45年前、大阪万博があった頃から大阪の周辺も開発され、田園地帯もなくなり衛星都市となった。
今年のミラノは時代は変わったもののやはり開発なんだが、普通こういうイベントの開催前に工事が全部終わっているものなんだが、開催から2ヶ月が過ぎた今、あちこちで大規模な工事がまだ行われている。
イタリアらしいと言えば確かにそうなんだが、人々は「万博が終わった頃には工事も終わるだろう」と冷ややかに批判している。

私はミラノから車で38キロ南の田舎で暮らしている。一面トウモロコシ畑の風景、牛の声、小鳥のさえずりなどがいつも聞こえるのどかなところだ。

ミラノに向かう道のりの半分まで来たところにレストランがありそこにお米を配達している。今までは田舎の一本道だったのが高架になった。環状高速道路が横切リそれを越えるためだ。それだけでは終わらず、その高架に到着するまでのいくつものロータリーを作る工事がまだまだ続くようだ。
あっという間にその辺りの景色が変わってしまった。

地図や航空写真で見るとミラノの北部は開発が進んでいて大きな町が多いの比べ、南部は極端に農地が広がる自然を残していた。
イタリア全土で見てもミラノを中心とするロンバルディア州は人口も多く、都市が絶えることなく続くエリアなんだが、北のプレアルプスから南のポー河まで、西のティチーノ河から東のガルダ湖までの平野という平野は人間が作るコンクリートで埋まってしまう。

もちろんこれはイタリアばかりではなく、むしろイタリア以外の先進国の大都市の大きさと比べたらぜんぜん遅れている。それにしてもここ北イタリアのロンバルディア州はよその人たちが想像する「イタリア」のイメージからだんだん離れていくだろう。


この半島が世界の中心だった二千年前の開発と言うとまだまだエコロジックなものだった。ローマ帝国の外では森に覆われた自然の中で暮らす人々は動物から危害を受ける恐怖と戦いながら生きていた。地球規模で見るとそれはそれでバランスが取れていたのだろう。

人間が自然を征服できたのはいいが、人口は増えすぎ、動物も植物も野生の中で生きていく場所はこの先完全に地球から消滅していくだろう。

私は別にエコロジストでもない。しかし、このまま間違った方向へ進んでいくと我々の子孫に残された世界は悲惨になる。開発がいけないのとも思わない。ただ多くの人が金儲けのためなら他人はどうなってもいいと考え、ある価値観だけで行動するのは危険だと思う。
そして強ければ、戦争に勝てば何をしてもいいという考えでことがなされる弊害は計り知れない。
たとえば中国ではほんの少し前までみんなが自転車で移動していたのが、経済が発展することであの大きな人口を抱えた国の人々がみんな車に乗る。
あの国の人にとっては「おれたちだけ貧乏でいろというのはあまりにも身勝手だろう?」というだろう。そうなんだ。この議論に答えはない。

みんなで考えないといけない問題なんだ。
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