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2015年11月24日(火) 20時20分42秒

下町ロケットに見る特許権の重要性

テーマ:知的財産の話題
下町ロケット、面白いですね。

今回は、このドラマで出てくる特許訴訟を取り上げてみたいと思います。

ドラマでは、N社がT製作所を特許権侵害で訴えました。侵害行為の差し止めと90億円の損害賠償を求める内容です。この請求が認められれば、T製作所は対象製品を製造販売できなくなり、多額の賠償責任を負うことになります。

僕も色んな特許訴訟を担当させていただいたことがありますが、これらの訴訟には競争上の優位性を確保するという目的がありました。自社製品と同じ長所を持つ他社製品があるとして、その他社製品の長所が自社製品と同じ(ような)技術で発揮されているとしたら、他社製品を排除して、自社製品をもっと売れるようにしたいと考えるのは自然なことです。

しかし、ドラマでは、買収を目的にして特許訴訟を提起していました。すごい発想です。

N社はT製作所の発明に改良を加えて独自に特許を成立させ、その特許をもとにT製作所を訴えた様子でした。しかし、もとの基幹技術はT製作所が持っている様子でしたから、N社が敗訴する可能性もあるわけです。敗訴してしまえば、N社の製品は競争上の優位性を確保できません。いや、むしろ、価格やその他の要素でN社の製品が劣っている場合は、市場で駆逐されてしまうかもしれません。そう考えると、敗訴する可能性のある特許訴訟は提起しにくいはずですよね。それなのに、N社は特許訴訟を提起した。それは、対象製品のみの競争上の優位性を確保するのではなく、T製作所をまるごと吸収して、製品も技術も我が物にして、競争上の優位性を確保するという目的があったからなんですね。繰り返しますが、すごい発想です。

ドラマで描かれていましたように、特許訴訟を提起された会社は、取引先から対象製品の購入を中止されてしまうということがしばしば起こります。それは、取引を続ければ、取引先も特許権侵害で訴えられる可能性が出てくるからなのです。それが主力製品ならば、T製作所のように、深刻な売上減少を招いてしまうことになるおそれがあります。ドラマでは、T製作所の大口取引先がN社と組んでいたという特殊な事情もあるわけですが、一般的にも、特許訴訟を起こされると、売上げが減少して倒産の危機に瀕するということがないわけではありません。特にベンチャー企業ならば想像しやすいです。もともと資金繰りが楽ではないなかで、ようやく事業化(商用化)に成功した製品が特許権を侵害するとのことで訴訟を提起され、売上げが減少するわけです。たちまち倒産の危機に瀕したとしても不思議ではありません。倒産の危機に瀕した企業が自主再建できないとしたら、本当に倒産してしまうか、スポンサーに助けてもらうかなのですが、N社はそうなるように仕掛けていったということなのです。

ドラマでは、T製作所からの逆提訴、T重工からの特許権譲渡提案と進んでいくわけですが、優れた特許権を取得し、周辺技術をうまく補足し、それらを正しく活用できることが本当に大切なんだな、と痛感しました。

特許権は、その賠償金が高額なだけではなく、会社の命運を握る存在であることが珍しくないですから、簡単に考えてはいけません。必ず専門家の知恵を利用しなければなりません。宣伝失礼(笑)。

では、今回はこのへんで。
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2015年10月26日(月) 17時42分58秒

今年の6月に出た優越的地位の乱用の審決について

テーマ:独占禁止法の話題
今日は優越的地位の乱用についてです。



この優越的地位の乱用という言葉は独占禁止法に出てきます。イメージとしては、大手企業が零細企業に対して不当に不利益を押し付ける、といったところでしょうか。例えば、大きな量販店などの大規模小売店が卸売り業者に従業員の派遣を求めて売り場の陳列作業を行わせ、大規模小売店はその費用を負担しない、というものが優越的地位の乱用の例になります。そう言えば、この例と同じような問題が数年前に報道されていましたね。

優越的地位の乱用については、2010年以降、課徴金納付命令の対象となり、しかも、公正取引委員会が2009年11月に優越的地位乱用事件タスクフォースを発足させて調査に当たっているということですから、我が社は見つからないと高をくくることは禁物です。見つかったら高額の課徴金を納付しなければならない事態になりかねません。

それで、なんで今ごろこの問題を取り上げるのかと言いますと、今年の6月に公正取引委員会が重要な審決を出したからなんです。優越的地位の乱用と言えば、従来、優越的地位の有無と乱用行為の有無が争点になってきました。そのこと自体は変わらないのですが、6月の審決では、乱用行為が受け入れられている事実があれば、特段の事情がない限り、優越的地位があるといえるとされました。乱用行為があったのは、優越的地位があったからだという論理です。審決では、ほかにも取引依存度なども考慮するとしていますが、今回の審決で、優越的地位の乱用を疑われている事業者の側が特段の事情を立証しなければならないという負担を課せられたと考えられます。少し難しい話になりましたね。今回の審決によって、乱用行為を行っている事業者への規制強化につながるのではないかと考えられているようですね。

さて、今後は、特段の事情をどのように作り出していくかがポイントになるのではないかと思います。特段の事情は、取引事業者間で合理的な内容の合意があること、もしくは、相手方に直接的な利益があることだとされていますので、最初の例で言いますと、卸売り業者に費用を支払うといった合意をしておくと特段の事情あり、ということになるのではないかと思います。

優越的地位の乱用は、ほかにもキャンペーン商品を買わせる、イベントチケットを買わせる、配送料金を一方的に決めるなどの例もあります。



ちなみに、部下におごってやるのだから俺のカラオケを聴かせる、というのは優越的地位の乱用ではありませんが、パワハラかもしれませんので、ご注意を。あ!自分のことかも(笑)
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2015年10月13日(火) 22時23分44秒

ジャパンラグビーでの感動を仕事に生かす!

テーマ:スポーツ好きなんです
ジャパンラグビー…。素晴らしかったですね。南アフリカ戦は泣きました。

弁護士のブログなのに、変な書き出しですみません。実は、熱狂的なラグビーファンでして…。プレーした経験はないのですが、毎年花園で高校ラグビーの観戦を欠かさないくらいのファンです。

今回のラグビーワールドカップでは、ジャパンが大活躍してくれました。決勝トーナメントには進めませんでしたが、3勝1敗は普通なら決勝トーナメントに進める勝敗。海外からも称賛されています。ああ、せめてあと1回、今のチームで強豪と戦う姿を観たかったですねぇ。残念!

ジャパンの戦いには多くの感銘を受けました。南アフリカ戦では相手の弱点を突くアタックを徹底し、サモア戦では相手のキーパーソンを狙うディフェンスを徹底しました。ジャパンは、相手の分析が的確で、定めた戦術を徹底できるチームでした。なかなかできることではありません。そのこと自体素晴らしいのですが、それよりも感銘を受けたことがあります。それは、戦術を徹底できるフィジカル、フィットネスができていたということです。南アフリカのような巨漢相手では、身体や体力が弱ければ、いかに戦術を立てようとも通用しません。これまでのワールドカップでの強豪との対戦がそうだったように。ジョーンズヘッドコーチが就任してからの3年間は、世界で最もハードなトレーニングを実行したと聞きます。その努力を結実させたジャパンを観て、戦術を完遂するための基本・基礎を構築するためには、凄まじい努力が必要なんだなと痛感させられました。そして、そこまで到達するための並大抵でない努力を思い起こし、感銘を受けた次第です。

普段の仕事でも、準備が結果を左右します。きちんと準備できてこそ、いい結果が待っています。訴訟でも交渉でも同じです。今回の大会は自分の日常を見直すきっかけになりましたし、お客様にも準備の大切さを訴えなければな、と思うきっかけになりました。

ジャパンに感謝!ラグビーに感謝!です!

最後に、もう一つ感銘を受けた言葉を紹介します。今回の大会でヒーローになった五郎丸歩選手が前ヘッドコーチのカーワン氏から受けた言葉。今を変えなければ未来は変わらない。まさにそのとおりです!肝に命じたいと思います。
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2015年10月08日(木) 10時39分19秒

ジェネリック家具判決の気になるところ

テーマ:知的財産の話題
皆様

はじめまして
弁護士の西山です。
このブログには初めて投稿させていただきます。
そして、初投稿を機に、独断と偏見でブログタイトルを変更して、自分のページにしてしまいました。投稿が止まっていたブログを一手に引き受けるという勇気を褒めてやってください。よろしくお願い致します。

さて、先日、ジェネリック家具について知財高裁の判決が出ました。

皆様はジェネリックとお聞きになられて、何をイメージされるでしょうか。ジェネリック医薬品でしょうかねえ。ジェネリック医薬品というのは、特許権の切れた医薬品とほぼ同様の効用を持つ医薬品のことを指しています。ジェネリック医薬品は、特許権が切れた後に登場しているわけですから、通常の場合、特許権侵害が問題になることはありません。ただ、医薬品の製造は特許だけでできるものではなく、技術的なノウハウも必要になってきますので、ジェネリック医薬品製造業者がノウハウを盗用したなどの場合は不正競争防止法違反の問題が生じることがあるかもしれません。

話を家具に戻しますと、家具のデザインは、意匠権による保護が考えられます。この意匠権も存続期間がありまして(現在は20年、以前は15年)、ジェネリック家具は、意匠権が切れた家具と同様のデザインを持つ家具のことを指すわけです。では、意匠権が切れたら、芸術的なデザインを持つ家具であっても自由に模倣されてしまうのでしょうか。何か違和感がありませんか?

今回の知財高裁の判決は、家具のデザインについて著作権の保護があり得ることを判断しました。ポイントは創作性があるかどうか、ということなのですが、芸術的なデザインを有する家具は、創作性が認められて著作権の保護を受けることがあり得るということなんですね。著作権の保護期間は死後または公表後50年ですから、意匠権よりもはるかに長いです。

しかし、今回の知財高裁の判決の影響が気になります。家具のデザインの保護期間が、創作性のある家具は死後または公表後50年、創作性のない家具は意匠登録をしていても登録後20年という差が生じてくることになります。家具を製造する業者さんは、先行する家具の創作性の有無を判断してデザインを模倣するかどうかを考えなければならなくなってしまいます。創作性についての明確な判断基準などありませんので、困ったことになりそうです。

もし、相談を受けたらどうしよう、などと考えてしまいますね。
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2012年01月11日(水) 17時33分28秒

明けましておめでとうございます。

テーマ:日々のこと
フォーゲル綜合法律事務所の弁護士の岩田です。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

記事の更新が大変遅くなり、申し訳ありませんでした。
今後、また更新を再開させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さぁ、新しい年の始まりです。
毎年この時期は、新しい年の始まりにわくわくしています。

また、この時期は、この1年の目標を立て、1年をどう過ごしていくか、
ということに思いをはせる時期だと思います。

私個人の目標といたしましては、より一層誠心誠意業務に取り組み、
きめ細やかなリーガルサービスを提供する、ということのほかに、
「運動に励みたい」というものがございます。

もともと運動があまりすきではなく、
さらに、最近の寒さで事務所内に閉じこもっていることが多い毎日です。

心なしか、体が重くなってきたような・・?

そこで、今年はぜひ日常に「運動」を取り入れ、
体力作りに励みたい、というのが私の目標です。

たまに行くゴルフだけでなく、ウォーキングや、ストレッチを日常的に行い、
体力作りと体重減少を実現できるよう、頑張りたいです。

さて、この決意がいつまで持続するやら・・?

本年も、フォーゲル綜合法律事務所をどうぞよろしくお願い申し上げます。
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