VSD100F3.8 | びっくりビクセンBlog

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八代目によるビクセンの褻(ケ)

本日、下記新製品の正式発表を行いました。

「VSD100F3.8」

ビクセンとして、あるいは当社研究開発部に

とって、しっかりとチャレンジしてきた商品と

なります。

ビクセンは、これまでも新製品開発を

積極的に行ってきました。

しかし、正直に申し上げて鏡筒の開発は

遅れていたと思います。

メーカーは、常に開発を行っていないと

いろいろな開発手法(ノウハウ)が

擦り切れてきます。

今回、しっかりと開発に取り組んできた事で

ビクセンは多くの事を学びました。


数年にわたるこの開発は、まず体制作りから

始まりました。開発陣を整え、数々の

試行錯誤をしてきました。

ペンタックス様(当時)から特許権を譲り受け、

125SDPをビクセンとして作り、今年のCP+で

参考展示したのもこうした流れのひとつです。

ここで学んだ事を生かし、出てきた問題点を

潰してきた結果が今回の「VSD100F3.8」です。

まったくの新設計レンズ構成を実現するために

これまでにない投資も行いました。

以前のブログにも紹介しましたが、

大型レーザー干渉計の導入により、研磨面が

製造(研磨)段階で、高精度で品質管理できるように

なりました。このことは、レンズ組み込みの時に

最大の効果を発揮します。通常、レンズ組み込み時には

光軸調整に一定の時間と職人の技術を要します。

これが、レンズセルの方式を変更し、品質管理された

レンズを使用することで、大幅に調整しやすくなりました。

当然、製品全体の品質向上にもつながっています。

レンズの材質、製造工程、コーティングにもこだわることにより

自信をもってお届けできる商品になったと思います。


接眼部については、ヘリコイド方式を採用しました。
 
  
 
15条ねじ(15本の螺旋)は、驚くほどにスムーズで

大型カメラ、冷却CCDカメラなどの重量を

十分に支えてくれるものでした。

加工屋さんの職人さんの手による日本の技術力に

支えられた接眼部となっています。


ところで、ここでは語りつくせないほどのこだわり

をもって製造したこの鏡筒は、ビクセンにとって

どのような意味を持つのか。

それは、やはり沢山の方に星空を見ていただきたい

というビクセンのビジョンから来ています。

星空に興味を持ってもらうためにどうしたらよい

だろう?と常日頃から考えるのが我々の仕事です。

小学校で観望会を開催したり、アウトドアに天体望遠鏡を

持ち込むこともそうした考えに基づいています。

新製品を作るときも同じです。

今回の新製品鏡筒は、明るく平坦(フラット)で

広い範囲の写真が撮れることに徹底して

こだわりました。

なぜなら、この鏡筒で撮影した写真が何もないように

見える暗がりを、鮮やかで躍動的なものに変え、

どこまでも続く星々の広がりを表現できれば、

大勢の方の興味と感動を呼び

星空に興味を持ってもらえるのではないか?

と考えるからです。

この鏡筒で広がりをもった宇宙を切り取る

事が出来れば、その写真は必ず多くの方の心を

掴むのではないでしょうか。

ビクセンの天体望遠鏡で撮影した写真によって、

より多くの方に「宇宙ってすごい」

「星空って不思議」と感じて貰いたくて

この鏡筒を作りました。 

共感して頂ける方に、沢山の素晴らしい写真を

撮影して頂けることを願ってやみません。
 
おかげさまで、日本だけでなく世界各国の

方からお問合せを頂いています。

星空は世界中と国境なくつながっています。

ビクセンのビジョンが世界中に伝わり

どこかでお役に立てるよう、今後も努力して

いきたいと思います。



製品についてはこちらをご覧ください

VSD100F3.8