第39話「拝啓ウルトラマン様」

 この作品、面白いです。ウルトラマンを脅迫する人間の超能力者というプロットも面白いし、これをスタイリッシュな映像に撮り上げた川崎郷太監督もさすがです。多少、脚本に無理がないわけではないのですが、演出の力でそれを感じさせません。それにしても、ダイゴのいい人ぶりがあって初めて成立する話ですよね。これ。

Kirino_makio

 ドラマの上での見所は,ダイゴとキリノ・マキオの対話,そして,キリノ・マキオが心の移り変わり。ウルトラマンが,いや,ダイゴがひたむきに誰かのために闘う姿がキリノに再び心の光を灯します。ウルトラマンを見て前向きな気持ちになるというのは,キリノ・マキオだけでなく,見ている我々も同じですよね。それだけに,ラストの「人間誰もが持っている、たとえば勇気とか、愛とか言う力。 ー中略ー ウルトラマンというヒーローに憧れと誇りを持てる、ごく普通の人間として・・・」という締めが生きてきます。なるほど,それが我々がウルトラマンを見続けている大きな理由の一つなんだなと思いました。

 

 特撮場面にも力が入っていました。ビル街を進む怪獣。徹甲弾を乱射しながら垂直降下するGUTSウィング2機が怪獣直上で引き起こして分かれるシーン。そして、戦いを見つめるキリノ・マキオの眼鏡にティガと怪獣の姿がちゃんと映り込んでいる!

 

あらすじ

 

主人公:ダイゴ、キリノ・マキオ

 

 

 「拝啓ウルトラマン様」ダイゴの元に衝撃的な出だしで始まるe-mailが届く。送り主はテレパシー(telepathy:精神感応)、プレコグニション(precognition:予知)ができる能力者キリノ・マキオ。彼はその能力ゆえ、幼少の頃より迫害されてきた。同じ超常能力をもつウルトラマンが賞賛されるのはおかしい。次に怪獣が現れたとき、もしウルトラマンに変身せずに倒さなければウルトラマンの正体を世間に公開する!しかし、レナの絶体絶命の危機にダイゴは迷わず変身する。「Game Over。」冷たく言い放つキリノ・・・

 

今回、印象に残った台詞

 

 

キリノからのメール

 

拝啓,ウルトラマン様。

 

 

 あなたのご活躍いつも遠くから拝見しております。

 人類の平和を守る正義の超人。でも,僕はそんなあなたを好きになれない,むしろ憎しみすらも感じるのです。

 

 一度あってゆっくり話しませんか?すくなくとも僕にはその権利があるはずです。

 

 明日正午,K1地区のショッピングモールで待っています。必ずひとりで来て下さい。お互いにとって有意義な時間となる事を祈って。

キリノ マキオ

 

レナ「ダイゴ,いつからか変わったよ。」

ダイゴ「へ?」

レナ「人や自然を見る眼差しがすごく優しくなった。」

ダイゴ「そんなこと言われたって何も出ないよ。」

レナ「でも、ときどきすごく辛そうな目もする。話してよ。自分だけで悩んでることがあったらさ。あたしたち家族みたいなもんだって,いつかリーダー言ってたじゃない。」

ダイゴ「ありがと。でも,今はまだ言えない。」

レナ「今はまだ?」

ダイゴ「きっと,話せる日が来ると思う。そのときまでは・・・」

 

 

 

ダイゴ「大勢の人の命を救える力があるのに,なんで正しく使わないんです」

 キリノ「君は何故,自分の正体を隠すのか?」

ダイゴ「え?」

 キリノ「もし,ここで僕の能力が知られたらどうなりますか?誰もがどの馬が勝つか知りたがる。でも,全員がそれを知ってしまったら,レース自体の意味がなくなってしまう。つまり,秩序が崩壊するわけです。誰もそんな事望んでいないんですよ。超越した存在など,恐怖以外の何者でもない。僕たちはたちどころに化け物扱いだ!そうでしょ?なのに君だけがヒーローとして賞賛されている。そんなの不公平だ。許されるわけがない!」

ダイゴ「僕が賞賛されているわけじゃ・・・」

 

レナ「ティガが来てくれたら。。。」(じろっとダイゴを睨む)

 

キリノ「僕は・・・僕は、人間だっ!」(天を仰いで叫ぶ)

 

キリノからのメール

 

拝啓,ウルトラマン様。

 

いや,ダイゴ隊員。

ゲームはどうやら僕の負けです。

君がみなに賞賛されているのは、その特殊な能力のせいではないことに気づきました。 それはきっと、人間誰もが持っている、たとえば勇気とか、愛とか言う力。 この街で生きていける、今は僕もそんな気がします。 自分の力に頼ることも怯えることもなく、ウルトラマンというヒーローに憧れと誇りを持てる、 ごく普通の人間として。

 

追伸:

  忠告を一つ。

  君といたあの女性,結構気が強いよ。くれぐれも尻に敷かれることのないように。

 

あたってるううううう

 

 

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