朝日新聞が、宮城県石巻市雄勝の巨大防潮堤問題を一面トップで取り上げました。


雄勝湾最奥部の地域については、住民合意がいつ取られたのかと住民の方々から疑問の声が挙がり、私は参議院国土交通委員会で、いつ住民合意が取られたのかを質問しましたが明確な答えは得られませんでした。


そして、最近になって大きいことは、
国土交通省は防潮堤計画を立案する際に中央防災会議の報告・提言を元にしたわけですが、その中央防災会議の報告を取りまとめた座長・河田恵昭関西大教授が「L1(レベル1)の最大値で設計しろとは言っていない。震災以前の高さに暫定復旧した後、まちづくりと一体で考えるべきだった」と言っていることです。


法律に基づいて設置されている中央防災会議の考え方とは違うものが立案され実行されていると、河田さんは指摘しているのです。


河田さんは国土防災の第一人者で、防災に関連する学会の考え方は河田さんの考え方に引っ張られると言っても過言ではありません。


河田さんが声を挙げることはそれだけ影響力が大きく、ゼネコンから海岸自然保護の分野まで多くの門下生がいますので、その影響力を考えこれまで大きく声を挙げてこられなかったのだと思いますが、河田さんをはじめ学者の方々も現状のあまりのひどさに大きく声を挙げ始めてきています。


河田先生には、早ければ今週にも改めてお話を聞きに伺う予定です。




『巨大防潮堤、何守る? 高台の移転地は完成 宮城・雄勝』(朝日新聞)