宮崎県の口蹄疫(こうていえき)問題は18日、感染蔓延(まんえん)地域の家畜が事実上、全頭殺処分される方向で進み始めた。

 感染していない牛や豚にはワクチンが投与されるが、埋却地が確保されれば殺処分される。地元からは「仕方ない」とする一方で、「耐えられない」との嘆きの声もあがった。

 「ワクチンを投与してもいずれ処分される。殺されるのを待つだけの牛たちを見るのはもう耐えられん」

 宮崎県川南(かわみなみ)町で乳牛と肉用牛約500頭を飼育している吉松孝一さん(53)は、生まれたばかりの子牛を見ながら嘆く。この子牛も処分の対象となる。

 やるせないが、「仕方ない。埋める場所は限られている」とも思うという。

 殺処分となった牛や豚を埋めるための土地不足は深刻化している。農林水産省は一時、川南町内に所有する国有林内に埋めることも検討したが、「山林が下流の水源になっているため難しい」(林野庁幹部)として見送られた。

 そこで、浮上したのが今回のワクチン投与による「時間稼ぎ」だ。感染しても、ウイルスを増やさないようワクチンを接種して一定期間は生かしておき、埋却地確保のメドが立てば殺処分するという方法だ。

 ただ、私有財産の侵害にあたるため、農家から同意を得なければならない。

 別の同省幹部は「無理やりに投与はできない」と話している。

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