ワインインポートコンサルティング㈱ 代表取締役社長 岩元 渉のブログ

ワインの販売事業者様・輸入事業者様に経営的観点から知見を提供致します。


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現在世界のワインの消費の中心は紛れもなく中国にあります。

その中国の中で消費を推進してきた地域は、上海・広州・深センといった中部から南部の都市でした。

しかし最近は北部の都市でもワインの輸入量が急増しています。

今日の記事では、中国の貿易当局が発表した最新のデータを元に、中国のワインの消費傾向を分析していきたいと思います。

そしてその中から、今後の世界のワイン業界の潮流を占っていきたいとも思います。

 

さて中国の貿易当局は、2017年の上半期の輸入統計を発表しました。

それによりますと、天津港におけるワインの輸入額が急増しており、その金額は7927USドルに達したとの事です。

この金額は、前年同期に比べて141%を記録しており、中国のワイン市場における天津港の役割が大きくなっている事を理解できます。

 

ではこの天津港は、中国のワインマーケットの中でどのような役割を果たしているのでしょうか。

次にその点を考えてみましょう。

 

そもそも天津は中国の北側の海岸部に位置し、北京への物流の拠点として発展してきました。

その貨物の取扱量は世界3位という巨大な港です。

ちなみに日本で最も貨物の取扱量が多いのは名古屋港ですが、世界の貨物の取扱量ランキングでは15位となっている事を考えると、天津港は物量・金額共に桁違いに大きな港と言えます。

 

しかし天津港と言えば、2015年に発生した爆発事故を思い起こす人も少なくないかもしれません。

この爆発事故では自動車1000台が延焼し、最終的には死者165人、行方不明者8人、負傷者798人の大惨事となりました。

この様子は当時の日本のテレビでも何度も流されていたため、ご記憶の方も多いはずです。

この事故を境に、天津の港湾地域の経済は大打撃を受けました。

とはいえ、予想以上に天津港の復旧は早く進み、2015年末の時点では通常通りの貨物業務が行えるまでに復旧していました。

 

このように天津港は中国の北方地域における物流拠点となってきた訳ですが、ワインの取扱量という面では、中部や南部に大きく後れを取っていました。

中国国内のワインの輸入量においては、上海港の取扱量が圧倒的に大きく、次いで広州港や深セン港が追随していました。

これは、中国では中部や南部でのワインの消費量が非常に大きく、一方で北部においてはワインの消費量が小さい事に起因したものでした。

 

確かに上海に行けば、東京を凌駕する様なお洒落で先鋭的なワインバーが数多くあります。

また広州や深センでは街中の至る所にワインショップがあり、庶民の生活にワインが根付いている事を感じさせてくれます。

一方で北京では、ワインバーやワインショップの数は増えているものの、上海や広州・深センに比べれば、その数はとても少ない状況と言えました。

 

しかし上述の通り、ここに来て天津港のワインの取扱量が急増してきました。

これは北京を始めとする中国の北部においても、いよいよワインの消費量が急増してきた事を意味しています。

そして注目できるのは、輸入統計の内訳です。

天津港で取り扱われた輸入ワインの内、最も大きな伸び幅を見せたのはフランスワインで、その数量は843万ℓに達しました。

これは前年同期比に比べて、145%という驚異的な数字となっています。

 

このデータからどのような点を読み取る事ができるでしょうか?

それは「中国にワイン文化が着実に根付いてきている」という事です。

 

例えばフランスワインはチリワインに比べると高価です。

実際日本ではフランスワインの消費量は年々減少しており、一方でチリワインの消費量は年々増加しています。

しかし中国では逆の事が生じており、例えば天津港では上半期のデータを見ると、チリワインの輸入量が減少しています。

これはつまり中国のワイン消費傾向が、「量から質」にシフトチェンジしてきている事の明確な証拠と言えます。

 

このような状況ですので、フランスのワイン業界はこれまで以上に中国へのワインの輸出に注力しています。

PRの予算も中国を中心に割いており、中国国内では世界的規模のワインの展示会が毎月の様に開催されています。

一方で日本では、ワインの輸入量は微増しているものの、輸入金額では微減しています。

つまり日本では中国とは逆に、「質から量」にシフトチェンジし始めているのです。

 

日本のワイン事業者は、この事実に目を背けるべきではありません。

既にアジアのワイン市場の中心は、日本から香港・中国に移ってしまっていますが、今後は更にその傾向が顕著になって行く事でしょう。

特に弊社は、日本に加えて香港でのワインのコンサルティング業務を生業としている事から、その事を強く感じている今日この頃です。

 

今日の記事では、天津港におけるワインの輸入量が急増している点を取り上げました。

これからも弊社は、この様な最新の世界的な統計情報を発信していきたいと思います。

 

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

 

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