vol.768「名盤発掘:vellaDonna」 | 俺のビジュアル道(笑)

vol.768「名盤発掘:vellaDonna」


vellaDonna「CHAOS」


1.Oracle

2.[keiɔs]

3.STILL ALIVE

4.DIGITAL SUICIDE

5.FEEL BE FORLORN

6.F.F.

7.BLIND OF MINE

8.CAN'T STAY

9.DEFILE

10.蓮華


THREAD WARMを母体とする、Matina所属のビジュアルスラッシュバンド。

“ハイセンス・ネオ・スラッシュ”をキャッチフレーズに、従来のスラッシュとは一味違う独特のスタイルを聞かせてくれたバンドでした。


また、Matina所属とはいえ、社長のKISAKIよりもキャリアも年齢も上のため、MIRAGEよりも存在感があり、若手の教育係や御意見番という印象のポジションだったように思います。

(DAS:VASSERの響兵が態度悪くてシバかれたというエピソードは覚えてる)


こちらのアルバムは、唯一となるフルアルバムで’99年作。

La'MuleやShiver同様、青田買いのBANDAIレーベルからメジャー流通でリリースされました。


#1はSEを多用したインストで、アルバムタイトルが示す「混沌とした音世界」を上手く表しています。


そして、vellaDonnaのレパートリーに限らず、Matinaの歴史の中でも屈指の名曲と呼べる#2はスピーディなスラッシュリフにseekの伸びやかでキャッチーなボーカルラインが乗り、サビ前のブリッジではシャウトの掛け合いも入る、まさに“新感覚”のスラッシュメタルを聞かせてくれます。


この一曲でvellaDonnaの目指す「ハイセンス・ネオ・スラッシュ」がどういう物か伝わるように思います。


この後も、ヘビー&スピーディなリフとスラッシュビートが絡むハードナンバーが並びますが、ボーカルラインはどの曲も基本キャッチーで、メタルに免疫のない若い聞き手が多いMatinaレーベルの中で、上手く受け入れられそうな個性を出していたように思います。


また、高い技術を要するメタルを聞かせているだけに、各メンバーの技術やリフのセンスは高く、特にシングルギターながら重ね録りでハモりフレーズを聴かせるTAKO、シングルギターで音が薄くなる部分をバキバキのハードサウンドでしっかり音圧を底上げするベースのGOMAの弦楽隊は音作りも含め、かなりレベルが高いと言えそうです。


演奏技術の高さは、ファンキーなインストナンバー#6で堪能できるので、インストナンバーが苦手…という方も、是非聞いてみてください。


そして、猪突猛進なスラッシュビートを終始聴かせて一気に終わる…ということなく、前述のインスト#6やアルバムの最後を飾る#10で勢い任せでない緩急を上手く付けた楽曲も聞かせられたのは強みだったといえます。(しっとりと聞かせるようなメロディアスナンバー#10が1分半ほどであっさり終わるのはちょっと物足りなさを感じるけど)


seek兄やんのボーカルは、メロディアスなナンバーが多いですが、若干不安定でピッチがズレ気味の部分もありますが、改めて聞くとそこまで目くじら立てるほどのレベルじゃないな、と。



メロディの質・リフの即効性・演奏技術、どれを取ってもレベルは高く、オススメできるバンドになっています。


特に、名曲#2は必聴。

他にも、リフとメロディが印象的な#3,4,5、ビジュアル系の煽り曲をメタルでやってみた凶悪な#9など、どの曲も実にかっこいいです。


リリース後は再プレスがほとんどされないBANDAIレーベルのため、売り上げは特別すごかったわけではないですが、メジャー流通したため、地方のブックオフにふらっと出てきて特価販売されたり…という事もよくあります。


未聴の方は、是非聞いてみてください。

首がもげるくらい頭を振らせてくれるでしょう。


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vellaDonna

http://ameblo.jp/wacky666/entry-10778503987.html



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