昨日は、CGアーチストで東大教授の河口洋一郎先生の招きでASIA GRAGH 2012 FORUM in TOKYOというイベントのシンポジストとして出た

デザインにはまったく造詣もないし、あまり興味はないのだが、一応、アジアの文化知ということだったので、これから、世界中、少なくとも先進国はすべて高齢化する中で、アジアの価値観は高齢社会に適しているという話をさせてもらった

キリスト教文化では、勤勉を大切にして、高齢者に対しては慈悲のスタンスのようだ

働けなくなった高齢者は、少なくとも尊敬の対象にならない

博愛精神だから働けない人間でも大事にしてあげるという、若者目線の憐れみの対象である

それと比べて儒教では高齢者を敬えという

仏教では運命の受容を解く

どちらも、私のような精神科医の目から見ると、高齢者のメンタルヘルスにいい発想だ

そうでなくとも、脳が委縮し、神経伝達物質が減っている高齢者には、若者以上にメンタルヘルスは重要だ

自殺の4割は高齢者とされるし、高齢者のうつは高齢人口の5%はいると推定されている(来週発売のPHP新書『老人性うつ』にけっこうその手のことは書いた。乞うご期待である)

自殺率などを見る限りは、若者のほうが高齢者よりむしろ心は強いのである

儒教や仏教が高齢者のメンタルヘルスにいい発想なのは、孔子が76歳、お釈迦様は80まで生きたからではないだろうか?

30やそこらで亡くなっているキリストにはそのあたりのことがわからなかった

というような話をさせてもらった

社会情報学の須藤先生の、最近のソーシャルネットワークや環境問題へのアプローチの話も面白かった

ところでしばらくぶりに東大に入ると、ずいぶん変わっていた

ちょっとおしゃれに飲み食いできるようなテナントが大学の講義をやるような建物の中にも入っている

大学の構内にかなりの数のローソンも入っている

東大もそこからの家賃収入も得ているのだろう

でも、やはり東大だなと思う点は多かった

車をとめるところがなくて、大学病院の駐車場に放り込んだのだか、そこから工学2号館に行こうにも本当に構内の地図がほとんどない

ある程度勘でわかっていたし、途中で人に聞くなりして難を逃れたが、10分くらいは道に迷った

そのフォーラムも順路とかの案内はほとんどないし、呼んでくれた人には悪いが、レジメなど事前資料の要求のメールはくれるが、場所の案内などのメールや当日の連絡先の携帯番号さえ、教えてくれていない

こんなことはほかの講演会やシンポジウムではありえないことだ

部外者は来るなと言わんばかりの対応では、いくら国際化を叫んだところで開かれた大学などになるわけがない

大学に入るまではそれなりに優秀(これを書くと、批判する人が必ず出てくるが)な生徒を腐らせる体質は、やはり相変わらずなのだろうか?

その後、私の通信教育ビジネスのスタッフミーティングがあったが、こういう場面では東大生はとてもしっかりしているので、教育はダメでも。ちゃんと自分で学習能力のある人は育つのかもしれないとは思ったが