しかし、お金が掛かるじゃないか。
そうでなくてもヴィザだ招待状だって何十ユーロも掛かっているのに。
旅行の準備でも色々買い揃えなければならないものがあるし、できるだけ出費は控えたい。

そんな時に、一緒に参加した友人から朗報が伝えられた。

その1
市の健康局で無料のHIV検査をしてくれる。
→ しかしこの検査は無記名式で、検査結果にも名前が入らないので、即刻ボツになった。

その2
献血すると、その血液はまずありったけの検査に回される。
当然HIV検査もする。
HIVだけではなくてその他の病気の可能性も検査されるから、自分の健康がチェックできてお得だし、その検査の結果にはちゃんと名前も入っている。
(しかもしかも、もしかしたらお金ももらえるかもよ♪)

ということで、不純極まりない理由で、献血に決定!

早速大学病院の献血センターを探して突撃したのだが、、、

ドイツの献血はなんと、男も女も関わりなく、500ml。

500ml!

0.5リットルもの血液を抜き取られる。

これは、小柄な女性にはたまらない。

というわけで、体重50キロ以上と設定されている。

これが第1難関。

普通は体重は自己申告制なのに、問診する女医さんに疑われ、体重計へ。
服を着ていたせいもあって、何とかクリア♪
女医さんに思いっきり苦笑されながら、

んんんんんん、まあ、良いわ


と見逃してもらった。

しかし、本当の難関は、血圧検査と鉄分検査。

へ?(あらおかしいわね、測定器が壊れたかしら)

っていう顔をした検査のおばちゃんが、何度も何度も血液を取って検査機に差し込んで、測り直す。
そのたびに違う指先に針を刺され、血を絞り採られる。

、、、鉄分の値が、おばちゃんの簡単な検査機では測れないくらい低いらしい、、、。

結局、変な紙を渡され、献血室へ。

クリアか?!

と思いきや、鉄分をきちんと測るために、腕から採血され、おばちゃんのよりももっと高性能な検査機で鉄分を測っているらしかった。

鉄分検査まで終わると、必ずその日の担当医が問診をする。

鉄分が低すぎるからね、今日は止めておきましょうね。
鉄分を補給する錠剤をあげるからね、これ飲んで、一箱飲み終ったらまた来て下さいね。

シベリアへ出発する直前まで3度くらいチャレンジしたけど、何度やっても結果は同じだった。

貧血とまではいかないんだけど、献血するには低すぎますね。

女性には多いんですよ。

と慰められ(?)たり、

ちゃんと肉食べてる?

なんて笑われた挙句、帰される。

毎回鉄分の医療用サプリメントを1,2箱もらってきたからお得といえばお得かもしれないけど、
でもサプリメントってどうしても好きになれない。

ので、飲んでいない。
できるならば、肉やドライフルーツを摂ることで解決しようと思ったから。

結局、シベリア出発までに日がなくなってきたので、ホームドクターのところで検査をしてもらった。
25ユーロも掛かった(涙)

シベリアから帰ってきてからも、懲りずに何度かチャレンジしたんだけど、毎回たどり着くのはドクターの問診まで。
いい加減アホらしくなってやめてしまった。


ちなみに、献血をすると飲み物の自販機のコインをもらえたり、簡単な食事(パンとジャム程度)が出されたりするらしい。

でもお金がもらえるのは2回目からなんだって。


我ながら、なんとも不謹慎ですね。
お金のため、というのは本当に食べられなくなった時のための、最後の最後の切り札のつもりですが、
定期健康診断もない生活をしていると、
献血することで、同時に自分の健康状態がチェックできるというのはとても良いシステムだと思います。


さて、30代も半ばに突入し、血圧もギリギリ100の大台に乗るようになった今日この頃。
っていうか、たーやんさんのブログを読むと、100以下でも献血できるのね、、、。


今なら日本で献血できるじゃーん。

と、思ったら大間違い。

BSEの嵐がヨーロッパを吹き荒れ、日本の人々がこの得体のの知れない病気がいつ日本に上陸するかと戦々恐々としていた頃、

半年以上ヨーロッパ地域およびBSEに感染した家畜の確認されている地域に居住した人の献血を禁止する

と、日本政府が発表したのでした。

なあんだ、私、もう一生献血できないじゃない。

って、これ、もう撤回されたのかな?
何年も前の話だし。
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2005-12-02

冬の日の楽しみ(?)ハト編

テーマ:覚え書き
木曜日のお昼頃、たまたま通りかかった町で一番大きな広場。

この広場に月曜日から土曜日まで、毎日朝から昼過ぎまで市が立つ。
この町は観光都市でもあるから、市は平日でも大賑わいだけど、
クリスマスマーケットの開催されているこの時期、
寒いにも関わらず大勢の人出で賑わっていた。

気温は2度くらい?5度は無いだろう。

その、広場のはしっこを流れる水路。

taube5

ゴクゴクゴク ゴクゴクゴク

美味しいかい?

そんなにのどが乾いてたの?
広場のスタンドで売ってるソーセージの切れ端でも見つけて食べたのかい?

まっくら森から流れ出た水が川になって町の外側を流れている。
そこから引いてきた水。
この町の水は質が良い。


大胆に、翼を広げ、水にくぐらせ、お腹を水に沈めて、

taube3

バシャバシャ バシャバシャ バシャバシャ

人がすぐそばを通り過ぎても知らん顔で

taube4

ザブザブ ザブザブ ザブザブ

君たちきれい好きなんだねえ、ちょっと見直したよ。

でも君たち、寒くないの?

と、よく見たら、水の中に座り込んでくつろいでいるじゃないの?!

taube1

ひょえええぇぇぇぇぇっ

水温は一年を通して温度の変化が小さいから、今でももしかしたら10℃前後あるのかもしれない。
それなら5℃以下の気温よりは温かいことになるけれど、、、

でも、水路の水深は浅いから、流れているうちに大気と溝に冷やされて気温近くまで下がってるんじゃ、、、
それに水は常に流れてるから、体温は奪われつづけるんだけどな、、、

そう言えば、ハトの体温ってどのくらい?低いのかな??

写真を撮ってる私は指がかじかんできちゃった。

君たちは気持ち良さそうに見えるけど、
Brrrrrrrrrrrrr、見てるだけで寒くなってくるよ。


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