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2011-12-07 12:06:03

(2)なぜ日本からメキシコ、ブラジルに移民したのか?

テーマ:塩とは何か
昨日のブログの続きです。

1900年代の初頭、日本からメキシコ、ペルー、ブラジルへと移民が盛んでした。

人口の急激な増加に比べ、田畑となる農地が不足したため、新天地を求めて移民したわけです。

では、なぜ、そのころ、日本人が日本に住んでいけないほどの人口が増えたのでしょうか?

それは・・・人間が生きていくために必要な塩を、日本が手に入れたからなんです。

1894年(明治27年)~1995年(明治28年)に、大日本帝国と大清国との朝鮮半島をめぐる戦争「日清戦争」がありました。

その戦争に勝ち、日本は、清の国から塩を輸入することができるようになったんです。安い岩塩も大量に入ってきました。

それで、日清戦争の後、急激に日本は人口が増えたんです。

でも、その急激な人口増加に対し、農業で生計をたてている家では、田畑となる土地が足りない。それで、農家の二男坊、三男坊、四男坊・・・は、日本を離れて一旗上げようと、移民、ということになったんですね。

その後、1904年(明治37年)に始まった日露戦争のときには、政府が財源確保のためもあり、塩の販売を専売制にするようになったんです。

ところが、1941年(昭和16年)に始まった第二次世界大戦のときに、塩の輸入が途絶え、需要が緊迫してしまいました。

そのため、1944年(昭和19年)より自家製塩制度が認められるようになりましたが、戦後、輸入が再開され、1949年(昭和24年)には、また専売制が復活。

そして、国内で安価な塩を大量に、ということで、1971年(昭和46年)、日本国内のすべての塩田を廃止し、イオン交換膜製塩法による塩化ナトリウムの精度の高い国産塩の専売が行われるようになりました。

海辺にあった塩田地域は、工業地帯に姿を変えました。

そのおかげで、日本は、工場で働くという仕事口ができ、農地がなくても、人口増加に耐えられるようになり、経済が発展し、人口が爆発的に増えたんです。

そして、その結果、日本の経済発展、高度成長を支えてくれた方々は、2人に1人、ガンになるという事実。

塩がなければ生きていけない。その基本を忘れたかのように、日本では、今、病気にならないようにと、減塩、無塩が叫ばれている・・。

なんか変ですよね。

4千年の歴史を持つ東洋医学では、「鹹味(えん味)」、つまり、しょっぱいもの、海のものは、腎臓によいとされているのに・・・。

国産塩を安価に大量に作るということを目標にして、不純物として無視されてしまった海水中のマグネシウムやカルシウムというミネラル成分。

本来の「塩」とは違う塩がまかり通ってしまった日本なんですね。

その日本では、2002年(平成14年)に、塩の生産・販売が完全自由化されたというわけです。

塩の歴史は長いですが、日本の「塩」への知識・理解は、まだまだです。私も、がんばらないといけません。



2011-12-06 12:06:03

(1)なぜ日本からメキシコやブラジルに移民したのか?

テーマ:塩とは何か

「敵に塩を送る」という言葉がありますが、ご存じですか?

これは、戦国時代、武田信玄と上杉謙信の逸話から来ています。

海がなく塩の採れない内陸の甲斐(今の山梨県)と信濃(今の長野県)の国を領土に持つ武田信玄が、敵の今川氏真から塩止めにあったときに、越後(今の新潟県)の武将・上杉謙信が、卑怯な行為ではなく戦いで決着をつけたいといって、武田信玄に塩を送ったということなんですね。

内陸に塩を流通させなければ、領民が苦しみ、亡くなってしまったわけです。

日本には岩塩がなく、塩は海水を使って作る必要があったのです。ただ、昔の製法ですから、大量には作れません。

海水1トンからできる塩はたった約20キロ。しかも、塩づくりに必要な平釜は当時、鉄でできていましたから、鉄も貴重品。塩は貴重品でした。

塩のないところには、人が住めず、内陸には、日本海側や太平洋側から「塩の道」ができ、塩が運ばれました。

塩のできない北海道には、江戸時代、北前船が活躍しました。

つまり、ある意味では、その地域地域には、塩の生産量・流通量に見合う分の人口しか住めないということなんですね。

ところで、先日、知人が、メキシコに日本から移民した方についての話を聞いたそうです。

1900年台の初頭、日本からメキシコに移民した日本人が、約1万人から1万2千人前後、いらっしゃったそうです。

そのころ、ペルーには、2万6千人、ブラジルには18万人が日本から移民しました。

移民の話は、みなさん、ご存じでしょうが、そんなに簡単なものではなく、大きな夢を持って移民しても、過酷な自然環境、労働条件で亡くなる方も多かったそうです。

日本は、海に囲まれ、四季のある自然豊かな国。

なぜ、日本から、メキシコ、ペルー、ブラジル・・・、そんな遠くの国に移民せざるを得なかったのでしょう?

それは…、農地がなかったからですね。

農家の長男だけが家と田畑を継ぐことができ、次男坊以下は出ていくしかなく、小作地がない地方では、食べていけなかったんです。

では、なぜ、この1900年代の初頭、日本に住んでいけないほどの人口が増えたのでしょうか?

続きは明日に。

2011-12-02 12:06:03

保存にむく塩と調味にむく塩との違い

テーマ:塩とは何か
一昨日のブログでちょこっと能登の魚醤(ぎょしょう)、「いしる」のことを書きましたが、魚醤(ぎょしょう)ってご存知ですか?

日本版ナンプラーといったほうがわかりやすいかもしれませんね。発酵調味料です。

イワシやイカ、サバなどをたっぷりの塩の中に塩漬けし、自然に発酵させたときに生まれる調味料です。

そもそも、塩というのは、食品の保存のために使われました。

これからの冬の季節に出てくる北海道の荒巻鮭や、新潟・村上の塩引鮭、信州の塩ブリ、しょっぱすぎるほどの塩気。

これは、鮭を長期間、保存するための知恵と技術ですよね。

ところが魚醤っていうのは、塩漬けしたのに、その魚が保存されず、身が溶けてしまうってことなんです。

塩漬けしておいたのに、身が溶けてしまうって、実は、当たり前ではなく、変なことだと思いませんか?

武州の業得の塩は「物をよく調味するけれども、保存にはむかない」、上総の塩は「潮が盛んで気は猛く、塩も厚峻で食物の保存によい」という記述です。

冷凍庫も冷蔵庫もない時代、保存に適した塩というのは、とても大切なものでした。

そして、保存に向かない塩は、調味には使われても、あまり大量には使われなかったわけです。

どういう塩が保存に適していたかというと、塩化ナトリウムの割合が多ければ多いほど、いいわけです。

塩化ナトリウムの主要な働きは、消毒、殺菌ですからね。酵素の働きを抑え、乳酸菌などの善玉菌、悪玉菌など菌の育成も抑えるわけです。

江戸時代の本草学の本「本朝食鑑」にあるように、よく調味することと、保存することとは、相反することなわけです。

よく調味する、おいしくなる塩、というのは、塩化ナトリウムだけでなく、各種のミネラルが存在し、そのミネラルが酵素を活性化し、タンパク質や炭水化物を分解して、うま味や甘味を生む塩です。

塩漬けしているのに、乳酸菌などの善玉菌が育って発酵する、その発酵が進んで腐敗に行かず、うま味になる、というのは、さらにその塩のミネラルバランスが奇跡的なものでないとありえないわけなんですよ。

つまり、ナトリウムやマグネシウムが発酵に適したミネラルバランスの「わじまの海塩」というのは、冷凍冷蔵技術や流通がよくなり、強い塩で長期間、保存する必要がなくなった現代ならではのお塩ってことなんです。

冷凍冷蔵技術や流通がよくなり、これだけ保存がよくなったので、濃い塩味になるほど塩を使う必要がなくなったのです。

一夜干し、干物、塩辛、漬け物・・・。ご飯のおかずにも、酒の肴にも欠かせないものですが・・・、現代の塩、「わじまの海塩」で、ほどよい塩味とうま味をお楽しみくださいね。

2011-11-17 12:06:03

塩の働き・・・江戸時代の庶民の本草学の本「本朝食鑑」より

テーマ:塩とは何か
10日から16日までの二子玉川ライズ「東急フードショー」地下1階の「Ocatte」での能登半島ランチイベントも、無事、終了しました。お越しくださった方々、応援してくださった方々、ありがとうございました。

さて、一昨日、とご紹介している江戸時代の庶民の食べ物を対象にした本草学の本「本朝食鑑」(平凡社・東洋文庫)。

本朝食鑑


この中の「食塩」の項をご紹介しています。食塩は「水の部」の海水の次に紹介されています。

今日は、本草学らしく、薬としての使われ方について書かれた部分をご紹介します。

ちょっと言葉が東洋医学的で、難しいかもしれませんが、(※)にわかる範囲で私の注記をつけていきます。

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およそ塩は、肉食の気を吸収して、温・熱(薬性の六味のうち)の性を涼(薬性の六味の一)にし、味を変えさせぬものである。

たとえば、米豆麹(こうじ)を調えて味噌や醤油を作り、梅を和して庖厨(※調理場)の味を助け、魚鳥・瓜菰(※瓜は野菜のウリ。菰はイネ科の多年草)を収蔵して幾年も腐敗させない。

荒飢(ききんで飢えること)・避穀(穀物を断つこと)・枕癇(年久しく癒えぬ病)の人であっても、これを嘗めると筋力をます。

してみると、人間の一日たりとも遺失することのできぬものである。

気味: 

微塩鹹い(ややしおからい)。寒(薬性の六味の一)。無毒。

主治: 

毒を解し、血を涼(きよらか)にし、燥(※乾燥)を潤し、痛を定め、痒(かゆ)みを止め、吐き気を止め、瘍疔(※腫瘍)を治し、熱腫を散らし、疥癬(※ヒゼンダニによっておこる皮膚感染症)を癒す。

発明:

食塩の効用は「本草綱目」に詳しく論じてあり、贅説する必要はなかろう。

眼を明らかにし歯を固くする効用については、我が国でも、常に試みられている。

塩は潤下(ものを潤し、低い方に下っていくこと)の性を持っており、鹹は血に入るもので、これによって眼中の血熱を引き、潤下するのである。

歯は骨の余りであり、腎が骨をつかさどり、鹹は腎に帰して骨に入る。これによって歯牙をよく固くするのである。

わたしはつねに上気にして眼を患い、気が上方に鬱するとまぶたが突き出して、めやにが粘り固まっていた。

ある士人の諭していうには、「昔、八十歳の翁が夜でも細字を見ることができ、命の終わるまでそうであった。

翁がみずからいうには、

『私は五十歳の頃から毎朝、塩湯で眼を洗っていたが、特別なことをしたわけではない。洗う方法は、温湯一升に白塩大さじ1杯を入れ、茶せんで数十回まぜかえし、微温の湯になってから口をすすぐこと四・五へん、眼を洗うこと三百六十回、毎朝これを日課として怠らなかった』

という」と。

わたしはこれを聞いて、そのように二年間実行すると、目はやや清くなり、歯も損じないでいる。

それで子孫にこの法を末永く伝えようとおもうのである。

附方:

霍乱(※激しい嘔吐、下痢、腹痛)・嘔吐・・・熱湯塩一さじをしきりに飲んでいると癒える(※治る)。

感寒・腹痛。および冷えて腹痛・虫痛をおこした時は、熱塩湯一さじに胡椒(こしょう)三粒、山椒(さんしょう)五個を和し、熱いうちに飲めば験(※効き目)がある。

疥癬のひどくかゆいこと。陰疹(※湿疹)、血風、一切の瘡腫のかゆみには、生の白塩ひとつまみをかゆいところに塗り、よくこするとおさまる。

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ちょっと漢字がむずかしかったですが、雰囲気は伝わったでしょうか?

江戸時代の塩は、精製が悪い分、ミネラル分が残っていましたから、いろいろな症状の薬として、使われていたんですね。

かゆみを抑えるというあたりや、目や歯にもよいというあたりは、マグネシウムの働きですね。

現代は、西洋医学的な薬品が薬とされ、普段から食べるものの薬効をうたって宣伝することができない決まりになっています。そのために、実は、当たり前で大切なことを見逃してしまっているのではないかと思います。

この本は、全4巻で、庶民的な食べ物がいろいろ掲載されていて、そのどれにも、効用書きが記載されています。

たとえば、「飯」。

こちらの主治には、「五臓を補い気血(生気と血液)をまし、百病を治し、人間に一日もなくてはならぬものである」と書かれています。

「酒」にだって、尿の出をよくし、大腸を滑らかにし、魚や草の毒を消すという薬効が書かれていますよ。

体は食べ物が作ること、病気を作るのも治すのも食べ物だってこと、見直す時代になっていると思います。
2011-10-18 12:06:03

塩の味の個性と多様な機能性 by 「クロワッサン 815号」

テーマ:塩とは何か
雑誌「クロワッサン 815号」(2011年10月25日号・10月8日発売・マガジンハウス発行)は、「レシピに書かれていない、料理の基本」の特集でした。

クロワッサン815


その中に、料理研究家・大庭英子さんの「醤油・塩・砂糖・みりん・酢・味噌 おいしく仕上げる使い方」が載っています。

大庭英子


塩のコーナーの副題は、「単に味を決めるだけではない、塩の多様な機能に注目!」というもの。

塩


塩について、基本的でかつ最新の見解が書かれていますので、解説を加えながら、引用してご紹介します。

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1997年の専売法廃止以後、日本では国内産、海外産を問わず、製法も形状もさまざまな塩が簡単に手に入るようになりました。

それとともに、塩にはさまざまな味があることも今ではよく知られています。
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今では知られているのであって、ほんのちょっと前までは知られていなかったということなんですよ。

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塩は原材料別に海塩、岩塩、湖塩に分類されますが、塩の中で最も種類も味も豊富なのは海塩です。

海水を原料とする海塩には、日本近海の海水を使う純国産塩と、海外から原料を輸入して日本で加工した再生加工塩、そして海外産の海塩の3種類があります。

どれも海水で作られるのだから味に大差はないと思いがちですが、海水の濃度や成分は地域によって違いがあるうえ、気象条件や製法も異なるため、当然、それぞれに個性ある味が生まれます。
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そうなんですよ。「塩は塩、どれもしょっぱいだけ」ではないんですね。

2009年の調理学会のシンポジウムでは、「塩はどれも同じ」と発言されていた有名料亭の料理長さんもいらっしゃいましたし、2010年には、塩業界の権威者という方でさえ、塩によって味は変わらないと新聞紙上でおっしゃっていたこともあるんです。

このような一般向けの雑誌に、さらりとこのような内容が書かれるのは、塩に対する認識の「変化」なんですよ。

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料理に塩は欠かせません。ひとつまみの塩が料理の味を決めてしまうことは誰もが知っています。

だからこそ、種類豊富な塩の中から自分の舌にかなった塩を選び、上手に使いこなすことは、まさに料理の要といえるでしょう。
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そうですね。塩を選ぶ時代です。

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ところで、塩には、料理の味つけ以外にも見逃せない機能がいろいろあります。

野菜を色よくゆでる、アク抜きする、素材の臭みを消す、うまみを引き出す、保存性を高める…。

そんな中から、ここでは塩の持つ、素材のうまみを引き出し、保存性を高める性質を利用した塩豚をご紹介しましょう。
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「塩がうまみを引き出す」というのは、このブログを読んでいらっしゃる読者さんにはすっかりおなじみの機能ですが、塩化ナトリウムだけの精製塩や、マグネシウムを含んでいない岩塩では、最後に「塩 こしょう」レベルの味付けをするもの、という認識がこれまでのものだったんです。

タンパク質分解酵素を活性化させるマグネシウムを含む海塩でなければ、特に、肉のうまみを引き出すなんてことは実現できなかったんですよ。

そして、雑誌には、「塩の持つ優れた機能を利用して作る、塩豚」の作り方が紹介されています。

ハーブなども使わず、豚肉の肩ロースの塊りに、肉の重さの4%の量の粗塩を刷り込むだけの簡単な作り方です。

この塩豚を使って、「塩が引き出した肉のうまみと、ほどよい塩加減を生かしてシンプルに料理」として、「塩豚とれんこんの炒め煮」「ゆで塩豚の手巻き風野菜巻き」「塩豚と豆のトマト煮込み」のレシピも紹介されていますよ。

どうぞ、「わじまの海塩」を使って、マグネシウムをバランスよく含む海塩が引き出すタンパク質のうま味、味わってみてください。
2011-08-21 12:06:03

(2)塩のうんちく話 by 『外交官のア・ラ・カルト』(近藤誠一著)

テーマ:塩とは何か
昨日 に引き続き、「外交官のア・ラ・カルト」(発行:2011年2月・かまくら春秋社)のご紹介。

輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-外交官のアラカルト

パリのユネスコ大使から、コペンハーゲンのデンマーク大使を経験し、現在、文化庁長官である近藤誠一氏のエッセイ集の「鯛の塩焼き」より、塩の歴史や文化についてのうんちく話を引用してご紹介します。

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人類は塩のこうした価値を早くから直感し、信仰や儀式で無くてはならないものになった。

『聖書』では神と人との間にある聖なる絆を「塩の契約」と読んだ(『民数記』など)。

また、供物に塩を加えることを禁じ(『レビ記』など)、塩は穢れを祓うものであることを示した(『列王記』下)。

「あなたがたは、地の塩である」(『マタイによる福音書』)という有名な言葉は、こうした塩のもつ価値を総合的に象徴しているように見える。

塩の不変性は友情の象徴でもあり、またスタンダールの『恋愛論』は、ザルツブルグの塩の廃坑に、葉を落とした木の枝を放り込むと、2,3ヶ月で見事な結晶になることを、恋愛の精神的作用の比喩として使っている。

日本でも塩は相撲や料亭で「清め」の役割を果たし、またその力への信仰から、弱い子は塩売りと仮の親子関係を結ぶという習慣もできたという。

フランスには、「人を良く知ろうと思ったら、その人と山のような塩を食べなければならない」という諺がある。

食事を重ねることで、次第に打ち解けてお互いが分かってくるという意味だが、食事には、目に見えないが必ずわずかの塩が入っているところに注目している。

外交官にとって社交の食事は楽しみであると共に、実は大きな負担でもあることを物語っている。

昨年ユネスコで、ある決議案を全会一致で採択するに当たり、普段孤立気味のある国を説得しなければならないことがあった。

私が偶々その国の大使と食事を重ねて親しくなっていたことから、説得できた。

塩を若干加えることでお汁粉の甘みが増すように、表面には決して出てこないが裏で全体に貢献する、日本独特の「隠し味外交」と言ってもよいかもしれない。(2008年4月)
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教養豊かな著者ですね。日付を見ると、近藤誠一氏が、ユネスコ日本政府代表部特命全権大使のときに書かれたエッセイのようです。

フランスのことわざ、面白いですね。

フランスでは、主婦の常識として、「岩塩よりも海の塩、海の塩の中ではゲランドの塩、ゲランドの塩の中では、フルール・ド・セル」と言われているそうです。

「わじまの海塩」はそのゲランドの「フルール・ド・セル」と、ナトリウムとマグネシウムのミネラルバランスが類似しているんですよ。

そのミネラルバランスというのは、人間の血液のミネラルバランスと同じなんです。

料理にとって、健康にとって、何がいいのか、習慣的、経験的に知っているフランスの主婦の知恵ですね。
2011-08-20 12:06:03

(1)塩のうんちく話 by 『外交官のア・ラ・カルト』(近藤誠一著)

テーマ:塩とは何か
「外交官のア・ラ・カルト」(発行:2011年2月・かまくら春秋社)。

著者は、パリのユネスコ大使から、コペンハーゲンのデンマーク大使を経験し、現在、文化庁長官である近藤誠一氏で、文化と食をテーマに外交を綴る、というエッセイ集です。

輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-外交官のアラカルト

「鯛の塩焼き」という章に、塩にまつわる歴史、文化の「うんちく」がとても簡潔にまとめられているので、引用してご紹介します。

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塩は、体に無くてはならないナトリウム・イオンと塩素イオンを供給する。

生肉を多く食べていた時代には、ナトリウムなどのミネラルが含まれていたので、特段塩をとる必要は無かった。現に旧石器時代には製塩の痕跡はないそうだ。

しかし穀類を食べるようになると、塩は不可欠になった。文明は塩のとれるところに発達したとも言える。

塩は、各地で食品の味付けと保存のために使われた。ギリシャ・ローマ文明では、生野菜に塩を添えて食べた。

これがサラダになり、フランス料理のソースに発展した。サラダもソースもその語源はラテン語で塩を意味するサル(sal)を起源とする。

保存食の代表であるソーセージの語源はラテン語で肉の塩漬けを意味するサルサスだが、これもサル(塩)からきている。

塩は必需品であることから貨幣の役割も果たし、また給料の支払い手段にもなった。

サラリーとは、塩の供給を意味するラテン語のサラリウムに由来している。

東洋でも同じだ。味加減を意味する塩梅(あんばい)という言葉は中国の『書経』からきた。

また『漢書』には、「酒は百薬の長」の対句として「塩は食肴の将」というのがある。

マルコ・ポーロは、『東方見聞録』で、チベットの原住民はモンゴル帝国の発行する貨幣は使わず、塩を通過としていることを紹介している。

日本でも古くから野菜に塩を使ったが、サラダではなく、漬物という形になった。

魚介類にも塩が使われたことは、『万葉集』に、難波の入り江にいた蟹が塩漬けにされる痛みを詠った、痛ましくもほほえましい一首があることからも分かる(巻16)。

日本でも塩は古代から極めて大事なもので、オオカミなどが跋扈する夜に塩を移動することが禁じられ、また夜間に塩の名を口にするときにはオオカミに分からぬように「波の花」と言い換えたという。

日本には岩塩が無く、塩は海からしかとれなかったことから一層大事にされ、またこの名になったのであろう。
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いくつのことをご存知でした?

ギリシャ・ローマでも、東洋でも、日本でも、塩の歴史は古く、重要なものであったことがわかりますね。

いくつか覚えておくと、食事のときの話題にもなりますね。

ご紹介したい部分がまだ続き、長くなってしまうので、続きは、明日に。
2011-07-31 12:06:03

渋谷の「塩とたばこの博物館」で企画展「さぐれ!キミのからだの中の塩」

テーマ:塩とは何か
東京・渋谷に「塩とたばこの博物館」という博物館があるんです。

1978年に、日本専売公社(当時)によって開設された博物館ということで、現在は、JT(日本たばこ産業)が運営しています。

夏休みの特別展として、8月31日まで「さぐれ!キミのからだの中の塩」という展示を開催中です。

どんな展示をしているかなと思い、行ってきました。

身体の血液、神経、筋肉、腎臓、胃、小腸などでの塩の働きが、わかりやすく展示されていました。

こんなことが学べます。

・血液の中で、塩は、0.9%の濃度に溶け、保たれています。

・腎臓では、血液をろかして、血液の中の塩分濃度が同じになるよう調整しています。

・骨の中にも塩があり、体液が足りなくなったら、骨から供給しています。

そして、ご存知でしたか?

・筋肉を縮めるには塩が必要です。

・小腸の壁を栄養素が通りぬけ、血液に吸収されるときには、普通は、栄養素は塩と一緒でないと通りぬけられません。

・神経細胞のまわりは、いつも同じ濃さの塩水に囲まれていて、電気信号を伝えるときだけ、ナトリウムイオンが神経細胞の中に入るので、塩がなければ皮膚から脳への刺激や、脳から筋肉への命令も伝わらりません。

輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-塩とたばこの博物館の展示

塩(ナトリウム)は身体の中でたくさんの働きをしていますね。

だから、汗をかいて、水分、塩分が排出されてしまったときには、水分だけでなく、塩分も補給せよ、ということなんですよね。

他にも、常設展示のコーナーでは、能登の揚げ浜塩田や、瀬戸内海の入り浜塩田、流下式塩田のしくみや様子が展示されています。

岩塩のない日本、雨の多い日本、湿気の多い日本。それでも生きるために必要な塩。

苦労して塩作りをしてきたかという歴史がわかります。

海外で日本のような「塩作り」をしているところは、ほとんどないのではないかと思います。

岩塩があったり、湖や海に、太陽熱と風の力で自然に塩ができるんです。その場合、それでも、半年、1年かけて海水が塩になっていくのです。

「わじまの海塩」の製塩法は、清潔な室内で、水槽に海水を入れ、ランプの熱と風で海水を蒸発させ、体温低度の低温で、塩を結晶化させるという方法。7~10日で結晶ができます。

それも二酸化炭素を排出しない電気エネルギーを使って。

菌検査や重金属検査をしても問題なし。

なんで、こんな方法を先人は思いつかなかったのだろうか、そのうち、歴史に残る製塩法になるのではないかと思っています。


「塩とたばこの博物館」のプロフィール:

住所:東京都渋谷区神南1-16-8
休館日:月曜日(祝日、振替休日の場合翌日)、年末年始
開館時間:10:00~18:00
入館料:大人・大学生 100円、小・中・高校生 50円
2011-07-13 12:06:03

夏休みの自由研究の宿題に「アリは塩を運ぶか」という観察レポートはいかがですか?

テーマ:塩とは何か
一昨日、このブログでもご紹介 したように、アリが塩を運んだということをお伝えすると、やっぱり、皆さん、驚かれます。

アリが塩を運んだ写真集はこちら
→→ http://ameblo.jp/wajimanokaien/entry-10947833399.html

それで、今度は、塩の種類によって違いがあるか、という実験を動画で撮影しようと、ご近所仲間の調味料アドバイザーの古谷史織 さんにお願いして、また、西東京市の体験農園の畑に連れていっていただきました。

畑でなくてもアリはいるのかもしれませんが、住宅の中の空き地で、大の大人が土の上にしゃがんで白い粉(!)を撒いているのを見咎められないような場所って、なかなかないんですよ。

前回は、たまたま持っていた「汗をかいたら塩じゃなぃかぃ」の塩の粒だったので、今回は、「わじまの海塩」、そして、精製塩や、岩塩や、海外産の海水塩や、グルタミン酸ナトリウムなど、何種類も持って、さあ撮影するぞ、とやる気まんまんで行ったのですが・・・。

炎天下。日差しが強くて、暑いです。土も乾いています。前回アリがたくさんいたところにも、アリの姿がありません。

輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-炎天下

あまりに暑いと、アリも直射日光で、自分の身体が焦げないように、潜んでいるのかもしれませんね。

少し、草むらに移動して、まずは「わじまの海塩」を撒いて、カメラを構えていました。

輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-草むら

ちょっと太陽が雲に隠れた瞬間に、いなかったアリが出てきました。

お塩のところまで、アリが来ました!

輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-アリと塩2

興味を持ってます。

輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-アリと塩

アリも興味を持って、塩の粒を抱え込もうとするのですが・・・。

輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-アリと塩3

でも・・・。

輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-アリと塩4

運びません。

う~ん、残念。運ぶところを動画で撮ることはできませんでした。

ジャングルで、野生動物の写真を撮る写真家のように、もっと、時間をかけてカメラを構えていればなんとかなるかもしれませんが、あまりに暑い・・・。しかも、しゃがんでいた足が痛くなり、限界。

アリに熱中しすぎて、熱中症になってはいけないと思い、あきらめました。

また、挑戦しようと思います・・・。

今回、アリがエサを集める時間帯、温度、湿度などにも、条件があるんだろうなあと思いました。

アリの生態の研究が必要ですね・・・。

それで・・・、この夏休みのお子様の自由研究の宿題に、「アリは塩を運ぶか?」というテーマはいかがですか?

アリが塩を運ぶところを撮影できたら、理科の先生もびっくりすると思いますよ。

写真や動画を撮影して、レポートしてください。

ご協力いただける方に、先着10名様に、「わじまの海塩」「汗をかいたら塩じゃなぃかぃ」、そして、比較用のお塩を無料でご提供いたしますので、メッセージ、くださいませ!

また、もし、アリの巣が観察できるような、透明のアクリル水槽のようなものにアリを飼っている、というような方をご存知でしたら、ご紹介くださいませ。

よろしくお願い申し上げます。

2011-07-11 12:06:03

アリが運ぶ塩!!・・・「わじまの海塩」

テーマ:塩とは何か
昨日のブログ で、野菜ソムリエで調味料マイスターの古谷史織 さんに、東京都西東京市にある体験農園の畑で、夏野菜の収穫に、お邪魔させていただいたことを書きましたが・・・・。

そこで、世にも珍しく、貴重な、世紀の衝撃写真を撮ることができました。

暑かったので、輪島の塩を携帯タブレットにいれた、熱中症対策グッズ「汗をかいたら塩じゃなぃかぃ」を持参。その塩の粒をかけながら、キュウリを食べたりしてたのですが・・・。

輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-キュウリと塩じゃなぃかぃ

土の上に、ありんこが活動していたので、「塩じゃなぃかぃ」の塩の粒を撒いてみたんです・・・。

そしたら・・・、アリが塩の粒を運びました!!これです。

輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-アリ01

見えますか?では、ズームアップで!アリが、自分の身体よりも大きいぐらいの塩の粒を抱えてます!

輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-アリ02

「あ、これでは何を運んでいるかわからない、パッケージも映さなきゃ」と、写したのがこれ。

輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-アリ03

アリは砂糖を運ぶけど、塩を運ぶなんて!聞いたことあります?見たことあります?

教科書、常識を覆すことではないですか?!

では、アリの動きを追いかけてみましょう。わかりやすいように、蟻のところに赤いマークを入れました。

輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-アリ04

2匹、運んでいます。

輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-アリ05

この右のアリを追跡。近づくと・・・。

輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-アリ06

私は、身体の向きをかえて、アリを追っかけています。けっこう、速い動きです。

輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-アリ08

こちら、ズームアップで。

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運んでます。運んでます。

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目でおいかけながら、カメラのレンズを覗きながら、シャッターを押して、けっこう大変です。

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まだ、運んでいます。速い動き。

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あ~、草の影に隠れてしまいました~。

輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-アリ12

追跡はここまで。

追跡したアリが運んだ道のりは、この荷物のあたりから、右側の草むらまで、でした。

輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-アリ13

無事に、草むらの中の蟻の巣穴まで運んでいったかな~。

私、アリには、「輪島の塩のミネラルバランスは・・・」とか「低温結晶なので・・・」とか「おいしくて身体にいいんですよ」とか言ってないんですよー。

でも、アリは、そんなこと言わなくても、餌になるもの、害にならないものがちゃ~んとわかってるんですね。

「汗をかいたら塩じゃなぃかぃ」のパッケージには、あえて、“天然のサプリメント” と書いたのですが、まさにその証明のような出来事。

輪島の塩は、ミネラルの固まりの粒ってことですね。

実は、去年の夏も、このありんこ実験をしてみたのです。

塩の働きは、殺菌、消毒。虫避けになる、というのがこれまでの通説です。

その常識通り、赤いキャップの食塩をまいたときには、アリがあっという間に、ちりぢりに逃げていきました。

でも、「わじまの海塩」では、アリは、塩の粒をいったん持ち上げて下ろして、そのまま、だったんです。

今回は、実際に、アリが塩を運んでいくところの写真が撮れて、うれし~!!

ぜひ、今度は、塩による反応の違いを動画で撮ってみたいと思います!

アリんこを見つけたら、皆様もぜひお試しを!

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