㈱ タバタTUSA 広報

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こんばんは。


今回は、前回の記事に続き、
最近分析した減圧症罹患者のダイブプロファイルに関して書きたいと思います。

この例は水面休息時間の大切さ、そして休息時間と潜水計画を
結びつけて考えなくてはいけないことが良く分かる事例です。


まずは、その前に、前回ご紹介したある減圧症罹患ダイバーの分析結果をご覧ください。

「最近分析した減圧症罹患者のダイブプロファイル」
 (←クリック)


さて、今回分析した方のダイブプロファイルですが、
私がいただいた情報は以下の通りです。

1本目
最大水深:33.3m、平均水深:12m、潜水時間:65分

水面休息時間:55分

2本目
最大水深:27m、平均水深:12m、潜水時間:66分

水面休息時間:1時間50分

3本目
最大水深:19.2m、平均水深:13m、潜水時間:68分


その情報を基に、比較的安全な潜水軌跡にザックリ置き換えて、
いつものようにダイビングシミュレーションデータを作ってみました。





まず、1本目ですが、潜水中の最大窒素圧はこのパターンで
窒素の吸排出スピードの速いハーフタイム10分組織が91%ですから、
そろそろ注意が必要という程度のレベルです。

潜水時間は65分ですが、平均水深が12mと浅目で、初回の潜水なので問題はありません。



潜水終了時点での体内窒素圧は、ハーフタイム45分組織がM値に対して72%です。
1本目で罹患した可能性は浮上速度違反をしなければ、ほぼないと思います。



そして、2本目になりますが、
ある意味、この方が減圧症に罹患された原因が、1本目と2本目の間、
つまり、水面休息時間にあったと私は思っています。





上のグラフは2本目に入る前の体内窒素圧の状態ですが、
左から4番目のハーフタイム30分の組織がまだ24%も残っています。

そして、5番目の45分組織は38%、6番目の60分組織は41%と、
1本目にそこそこの水深に長くいた影響が出ています。


水面休息時間は90分以上取れば、大体のダイビングでハーフタイム30分の組織は
ゼロ(一桁)に近付きます。

1本目の長い潜水時間を考えると、この場合は90分以上の水面休息時間を取るか、
潜水時間を短めに切り上げるべきだったと言えます。

つまり、1本目が比較的長い潜水で、
コンパートメントによっては窒素が溜め込み気味だったのに、
水面休息時間が55分と短かったために、体内窒素が充分減圧されないまま
2本目に入ることになってしまったのです。

その結果ダイビング中にM値に余裕がなくなってしまいました。




そして、これが2本目のシミュレーションデータです。
例によって、比較的安全な潜水パターンに置き換えています。

潜水中の体内窒素圧は、窒素の吸排出スピードがやや遅いハーフタイム45分組織の
でM値に対して97%まで行きます。

まさに減圧潜水ギリギリのダイビングとなってしまいました。

※潜水軌跡を少し変えてリバース潜水方向にするとTUSAのダイブコンピュータでは
減圧潜水に切り替わる可能性があるダイビングです。




潜水終了時点の体内窒素圧もハーフタイム45分組織は
85%と結構高めで浮上をしています。

私は、この潜水で減圧不足が起きて、減圧症に罹患された可能性が
高いと思っています。


先に書きましたが、潜水時間が65分、66分と長いものを連続するには
あまりにも水面休息時間が短過ぎたと言えます。

また、ハーフタイムが45分と窒素の吸排出がやや遅い組織を
M値ギリギリまで持って行くダイビングをしたことが、
減圧症の罹患につながってしまったと思います。

そのような状態になると何故危険なのかは、
「この記事」(←クリック)をお読みください。


一見すると、3本目が平均水深が1m深くて、
潜水時間も長いのでもっとも危ないように思えますが、
水面休息時間を1時間50分とったために潜水開始時点では
2本目開始時点より窒素の吸排出の速い組織を中心に余裕がありました。






上が2本目開始時点、そして、下が3本目開始時点です。

ご覧のように、潜水中に無減圧潜水時間を主に決定する左から6番目の60分組織までは
2本目開始時点のほうが体内窒素圧が高い状態です。


※窒素の吸排出の遅い組織では、
窒素の排出のスピードの関係から、当然3本目開始時点の方が高い窒素圧です。





最後の3本目のシミュレーションデータです。

この潜水パターンでも、窒素の吸排出のやや遅いハーフタイム45分組織の
体内窒素圧がM値に対して94%まで行きます。

水面休息時間が長かったことによって、2本目よりは潜水中はやや安全ですが、
この潜水で減圧症に罹患された可能性も充分に考えられます。


いずれにせよ、1日3本潜るにしては潜水時間が全て60分以上で、
平均水深が12~13mというのは、体内窒素圧的には危険な状態になります。

今回のケースは、ガイドさんの減圧症に対する知識不足、
減圧理論に対する理解不足が背景に大きくあると思っています。





これが3本目終了時点ですが、45分組織の体内窒素圧がM値に対して90%、
そして、最も吸排出スピードの遅い右端の480分組織で60%もあります。

すなわち、これは24時間経過しても
遅い組織には体内窒素が残っていることを意味します。

よって、翌日に飛行機搭乗すれば、
それによって減圧症を発症する可能性があるダイビングだとも言えます。

また、こういう状態で浮上速度違反をすれば、非常に危険です。



一日に3本以上潜る際は、潜水時間と平均水深に充分に注意を払い、
無理な潜水計画を立てないこと、そして水面休息時間の取り方も大切なことを
全てのダイバーが理解する必要があります。






現在では60名以上の減圧症罹患者の分析をしていますが、
52名分析した時点で得られた減圧症罹患者のダイブプロファイル傾向は以上の通りです。

今回のダイビングは、平均水深は12~13mですが、
潜水時間が3本とも65分~68分と長いので、体内窒素圧レベルではほぼ①に等しいダイビングです。

また、潜水時間が全て長い分、吸排出の遅い組織に過剰が溜まって危険です。



以前から何度も繰り返しお伝えしていますが、
私が特に減圧症の発症に関して注意すべき要因だと考えるものは以下の通りです。




治療を担当した専門医はこの罹患者の方の潜水に関しては、
「危険」だとはおっしゃらなかったそうですが、
弊社の分析では「減圧症になるべくしてなったダイビング」と言わざるを得ません。
※誰もがこのダイビングで減圧症になるという意味ではありません。


以前記事に書いた“富士登山の7合目以上にあたるダイビング”だという意味です。






TUSAの新しいダイブコンピュータIQ1202は、
画期的なソーラー充電方式に加えて、世界初のM値警告を備えています。

やや厳しい目のアルゴリズム設定と、
体内窒素量が設定M値を超えたら警告を出すというTUSA独自の機能は、
このような安全ダイビングに対するリサーチから生まれました。

つまり、できるだけ体内窒素量を危ない領域に近付けないで、
無理なく安全マージンを取るような警告機能なのです。


私が減圧症罹患者のダイブプロファイルを分析していて、
思うのは前述のようにあるラインを超えた体内窒素の蓄積過多の現象が、
70%近い方にみられることです。


リスクを冒したい時は冒すということは、一つの考え方です。

スキーでコブ斜面を下りる時は、フラットな斜面よりリスクが高まるのと同じことです。

時にリスクを冒すことはダイビングの楽しみの一つだと思います。
ですから、必要以上に減圧症を恐れる必要はないと私は思います。


しかし、冒す必要がない時に、
不用意にリスクを冒してしまうということは、絶対に避けるべきです。

つまり、ダラダラと体内窒素過多の状況を作り上げることは
是非止めていただきたいと思うのです。


減圧症に罹患しても、早期のチャンバー治療で大部分の方が治ります。

また、減圧症に罹患する確率は非常に低いとも言えます。

しかし、中にはひどい後遺症を持ってしまわれる方がいることは忘れてはいけません。


大切なことはダイブコンピュータや減圧症に対して
正しい知識を持つことです。

常に減圧症の発症を意識して潜ることが大切です。

つまり、急浮上の防止と、ダイビングの7合目を頭に入れて、
冒険を冒す必要がない時には、控え目なダイビングを是非していただきたいと強く思います。



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以前から記事を書き続けてきたこのアメブロの
TUSA広報ページですが、
フェイスブックと連動させるようになってから非常に多くの方に
読んでいただけるようになりました。

先日は減圧症予防という硬いテーマにも関わらず、
色々な部分で過去最高を記録いたしました。





アメブロのPVは以前3,000台を記録した事がありましたが、
ランキングは過去最高になりました。

でも、こんな硬い記事に2,000PV以上いただき、驚きました。





アメブロ上のフェイスブックへの「いいね」も過去最高。

フェイスブックの投稿から、ちゃんとアメブロの記事を開いて見ていただいている事実が、
とても嬉しくて有り難いことです。





フェイスブックページのリーチ数も過去最高の5,500人超えという事で、
非常に多くの(主にダイバー)の方に読んでいただけました。


これを励みに、単なるTUSA製品の製品だけでなく、
ダイバーの皆様に有益な情報や安全潜水の啓蒙的情報を
流し続けて行きたいと思います。


一見、硬くて面白くない真面目な記事にご支持いただき、
本当にありがとうございます。

心より感謝申し上げます。





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こんにちは。

さて、私は一昨日は池袋のサンシャイン文化会館で開催されている
プレミアム・インセンティブショーを、
そして、昨日はお台場の東京ビッグサイトで開催されている
危機管理産業展2014を見てきました。





危機管理産業展は年に1回開催される展示会で、
災害対策関連商品や災害救助関連商品、あるいはそれに関連するシステムなど、
様々なメーカーが出展しているとともに、自衛隊や海上保安庁、消防庁などの
広報ブースもある多岐な内容に渡るものです。











株式会社タバタは取引先のFSジャパンさんのブースの中に、
新しく開発したレスキューゴーグルを展示しています。









このレスキューゴーグルですが、色々と画期的な機能があります。

まずへ、ベルトが生地ではなく、ダイビングマスクと同じシリコーン製であること。
そのため耐久性が高く、フィット感が抜群です。

バックルは前モデルとは異なり、縦軸回転に横軸回転が加わったフリーダムバックルを新採用。

ヘルメットの違いや顔のサイズの違いがあってもしっかりとフィット。
しかも、フレーム自体も折れ曲がる可変式フレキシブルフレームを採用しているため、
従来品に比べてとてもフィット感に優れたゴーグルとなっています。





そして、特筆すべきはそのくもり止め防止機能です。

レンズはダブルレンズで、もちろん内側には吸湿タイプのくもり止め加工を施していますが、
今回の新型レスキューゴーグルの目玉は「ベンチュリー効果」を生かした
くもり止めシステムにあります。





通常のくもり止めシステムはダクトからマスク内に外気を送り込むものですが、
このくもり止めシステムはマスク内部の空気を吸い上げて換気を行うという画期的なものです。

ベンチュリー効果と聞いてもなかなかご存知ない方がいらっしゃるかもしれませんが、
例えばレーシングカーのエアロパーツや古くはF1のグランドエフェクトカーなどに採用されている
物理的な効果なのです。

思い浮かべやすいのが、先端がT字型になった煙突。

煙突の横穴を風が通り抜けることによって、ベンチュリー効果が生まれ、
メインの縦穴(パイプ)から煙が吸い上げられる仕組みと言えば、
「なるほど」と思われる方がいらっしゃるのではないかと思います。

この効果は絶大で、歩くスピードでもマスク内の換気が行われ、
目の周囲に風を感じることができます。









この新型のレスキューゴーグルはFSジャパンの社長によって、
「KABUTO」と名付けられました。

弊社のレギュレーターの開発者が設計したこのゴーグル、
昨日は消防署員の方を中心に大きな関心を集めていました。











説明するスタッフは引っ切りなしに訪れるお客様の対応に
休む暇もありませんでした。





危機管理産業展期間中は、旧型、新型ともに特別プライスで販売されていて、
多くのレスキュー関係のスタッフの方にお買い求めいただきました。





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