任期中の消費税率引き上げを「封印」した鳩山政権が、増税路線にかじを切り始めた。菅直人副総理・財務相は13日、「(増税は)必ずしも景気にマイナスではない」と発言したほか、政府税制調査会は14日に学識経験者で構成する専門家委員会を開き、消費税見直しに向けた本格議論をスタートする。着々と増税への布石を打つ政府だが、その裏には増税を「悲願」とする財務省の思惑が透けて見える。

 「増税の経済への影響を再検証している」。同日の閣議後会見で菅財務相はこう述べ、参院選前の増税論議をタブー視しない考えを強調した。仙谷由人国家戦略担当相も「今の税収のままならば(財政的に)壁にぶち当たる」と指摘、任期中の増税を凍結した鳩山由紀夫首相の方針転換の必要性に踏み込んだ。

 増税論議が活発化し始めたのは、7月の参院選をにらんで税制、財政再建の枠組み、経済成長戦略など経済政策に関する政府のすべての会議が「5~6月に一定の結論を出す」ことを求められているからだ。

 とりわけ消費税のあり方は、税収はもちろん、悪化に歯止めのかからない財政や回復途上の景気に影響を及ぼすため、早めに方向性を打ち出す必要に迫られている。

 関係者が注目するのは、最近の菅財務相の発言。平成23年度から議論するとしていた消費税について「22年度予算案が成立した段階で本格議論を始める」と転換したうえで、税制改革と財政再建の道筋を示す「財政健全化法案」も今国会に提出する意向も示した。需要サイド(消費者側)重視の「積極財政派」から「財政規律派」にくら替えしたともとれるだけに、与党内には「財務省に取り込まれたのか」(幹部)との声もある。

 財務省の試算によると、医療、年金などの社会保障費は25年度に今年度比で3兆円増の30兆円に達し、一般会計総額も初めて100兆円を突破する見通し。一方、税収について財務省は「(景気に左右されやすい)法人税に期待できない」(幹部)とし、消費増税が不可欠との思惑をにじませてやまない。

 「税と財政出動によるお金の潤沢で安定した循環をもたらし、国民に安心感を与える」と語る菅財務相の本音は「デフレ脱却のための増税」。この強気の裏には「国民には増税に関して昔ほどアレルギー反応がない」という読みもあるという。   (田端素央)

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