われ敗れたり

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 久しぶりにブログを書いてみる気になった。最近出会った、面白い本の紹介をしたくなったのだ。


 ここ数年、何か面白い本があったかと問われて答えていたのは、羽生という本だった。詳しくはこちら を参照してほしいのだが、小説家保坂和志が羽生善治という棋士を題材にしたもので、ものを考えるとはどういうことなのか、何かを極めるという行為は人をどこまで高めていくことができるのか、を考えさせられる本だった。


 そしてまたも将棋の本である。最後にやったのは小学生のときだと思うし、特に将棋に興味があるわけでもないのに、最近のお薦め2冊がともに将棋の本とは不思議なものだ。


 著者は日本将棋連盟の会長の米長邦雄さん。九年前に引退したが、昨年、公式の場で「ボンクラーズ」という将棋ソフトと対戦した。その対戦は「電王戦」となづけられ、ニコニコ動画で生放送されたらしい。結果はタイトルの通り。敗れた後の著者の会見も含めると100万人以上の人が見たらしい。ニコ動の視聴者と将棋ファンはあまり重ならないだろうから、僕同様に将棋に興味のない人がたくさんみたのだろう。面白さセンサーが発達した人がネットの世界には多いのだろう。


 ボンクラーズは1秒間に1800万手を読み、過去のあらゆる名人たちの実戦データを使って最善手を見極めながら将棋をうつ。もちろん米長のデータも持っている。そんなコンピュータにどうやって勝とうというのか。米長は家のパソコンに簡易版のボンクラーズをいれて、指してみる。すると負ける。最初はずっと連敗。だんだんなれてきて、少し勝てるようになる。ただ本番で対戦するボンクラーズはもっと強いのだ。


 どうやら普通にやったら相手の方が強いらしい。自分の弱さを確認し、今以上に強くなろうとは米長は考えない。米長は潔く作戦を練る。コンピュータの弱点はどこか。どうすれば自分が今持っている力を最大限発揮できるのか。


 本書は対戦までの間に米長が考え実行したことの赤裸々な告白である。多分現役の棋士はこんな文章はかかないだろう。それだけに面白い。何かに真剣に向き合うということのいい見本である。




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ジーキル博士とハイド氏

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ジーキル博士とハイド氏 改版

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 あまりにも読んでいない有名な本が多いので、少しづつ読んでいる。スティーヴンスンは、宝島くらいだろうか。よみやすし。面白し。

 スティーブンスンについて知りたい人はこちらをどうぞ。

http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0155.html

チャタレイ夫人の恋人

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 チャタレイ夫人の恋人。つまらないだろうとか、性描写を楽しむための本だとか、勝手なイメージを持ち、これまでずっと手に取らなかった本だ。松岡正剛の本を読んでいたときに、D.H.ロレンスが取り上げられていたからだろうか、なんとなく読んでみる気になって購入し、クライアントからクライアントへ移動しながら電車の中で2週間で読んだ。


 短い時間での読書を積み重ねて、比較的短期間で読めたのは、面白かったからだ。本書発売当時、「露骨な性描写」が話題になって、出版元と訳者がのわいせつ物頒布罪 に問われて、罰金をくらった。わいせつと表現の自由や芸術を扱った事件として有名な事件なのだそうだ。そんな事件はしらなくても、その事件をきっかけにした本書に対する日本社会のイメージがきっといろいろなメディアを通して僕の知識を形成していたに違いない。恐ろしいことだ。


 小説がすきなひとには敬遠せずに読んでほしい一冊。



チャタレイ夫人の恋人 (新潮文庫)/D.H. ロレンス

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