松竹
ギミー・ヘブン スタンダード・エディション

監督:松浦徹
出演:江口洋介、安藤政信、宮崎あおい、
    松田龍平、石田ゆり子、鳥肌実
(2005年/日本/121分)
この世界は偽物(フェイク)だ。

他人は、ぼくが見てるように世界が見えているのだろうか。
それは、誰にも理解できない絶対孤独の恐怖――


『松田龍平が出る!』のでチェックして、そのまま忘れていた1本。
まず、《共感覚》とはなにか-Yahoo!辞書、大辞泉によると
音を聞くと色が見えるというように、一つの刺激が、それによって本来起こる感覚だけでなく、他の領域の感覚をも引き起こすこと。
と書かれている。ふむむ。例えば、モノクロでプリントされた数字を見ても、それぞれの数字に色がついていたり、聴いた数字に対しても色が浮かんでくるのだそうだ。すごい!

ヤクザの下請けで盗撮サイトを運営する新介(江口)と貴史(安藤)。面倒見のいい新介に子犬のように懐いている貴史。
あるトラブルをきっかけに、彼らの事務所に高校生、麻里(宮崎)が転がり込んでくる。
麻里はある資産家の養女だったが、義父が何者かによって殺害されその第一発見者となった矢先だった。
のみならず、麻里の不幸に彩られた過去が刑事柴田(石田)によって調べられていく。
麻里が何者かも知らず、新介と貴史は「共感覚」と「麻里」を求めるピカソ(松田)の策略に飲み込まれ-

共感覚をテーマにしたサスペンス。
宮崎あおいファンと安藤政信ファンは必見!あおいちゃん、「純情きらり」以来すっかりファンになったんだけど、桜子とは一味もふた味も違ったくら~い印象の麻里をかわいく(?)演じてましたよ!アーモンド形の目!貴史くんじゃなくても守ってあげたくなりますね!
(龍平は思ったよりも出番が少なかったのが残念でしたが、表情のない役似合ってました・・・)
&熱い江口洋介も好きなので(笑)あちこちのユーザーレビューで評価が低かった割には楽しめた!(私は!)

世界は子供の目には違って映るとよくいいますが(虹とかね♪)、隣にいる誰かの目に映る空が必ずしも「青」ではないんだなぁ、とハッとした気分。共感覚者には数字は色を伴って見えるし、食べものには味ではなくて形がある。スプーンはタンポポに見えて、雨はガーベラ。ラストの「ふたり」がめぐりあうシーンはなんか切なかったなぁ。

それから!子供たちの傷害事件や自殺が相次ぐこのごろ。
映画の中では「生きているのか死んでいるのか確かめたい」「自殺する瞬間の映像を流す」「死にたい」といった暗い面もたくさん出てくるのですが、江口洋介が『簡単に殺すなよ!』『どいつもこいつも勝手に死にやがって!』と怒ってました。ホントにそうです。
「子供が自殺した」報道を聞くたびに「なんてもったいない」と思います。死にたいほど辛いと思うことは人それぞれで、一概には「そんなことで!」とは言えないのは分かっています。でもね、たった十数年しか世の中のことを知らないで死んでしまうなんて、もったいなさ過ぎる!楽しい未来が待っている(かもしれない)のに!たった二十数年しか生きていない私ですが、十代からこっち、辛いこともあったけど圧倒的に楽しいことの方が多かった!狭い世界しか知らないでこの世を去ってしまった子供たち、ほんとにもったいないことをしたね。今死にたいと思っている子供たち、もったいないよ。進学したり社会に出たり、環境が変われば新しい出会いもあるし、心から楽しいと思えることに出会えるかもよ。趣味に目覚めたり、生涯のパートナーに出会ったり(いや、これは私も未体験なので、力説はできないですね)今、過敏すぎる心を抱えたあなたも、きっと歳を経るにつれ柔らかいソフトな心に変われるはず。早まらないで欲しいなぁ。と、映画にかこつけ最近思うことを書き連ねてみました(゚ー゚;
ふぅ。

あと音楽!とてもよかったな。これは是非サントラチェックせねば!
私知らなかったんですけどnido ってバンドでもあり、音楽プロジェクトでもあるんですね?Ashの古谷氏や武田信治氏。
切ない曲調のものが多かった。エンディング&あおいちゃんがピアノで弾いていた曲竹仲絵里“gerbera” (OMG試聴アリ)は早速着メロをダウンロードしてみた(笑)うーん、静かな曲だから鳴ったの気づかないかな?

刑事モノである必要性はイマイチ「?」だけど、私は好きです、こーゆうの!