東京都看護協会の嶋森好子会長は5月15日、東京都内で開かれた「医療安全全国共同行動“いのちをまもるパートナーズ”」の2周年記念フォーラムのワークショップで「中小規模医療機関の医療安全対策」をテーマに基調講演し、中小医療機関で医療安全対策を実施するには、院長がリーダーシップを発揮し、医療安全を優先する理念を明示すべきだと述べた。

 嶋森会長はまず、中小医療機関での医療安全対策は、大病院と比べてあまり進んでこなかったと指摘。その上で、「患者が最初に行く医療機関が安全でないということは非常に問題なので、きちんとやっていくことが大きな課題」と述べ、助産所を含む中小医療機関がしっかりとした医療安全対策を立てる必要性を強調した。
 また、中小医療機関では、規模にかかわらず侵襲性の高い治療が行われているとして、「(自施設が)どういう診療を行っていて、どういうタイプの医療機関なのかを考えて安全対策を立てる必要がある」と述べた。具体的には、病床の有無、スタッフの人数、侵襲的医療行為の有無や危険薬剤、高度機器の使用の有無などによって小規模医療機関を3つのタイプに分け、それぞれに期待される医療安全研修を紹介した。

 さらに、実際の取り組み事例などに触れ、医療安全対策を実施するに当たっては、▽診療業務のプロセスを分析し、自施設の安全対策の自己評価をする▽明らかになった課題への対応策を、共同行動の取り組み事例などを参考に実施する▽実施後、問題が解決したか評価を行う―ことが必要だと指摘。その上で、「施設長、院長が医療安全にしっかり取り組めば、(現場)全体で取り組むことができる」と述べ、院長が十分なリーダーシップを発揮し、医療安全を優先する理念を明示する必要性を強調した。
 このほか、問題抽出から対応策の実施まで全員参加で取り組むことや、職員の安全意識を高めるための定期的な研修を行うことを提案。自施設で行えない研修については、地域の中核病院や専門職能団体と連携して確実に行うよう呼び掛けた。


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