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2016-07-30 07:36:02

相模原事件に思う

テーマ:徒然記
相模原の45人殺傷事件は、殺傷した人数の多さやあるいは襲われたのが障害者だったというようなこともあり、今後も相当センセーショナルに報じられ続けるだろうが、その前の言動の異常さや措置入院を受け、その解除後の事件だったこともあり、私のところにもかなりの取材依頼がきているし、現にワイドショーのようなものにも出ることになった

ただ、テレビという媒体はさまざまな自主規制がある上、時間の制約もあるので、言いたいことが言えていたわけではない

あえて、原点に返って「テレビで言えない」話をしたい

一つは、この手の人のもつ異常な信念や妄想と、実際の事件の結構は、大きな溝があるということである

テレビも含めて、マスコミの人間は、この容疑者の異常心理がどう形成されたかとか、心理の異常性などを問題にしたがるが、「障碍者などいなくなってしまえばいい」「障碍者などに税金を使うのは無駄」というのは、確かに異常な心理であるが、私の印象では、1万人に一人くらいはそう思っている人はいるだろう(もっと多い気もする)。だとすると、この容疑者と同じようなことを考えている人間が、日本中に1万人くらいはいることになる
(そういう意味では、マスコミが騒ぎすぎることで模倣犯のようなものが1件でもでる危険性は決して小さくない)

世の中に恨みを持っている人だって相当するいるだろう

その中で、このような実行に移す人間が多い年でも年に2,3件だということは忘れてはならない

統合失調症の患者さんは約100万人くらいいるはずだが、そのうち100人に一人くらいは、特定の相手に「殺さないと殺される」というような妄想をもっていたり、「殺せ」「殺せ」というような幻聴が聞こえているのではないかとされている。要するに1万人くらいが殺人をしないと不安で仕方がない状態にいるのだが、それでも実行に移すのは100人に一人程度だ

統合失調症はともかくとして、世を恨んでいる人を実行に駆り立てるのは、やはり薬物の影響が大きい

池田小事件、秋葉原事件、ドン・キホーテ放火事件、全日空ハイジャック殺人、これらの容疑者はすべてSSRIを服用していたことがわかっている

うつ病の薬としては悪い薬ではないが、ある観念を持っている人の背中を押す作用があるようだ

実際、死にたいと思っている人が、この手の薬を飲むことで決行に移すことも多いようで、自殺率も上げるという報告が相次いでいる

自殺に関しては、アルコールも決行を促すということで、うつ病患者にはアルコールは禁忌とされている

今回は、おそらく決行の背中を押したのは、大麻と違法薬物だろう

危険思想狩りをするより、この手の薬物の取り締まり(このケースでも大麻の尿反応が出たのに、警察に通報もなかったようだ)のほうが、「決行」の阻止という点では意味があるかもしれない

実際、障碍者を殺してもいいというのは今のところ危険思想扱いされているが、寝たきりの高齢者とか、もうどうせ治らないとみなされる末期の患者さんについては、「かわいそうだから治療を打ち切って、死なせてやれ」というような言動がむしろ当たり前になっている

たまたま一昨日、私が尊敬する老年専門医と話をしていたら、この事件の主犯の思想と、今の治療打ち切りの思想は、ほとんど根が同じという話になった

私もそう思う

こういう思想が蔓延することは危険なのだが、やはり言論の自由は守らないといけない

今回、早すぎる措置解除が問題になっている

ただ、私が見ることろ、この容疑者が措置入院になったのは、「危険思想」の持ち主だからではない

ストーカーであれ、危険思想の持ち主であれ、原則的に強制入院の対象にならない

おそらくは、ものすごくラリっているから、薬物中毒を考えたのだろう

だから、すぐに尿の検査をした

そして反応が出たから、措置入院になったのだろう

人を殺してやりたいという人は確かに異常だが、そういう人を強制入院の対象にはしていない

だから、薬が抜けたら措置解除というのは、当たり前のことなのだ

問題は、大麻時半だったのに、面倒がって、警察に引き渡さなかったことだ

家に帰れば、間違いなしに、また大麻に手を染めるだろうし、この手の異常思想をもっていることが明らかなのだから、背中を押す危険も大きいことは予想できたはずだ

ついでにいうと、防犯カメラを16台つけたように、この施設は危険を察知していたし、警察にも相談していたようだ

警察がもっとまともに警備していたら、防げた可能性も大きい。これは最近のストーカーによる女優殺害事件でも同じことだ

警察は人手不足というが、渋滞を引き起こすだけで、接触事故は少し減らせても、暴走してくる車には(彼らが身を挺して止めるとは思えない)まったく無意味な交通取り締まりに膨大な人員を割くくらいなら、本来の治安のために警察が働くべきだろう

ただ、世論はもっと措置入院の患者さんを閉じ込めておけという声が強い

おそらく、他害の可能性のある精神障碍者の多くは、その直前にかなり言動がおかしくなる

今回だって、サインが出てきたから、監視カメラを増やしたりしているのだろう

措置入院の患者さんを長期入院にさせるには、莫大な公費がかかるし、精神障碍者の多くが、それを恐れて受診しなくなり、かえって悪い結果にもなりかねない

危険を察知した人からの被害届を警察がもっとまじめに対応するほうがはるかに効率的だと私は信じる

ところで、本日1時半から、私が原作の『受験のシンデレラ』の再放送をNHKのBSプレミアムで3話連続で放映する

見損なった人はぜひ見ていただいて、明日の10時からの本放送につなげてほしい


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2016-07-23 15:09:01

福島第一原発の今

テーマ:徒然記
週刊文春で、「鳥越俊太郎『女子大生淫行』疑惑」という見出しが躍ったので、ちょっと不快な気分になった

鳥越氏の肩をもつのでなく、なんで相手が女子大生なのに不倫ではなく、淫行なのだと思ったからだ

もし彼が76歳だから、女子大生とHするなら、女性が18歳未満でなくても淫行というのなら、とんでもない高齢者差別である

そこで記事を読んでみた

記事を読んでみると、要するに、無理やりキスをしたり、ラブホテルに誘ったりで、セックスに関しては未遂だから、不倫でなく、淫行ということのようだ

こんなことで、新聞に広告が載る形で、選挙期間中に記事にするのはいかがなものかとは思った

現実に淫行条例(今の法律なら児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律にはっきり違反した)人がその後、反省して、勉強して、県知事や国会議員を歴任していることを考えればなおのことだ

ついでにいうと、家賃を負けてもらうという、判例上、政治資金規正法違反にあたることをしている人が都知事候補にいるのに、それについてはろくに触れないでだ

淫行が法律用語となってしまった以上、誤解を生むような形ですべての全国紙の広告に載せたというのはやはり悪意といわれても仕方ないだろう

そんなこんなで、若干、不快感をもっていたが、昨日は、待望の福島第一原発の見学ができた

5年以上にわたって、その中の廃炉作業に励む人のメンタルヘルスのボランティアを続けていて、ずっと作業環境を見たいと言い続けていたら、ついに実現したのだ

結果的には、いろいろなことがわかった

入るときのセキュリティの厳しさにも驚いた

撮影禁止なので、携帯もスマホももって入れなかった

ただ、中はかなりきれいになっていた

線量もけっして多くない

やっとローソンなども入り、中でも買い物もできるようになったとのことである

ただ、休憩スペースは各社かなり狭い

しかし、それでも昔は立って食事をしないといけないくらい狭かったそうだ

事務棟も近々敷地内に戻るとのことだ

次の作業場が、線量のもっとも高い、一号機のそばということで、そこまで車で(外に出ると危険ということで、外にでなかったが)見に行った

まだ一号機は悲惨な状態のままのようだ

それでもちゃんと覆われた状態にはなっている

結果的に帰ってきたら、あびた線量は0.01mSvだった

こんなに廃炉作業がうまくいっているなら、堂々と写真を撮らせればいいのにと思っていたら、テロ対策で、きちんと動いている原発も、それどころか原子力の研究施設も、撮影禁止なのだという

こういうことで逆に誤解を生むのだろう

それより行きと帰りの道で、まだ帰宅困難のエリアの様子をみた

原発の城下町ということで、そこそこ栄えていて、いろいろな商店があったり、ツーバイフォーで立派な家も散見されたが、そこには誰も住んでいない

地震でボロボロになったまま放置されている商店もある

震災以上に、原発事故のほうがはるかに爪痕が大きいということを深く感じさせられた

私自身は、低用量の放射線が体に悪いと思わないほうの説を信じているので、むしろ帰宅のほうがメンタルヘルスによく、免疫機能もあがるのでがんにならない気がするのだが
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2016-07-16 20:03:00

思秋期をどう生きるか?

テーマ:徒然記
自民党が圧勝した

都知事選挙も、自民が推す増田という人が勝つかもしれない

アベノミクスの基本的な考え方でも、あるいは自民党の憲法改正法案でも、基本的には、勝ち組になれ、負け組は国に頼るなという考え方だし、高齢者、とくに要介護高齢者は、家族で面倒を見ろ、社会に頼るな(これだけ独居高齢者がいるのにどうしろというのだろう)という考え方だ

それ以上に怖いのは、今の都知事候補の増田という人だ

日本創成会議の座長として、東京は介護施設が13万人不足する試算を出すが、その分、介護施設をつくるのでなく、田舎に移住させろ(介護施設に入るはずの高齢者なのだから、自分で動くことはできないから、姥捨て車でも出して、追い出すという意味だ)という提言をしている

自民党、そして、安倍首相は、今回の参議院選挙で、改憲を一言も口にしなかったそうだが、それに動き出しているそうだ

9条の問題(私は、アメリカに戦争に誘われた時に断るのに使える、重要なツールと考えている。イスラム国に共感する、というか、彼らの言うことを信じ、テロ(とくにアメリカに対するもの)がジハードであり、それをすれば天国に行けると信じている若者の数がバカにならない以上、このリスクは大きい)もさることながら、家族を大事にしろという名目で、在宅介護を押し付けてくるだろうし、25条もいじられて、そうでなくても貧困な生活保護をもっと削ってくるだろう

安倍氏は成功していないアベノミクスが成功したように国民が信じたことで、国民が騙しやすいと実感しているはずだ

これで増田氏が勝てば、高齢者介護、高齢者福祉打ち切りにGOということになるだろう

福島で、自民党の現職閣僚が負けたように、私の愛する福島(毎月ボランティアを続けている)が変わってきた(前の知事選では、中央の警察官僚に、県警幹部が3人も自殺させられたのに、官僚知事を誕生させたので、真性のマゾと思ったが)のは本当に嬉しいが、テレビマスコミが自民党の味方である以上、おそらくこの流れは止まらない

ということで、高齢負け組(収入的にも、身体的にも)になれば地獄だから、そうならない準備が必要ということだろう

日本人は、貯金という方法で、それを考える人が多いようだが、今のようにお札を刷る金融政策が続けば、お金の価値だって信用できない

ところで、私は受験競争支持論者のため、学歴至上主義、競争主義者のように思われることが多いが、私が言いたいのは、世襲社会、格差社会より、学歴による競争で這い上がれる社会のほうがましだし、初等中等教育で、一部落ちこぼれ(この対策が大事なのは言うまでもない)が出るにせよ、受験競争が国民学力をつけるのに手っ取り早いというだけで、昔の日本のように子供時代は競争をさせてある程度鍛えておいて、大人になったら終身雇用、年功序列で、企業が福祉をして、競争も緩やかなものにするほうがメンタルヘルスにはいいと信じている

ただ、私が『受験は要領』を書いたころとは世の中が変わってきている。高校卒業まで、大学卒業までに、ある程度の知的能力を身に着けておかないと、生き延びていけない社会になってしまったので、受験勉強の価値が前より上がったということを実感している

先週始まった『受験のシンデレラ』(NHKBSプレミアム)にせよ、その映画版や小説版にしても、ベースの主張は同様のものだ

思春期のうちに将来の準備をしておかないとひどい目に遭うというわけだが、高齢者切り捨ての時代には、高齢になる前のさまざまな準備が大切になる

金銭的なこともさることながら、若々しさを保っておかないと相手にされない(逆に若々しい高齢者は喜ばれる)し、どんな高齢者になりたいかを考えていないと時間をもて遊ぶことになるだろう。

お金を貯めるより、お金を稼げるような仕事を高齢になってみつけたり、始めたりすることのほうがおそらくは賢明だ

このように思春期に大人になってからのことを考え、アイデンティティを確立していくのと同様に、中年期と高齢期の間に、老人になってからのことを思わないといけないということで、この時期を思秋期と呼ぶように私は主張している

ところが、思秋期というのは、油断していると、体力も知力も意欲もどんどん衰え、高齢期になんとかしようと思っても手遅れになりかねない時期でもある

私自身、高齢者を専門とする精神科医を27年も続け、不幸なことに認知症になったり、鬱になったりして、高齢期の「負け組」(私はそうは思いたくないが、自民党の人に言わせるとそうだろう)になってしまった人をおびただしい数で見てきたし、逆にエンジン01のような文化人団体や「正論」メンバーであるので保持論陣(意外に高齢化が進んでいる)の人と付き合うことで、高齢期をうまく過ごしている人をたくさん知っているので、その違いが私にとっては大きなテーマだったのだ

今の中高年や高齢者を淘汰しようとする社会は決して私の望むところではないが、マスコミが自民党の味方をし、自民党に入れる人が多い以上、自衛をするしかない。その自衛法を考えないといけないのだ

実際、中高年から高齢にさしかかる時期(40代から60代)には生物学的にも大きな変化が起こる

一番大きいのは、ホルモンバランスの変化だ

男性は男性ホルモンが減り、女性は女性ホルモンが減って、中性化に向かう

思春期には、ホルモン的には中性だった男の子と女の子が、男性は男性ホルモンが、女性は女性ホルモンがどっと出て、男女に分化する

それが思秋期には、男性は男性ホルモンが減り、女性は女性ホルモンが減って中性化する

性ホルモンが減ると性欲が衰えて枯れるようなことはよく言われるが、実は、動物というのは生殖ができなくなると死に向かうのが原則だ。人間も性ホルモンが減ると、生物としての能力がかなり衰える

その中で、とくに問題なのが、男性だ。意欲が低下し、異性に興味が持てないだけでなく、人間関係が面倒になってくる。さらに認知能力が衰え、記憶力や判断力が弱まってくる。

年功序列終身雇用の時代であれば、それでも、ものわかりのいい上司で済んだのだろうが、今のように中高年にも競争を強い、負け組にはリストラや淘汰が待っている社会では、男性ホルモンレベルが低い人間は、リストラの対象になりかねない

また、この時期に前頭葉の委縮が本格化してくる

これによって、意欲や創造性、感情のコントロール能力、変化への柔軟性が失われていく

思秋期というのは、これから本格的に性ホルモンが増えて意欲がまし、脳の機能が高まっていく思春期と違って、ただ思っていればいいだけでない。これらの生物学的な衰えに対応しないといけないのだ

ホルモンの低下に対しては、もちろん補充療法という有効な医療もあるが、たとえば、もっと異性を意識する、性的なことをタブー視しない、コレステロールをむしろ高める、サプリを摂るなど日常生活でもできることがある

前頭葉の老化については、自分のこれまでの考えの通りに読書などをするのでなく、信念体系に逆らう(右の人は左の本を読み、左の人は右の雑誌を読むとか)、想定外のことが起こる体験を増やす(投資や恋愛のようなことをする)などでかなりその老化が防げる

こういう時期に、具体的にどのようにすれば、高齢者になった際に、増田氏のような人に住んでいる場を追い出されない(高齢になって本格的に前頭葉機能が衰えると移住だけで鬱になったり、不適応を起こすことが多いので、私は勧めていないが、前頭葉機能をしっかり保っていれば、それがかなり防げる)ようにできるかを真剣に考え、その方法論を提示した

それが、『思秋期 -感情的な人ほど早く老いる! ?』(本当ははやく置いている人ほど感情的になるなのだが)(ブックマン社)https://www.amazon.co.jp/dp/4893088602
である

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