8月28日 フローターダム 釣行 | 初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ

初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ

バス釣りド初心者の中年バサーがベイトオンリーで印旛新川に挑みます。

ほそぼそと働いてほそぼそと給料を得て、ほそぼそと嫁さんから小遣いをもらって生活している僕である。

昼にはほそぼそと安売りの弁当を買って腹を満たし、月に一度の贅沢はほそぼそと会社の同僚と安飲み屋に行く程度の、

言わば僕はほそぼそサラリーマンアングラ―なのであって、ほそぼそアラフォー不整脈持ちの頭髪が心配になってきたビール腹オヤジと言って差し支えありません。


そんなほそぼそとした僕にとって、バス釣りにおける消耗品への出費というものが、結構なサイフの負担になっているということは以前にも書いたような気がします。

時間とともに劣化してしまうラインなどはどうしようもないですが、例えばワームなんかは頭が裂ければ裏返して使い、反対も裂ければちぎって使い、どうにもならなくなればライターで溶接し、極力、使える限りは使い続けるように気を使っています。

が、それでもやはり、あちこちが裂けてフックを刺せる箇所もないようなワームについては捨てるしかありません。

ワームについては専用の補修材というものもあるのですが、なにぶん高価で元を取ることが難しく、また、すぐに品質が劣化してしまうために一度開封したら急いで使いきらなければならないなど、色々と制約も多いようです。


ところがそんなほそぼそアングラーである僕の釣り友達の、ほそぼそWestさんからある日いいものを教えてもらいました。







セメダイン



多目的接着剤ということですが、接着した部分が固くならずフックを刺すこともできるようです。

値段も通販で400円程度とお求めやすかったので、試しに購入して家中の使用済みワームを接着してみました。

使った感じですが、接着面は想像していたよりも柔らかく、これならちゃんとフックアップしそうだなと思った一方で、接着後にもう一度使用した場合の耐久性に少し不安を感じました。


もっとも、今までであれば捨てていたワームがもう一度使えるかもしれないというだけでも、万々歳なのかもしれません。

何しろ元値は400円、しかも、最近は一つあたりの単価が200円を超えるようなワームや、高価なスイムベイトも多いのですから。


補修後のワームはまだ実釣していませんが、機会があればまた結果を書きたいと思います。




…ということでフロータ―ダムです。

もともとのキッカケは春先くらいだったでしょうか。

昨年まで主催していた印旛水系の大会にいつもご参加いただいていた「けんけん」さんが、何やらフローターを買ったらしい、ということで、

ではぜひ一緒に行きましょう、なんて話をしていたのが最初だったように思います。


それが、どうせならあの人も誘ってみよう、この人も誘ってみようと、思い当たる限りフローター持ちの友人たちに声を掛けてみた結果、一時期は総勢10名での参加ということになっていたのですが、

ちょっと個人的な話なので詳しくは書けませんが、えっ、と声を出してしまうようなトラブルで参加できなくなった方や体調不良のため断念された方など、

最終的な参加人数は僕を含めて5人となりました。


そもそものキッカケであったけんけんさんも体調不良のため不参加となってしまったのは残念無念ではありますが、またご一緒する機会はいくらでもあるでしょう、

ということを信じて、今回はこの5人で浮きましょうと、僕はワクワクとその日が来るのを待っていたわけだったのでした。



釣りには色々な形態があります。

オカッパリしかり、ボートしかり、

それぞれにはそれぞれの良さがあり、一概にどれが一番だというものでもないのですが、

しかし、敢えて一番好きなスタイルを選択せよということであれば、僕はやはりフローターでの釣りが一番好きなわけです。


自然の中でゆったりと、自分の世界に浸りながら自分のペースで釣りができることも良いし、

水面に近い場所でルアーにかかった魚を間近に確認しながらやり取りするのも良い。

自分一人で浮くのも良いし、気の合う友人たちと浮くのも良い。

オカッパリのチョイ釣りほど気軽というわけではないけれど、ガチガチのフル装備で固めたボート釣行よりは肩の力が抜けている。

その中途半端具合も、僕の性格に合っているのかもしれない。


今回、ご一緒するのはWestさんにかいてんさんにリョウくんにジャーク(☆ニシヒロ)さん。

みなさん、もはや気心の知れた友人ばかり。

これは当日は楽しい一日になりそうだぞ、と思っていたわけだったのですが、












「台風10号は記録的な強い勢力を保ったまま現在北東へ進んでおり…」














…。






…クラッ














台風はアカン。











フローターで台風はアカンでしょう。


ついこの間も1つ2つ台風が通り過ぎたばかりだというのに、性懲りもなくまた来やがったというのか。

どうしましょう、みなさん、いっそ亀山でボートでも出しますか、なんて話をしていたのですが、気まぐれな台風10号はあっちへふらふらこっちへふらふらと進路が安定せず、どうやら関東上陸は翌日の月曜日になる模様。

これならいける!と予定通り決行することになったのでした。





当日。

朝3時半にかいてんさん、リョウくん、Westさんを回収して一路房総へ向かいます。

車1台に4人も乗ると、車内はワイワイと賑やかです。

最近かいてんさんがマグロを釣っただの、リョウくんが琵琶湖へ行っただの、色んな話が飛び交いますが、

結局、落ち着くのはやはり「果たして今日はどうなのか」ということ。


今年は平年からすると空梅雨で雨が少なかったとは聞いていましたが、減水に減水を重ねていた房総のダムはこの数日の台風ラッシュで一気に水位を回復したらしい。

この急激な変化が、バスにどのように影響しているのか。


「こないだの台風からもう4日も経ってるから大丈夫でしょ」なんて声もありますが、そのトーンは少し不安気です。

どうやら僕も含めて4人とも、どうにも最近の急激な雨と水位の回復が、釣りにとってはネガティブな方向に転がっているのではないか、と予想しているようです。

夏の終わり、減水しきったところでの待ちに待った雨、という瞬間はポジティブに働くことが多いと感じますが、あまりにも雨が続いてしまうと今度は環境の変化にバスが付いていけなくなってしまう。

皆、今までの体験からそれを危惧しているようです。



…まぁ、しかし普段からあまり混み合わないフローターダム。

環境のネガティブな要素と、プレッシャーが低いことによるポジティブな要素と、差し引きゼロでなんとかなるんじゃないか、

そんな風に軽く考えることにして、まずはジャークさんと合流すべくダム近くのコンビニへ急いだ僕だったのでした。


4時半に待ち合わせのコンビニでジャークさんと合流し、さて、では予定のポイントへ向かいましょうかと話をしていたところだったのですが、

ふとジャークさんはフローターダムについてかなり詳しかったなと思い出した僕は、何気なく「今日エントリーする場所、今の時期どうでしょう」と聞いてみたのでした。



「実はそこからエントリーしたことないんですよ」


―え、そうなんですか。

「普段は川筋ばかりなんで」


―川筋…。


なるほど、僕は逆に今までダムサイト近辺しかエントリーしたことがなかったです。


…チラリとかいてんさんを見やると、どうやら興味を惹かれている様子。

もともとかいてんさんは、台風でドタバタとやっぱり亀山にしましょうかなんて迷走していた時にも、

「というかこの状況ならダムより川じゃないか」と主張していたのです。


―じゃあ、せっかくなんでダムサイトはやめてジャークさん推薦の川筋にしましょうか。

と言ってみると全員異論は無い様子。


こうして急遽エントリーポイントを変更した僕たちは、ジャークカー先導のもとフローターダムに至る川筋へ向かうことになったのでした。



くねくねとした細道を抜け、橋を渡ると、先導していたジャークさんの車が駐車スペースでハザードを出します。

同じように駐車スペースに入り、エンジンを停止して全員でゾロゾロと車を降り、あたりを見回してみると、どうやら橋のたもとから直接川へ降りられるらしい。



―へー、こんなところからエントリーできるんですね。知らなかった。


かいてん「しかしここの雰囲気ヤバイよね。さっき渡った橋とか見てよ」


かいてんさんが渡ってきた橋を振り返りながらそんなことを言い出します。

…うん、たしかに、ここ10年以上何も補修していないと言われても納得するような外観をしています。


日の出の予定まではあと30分ちょっとということもあって、あたりはまだ薄暗く、シンと静まり返った木々が不気味な雰囲気に拍車をかけています。







…ゾワッ。





―いやいやいや、変なこと考えちゃうから勘弁してよ。



どうやらこのかいてんさん、普段からわりと怪談やら心霊やらに興味があるようで、今まで別の釣行にご一緒させていただいた時にも、

助手席で「なんーだか変だなー、なんーだかおかしいなー」と稲川淳二のモノマネをしながら僕に怖い話を聞かせようとしてきたことがあったのでした。

その都度、僕は高いところとお化けがダメだから勘弁してくれと伝えてきていたのですが、ここにきてまたその悪癖がチラリと顔を出してきたようです。






リョウ「そういえば、この間、会社の先輩と夜釣りに行ったんですよ…」






…リョウくんが(僕の)空気を読まずに唐突に何やら語りだしました。

この語り口調は非常に悪い予感がビンビンしてきます。






リョウ「川の沿道から岸に降りて釣りしてたんですけど、気がついたら沿道に女の人が立ってて、こっちを覗いているんですよ」

リョウ「こう、左右に体を傾けながら、なんかずっと覗きこんでるんですよね」

リョウ「ずーっとそんなことやってるもんだから、さすがに気になっちゃって、先輩と様子を見に行ってみよう、って話をして」

リョウ「沿道に登ってその人のところへ行ってみたんですよ」

リョウ「…そしたらその人、スゥっと消えちゃって」


















…。











…なぜ、いま、どこに、その話をする必要があった?









怖えー、それ怖えー、とゲラゲラ笑いながら興奮しているかいてんさんと、マジですよ、マジですって!を繰り返しているリョウくんを横目に見ながら、僕は怒りにも似た感情を静かにたたえていたのでした。


僕がそんな感じでムッツリとしていると、


かいてん「まぁまぁ、ね、ちょっと川の状況でも見てきましょうよ」



…。

僕が怖いものが苦手ということを知っているかいてんさんが、場の雰囲気を変えようとしたのか、そんなことを言ってくれました。

まぁ、僕も37の大人ですから、20の若者にお化けのことで説教するほどみっともないこともないでしょう。

お陰で我に返った僕は、ちょっと大人気なかったと反省して、かいてんさんの言うとおり川の様子を見に行ってみることにしたのでした。


…そこの橋の上から状況が分かるかな?


スタスタと歩いて行くと、






















かいてん「ワッ!!!!!」




ギャーーーーーーーーーー!!!!!!!!











…腰を抜かした僕が振り返ると、ゲラゲラ笑いながら逃げていくかいてんさん。



プチーーーン!!



―コラァ!!!!!!!






かいてん「アハハwwwごめんなさいwww今のwビジ夫さんwタイミング最高だったwwwww」



…一分前にお化けごときで大人げないと反省した気持ちを空の彼方に放り投げて、かいてんさんに詰め寄る僕と逃げるかいてんさん。

それを見て笑うリョウくんに、呆れ顔のWestさんとジャークさん。



West「そんな怖いものダメなのによく房総で釣りできますね」

ジャーク「そろそろ日も出ますし、準備しちゃいましょうよ」


…大人二人にたしなめられて、ようやく正気を取り戻した僕は、かいてんさんに貸し一つだなと心の中でカウントして、いつどうやって返してもらおうかと、そんな底意地の悪いことを考えながらフローターの準備を始めたのでした。




さて、あたりも白々と明るくなってきて、無事にエントリーを済ませたのはいいものの、右も左も分からない僕はどちらが上流方面でどちらがダム方面なのかとジャークさんに確認してみます。


ジャーク「左手側が上流ですね」


…なるほど。


そして皆さん、何も言わずとも上流方面へ流していくつもりのようです。

せっかく川筋にエントリーすることにしたのですから、いつもやっているダム方面よりは上流方面へ進んでみたいというのが人情なのかもしれません。


…僕もそれに倣って上流に行ってみようかな、

そんなことを考えていたところ、



かいてん「きたきた、さっそくきたよー!」



おお、エントリーしたばかりだというのにかいてんさんが釣った!


―何で釣った?

かいてん「シャッドですね。ここのメインベイトはワカサギみたいなんで。あわせてみました」


…なるほど、秋のマッチザベイトを意識したということか。



かいてん「またきた!…お、これはそこそこ良いよ!」


またシャッド!しかも今度は40アップ?やるなぁ。



どのくらい潜るシャッドなのかはわかりませんが、巻物を追いかけてくるというのですから活性は良さそうです。

台風を受けて、魚の活性を一番心配していたのですが、どうやら杞憂だったのかもしれません。

ただおそらく、魚は既に秋モードへ移行しているでしょう。


…どうしようかな、僕も真似して水中のベイトを意識した巻物を使ってみてもいいけれど…。

…でも、始まったばかりで人真似はあまり芸が無いし、活性が良いならまずはトップを試してみようかな。



手にしたのはいつものプロップペッパーです。

初場所でポイントも分からず、ざっくり流しながら撃っていくには都合の良いプロップペッパー。

最近は、まずはハイフロートのジャークベイトから、という流れもお気に入りなのですが、今日はジャークさんがいるので封印します。


そもそもが、あまり周りの人がやらないことをやれば釣れるんじゃないか、という安易な発想からやっているという意味合いもありますから、

その考えでいくと、本職がいる今日はジャークベイトにこだわる必要はないのです。


…とかブツクサ色々考えながら流していきますが一向に反応がない。

濁っていて水中は見通せませんが、ひょっとしたらチェイスくらいはしているのかもしれません。

我慢強く投げ続けてみます。







…。







うーん、活性は悪くないけど水面を意識している感じではないのか。

あれ、そういえばかいてんさんはあれから釣ったんだろうか。

かいてんさんの方に寄っていってみます。



―あれから、どう?


かいてん「反応ないっすね。朝イチだけだったみたいです」


…う。

朝イチにポンポンと出て、お、今日は良さそうだぞ、じゃああれを試してみようか、

…なんて余裕をかましていたら、結局釣れたのは朝だけだった、なんて経験をしたのは2度や3度ではありませんが、まさか今日もそんなパターンなのか。


かいてん「なんか、ズルしてる人いわく、魚のレンジは5mくらいらしいですよ」

―…ズル?


かいてん「ニシヒロさん、魚探積んでるんですよ」

―えっ、フローター釣行なのに?一人だけ?


―…ズルい!!

二人でニシヒロさんを囲んでズルだズルだと非難しますが、まさか魚探を外せと言うわけにもいきません。


いずれにしてもズルジャークさんの情報によると魚は低いレンジに集まっているようですから、このまま上流方面へ向かっていくというのは果たしてどうなのか。


かいてん「逆かもね」

―…だねぇ。


どっちかというとダムサイト側へ向かったほうが可能性が高い気がする。

Westさんとリョウくんにも事情を共有して、もと来たルートを引き返していきます。


…しかし、5mか。5mはちょっとキツイ。

そんな深いところ探れるルアーは持ってきていない。

撃ちモノのリグを落としこんでいくか、あるいは深場から引っ張ってくるか…。


…ビッグベイト?


みちみち、引き返しながらジョイクロを流してみます。

タダマキしたり、ジャークを入れてみたりしますがチェイスすらありません。


―うーん、こりゃ本格的に表層系はダメなのかもしれないぞ。

どうしたものか悩みながら、2~3mのミドルレンジを引けるクランクで流していくと、やがてエントリーポイントを過ぎ、今度はダムサイト側へ進んでいきます。

ジャークさんが先陣を切ってどんどん進んでいくのを追いかけていたのですが、ふと振り返ると残り3人が付いてきていません。

僕らの進むペースが早すぎた、というより、おそらく残り3人はスローダウンしたのでしょう。

つまり、撃ちモノを試しているのではないか。


―うーむ、撃ちモノかぁ…。


深場に魚の反応があり、底から引っ張ることもできないとくれば、素直に撃ちモノを試すのも道理という気がします。

ただ、これだけ広いフィールドをゆっくり撃ちながら進んでいくというのも、ちょっぴりもったいない気もするのですが…。

しばらく悩みましたが、結局ヘビダンをセットすることに。

これで岸際を撃ち、底をとったらすぐ回収して進んでいけば、それほどペースも落ちることはないでしょう。


岸際にキャスト。

ラインが落ち込んでいくのをじっと待ち、フッ、と糸フケが出た瞬間。



…ん?あれ?

ちょっとした違和感にロッドを煽ってみます。

―あれ?なんだ、ゴミ?




ん?バス!?
















1



ちっさ…。


しかし、今日の初バスです。

底を取ってリグが倒れこんだリアクションでしょうか?


バスに御礼を言ってお別れすると、きちんと底を取ることを意識して投げ続けてみます。

岸からギリギリまで距離をとって投げ、リグが極力カーブフォールしないようラインスラックに気をつけて、底を取ったらしばらく動かさずに待ってみる…。

自然と移動するペースが落ち、ジャークさんに置いて行かれます。

そのままゆっくり進んでいくと、やがていくつかの川筋が合流して開けた場所に出ました。


―ダムサイトに出たんだろうか。


ジャークさんは左手側の岸沿いを進んでいるようだから、じゃあ僕は右へ行こうか…。

…ん、この辺は底に立ち木が植わっているのかな?

ちょっとだけ引っ掛けて外してみると…、














2

3



これまた小さいけど釣れた。

3匹目なんて、このサイズがよく喰ったもんだ。


…うん、やっぱり魚の活性は悪くないんだと思う。

さっきまでは攻めてるレンジがだめだったってことなんだろうなぁ。



…あ、かいてんさんが追いついてきた。


―かいてんさん、どう?

かいてん「さっきそこの岬でテキサスで一本追加しましたけどね。ビジ夫さんは?」


―ヘビダンで3本釣れたよ、一応。

かいてん「あ、釣れたんですね。どんな感じですか?」


―岸撃ってベタ底だよ。それに立ち木とかストラクチャが絡むと釣れた感じだねー。ちっちゃいけど。




いったん、情報を交換してかいてんさんと別れます。



…テキサスで釣ったってことは、多分かいてんさんも似たような感じなんでしょう。

活性の高い、小バスが底に溜まっていることは分かった。

じゃあ、デカいのはどこにいるんだろう?

このままここでヘビダンを続けていてもデカいのが釣れることはない、そう判断してロッドを変えます。


…もしも中層でベイトを追い掛け回しているなら、やっぱり巻物?

それとも、ところどころにある浮きゴミのようなカバーに絞って重めのテキサスか直リグを試してみようか…。


…あ、ジャークさんからLINEの着信が。



ジャーク「先に帰ります。お疲れ様でした!」




―えっ、まだ11時前ですけど!?


ああ、そう言えばエントリーする前に早上がりするかも的なことを言っていたような気もする。



ジャーク「大きいのは釣れませんでしたが結局8本でした」


…8本!


ジャークさんのことだから撃ちモノはやっていないはず。

途中までジャークベイトには反応が無かったように見えたけれど、何かルアーを変えたのか、いい場所を見つけたんだろうか。

気になってジャークさんがやっていたであろう方面へ向かってみます。



…あ、またかいてんさんだ。


―ねぇ、ジャークさん8本釣ったらしいよ。



かいてん「さっきこの辺で連発してたの見てましたよ」

―あ、ほんとに?何で釣ってたかわかる?


かいてん「バイブみたいでしたけどね」

…バイブ?



やはりジャークベイトは諦めたのか。

しかし、ジャークするからジャークさんなのにジャークしないジャークさんとはこれいかに。


いずれにしてもバイブってことはそれほど深いレンジを引いていたわけではないんだろう。

さっきまで僕もクランク結構引いてたんだけどなぁ。

場所の問題ってことなのか。


かいてん「それはともかく、これ見てくださいよ…」

…ん?どしたの?


―あ、ロッドティップがぷらーんってなっちゃってるじゃん!どうしたの!

かいてん「キャストする時、ティップにルアーぶつけちゃったんですよ…」


―えーっ!それで折れたの!?

かいてん「その時は折れてなかったんですけど、ダメージがあったみたいで力を加えたらポッキリと」




…。


かいてん「…。」






…この落ち込み具合からすると、たぶん、お高いロッドなんだろうなぁ。



かいてん「…今日、何時くらいまでやりましょっか」

―そうだねぇ、ジャークさんもあがっちゃったし、僕らも引き返そうか。

Westさんもリョウくんもイマイチっぽいし…。


…なにより、かいてんさんは釣りを続けるような心境じゃないだろう。

ちょっぴり気の毒だから、朝の貸しにしておいた分は帳消しにしてあげよう。

Westさんとリョウくんに、戻りますよと声をかけて、道中を撃ちながら引き返していくことにしたのでした。





…その途中にあったゴミだまり。















4




…あ、ちょっとマシなサイズが釣れた。

しかし、今日は本当にわからなかったな。

川筋じゃなくてダムサイト側が正解だったんだろうな、という程度で、結局大きいのがどこにいたのかサッパリだった。

丁寧に底を取っていけば小さいのはたくさん釣れる感じはしたけれど…。



12時ちょうど、ちょっと予定よりは早かったですが、納竿としたのでした。





…帰りの車中。

かいてん「このロッド、たしか買ったのが去年の9月だったからまだ保証が残ってるはず」

―おお、よかったじゃん!いやよくはないけど。


かいてん「たしか、免債5000円か6000円くらいだったと思うんだよなー」

―へぇ、安いね。良心的なメーカーだよ、そこ。


かいてん「◯◯◯とか△△△とか免債でも高いですからねー」

West「✕✕✕とかも新品の半額くらい取るでしょ」

リョウ「□□□は多少マシらしいですけど」

かいてん「一年使わせてもらって、また5000円で新品が手に入ると思えばね」

West「ポジティブやなー」

―いや、でも実際、その考えもアリだと思いますよ。よかったね、かいてんさん。




…思わぬトラブルでしたが、最終的にはよかったよかった、めでたしめでたしということで、落ち込んだ空気を引きずることなく帰路につくことができたのでした。




3人を無事に送り届けて帰宅し、やれやれ、あともう一仕事、とフローターの後片付けをしていると、ピロリンとかいてんさんからLINEが。






かいてん「免債額、定価の半額でしたわ…」











…。






返信のしようがない…。

そっとスマホの画面を閉じると、再びフローターの後片付けを再開した僕だったのでした。